棋聖堂碁サーバー(KGS)スレッド -Version 3-
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今、あなたが5級の人と互先で10局打ったとします。
その結果が打ち分け(=5勝5敗)だったら、あなたも5級です。これは明らかです。
では、7勝3敗だったらどうでしょうか?
あなたは5級より強いはず。では、果たして何級なのでしょうか?
一つの方法として、置碁があります。
置石の数を増減しながら打って、丁度打ち分けになった時の置石の数から
あなたが5級の人より何級強いのかを知ることが出来ます。
しかし、これは大変時間の掛かる方法です。
そこで、互先の勝率からあなたの級をエイヤと決めることにしましょう。
例えば、勝率6割なら1級上、7割なら2級上、...とします。
この方式、つまりルールに従うと、あなたは3級と判定されます。
簡単ですね。これがKGSの段級位判定法の本質です。
ではあなたの勝率が6割5分だったら、どうでしょうか?
少なくともあなたは4級よりは強く、3級よりは弱いと言えます。
なんだか、面倒臭くなってきました。
すると、あなたは勝率から級を判定する早見表があれば便利だな〜
と思うはずです。それが、例の英語のページにある小難しい式です。
(チョット高度−−−数学の世界では、この様にあるルールを式で表したものを「モデル」と呼びます。)
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上記の例で、あなたは5級の人と互先で7勝3敗だったので、3級と判定されました。
その後1級の人と互先で対戦したところ、4勝6敗の勝率4割となりました。
従って、1級の人を基準にすると、あなたは2級と判定されます。
困ったことに最初の判定と一致しません。ではどうしたらよいでしょうか?
常識的に考えれば、「真ん中を取って」2.5級としますね。
この「真ん中を取る」という操作を、もう少し数学的に行ったものが「さいゆうほう」です。
簡単ですね!
(チョット高度−−−この様に、モデルと現実との間には必ず矛盾が生じます。
その矛盾に直面したとき、あなたは最も適切と思われる判断をしなければなりません。
この判断手法の一つが「さいゆうほう」です。)
472 名前: モデルと最尤法(おまけ) 投稿日: 02/08/15 11:36 ID:PthPDFEK
あなたは判事であり、ある殺人事件の判決を下そうとしています。
その際、あなたが参照するのは、事件に関連する憲法、法律、(前例)です。
このルールを、数学の世界ではモデルと呼びます。
事件を有罪とすると、あなたの最終目的は刑期を決めることです。
これはKGSのランクを決めることに相当します。
当然、事件とピタリ一致する刑法、(前例)など存在しません。
従って、あなたは先ず一番近そうな刑法、(前例)から、仮に懲役10年と決めます。
その後、事件の状況から情状酌量の余地、殺意の程度を勘案し、
最終的に懲役9年という判決を下したとしましょう。
この適用過程が、数学の世界における「さいゆうほう」に相当します。
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