詰め将棋を解く技術

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56名無し名人
>>1

>4 が言うように、3〜7手詰のやさしい問題をたくさん、
しかも1題1題 「時間をかけて解けるまで考えること」 が大事です。
もしどうしても解けなかった場合は、
なぜ解けなかったのか(なぜその手が見えなかったのか)を
自分なりに分析します。
500〜600題ぐらい解いたあたりから、簡単なものはひと目で
詰むようになります。

某プロ棋士が「詰将棋というのは駒を捨てていけば詰むように
できてるんです」と言っていますが、捨て駒の主な目的は次の
4点です。

1.退路封鎖
捨て駒によって、玉の退路を封鎖または退路から遠ざけます。

2.玉の移動
捨て駒によって、敵玉を見方の勢力圏に近づけます。

3.守備駒の無力化
捨て駒によって、守備駒の効きを遮断またはそらします。

4.邪魔駒の消去
味方の駒が邪魔になって、駒を打てないとき、邪魔な駒を
捨てることによって、攻め駒の打ち場所を作ります。
57名無し名人:04/12/26 13:53:46 ID:QU01+jmt

以下に、よく出てくる詰手筋をいくつか紹介します。

● 短手数の詰将棋では、相手の駒を取る手は失敗する場合が多い
● 桂馬は初手か最終手の場合が多い
● 香車の頭に捨て駒をする手筋もよく出てきます
● 見方の歩の頭に大駒を成って詰ます形も頻出
● 1段目にある味方の角(または銀)の隣に角(または銀)を
捨てる手筋
● 持ち駒に歩がある場合は打ち歩詰回避問題が多いです
(不成の手筋)
● 実践によく出てくる手筋としては、ばらして(清算して)
桂打ち(あるいは飛車、角)や、敵玉を端から自陣の歩が並んで
いるところまでおびき寄せる手筋なども頻繁に出てきます
(この場合は結構長手数になる場合が多い)


あとは、3手詰の問題をたくさん解いて、「あき王手」で詰む形、
とくに飛車(竜)と角(馬)で詰む形をたくさん覚えてください。

58名無し名人:04/12/26 15:34:54 ID:QU01+jmt

詰め将棋でもやる?第三集
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/bgame/1051318088/

の778の問題を例に解説します。


┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│__│__│__│__│▽金│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│▲飛│▲金│__│▽玉│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│▽歩│▽歩│▽歩│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
└──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘
持駒:角金2

59名無し名人:04/12/26 15:38:39 ID:QU01+jmt
【解説】
攻め方の5二金が飛車の効きを遮断している邪魔駒なので、最終的には捨てることになるのですが、
いきなり▲4一金と捨てても、4二に合駒されて詰みません。
考え方は2通りです。

1.帰納法
"もし玉が3一にいたら"、▲4一金と捨てて、△同玉には▲3二金、
△同金には▲2二金、また△2一玉と逃げても▲2二金までの詰みです。

2.とりあえず捨ててみる(演繹法)
▲3一金、▲2一角、▲2二金などが考えられます。
[▲3一金に△同玉]なら1.の手順で詰みですが、△2二玉とかわされて、1三へ逃げるのを防ぐことができません。
[▲2一角に△2二玉]なら、▲1二金 △3一玉 ▲3二金までの詰みですが、△2一同玉で、この後どのように攻めても
2二(または2一)〜 1三へと脱出されてしまいます。

この問題のテーマは玉を 「1三へ逃がさない」 ことなので、まずそれが見えているかどうかということが重要です。
つまり、この問題のポイントは、1三へ「逃がさない捨て駒」(▲3一角)を打つことにあり、
そのための「玉を移動させる捨て駒」▲2二金が、一見玉を退路に近づけるように見えて実は好手なのです。
玉を逃がさないようにするための攻め駒を「打ちやすい場所」に玉を移動させたわけです。
このとき重要なのが、

この▲3一角を△同玉以外なら▲2二金の一手詰であることが "見えている" かどうか

ということです。
「見える」というのは、「形を見ただけで詰みだとわかる」ということです。
要するに、この問題を解くためには、▲3一角 〜 ▲2二金の「3手の詰み」、
さらには、▲4一金 〜 ▲2二金(▲3二金)までの「3手の詰み」が「見えている」ことが重要なのです。

5手詰が解けないのは、そういった正解手順の変化の中にある「3手の詰み」が見えていないから解けないわけです。
3手詰で詰みの形をたくさん覚え、5〜7手詰では変化の中にある「3手詰」を発見することが詰将棋を解くコツなのです。

60名無し名人:04/12/26 15:53:58 ID:QU01+jmt

したがって、「詰将棋を解く技術」 とは、

こういう形になれば詰む

という、その形をどれだけ多く "知っている" か、ということになります。
短手数の問題をたくさん解くことが、詰将棋上達の近道なのです。

私のおすすめは、解けなかった問題、つまり自分が発見できなかった手筋を
しっかり覚え、なぜその手が発見できなかったのかを分析することです。
つまり、なぜその手が見えないのかを知ることが重要なのです。