棋士の物語I 名人は一日にして成らず
将棋の歴史上、初めて統一された日本将棋連盟――
その八十年の興亡には21世紀を生きる我々の根源的営みの座標軸が全て刻み込まれている。
升田戦記 棋士の物語II
タイトル戦は、棋士のあらゆる所行を際立たせる――
興隆の途にあった連盟が初めて直面した危機「陣屋事件」のプロセス、
敗者と勝者の命運を余すところなく活写!
大山の混迷 棋士の物語III
木村を倒し、升田を滅亡させ、将棋界の覇者となった大山康晴。
しかし連盟に内乱の世紀が始まる。敵は自らの内にあり――
中原誠 突撃以前 棋士の物語IV
前人未踏の偉業と破天荒な不倫スキャンダル故に、
突撃後五年にわたって様々の人が様々の視点から、この英雄に取り組んだ。
それら全てをふまえて描く、なぜ中原か。
中原誠 突撃以後 棋士の物語V
今から突入しまーす! 林葉に溺れた中原誠五十歳。
迫りくる会長就任を予知したかのように中原は自宅で記者会見を為しとげた。
その全貌を劇的に描く。
チャイルド・ブランド 棋士の物語VI
早く終盤になればいい――
中原の後継者、谷川浩司は終盤力によって将棋を静かに研究型へ移行させ
「新世代の棋士(チャイルド・ブランド)」を呼び起こす。
変態の後を継いだ変態ではない人物が、いかにして変態が到達できなかった目標に達したのか。
見たくない現実を直視した人格者、谷川浩司の物語。