そこで空港につき、チェックインした後すぐさま一階のカレー屋に向かう。ずいぶん洒落たカフェのようなカレー屋だ。
店名はリトルスプーン。そして結構安い。Mサイズのカレーで380円だ。こりゃいいやと思って、テイクアウトのカレーをつくってもらう。
容器も袋もカワイイけど、旅行カートをガラガラやりつつこれをぶら下げて持って歩くには結構厳しい。
さらに、上の階にのぼって、土産物を買うとよりキビシクなったが、ここはぐっとがまんしてゲートをくぐる。
X線検査にカレーもお盆に載せて通す(笑)。そしていよいよ搭乗。
例によって、帰りの飛行機はまたも満員状態。私は通路側で、隣の真ん中の席にはサラリーマンが。
なんだかBOSEの防音ヘッドフォンをして、ニューズウイーク(英語版!)を読んでいるキザな野郎だった。
こっちは、カレーかかえて、札幌の古本屋で買った東急バスの本を読んでいるので、とても同じサラリーマンとは思えない(違うか)。
ひざの上にカレーをおいた私をみて、キザ野郎はいやそうな顔をした。
さて、飛行機は無事離陸してシートベルトのサインが消え、ようやく飲み物のサービスが開始された。
「ふん!」と鼻息を荒くして、テーブルを出して上にカレーをおく。
そしてやってきたスチュワーデスのお姉さんにスープとアイスコーヒー(なぜかこれがあったよ!)をもらい、準備万端だ。
いよいよカレーの容器のふたをあける。かなりぶらぶらさせたせいか、カレーが容器からこぼれかかっていて、ふたをあけるとややビニールのなかにこぼれた。
そしてスパイシーな香りがあたりにたちこめる。(うわっ!)というキザ野郎の思念が伝わってくるが、ここで負けていてはならない(何に?)。
スプーンをとって食べはじめる。やや冷えているが、とてもうまい。スープカレーではなくて、オーソドックスなルーの状態だが、
肉などの具の感触も残っているし、米の適度な堅さもとてもよい。ANA特製のスープもとてもおいしいなあ。
ときおり、飛行機が微妙に揺れるのも「空カレー」らしい味付けか。ただ、その揺れるたびにキザ野郎の(うわっ!)という思念が強く伝わってくる。
さすがのBOSEもカレーには無力だったのだ。ざまあみろ(だから何が?)。
http://www.maboroshi-ch.com/cha/kon_67.htm