再興 囲碁、棋譜保存スレ

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437棋譜貼り初心者
(;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[坂田栄男]BR[九段]PW[島村俊広]WR[九段]
TM[21600]GN[島村俊広プロの絶局]DT[1982-03-11]
PC[日本棋院]EV[第7期名人戦]RO[挑戦者決定リーグ戦]RE[白棄権、黒勝ち]SO[朝日新聞縮刷版1982年4月分]US[「日高少年」(と観戦記にある)]KM[5.5]

;B[pd];W[dp];B[qp];W[dc];B[fq];W[cn];B[kq];W[de];B[pj];W[jd]
;B[op];W[nd];B[pf];W[dh];B[ld];W[pc];B[qc];W[qb];B[oc];W[pb]
;B[qd];W[nc];B[lb];W[mb];B[ob];W[od];B[rb];W[oa];B[qa];W[nb]
;B[jc];W[ic];B[id];W[kc];B[jb];W[ib];B[kb];W[je];B[hd];W[gc]
;B[kd];W[jg];B[lf];W[of];B[og];W[nf];B[ng];W[mg];B[mf];W[pg]
;B[oh];W[qf];B[pe];W[ph];B[oi];W[re];B[qg];W[qh];B[rg];W[rh]
;B[rf];W[sg];B[qe];W[sf];B[qf];W[sd];B[sc];W[oe];B[rc];W[rj]
438続き:02/05/21 16:20 ID:Ludmn3MI
;B[rd];W[kf];B[lg];W[me];B[le];W[ql];B[if];W[ig];B[hf];W[gh]
;B[rm];W[rl];B[hc];W[hb];B[jf];W[dr];B[cc];W[cd];B[fb];W[gb]
;B[db];W[ec];B[dj];W[cl];B[ff];W[bc];B[eh];W[ei];B[fi];W[fj]
;B[ej];W[di];B[gj];W[fk];B[gk];W[fh];B[gi];W[eg];B[qj];W[qk]
;B[sk];W[ol];B[ri];W[si];B[qi];W[sj];B[qm];W[pm];B[pk];W[pl]
;B[on];W[ml];B[mn];W[mj];B[nk];W[nl];B[li];W[lj];B[ki];W[lm]
;B[kl];W[km];B[jl];W[ok];B[nj];W[ko];B[mp];W[jp];B[el];W[fl]
;B[jn]C[141手完 白棄権、黒勝ち])
439棋譜貼り初心者:02/05/21 16:43 ID:Ludmn3MI
 朝日観戦記(田村竜騎兵担当)より
82/4/15分

…(前略)
 島村の異常に筆者が気がついたのは、白38が打たれたときである。
 「島村先生、残り七分です」
いつものようにハイと律義に返事をするかわり、大きく一つあくびをした。酸素の欠乏を
補うふつうのあくびではなく、急に睡魔に取り付かれた、そんな感じだった。閉じかけた
目のふちが、ほんのりと赤い。
 坂田、一分で黒39のカケ。うつろな目で見つめた島村は、大きなあくびを二つ続けた。
手でこめかみをおさえ、首を細かく左右に振り、必死に目を見開こうとする。
 「残り五分になりました。秒読みを始めます」
 右わきのカバンから小ビンを取り出し、お茶で錠剤を飲む。二分が経過し、全身の力
を振りしぼるようにして白40と出た。打って座イスの背にもたれ、目を閉じる。
 このあたりでは、坂田も島村の変調に気づいたようである。心配そうに、上目づかい
に島村の顔をのぞきこんだけれど、まもなく自身も秒読みが開始され、神経を盤上に
集中せざるを得ない。
 やがて、もたれていた背を起こそうとして、島村の上半身がぐらっと揺れた。
異常は明らかであった。
 「先生、大丈夫ですか」
そう筆者が声をかけるより一瞬早く、島村はドサッと左側に倒れた。
440書き写してて涙が出てきた:02/05/21 17:00 ID:Ludmn3MI
82/4/16分
 秒をよまれたて白140を打った島村は、おなじく秒読みの坂田が次の手を考慮中、
上体の平衡を失い、あぐらの姿勢のまま、左側の真横にバタッと倒れた。押されて
脇息(きょうそく)も倒れ、島村の頭はそれをマクラにする格好となった。
 「先生、どうされました。大丈夫ですか」
 かけよって大声で聞くと、島村はあえぎながらも、上体を起こしてくれ、背中
を押してくれ、という。なかば薄れかけた意識の中で対局を続けようというのである。
 しかし、どう見ても無理な話であった。記録係が走り、別室から立会の中川新之七段
を呼んでくる。
「弱ったな。私も秒読みなんだけど、どうしたもんだろう」
 そう坂田がいうのに、
 「記録係は秒を読みなさい。そして坂田さんは次の手を打ってください。そこで
島村さんの棄権とします」
この、中川亀三郎の家名を告ぐベテラン棋士は、テキパキと適切な指示を与え、この間に
明日から掲載される武宮・羽根戦を観戦中だった五番士記者が一一九番に電話する。
すぐに救急車が到着し、島村は元赤坂の赤坂病院に運び込まれた。
(後略)