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名無し名人:
ここに貼っておこう。
開始日時:2003/06/07(土) 09:00
終了日時:2003/06/07(土) 19:09
持ち時間:各4時間
棋戦:棋聖戦74期第1局
戦型:横歩取り8五飛
場所:山形県あつみ温泉「たちばなや」
先手:佐藤康光棋聖
後手:丸山忠久棋王
*コメントは囲碁将棋ジャーナルでの羽生善治竜王名人の解説を参考にしました。
▲2六歩
*羽生「最近佐藤さんは▲2六歩が多い。」
△3四歩
*羽生「丸山さんは決まっている。」
▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲3四飛 △3三角 ▲3六飛 △4一玉 ▲8七歩 △8五飛
▲2六飛 △2二銀 ▲5八玉 △6二銀
*羽生「どこで△7四歩〜△7三桂の2手を指せるかが序盤の勝負のかけひきになっている」
▲3六歩 △5一金 ▲3八銀 △7四歩 ▲3五歩
*羽生「ということで、2手セットで指される前、つまり△7四歩の瞬間に仕掛けるようになってきた。」
△同 飛
*最近は取るのが主流。
▲3三角成 △同 桂 ▲4六角 △2五歩 ▲1六飛 △3四飛
▲3五歩 △4四飛
*初期は△5四飛と玉頭に狙いをつけるのが多かったが、香を取られ▲5六香と逆に狙われることから、4四に回るのが多くなった。
*なお、△2四飛は香を取らずに▲3六飛(次に▲3四歩)でつぶれ。
▲9一角成 △7三桂
*▲3五歩を取るとここまで定跡と言ってよい。香得で馬を作っても馬の活用に時間がかかるためいまだ優劣不明。
▲7七桂
*新構想。直接的には5五角のラインを消すとともに7三の桂の跳ね出しを予防。ただし左辺が壁形になりやすく、飛車がいなくなったときに桂頭を狙われるので指しにくい手。
*よくあるのは▲7五歩と▲3六飛。
△2四飛 ▲6八銀 △4五桂
*羽生「この将棋では桂は跳ねてもなかなか死なない。とくに5八玉型では桂を殺すために歩を突くと玉の小びんが開く。仮に▲4六歩とかすると△2六歩と突かれてたぶん先手陣はつぶれる。」
▲4六飛 △2六歩
*羽生「桂を守るという発想はない。仮に△4四歩などと突いても▲7五歩で反対側の桂を攻められるだけ。」
▲2八香
*羽生「▲7七桂以来の構想。攻められているところから逆に攻める。」
△6四角
*羽生「このあたりの一手一手は非常に見応えがある。」
▲2六香 △2五歩 ▲4五飛 △2六歩 ▲3六桂 △5四飛
▲8五桂 △6五桂
*羽生「さすがという感じの手。」
*△同桂は角交換の後飛車に取られる。
▲6四馬 △同 歩 ▲8一角
*羽生「この将棋では、なにをやっていいのかよくわからない局面ではとりあえず飛車を攻める。飛車を逃げれば▲7三桂成△同銀▲6三角成。」
△3三角
*これまたわかりにくいが丸山らしい手。香取りであり2四の桂打ちを防いでおり5一を守っている。後でも出てくるが3三の角が攻防の位置。
▲5四角成 △同 歩 ▲8三飛 △9九角成 ▲7三桂成 △5三銀
▲8一飛成 △6一香
*羽生「先手調子よく攻めているようだが、一段金の守りが堅く一気に攻め切るわけにはいかない。」
*ぐずぐずしていると△7七香などで危なくなる。
▲6五飛
*攻めがむずかしいとはいえ思い切った手。
*羽生「歩で取れそうな桂を飛車で取っちゃうんですからねえ。」
△同 歩 ▲6三桂 △3三馬 ▲3四歩 △4二馬 ▲5一桂成
△同 馬
*羽生「まだまだだが、桂を外し馬を守備につかせたことで先手陣は一息ついた。」
▲7二成桂 △9四角 ▲3七桂
*羽生「いかにもいい手。ずっと指したかったと思うがなかなか指すいとまがなかった。待望の一手だろう。」
△2七歩成
*手筋の成り捨て。飛車打ちも作る。
▲同 銀 △4四歩
*桂が4五に跳んで来てはもたない。
▲2五桂 △5五桂 ▲6一成桂 △同 角 ▲2四桂 △4二金
▲3三歩成 △9九飛 ▲7九銀
*△4七桂成▲同玉△4九飛成を食ってはいけない。
△6六歩 ▲4三香
*羽生「△6六歩に手抜きというのもすごいが、佐藤さんらしい斬り合いの一手。6一の角が2五に(場合によっては王手で)飛び出してくるのを防ぐ意味もある。」
△同 金 ▲6三金 △6七歩成 ▲4八玉 △3一香 ▲3二歩
△4七桂成 ▲同 玉 △3五桂 ▲3六玉 △3三銀 ▲同桂成
△同 金 ▲5三金 △2四金
*先手玉もかなり危なくなってきたが・・・。
▲3一歩成 △同 玉 ▲6一龍
*羽生「決め手。△同馬は▲4二角から詰みに近い。」
△2五金
*はっとする手。王手で龍を抜く。
▲同 玉 △6一馬 ▲4三桂
*逆王手。逃げれば詰みだし、△同馬は▲同金でよい。
*なお、同じようでも▲3四香は△3三桂の逆々王手がある。
まで115手で先手の勝ち