将棋川柳倶楽部24

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424今木楽 ◆6XdTbx4o0E
みな私の字余りをリズムがないとか推敲したほうが良いとか
言うが、自分なりに推敲はしている。

たとえば パニック マウスの玉が落ちた コロコロコロ
と言う句は、同じ内容を

大慌て マウス玉落ち 転がった     とすることも可能だが、
575に収まっていると言うだけではないだろうか。
パニック という語感。この句は、当事者が切実に慌てていなければ
面白くないが、大慌て とすると、これは主観というより客観なのだ。
あの時は大慌てしたよ と時を置いて人に言うのならともかく、その刹那の緊迫を
出すには どうしても パニック を使いたかった。

そして 転がった も甘い。なぜか。
朝日放送のかつての名アナウンサー植草貞夫氏は、
普通の実況で 打球が左中間を破って転がっていきます!
と言う内容を、 植草:打球はワンバウーンド ツーバウーンド スリーバウンド 
今フェンスに達した。  と実況した。光景が具体的に想起されるではないか。
元木大介が甲子園決勝でさよなら負けしたときも、牽制が外野を転がっていくのを
ボールは無情に コロコロコロコロ !コロコロと 必死に追いかけても逃げていくにげていく と 実況したものだ。

当事者の緊迫と、ボールが転がる情景のどこかユーモラスな感のある対比。
そのためにも結句はコロコロコロしか選べなかった。
コロコロは視覚的同時にユーモラスな(コロコロコミックもあったな)素晴らしい言葉ではないか。

一応ここまで考えて作っている事だけは判って欲しいものだ。