ビートルズで801 実質9スレ目

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1ホワイトアルバムさん
「初代スレの100くらいで1に「つかこのスレまだあったんかwww」と言われてしまったかわいそうなスレッドが、とうとう9スレ目に突入しました。d(^^)b(No.9!)
ここは甲虫バンドのモララーのビデオ棚的にも、また、お好きなCPについて萌えを語り合うもよし、画像やイラスト投稿、馴れ合いもOKです。
リレー小説、その流れに関係なく自作スラッシュ投下、突然好きなカプやシチュを叫ぶもおk!皆で甲虫に萌え上がりましょう!
  画像投下はこちら↓
イメぴた ttp://imepita.jp/pc/
うpろだ http://www9.uploader.jp/home/betles801/

※また、このスレに投下された作品・画像(←画像、スラッシュ動画もおk?)を保管するまとめサイト(サイト名「ALL YOU NEED IS LOVE!」)に格納されます。保管する際のことを考え、作品投下時はコテハンを使うことを奨励します(もちろん、名無しのままでもOKです)。
まとめサイト
http://www36.atwiki.jp/beatles801/

Q=海外のスラッシュ作品の和訳の投下は、OKですか?
A=二次創作とはいえ著作権がありますので、残念ですがご遠慮ください。ただし、Slash紹介・感想文は専用のスレを避難所したらばに立てようと思います。

CPに関するQ&A
Q=ここはJP以外に、GPやJRやJG、PJもしくはBJなどはだめですか?
A=いえ、どのCPでもOKです。

Q=映像やSlashはここには投下してはだめですか?
A=テンプレをご覧下さい

Q=コテは絶対ですか?
A=名無しでもOKです
2ホワイトアルバムさん:2009/09/29(火) 23:23:12 ID:???0
過去スレ
ビートルズで801
http://www.23ch.info/test/read.cgi/beatles/1185241772/
ビートルズで801 2スレ目
http://www.23ch.info/test/read.cgi/beatles/1211722593/
ビートルズで801 3スレ目
http://www.23ch.info/test/read.cgi/beatles/1213960801/
ビートルズで801 4スレ目
http://www.23ch.info/test/read.cgi/beatles/1215592068/
ビートルズで801 5スレ目
http://bubble6.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1216194273/
ビートルズで801 6スレ目
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1217324250/
ビートルズで801 7スレ目
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1238247701/
※7スレ目は要領オーバーでdet落ち
ビートルズで801 実質8スレ目
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1241442080/
※8スレ目も要領オーバーでdet落ち(満員御礼いたします)
3861Hedge-hog:2009/09/29(火) 23:33:23 ID:???0
てなわけで、勝手に次スレを立ててしまいました。
かなりまったりムードで進んでますが、変わらずのんびり、虫で萌えましょうww。

前スレ510さま

レスをありがとうございますww。エコノミーズは最初から最後まで、ゆったりムードでいい感じでしたね。
ちょっとジョージが困ったチャンなこと、しでかしやがったけど(汗)。
ジョンの誕生日やらジョージとジョンの命日やら(おいおい)、今年はまだまだ気にかかることが
多いです。12月にレトイトビーはDVD化されるのでしょうか? はたまた奇跡が起こって
ゲームの日本版がでるでしょうか?(出たら出たで、いろんなところから怒りの声がでそうだが。
そんなことはないか)。そして来年は、ジョンが亡くなってもう30年にもなるんですねえ…。
やはり気が抜けません(笑)。
4ホワイトアルバムさん:2009/09/29(火) 23:34:23 ID:???O
はい、どうぞ。
↓↓
5ミハイル:2009/09/30(水) 22:21:54 ID:???0
新スレ乙です!
あと猿にも・・w>萌え
6ホワイトアルバムさん:2009/10/01(木) 09:58:59 ID:???O
6ゲト
スレ立てお疲れ様でした。(ここのスレともう1つも)
7ホワイトアルバムさん:2009/10/01(木) 10:08:54 ID:???O
861さま。
ゲーム機の故障、大変お気の毒でした。
9月はただでさえ出費の多い月だったというのに……gkbl

つうか自分としては、ゲーム日本語版、是非出してほしいです。
輸入モノは敷居が高い様な気がして…ヘタレですみません。

ジョンのお誕生日ss楽しみにしてます。
8861Hedge-hog:2009/10/01(木) 14:16:13 ID:???0
>>5
ミハちゃん、うpろだに新スレ祝いの画像乙! 四人がシャンペンと戯れるあの画像は可愛くて
大好きですww。猿萌え…。いいよな! 猿! でもきっと「猿で801」スレ立てても過疎るだけの予感……(涙)。
>>6
ねぎらい、ありがとうございます×2(笑)もうひとつの方は、ちょっと色々間違った記載をしてしまって
失礼なことをしてしまいました(冷汗)。反省。どちらのスレも、繁栄してくれたら幸いかと存じます、ハイ(にっかり)。
と、思うのは欲張りでしょうかww?ではどぞよろしくですーww
>>7
慰めの言葉、ありがとうございます(涙)。
ホントにねえ…。自分も悪いとはいえ、なんだか不条理な気分……。
しかし、その気分を吹き飛ばすためについリッケンコントローラまで買ってしまったのは秘密ですww。
身上つぶすぞ、しまいにゃ(泣)。
あのゲームはマジでファンにはたまらんと思うので、本当に日本版が出たらいいな、と思います。
ジョンSS、まだ何も考えて……ゲフンゲフン 
J「お前、違うところでばっかり俺達使ってんなよ!」
P「そこで猿ばっかり使うな! ムーグを回収させろ!!」
……レノマカに痛いところを突っ込まれたところで、ああもう10月ダー!!
誕生月おめでとー、ジョン!!!! と、一人ではっちゃけたところで、今日はこの辺で(笑)。
9ホワイトアルバムさん:2009/10/02(金) 23:19:11 ID:???O
No.9
10ホワイトアルバムさん:2009/10/03(土) 05:10:22 ID:???O
>>9
ちょっと裏山
11ホワイトアルバムさん:2009/10/04(日) 08:08:16 ID:???O
ビートルズのゲームか……
いっその事、恋愛シュミレーションだといいな。
12恋愛ゲームinビー 1:2009/10/05(月) 05:37:25 ID:???0
>>11

音ゲーの話題が出たくらいから、どんか感じかは考えてみてたんですよね。ビーの恋愛ゲー。ネタとして聞いてください。

まずゲーム会社の希望としては、「同●生」で有名なエル○か、「と○メ○」の×ナミあたり。なぜならかわいい絵や綺麗に見える塗り、
「萌えのストーリー展開」のノウハウをもってるからw。間違っても海外にはまかせるな、下手な3D化も却下。頼む(T_T)。
プレイヤーは四人のウチから主人公を選び、実質的な活動期間の8年間中、意中の人を落としてずーっといちゃこらするもよし、
メンバーや関係者を何人落とせるかで楽しむもよしのマルチな感じにして、相手の好感度によっては、過去の出来事などのミニゲームが
発生したりする。もちろんヨーコやリンダ、マハリシやアランクレインなんかも出てくるが意中の相手とのラブ度数が高ければ、
すぐ画面から消える(笑)。解散ナシ、ピート継続、ブライアン、スチュ存命なども用意(ただしスチュは二週目以降の隠しキャラ。
会話にスチュの話題が出て設問フラグが立ったらチャンスだ! ピートのパートはモニター調査を実施。「ピートにメモリを使う
くらいなら他に回せ」と言われたら、この展開は削除w。相手との両思いラブ度数MaxでHシーンへ。しかもゲーム二周目からは
S度M度数などの性癖相性パラメータも出てきてペアリングがより複雑に。話の進め方で、相手の性癖を自分寄りにも出来る。
相手への接し方や設問への答えに注意だ、がんばれ!
13恋愛ゲームinビー 2:2009/10/05(月) 05:41:17 ID:???0
対応ハードは、世界発信を考慮して主要ゲーム機以外にもX-Box360、アップル(笑)、WindowsPCと全包囲で。期間限定・完全予約販売
(中身が中身だし(汗)。販売は一人二つまで(大量買い付けによる転売阻止)。予約は一年間(販売終了後リクエストが5万件越えたら
二次予約受付(半年間)。ただし再販の時は一般販売扱いとし、初回特典ナシの廉価版)。反響が強ければ、シリーズ化
(「クオリーメン〜ハンブルグ、デビュー直前時代編」、「アフターB4編(J、G存命アリ)」など)。スピンオフとして、
「若きJPパリ旅行編」、本編でも触れるが「BJスペイン旅行編」を特化、「「偏食家のリンゴをなんでも食べれるようにする」
エコノミーズ同居編・ジョージのお料理頑張るゾ!(仮)(料理ゲー)」などを携帯ゲーム機向けに用意。販売形式は本編と同じ。

なんかここまで書いたら、マジで作れそう…てか、これただの恋愛シミュレーションゲームじゃん。いやいや、ビーがやるって
ことが大事。デフォルメきいたプチチャラと、可愛く綺麗な8頭身キャラを使い分けて、大事なトコロは本人達の画像、
動画を使用(…無理か)。声優はいらんから曲のシーンは本物つこてくれ。
14恋愛ゲームinビー last:2009/10/05(月) 05:45:30 ID:???0
後はゲーム会社さまが勇気を出してくれるだけ(笑)。本人達を使うのが無理なら、それっぽい人達がそれっぽい話を
進めるw「当て名形式(ゲームソフトで言えば「FE」における「TS」のような(爆)」でいいから!
その方がいいかも。値段も安くて済みそうだしw。ストーリー展開とか色々こだわりたいけど、せめて、せめて絵だけは
可愛くしないと、会社を焼き打ちします(笑)。こればかりは譲れません。スラッシャーとしては、ええ。

勝手な萌えトーク炸裂で失礼しました(低頭)。友人とのメールから生まれた妄想噺、ちなみに友人が提唱したのは
「ポップンミュージック」を参考にしたもの。私は未プレイだからよく分からないのですが、「ゲームが凄く上手く
進めば、外見も「help!」のスキー仕様(プリプリモード)に。だめだめになったら「レリビー」仕様(…えーと)
になる」と言われた時は、余りにツボを突かれて携帯持ったまんま撃沈しましたw。ナイス提案!
やりたいよそのゲーム。 GJ!!

ま、そんな感じで長々とネタふり、失礼しました。
15ミハイル:2009/10/05(月) 09:32:44 ID:???0
>>12
恋愛といえば鍵でもいいですねぇw
クラナドなどみたいにジョンを主人公に周囲に助けられ成長していく物語でw
1611:2009/10/05(月) 17:41:52 ID:???O
自分で振っておいて何ですが、>>12=14の明確かつ具体的さに笑いましたw
葉鍵かコ〇ミか…くらいにぼんやり考えていたんですけどね。
(コー〇ーはちょっと違う様な気が)
なるほど、S度M度数によって攻守が変えられるんですね。それ大事です!!!!!
これでG/Rの人もR/Gの人も安心、みたいなww
ヨーコやリンダはいなくなるとか解散無しとかのif設定…
…こんな事いいな出来たらいいなが揃ってるじゃありませんか!?
めちゃめちゃ欲しいぞ、このゲーム!!
17ホワイトアルバムさん:2009/10/05(月) 17:49:19 ID:???O
名無しのくせに連投失礼します。

ふと思ったのですが、このスレは「ビートルズ」て801にこだわる必要は無いのでは?
例えばオールディーズで801とかでも全然かまわないんじゃないかと。
だってビートルズだって猿や回石と付き合いがあった訳ですし、無関係ではないんですから。
これは私の個人的な思い付きですので、他の皆さまのご意見も求めますm(__)m
1814:2009/10/05(月) 23:17:30 ID:???0
>>17

 つPINK801板

ここに二つほど、オールディーズ関連のスレがあるよ。
「萌えるバンドステージ」と「懐洋楽で萌え」だったかな? 覗いてくるのもひとつの方法だと
思われww。

>このスレは「ビートルズ」て801にこだわる必要は無いのでは?
このスレは「ビートルズで」801にこだわる場所じゃないのかww?
19ホワイトアルバムさん:2009/10/06(火) 21:41:14 ID:???O
>>18
トンクス。
そっか。思い付きで語ってすまなんだ。
20ミハイル:2009/10/06(火) 21:46:15 ID:???0
>>19
懐かし洋楽スレは当て字ばっかで読みにくいので洋楽総合で801ってこれとは別スレを実験的に作って
そっちにモンキーズのssなどを投下すればいいかもしれませんね
21こんな感じで、立ててみようか?1:2009/10/07(水) 12:28:19 ID:SSdvZdKv0
ミハちゃん以外でOKが一人でも出たら、スレ立てしてきますよww

【昔あったね】オールディーズで801【こんなスレ】

ここは「ビートルズで801」から派生した、甲虫以外のバンドで萌えるスレです。PINK板に該当するスレも
ありますが、かなり当て字が激しく「読みずらい」とか「ちょっとあそこはなじめない」という方は、
試しに使ってみてくださいww。ここはモララーのビデオ棚的にも、また、お好きなCPについて萌えを
語り合うもよし、馴れ合いもOKです。 リレー小説、その流れに関係なく自作スラッシュ投下、突然
好きなカプやシチュを叫ぶもおkです! スレの流れは「ビートルズで801」スレ(過去スレ含む)を、
ご参照ください。

現行スレ【ビートルズで801 実質9スレ目】↓
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1254234131/150
過去スレ【ビートルズで801 実質8スレ目】↓
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1241442080/

22こんな感じで、立ててみようか?2:2009/10/07(水) 12:31:30 ID:SSdvZdKv0
Q=海外のスラッシュ作品の和訳の投下は、OKですか?
A=二次創作とはいえ著作権がありますので、残念ですがご遠慮ください。
Q=書き込むときは、バンド名等当て字、伏せ字にするのですか?
A=いいえ、そのまま書かれてOKです!

※スレの約束↓※

※どんなCPであっても、ソレに対する叩きや嵐は厳禁!
※Sage進行推奨
※できるだけ、ビー板にあるスレのバンド達であること(60年代〜(せいぜい)80年代くらいまで?)。
※もちょっと言えば、ビーに関連のあるバンドであること。
※ビーのメンバーでも、メンバー同士の萌えではない時は、こちらを使ってください(例:ジョージ/クラプトン 等)

ここいらへん、興味ある皆様の、ご意見お待ちします。……てかアゲちゃったよ! びっくりした!! すいません。  861
23ホワイトアルバムさん:2009/10/08(木) 12:48:59 ID:???O
これ以上腐女子スレをビートルズ板に増やす理由がわからん。過疎ってdat落ちは必至だと思われ。
24861:2009/10/08(木) 20:07:46 ID:???0
>>23

ま、それがなによりも心配なのですよね。必要性があるかどうか。
こっちが盛り上がってても、他の人がみたら「ふーん」てことの方が多いですしねえ…。
しかし、これだけ腐女子スレがあるといいつつも、はっきりと「腐女子スレですっ!」と言い切ってるものは
ないですよね。みんなうまくぼんやり隠してたり、いつの間にかそうなっちゃってたりしてるスレもあるしww。
PINK801板もいいのですけど、あそこローカルルールが厳しかったり、モララー板もいつの間にか投下時間が
刻まれちゃったりして、わりと自由がなくなっちゃった感があったんですよ。
それでまあ、いっちょ各グループやバンドで騒げる「801総合スレinビー板」を立ててみようかなと思ったんですが…。
うーん、どうしよ。
25ホワイトアルバムさん:2009/10/08(木) 20:16:19 ID:???0
オールキャラにょた化で萌え萌え話を

ジョアン・レノンとポーラ・マッカートニー・ジョージア・ハリソンとリンコ
あんなことやこんなことや、あまつさえあんなことまでしちゃうんだ。えへ。
26861:2009/10/08(木) 22:48:39 ID:???0
>>25

前にあったポール子スレを見てて…リンゴ女体化SSなら考えたことがあるんですが。
いつも幼馴染のポール子にからかわれてるジョージが、生理用品を買わされにでたのだが、
恥ずかしくて買えなくて、薬局の前をうろうろ。そこに、ちょっとファニーフェイスなお姉さん
リッチ・スターキー登場。ジョージの代わりに買い物をしてくれて、しかも「キャバーンでギター
弾いてるよね?」と意外な一言。
「私もあそこで、ドラム叩いてるの。ロリーストーム&ハリケーンズって知ってる?」
一緒のステージになったら声かけてね、と手を振り去ってゆくリッチを見送りつつ、ジョージは恋の
予感に胸を震わせるのでした、みたいな。
甘々過ぎですか? すいません。
ジョンSSは、明日投下します。懐かしの洋楽801総合スレは……うーん。
なんか考えることがいっぱいでもう今日はここまで。根性なくてすいません(泣)。
明日は、うpろだにイラストも投下予定です。ジョン祭りというより「HDN」祭りですな。
入院してた頃に描きためたイラストが中心なので。'68年頃の疲れたジョンとか、「マインドゲームズ」
あたりの「大人の色気」だだ漏れのジョンとか、描いてみたいものですねえ…(駄目だ、腕がねえから!)。
ゲーム機とリッケンコントローラが届いたけれども、明日に向けてペンタブを振るいます。
では、某スレでまた(おいおい!)ノシ ここのスレ的には、また明日^^ノシ        
27861何度も出張ってすいません!:2009/10/09(金) 02:47:55 ID:???0
てなわけで


「誕生日おめでとう、ジョン・ウィンストン・オノ・レノン!!!!!!!」

ビーで、最初に惚れたのはあなたでした。私は中学生でした。
巡りめぐって、もう一度あなたに、そしてあなた達に出会いました。
今は怖いものは、ありません。
いつも心に、あの4人!
そして胸には、あの声が、何時までも響く。
傷ついた子供の、細いけど力強い声が。

ああ、ちくしょう!! なんであんな人がいたんだろう!
そうして今は、いないんだろう。
はぴーばーすでー、じょん。

てなわけで、「おめでとうSS」は地味な出来になりましたとさ(泣)。
タイトル「It won’t be long(一緒に月を見上げましょう 2)」で、れつごー!!
28It won’t be long/1:2009/10/09(金) 02:52:04 ID:???0
Title:It won't be long
Rating:nothing(Fan-fiction)
Pairing:P/J?J/P? I Don't Know!
BGM:I’ll spend my life with you(the Monkees)


 1962年10月5日。
 リバプールの街は、何も変わったところはないように思えた。
 いつもの通り、いつもの景色。
 通りかかったキャバーンには、ちらほらと女の子の姿が見える。
 彼女達はこちらに気付くと、甲高い声を上げて手を振ってくる。
 コレも変わらない。
 しかし、たった一つだけ違うところがある。
「ねえ、これによかったらサインして!」
 女の子達が足早に近づいてきて、ドーナツ盤を差し出してきた。
 ソレをみて、彼の目がにんまりと笑う。
「それ、買ったんだ?」
「もちろん! あたし達、この話を聞いて真っ先にNEMSで予約したのよ!」
「あたし達が最初だったわ。私たちの話を聞いて、クラスの子達も予約に走ったの!」
 赤い頬をなお赤らめて、少女達が我先にと話しかける。彼は半分を聞き流しながら、それでも「それはありがたいな! それでは最高の
広報係に」とちょっと気障に言うと、3つの頬にキスをした。
 少女の声がそれぞれの色で高く上がる。
 手早くサインをすると、彼は手を上げて足を速めた。少女達は名残惜しげに、何時までも手を振り続けた。
 彼は、角を曲がる最後に振り返り、愛想よく笑って大げさに手を振った。
 三人が上げたとは思えない悲鳴が通りに響いた。

 
29It won’t be long/2:2009/10/09(金) 02:56:10 ID:???0
 そうか、売れてるか。
 彼は、ともすれば走り出しそうになる足と気持ちを落ち着かせながら、わざとゆったりと通りを歩いた。
 人の波は、何も変わってはいなかった。
 道行く人は、誰も彼を振り返らない。彼を誰だか知らない。
 それも、今だけだと彼は歩きながら思った。
 俺達は、とうとう一歩踏み出したんだ。今までのような、せこい自費製作やらバックバンドで演奏したものと違う、
俺達が、俺達だけがメインのシングルがとうとう出たんだ。それも、今日!!
 それは、彼らの新米マネージャーと、彼が必死で探しまくってやっとめぐり合ったプロデューサーの尽力があって
こその賜物ではあるのだが、彼には実際に演奏した自分達だからこそと思っていた。1962年。彼は、世界の全てが
自分のためにあると思っていた。それは彼の、そして彼らの持つ血気盛んさだった。
 レコードショップについた。いつもの店。いつもの様子。
 しかし、そこには自分達が大きく扱われた一角があった。そこには、今回の公式盤の他にハンブルグで録音した
「マイボニー」が並んでいた。
 うへ、こんなもんまで並べてんのか!? 彼は一瞬顔が赤くなるのを感じた。それは、確かに出した時は誇らしかったが、
今となってはなんだかお笑い種のようにしか感じない。
 彼は、こっそり昔の自分達を隠そうとした。しかし、さすがに枚数が多くてそれはままならない。


30It won’t be long/3:2009/10/09(金) 02:58:56 ID:???0
 色々とやってみたが、そのたび人が通りかかり怪訝そうに彼をみたり、ファンの子がはしゃぎつつサインを求め、
そして「必ず」昔と今のシングルを手にしていった。
 彼は「それは置いていけ!」といいたかったが、店員の目が怖かったので、ありがとうと手を振った。
 一人になった。棚から自分達のグループの名前が印刷された、ドーナツ盤を取り出して、つくづくと眺める。
 レコーディングは大変だったな、と彼は思い出していた。
 引き抜いたばかりのドラマーをつれて一路、ロンドンへ。そして、初めてコンプリートされたグループとして、あの紳士然とした
プロデューサーとドラマーを引き合わせた…はいいけれど、彼はとっくにスタジオドラマーを用意していた。「ドラマーが間に合わ
なかったらいけないと思って」と彼は言っていたが、それを信じていいのかなんなのか。
 結局、せっかくやる気満々でやってきたドラマーにはタンバリンが渡され、むっつりした顔をなお不機嫌にして、彼はそれでも
タンバリンを見事にこなした。この「破天荒」な自分ですらひやひやしたこの展開を、他のメンバーがどう思っていたのかは聞かず
もがなだった。
 
 しかし、それもこれも、この一枚の前ではいい思い出となってしまう。不思議なもんだな、と彼は思った。たった一枚のドーナツ盤に、
これだけの思い入れができるなんて。
31It won’t be long/4:2009/10/09(金) 03:01:34 ID:???0
 自分がどれだけコレに賭けているのか、どれほど願いを込めているか。
 それが思われて、彼はついぼーっとなってしまった。
 その時、彼の肩を叩いたものがいた。
 彼らのマネージャーにして、このレコード店の若き社長である青年だった。
 言ってくれれば、明日渡したのにと彼は高揚した顔つきで微笑みながら彼に告げた。いや、いいんだと彼は答えた。
「買いたかったのさ、自分でさ」
 そして、彼は「昔の自分達」を抱き合わせのように売っている戸棚に文句をつけた。しかし青年は「しょうがないだろ?
追加追加でいつの間にか余ってしまったんだから」とすまして答えた。彼はその気取った鼻先を思いっきりひねり上げると、
「じゃあな」と言ってレジへ進んだ。
「…いいんですか?」レジの少女が恐る恐る、鼻を抑えてうずくまる自分の雇い主と、その彼が入れあげているバンドの
リーダーを交互に見ながらこう尋ねてきた。
「いいんだよ。あいつはマゾだから」けろんと彼はそういって、きちんとお金を払って外に出た。
 少女の声が「ありがとうございます」と、その背中を追いかけた。
 外は暗くなりつつあった。秋の気配は終わりを告げようとしていた。
 吐く息の白さを見て、彼は眉を顰めた。もう早やこんな時期か? そしてふと、彼の結婚したばかりの妻の分のレコードを
買うことを忘れたことに気付いた。

 どうしよう、戻ろうか。
32It won’t be long/5:2009/10/09(金) 03:04:39 ID:???0
 しかし、今自分がしたことがことだし、それになんだかかっこ悪い。
 まるで自分達の売り上げを伸ばそうとしているように見えないか?
 そんなことを考えていると、薄く灯り始めた街灯の中から、見覚えのある人影が浮かんできた。
「あれ?」
 それは、やはり聞き覚えのある声を上げた。
「ジョン?」
 彼は、普段着になっていた。
 履き古したジーンズに後ろを踏んだスニーカー。
 そして、ざっくりと羽織った革ジャン。しかし、肩を少し寒そうに縮めている。
 いつもはバラ色に輝く頬も、少し白く透けている。
「ポール」
 いいところにきた、とジョンは白い息をホッと吐いた。亡くなった叔父の、厚地で暖かだが型の古いコートを着込んだ
ジョンの手の中に、「例のもの」を見つけてポールはにやっと笑う。
「君も買ったの?」
「君も? て言うことは」
 ポールは、照れくさそうに笑って、ポケットから手を出した。
 そこには、握りこまれた小銭が少々。
 ジョンがソレを見て「おまえもかよ」と笑った。そして、ポールの胸に拳骨を当てる。
「ん?」
 その手に、小銭が握られていることにポールは気付いた。
「ちょうどいいや。コレでもう一枚、買ってきてくれよ」
 ええ、なんでだよ? さも嫌そうにぼやくポールに「シンの分買うの忘れたんだよ。
いいじゃんか、これから買うんだろ?」
 そりゃそうだけどさ。ポールが言う。「なんだか自分達の売り上げを伸ばそうと思われそうで
恥ずかしいよ」
33It won’t be long/6:2009/10/09(金) 03:12:11 ID:???0
 ジョンが一瞬目を丸くして、それから声を上げて笑った。なんだよとポールがむっとしたが、それもジョンの
笑い声が打ち消した。
 苦笑いを浮かべてポールはジョンからお金を受け取ると、待ってろよ、と言いたげに人差し指を上げて、店の
中に消えた。
 空はすっかり暗くなっていた。小さな音を立てて街頭が明るくなる。
 そして
「お待たせ」
 そういいながら、ポールが帰ってきた。その手にはシングル盤が三枚。
「はい、コレでいいかい?」
「なんだ? 一枚多くないか?」
 お前とシンの分で二枚だろ? ジョンの問いにポールが「おこさんの分だよ」と微笑んだ。
 ジョンの、これから生まれる子供の分だとポールは告げていた。
 ジョンはちょっと言葉を失った。そのことを、彼はすっかり忘れていた
 そうだ…これから俺は、父親になるんだった。
 その事実は、しかしなぜか今の、この出来事に較べたらあまりに遠く思えた。
 ジョンは手の中にある三枚のシングルに目を落とす。
 父親になる。俺が、誰かの。
 それが、どういうことだか俺には良くわからないのだけれども
 俺が、俺達が、新しい一歩を進むきっかけにもなったことだ。
 一家を構えて、誰かを養って。

 それがどういうことか、俺にはまだわからないのだけれど。
 これから、何が始まるのか俺にはわからないのだけれども。

「あれ? そういえば」
 ポールが、その大きな目をなお大きく見張った。
「そろそろジョンの誕生日じゃない?」
「ん? ああ、そうだったかな?」
34It won’t be long/7:2009/10/09(金) 03:17:08 ID:???0
 そんなことを話しながら、二人は歩き出していた。そこかしこから看板が立ち並びだす。レストランやパブの明かりが道を飾る。
自動車のヘッドライトが彼らの脇を流れていく。
 そうだったかもしれないとジョンはぼんやりと考えた。去年は、僕を連れてフランスにいったよね。すごく楽しかったな。嬉し
そうにポールが話している。そういやそうだったな、とジョンは思い出した。そしてぶっと噴出す。
「思い出した! …あの…「女」!!」
「やめろよ、あれは「女」じゃなかったろ!!」
 そう言い返してポールも噴出した。それはパリに着いた二人に言い寄ってきた「別嬪さん」のことだった。すっかりいい気に
なった二人は、彼女達としゃれた「ランデブー」を決め込もうと彼女達の部屋に行った……はいいが、絶妙なタイミングで、
二人は同時に廊下に飛び出した。
 彼らを「拾った」彼女達は……「彼達」だったのだ。
 金もぼったくれず、しかも一人は前歯を折られたていたらくで二人を追おうとした「彼女達」は、二人の逃げ足の速さに
唖然として、ドアから悪態をつくしかできなかった。
 その罵倒を肩越しに聞きながら、二人は足並み合わせてホテルを駆け出した。
 その日も、今のような街明かりだった。
「あの時の、お前の顔ったらなかったぜ」
「ジョンだって人のこといえるかよ!」
 お互いの肩を殴りながら、ジョンとポールは通りがかる人間達の迷惑になりながら歩いている。時々振り返る人間も
いるが、ソレは大概若い男女だった。
 月が空に昇っていた。街頭よりも明るく輝くその光に、足元の影が濃く落ち込む。
 もうすぐでジョンの家だった。
35It won’t be long/7:2009/10/09(金) 03:24:27 ID:???0
「寄ってかないか?」
 ジョンの声かけにポールは
「残念だけど、ウチでもマイクと親父が待ってるんだ」
 コレを、とポールは手の中のシングル盤を指差す。そっか、とジョンは頷いた。
「これ、ありがとな」
 これから来る新しい家族の分のレコードを軽く振って、ジョンが笑う。
 そして、玄関に向かおうとしたとき
「あ、ちょっと待って」
 ポールがジョンを引き止めた。
 そして、自分の分のシングルを空に掲げた。
「なにやってんだ」
 ジョンが引き返してポールの隣に立った。ほら、とポールが見せる。
 シングル盤の、大きな真ん中の穴に、白い月がすっぽりと入っている。
 まるでシングル盤が、月を抱えているようだった。
 へえ、とジョンが思わず声を出す。自分達の、初めてのシングルが月を捕まえている。そんな風に思えて、
なんだかジョンの心が浮き立った。
「さっきから、月が綺麗だなと思ってたんだ」
 ポールは、そんなことを言うとジョンの頃合をみて、シングルを紙袋に仕舞い
「はい」とジョンに差し出した。
「ええ?」 とジョンは苦笑した。これ以上はいらねえぞ? いや、ジョンの買ったヤツと交換しようよ。とポールが言う。
「それならいいだろ?」
36It won’t be long/8:2009/10/09(金) 03:27:36 ID:???0
 なるほど、とジョンは頷くと、ポールに自分のシングルを差し出した。
 二人は、月を頭上にして自分達の、初めてのドーナツ盤を交換した。
 ちょっと早いけど、誕生日おめでとうジョン。
 ポールが言った。
 自転車、貸そうか? 
 ジョンが答えた。
「いいよ、すぐそこだもの」軽く苦笑を浮かべてポールは首を振ると、そのまますたすたと歩き出す。
「じゃ、また明日。おやすみジョン」
「ああ、おやすみ」
 ポールの背中に手を振って、ジョンはしばらくその後姿を見送った。
 そして、見えなくなった時、彼はポールがしたように、シングル盤を月に掲げた。
 白く輝く月が、ドーナツ盤の真ん中で強く輝いている。
 へえ、とジョンはもう一度呟いた。そして、なぜだか嬉しくなって一人で微笑みながら、彼の家族の待つ家に帰っていった。
 そして、ポールもまた自分の家に入る直前、もう一度シングルで月を捕まえると、ひとつ軽く頷いて、家のドアに手をかけた。

37It won’t be long/last:2009/10/09(金) 03:31:13 ID:???0

 1962年10月5日。
 これから、何が起こるのか。

 彼らは、まだなにも知らない。

 
       861Hedge-hog's
「It won't be long(Let's lookup the moonshine together 2)」
         *the end* 
38It won’t be long/0:2009/10/09(金) 04:08:08 ID:???0
そう、10月5日は、「Love me do」の発売日だったのですよ。あらすごい。あと4日でジョンの
誕生日ではないですか! とか知ったかで話してますが、実際はこのSSを書くために必死で調べたのでした。
本当はアルバム「プリプリミー」のレコーディングの話にしたかったのですが(あれ、1日で録音したし
ジョンの喉が痛んでたりとなんだかおいしいシチュ満載)、しかしアレは二月の話なんです(これ知った
時はショックでした!SSの根幹がパーになっちゃって)。では1stシングルを録音した日…は8月だね。
ううむ…、とうなってやっと出てきたネタでした。
しかしジョンはお祝いを考えるのが大変だった。ポールやジョージやリンゴだと、普通でいいんです(私の中では)。
「おめでとう」と言って、プレゼントを上げて…。しかしジョンは、一体何をしたら喜ぶんだろう。
誕生日といいながら、この人に、何をしてあげたらいいんだろうと考えた時、恐ろしいことに
何も浮かびませんでした。「君の好きにしなよ。俺はそれでいいよ」と彼は言うのですが、これは言われた方としては
本当に困る言葉です。大げさなことも煙たいだけだろうし、欲しいもの以外のものをあげたって邪魔なだけだろうし。

そんなことで、話が地味になったのは、私のせいじゃなくてジョンのせいです(おいおいおい!)。
だめ? そんな言い訳。
そして私の中ではJPは、こういうつながり方が激しく萌えだと気付いた秋の夜長。
スラッシュ…無理だな。きっとこの二人で。すいません。
では、読んだ人が少しでも楽しんでくれましたように、祈りつつ。

 心は君に帰っていく。永遠に。F×CK YOU,JOHNNY! YOU'RE FU×KIN' GREAT!! 
LUV YA FOREVER. DUMMEIT!!              861
39ホワイトアルバムさん:2009/10/09(金) 04:28:26 ID:???O
861様
早速読ませて頂きました。
心がほんわかする、優しいお話だと思いました。
若かりし頃の、純粋かつ不安げな描写が、いつもながら素敵です。
ジョンに何をプレゼントすればいいのか…には激しくドウイ。
40861 :2009/10/09(金) 13:01:19 ID:???0
>>39

早速のコメント&ドウイありがとうございます!
ジョンは、なんていうかプレーンな人なんだなあと、このSSを考えている時に思いました。

さて、恒例……? の「誕生日おめっと!」イラストなのですが、今回何故かうpろだがうまく
使えなかったので、あまりやってはいけないのですが「まとめサイト」のイラストページに、勝手に
「'09.10.9 Happy Birthday John Lennon!」のページを作って、そこに掲載させていただきました。
皆のサイトなのに勝手に私物化してしまい、申し訳ありません。
イラスト二枚、写真3枚を載せさせていただきました。
それでは、改めて「誕生日おめでとう、ジョン!」 LOL!
41コーラルリーフ:2009/10/09(金) 19:44:47 ID:???0
扉を開けて
新しい場所へ

やさしい人混みを
すり抜けて どこまでも

まんまるい月
落ちていく夕陽と出会う

見上げる空は
何色に染まるの

手の平には
輝く銀の星 ひとつ

歌いながら
迎えに行くからね
走って行くよ

あなたが
見るであろう奇跡たち
あなたを
包む 風と海と
焼き付けて
見えなくなってしまう日は
あまりにも早く
やってくるから

42コーラルリーフ 1/1:2009/10/09(金) 19:45:54 ID:???0
ジョンは、目を覚ました。妙な寒さを感じて目を覚ましたのだ。
彼は当たりを見渡した。見覚えがある風景だ。
そうだ、ここは楽屋なのだ。どこかの。ポールやジョージもいるだろうと、彼はその姿を探す。
「おーい、ポールー?ジョージ?リンゴー?」
しかし返事はない。もしかして、ここには自分しかいないのではないか。
おまけに少し、寒い。彼は外に出た。
外には、雪が降っていた。彼は白い息を吐いて空を見上げる。
空は、どんよりとして灰色の厚い、絵の具をキャンパスの上に重ね塗りしている。
おまけに遠くの空は紫で嵐が来る知らせをしている。
雪を、蹴ってみる。ジョンの靴を滑って遠くに飛んだ雪は静かに音を立てて崩れ去るだけだ。
この静かな世界では、自分一人しかいない。誰も彼に声を掛けてくれる物などいない。

誰もいない、静かな世界。
白い、残酷な世界。
そんな世界を一人行く。
また一人。
清純な象徴である白は、どこか苦しい色。
真っ赤なお花を白い舞台の上に飾って。
真っ黒な舞台の上では誰一人気づかない。
皆さん、ご覧にいれましょう。自傷行為です!
そういって、刃物を取り出す。
43コーラルリーフ 2/2:2009/10/09(金) 19:46:36 ID:???0
そうやって刃物で心臓を突き刺していた日々を思い出す。
また一人。彼はとぼとぼと歩いてみる。
ふと雪の上に寝転がってみる。昔やった映画でこんなシーンあったっけ。
昔を思うと悲しさで心が押しつぶされそうになる。
スチュアート、その懐かしい名前をそっと呟いてみる。その名前は自然と優しさを含んだ響きをしている。
それだけではない、なぜか懐かしいその名前は口にするだけでも涙があふれてくる。
スチュアート・・・・スチュ・・・・スチュアート・・・・・スチュ・・・・・スチュアート!!!!!
ジョンは突然何かを思い出したように駆け出した。
駆けて、駆けて、息を切らし、指を冷やしてたどり着いた先は優しそうな、すこし哀愁を秘めた瞳の青年が立っていた。
ジョンは白い息を切らしながら青年を見た。
「スチュ・・・アート・・・・、やっと会えた・・・!!!」

「僕も会いたかったよ、ジョン」
その言葉にジョンはもう一度スチュアートの顔を見る。
「やっぱり、ジョンだった。正真正銘のジョンなんだね?」
スチュアートが涙があふれて今にもこぼれそうな顔でジョンを見る。ジョンも、スチュアートと同じ顔をしていた。
「ああ・・俺さ。正真正銘のジョン・レノンさ」
ジョンの目からあふれ出した涙は幾多も顔に雨の筋を作り、彼の白い顔の上を伝って真っ白い雪の上に流れ落ちている。
「君に、ずっと会いたかったんだ」
「俺も・・」
「ずっと見ていたよ。君が一人で落ち込んで悲しい顔をしている時も嬉しいときも」
スチュアートはジョンに微笑を向けた。
その笑顔は、全てを溶かしてしまうような、そんな笑顔をしていた。

そして、彼はにっこり笑ってこういった。

「ハッピーバースデー、ジョン」


end
44コーラルリーフ 3/3:2009/10/09(金) 19:51:02 ID:???0
愛してる?
例え聞こえないとしても
わたしは ここで
手を振るから

焼き付けて
その足で その瞳で

焼き付けて
45ホワイトアルバムさん:2009/10/09(金) 21:06:02 ID:???0
忘れました

おわり
46Rise & Fall:2009/10/10(土) 00:04:45 ID:???0
ジョンの誕生日SS、堪能させていただきました。
861様独特のJ/P話。この2人の話ははっきりと表現されていないのに
確固とした絆があると思えるのはどうしてでしょうか?
月がきれいですね、という言葉はPからJに常に発せられているように感じます。
ジョンは本当にリバプールに帰りたかったのでしょうね。なぜだか
861様の話(特にリバプールが舞台の)を読むたびにそう思ってしまいます。
前スレで入院なさっていたときの事を読み<ご両親が呼ばれたとか)、そのような状態でたくさんの
話を投下してくれていたんだ、と驚きました。
いつも読ませていただく一方で申し訳ありません。
861様も回復してくれて、そして楽しい話を次々に投下してくださって
ありがとうございます。くれぐれもお大事になさってください。
そしてまた楽しませていただくのを待っています。
47861:2009/10/10(土) 03:52:03 ID:???0
>>46 Rise&Fallさま

まずは、嬉しいコメントとこちらの体調に対してのお心遣いを感謝しますww。
親を呼ばれたのは、去年の入院時です。去年の9月半ば〜12月初旬まで入院した時に、状態が2度ほど悪くなり、用心の意味で親が呼ばれた
という話でどうにもかっこ悪いですね(泣)。そして今年の4月の件は、皆様ご存知の通りです。短い期間で2度入院しちゃったのは
よくないなあと思います。反省。
それにしても今回のSSの感想は、二つともとても参考になりました。
一つは>>39さまの「若かりし頃の純粋さと不安さ」という点。そして、Riseさまの「ジョンの望郷の思い」「ポールの、ジョンへの気持ち」という点。
書いた本人は、まったく意識してませんでした(うかつ)。
私は、とにかくビースラ(や他のSSを)書く時も、自分の思う「彼らの情景」を書いています。お二人が、このフィクや他の物からも
上記の事を感じているのなら、きっと私が自分でも気付かないでジョンやポールを「そういう風に」掴んでいるのでしょう。これはとても
嬉しい指摘です。いただいた言葉を励みにこれからも「彼らの情景」を書いていきたいと思います。

…でも最近、実はミハイルさまと一緒に、違うバンドのSSとかも書き始めていたりします(OMG!。
どちらも大事な宝物です。だからどちらも頑張って書いていきたいと思っています。

あ、あの…もしよかったら…よ、読んでみますか(冷汗)?

怖々と訊ねたところで、今日はこの辺で。おやすみなさい。感想、本当にありがとうございました!
いただけるたび、いつも勇気付けられています! 「ありがとう」はこちらの方がいう言葉です!!
ではノシ

48ホワイトアルバムさん:2009/10/10(土) 03:56:05 ID:???0
たまにここを見るけど801ってBLの事だったんだね(汗)知らずに読んでました(おいおい)
面白いからまた書いてください!スレ汚しすんません^^;
49Rise & Fall:2009/10/10(土) 17:03:52 ID:???0
861様、
ポールがジョンの家族を自分の家族のように気遣うという
描写が大好きな私としては 今回のようにまだ生まれてない
ジョンの子を気遣うポールというのはものすごいツボでした。
嬉しいエピソードです。ポールがジュリアンを気遣う=ジョンが
できない部分へのサポート=PからJへの「月がきれいですね」発信のひとつ
と勝手に考えています。相手に気づかれなくとも奉仕するポールというのもツボです。
ビートルズが洋楽を聞き始めたきっかけですが、他の人達も色々聞いたり
していてそれぞれ好きな人達もたくさんいます。もし、違うバンドのSSでも
読んでみたいという気持ちはありますので、ぜひ、読ませてください。
あと、861様の誕生日がいつかは知りませんがその日には
「生きていてくれてありがとう」という言葉を贈りたいと思いました。
50ホワイトアルバムさん:2009/10/10(土) 19:53:41 ID:???O
>>41ー44
GJ!!!
夢の中をふわふわと惑っているジョンに禿萌です。お持ち帰りしたい。
お話のそこかしこに感じられる神秘的な雰囲気や、ジョンがちょっと精神年齢幼いところなど、
「強がり」という仮面をひっぺがした生身の人間ジョンの内面を現しているかの様に感じられました。
最初はちょっと不気味でドキッとさせられたかと思いきやラストはハッピーエンドで
良い意味で裏切られた気分です。
使われている単語は冷たいものが多いのに(雪とか自傷とか残酷とか)
実はとっても優しいお話なんだと思いました。

うーん、感想下手ですみません。
51ミハイル:2009/10/10(土) 23:28:15 ID:???0
>>50
感想ありがとうございます。
>「強がり」という仮面をひっぺがした生身の人間ジョンの内面を現しているかの様に感じられました。
私はジョンを書くとき、彼のメンタル面にある孤独や、痛み、子供らしい純粋な面をなるべく表に書くような形で書いています。
それは、私も痛みを持っているからです。
ジョンは、なんていうかCoccoみたいな純粋で子供っぽくて、わがままなところがあって何をいってもいやというよりああ、純粋だなと感じます。
私のスタイルはグリム童話の中のCoccoというのがモットーにしています。
彼女も、メロディは優しいのに歌詞は残酷だけどちょっと救いがある(遺書。、強く儚いものたちなど)というような曲があります。
遺書。は聴いてみてください。いい曲です。
かなり、影響を受けているといっても過言ではありません。
このssを書くのに、「冷たい、救われない世界にともった一本のろうそく」という図が浮かびそれでこうなりました。
>うーん、感想下手ですみません。
そんなことないですよ^^
52ホワイトアルバムさん:2009/10/11(日) 00:55:08 ID:???0
なんだか痛々しいスレだな
53ホワイトアルバムさん:2009/10/11(日) 11:28:48 ID:klZivnFE0
誰がなんと言おうとこのスレを応援する!
頑張れ!
54ミハイル:2009/10/11(日) 15:49:44 ID:???0
>>21-22で861さんが提案していた、懐かし洋楽スレを立ててきました。
最初はageてますが後はこちらと通常通りsage進行でおねがいします。
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1255242784/
55861:2009/10/11(日) 22:34:11 ID:???0
ミハイルさま、スレ立て乙です!
私がぐずぐずしてしまって、お手を煩わせました!
てなことで、上記のスレッドに、猿のおばかSS、置いてきました!
CPはリーダー/ベース です。

>>49  Rise&Fallさま

Big thanks to you! To give me a really warmy "Top-Gear" blessing from you!
照れくさかったので、ヘタな英語で感謝の意を。
自分、まだまだダメダメですが、頑張りますwww。よければ見守ってやってください。
>>53 さまも(^^)。一緒に萌えていきましょう!
>>52 痛くたって、いいじゃないか。だれより彼らが好きなんだ。バカですwwwww。

なんだか、勢い付いて色々返事しちゃいました。うるさかったですね? すいません。
ではまたノシ
56ホワイトアルバムさん:2009/10/12(月) 15:09:49 ID:yOdSTKpr0
57ホワイトアルバムさん:2009/10/12(月) 21:17:56 ID:yOdSTKpr0
58ホワイトアルバムさん:2009/10/12(月) 21:24:07 ID:yOdSTKpr0
59ホワイトアルバムさん:2009/10/12(月) 22:34:51 ID:???0
(´・ω・`)ショボーン 荒ラシ,イクナイ!!
60ホワイトアルバムさん:2009/10/13(火) 00:14:15 ID:???0
(´・ω・`)シメジ
61861:2009/10/13(火) 00:30:32 ID:???0
ゲームやってまーす^^
ボーイズ、ギターもベースも難しすぎでーす(泣)。
しかも、それなりの点数稼がないと、客席はしらけるは、演奏終わってからしょんぼりしちゃったジョージを
ジョンとポールが慰めるという、絵面では萌えだがプレーヤーとしてなかなか屈辱的な流れになっちゃうのが……。
ジョージ、君が悪いんじゃないんだ! ごめんすまん、許して! と謝る暇があるなら練習しろって話だけど、
あんまり練習ばっかりしてると、腕と肩が痛くなってくる……。決まるとすごく気持ちいいから、頑張ってます。
しかしせっかくのリッケンが手の汗で汚れる……緊張性(これでも!)で、手に汗をすぐかいちゃうからなあ…
壊れないでよ、リッケン(マジで)。

そんなわけで、またノシ
62ホワイトアルバムさん:2009/10/15(木) 02:42:59 ID:???0
昼間の公園で愛し合う情事と絵里ック
63ホワイトアルバムさん:2009/10/18(日) 15:26:27 ID:???0
去年出たフィリップ・ノーマンのジョン本読んだ人いる?
ジョンがポールと寝たかったって記述はどの程度書いてあるの?
64ホワイトアルバムさん:2009/10/19(月) 21:58:06 ID:???0
マジで?
エプスタインがあんまり言うからジョンが一回だけ寝たって話は
誰の本だっけ?
65ミハイル:2009/10/19(月) 22:40:05 ID:???0
>>64
本じゃなくて、有名だったかと
66ホワイトアルバムさん:2009/10/20(火) 00:13:55 ID:???0
寝たんじゃなくて、手コキさせただけって聞いたが<ジョン/エピー
67ホワイトアルバムさん:2009/10/20(火) 05:24:22 ID:???0
68ホワイトアルバムさん:2009/10/26(月) 14:31:24 ID:1CfGPHvC0
小説マダー?
69861:2009/10/27(火) 00:24:57 ID:???0
しばらくの間、お待たせして大変申し訳ありません(低頭)

私の場合、目処としてはジョージの命日あたりに、SSの投下を予定しております。
それまで、突発的に投下もありかも分りませんが、それまではしばらく皆様、ご歓談くださいませ。
その中から、新たな燃料が生まれる場合もございますのでww。
また、SSのニューカマーもお待ちしております。我こそはと思う方、ヘイ、カモンwwwww!!
とりあえず命日SSは、ダーニとリンゴのお話の完結編となりそうな感じです。


70ホワイトアルバムさん:2009/10/27(火) 01:20:16 ID:???0
支援
71ホワイトアルバムさん:2009/10/28(水) 10:27:33 ID:???O
このスレの住人ってやっぱほとんどがJ/Pなのかな
72ホワイトアルバムさん:2009/10/28(水) 15:52:02 ID:???0
>>71

そういうあなたのカップリングはww?
私はリンゴ兄さん至上主義ですがJ/PもP/Jも好き。
しかし…な、なぜかジョンとジョージとなると、不思議となんも思いつかないなあ。
73ホワイトアルバムさん:2009/10/28(水) 16:41:30 ID:???O
71ですが、そうですね。私もJ/PかP/Jです。
74ホワイトアルバムさん:2009/10/28(水) 17:05:42 ID:???O
私はR/JとG/Jが好きですが、P/JもJ/Pも好きです。
ジョンとジョージは仲のいい兄弟、という感じですよねw
75861:2009/10/29(木) 04:04:11 ID:???O
…すいません。
虫書く前に、猿書きました(汗)
ビー板内「オールディーズで801」に落としてきましたので、気が向いたら行ってみてください。
ああしかし、自分書くパターンおんなじだなあ…引き出し少なくて反省。
では、スレ汚し失礼しました!!
76ホワイトアルバムさん:2009/10/29(木) 06:17:33 ID:???O
JP至上主義
77ホワイトアルバムさん:2009/10/29(木) 15:21:24 ID:???O
>>74

私以外にG/J好きな人がいるとは思いませんでした。嬉しかったので初レス。
78861:2009/11/04(水) 04:46:53 ID:???0
な、なんでかこんな話が出来ちゃいました。
なんでだ? ホントに分りません。
冬になったからかもしれません。
空気も読まずにJ/P。ごめんなさい。いつかG/Jが書ければいいけれど、どんなふうなシチュなのかが
イマイチよくつかめません。その辺の萌が聞きたいです。よろしかったどなたか、よろしくお願いします(低頭)。
「1st.Visit U.S」をベースに捏造。
それではタイトル「I call your name」でレツゴー!
79I call your name/1:2009/11/04(水) 04:49:49 ID:???0
Title:I call your name
Pairing:John/Paul
Rating:Fan-fiction
BGM:Yes it is (the Beatles)


 世界は、これこのように、形通りに出来上がっていて
 息が詰まりそうになるけれど


 君がこの世界にいてくれるなら
 僕は、それでいいや。


「ココで歌ってください!」「その髪はカツラですか?」「散髪はいつやるんですか?」「ベートーベンについて、どう思いますか?」

 つまらない質問を、さも得意げにせっついてくるインタビュアー達に、ポールは、母国イギリスを出る時に感じた高揚感が一気に
しぼんでいくのが分った。
 アメリカ。これがアメリカ?
 なんだ、こんなもんか。
 これなら、イギリスの記者の方がよっぽど気が利いてるよ。しかし彼はそんな気持ちをおくびにも出さず、他の三人のふざけた
答えを聞きながら、自分の役割を理解していた。
80I call your name/2:2009/11/04(水) 04:52:22 ID:???0
『僕の役割は、皆がハメを外さないよう、しっかり後ろを見張ること』
 しかし、それをやるということは、熱狂の波に乗れず正気のままに、ここ数日の狂乱の日々を過ごすことを意味した。
まあいいさとポールは思う。どうせどこに行っても、僕が我を忘れることはない。ポールはたまに、自分は何かがかけて
いるのではないかと思う時がある。たまに、昨夜自分が何をしたのか忘れてしまうほど酔っ払ってみたい。自分が薄れる
その意識を味わってみたい。

 しかし、そんな風に思っている限り、そんな時間はこないということも彼は知っていた。

 アメリカは、ビートルマニアの渦にあった。
 しかしそれは、ポール自身には関係なかった。

 胸の奥にある喜びは、彼が「バンド」に対して払ってきた努力がはっきりと「実った」ことが見て取れたことへの
気持ちで、それはしかし「個人」の感情といえるようなものではなかった。少なくとも、ポールにとっては。

 世界は、いつの間にかポールにとって、外から眺めるものになっていた。
 しかもそれを、ポールは憂いていない。
 いつからだったのだろう。自分の脇を目まぐるしく通り過ぎるアメリカの風景の中で、ポールは凪いだ心の中で
自問していた。何時から自分は、世界をこんな風に見るようになった? マイクが―弟が生まれて、自分が兄に
なってから? 母親が死んでから? いいや、そんなことなど関係なく?
81I call your name/3:2009/11/04(水) 04:55:11 ID:???0
 ニューヨークからワシントンDCへ。列車の中は賑わっていた。ジョージが給仕の真似をして、リンゴが山と
カメラを首から下げる。そんな様子を見て、ジョンが口だけで笑う。
 ああ、あの中に入りたい。
 ポールは、何故か今、切実にそう思った。
 みんなの中ではしゃぎたい。
 莫迦なことをしでかして、笑いたい。
 しかし、そう思うたび、心はしんしんと冷えていく。
 まるで故郷、リバプールの冬のように。
 こちらを見つめるカメラに向かって、彼は声に出して言ってみた。
「笑う気分じゃないんだ」
 レンズの向こうで、兄弟映像作家の兄が、少し切なげに眉を顰めた。

 そんなポールも、初のアメリカ上陸で続く白痴的な熱狂の中で毒づいたことがあった。
「アメリカには迎合しないぞ」「アメリカには、こびへつらわないぞ!」
 そう絡まれた、アメリカで人気のあるDJは辟易しているようだった。あ、やりすぎたかな。ポールはそう
思いなおした。これでビートルズに悪い感情をもたれたらまずいな。周りの人間達も、困ったように
口ごもっていた。
 なにか、フォローを入れようか。ポールがそう思ったとき
82I call your name/4:2009/11/04(水) 04:57:58 ID:???0
 キチガイじみた笑い声が、あたりに響いた。
「ポール、いいぞ!! もっとやれ!!」
 
 ジョンだった。

 彼は酔っ払っているかのように、顔を赤くながらも口と目元をゆがめて、芝居じみた動作を見せていた。
 しかし、その目は笑っていなかった。

 そこにいた全員が、ジョンを振り返り、そしておべんちゃらの代わりにとってつけたように笑った。
 しかし、笑っているのは彼らだけだった。
 そこにいた全員の中で、笑っていないのはジョンとポールだけだった。
 空虚な笑いの中で、ジョンがポールに合図を送った。「行こうぜ」
 ポールは、ジョンのその表情を見て、その姿を見て

 何故だか、救い出されたような気持ちがした。

 DJが、こわばった笑いのまま車に乗って退散する。
 そうだ、確かジョンは彼に対してはっきりと「バーカ」と言ってのけていた。
 わざとらしく、自分達の曲を間違えて紹介した時に。
 その時の様子をポールは思い出す。
 まっすぐにDJを見据え、言いつくろいもせず、冷たく自分の言葉を放ったジョン。

 そうだよ、ジョン。僕はそういいたかった。

83I call your name/5:2009/11/04(水) 05:01:48 ID:???0
 ポールは早足に、ジョンに向かって歩み寄りながら、何故か自分の唇が寒さ以外のところで震えていることに気付いた。
 そうだよ、ジョン。僕はそういいたかった。
 
 何時の頃からかしれない、この、胸の奥にある冷たい塊。
 この世界をうらやむように、眺めるだけの自分。

 白痴的な熱狂。妄信的な狂乱の渦。ああ、あの中に入りたい。
 入りたい―――。

 異国の冬空の下にたたずむジョンに向かいながら、ポールは思っていた。

 ジョン、ここはハリボテのようにうそ臭くて、ノッペラボウで下らなくて取るに足らなくてどうしようもなく
救いがたいのかもしれないけれど
 それでも、そんな世界が僕は、愛おしい。
 でも、世界がそんな僕を受け入れてくれないのなら
 取り繕わない、むき出しの僕に辟易するというのなら

 そうさ、ジョン。僕はまさに、そういってやりたかったんだ。

 ジョン、そして、そんな僕を呼んでくれるのは、きっと君だけ。
 空虚で愛おしい世界から僕を引っ張り出して、受け入れてくれるのは君だけ。
 そして、僕を「世界」に還元してくれる。

 闇雲に「愛してる」と歌い、わめき、がちゃがちゃと楽器をかき回す。
 白痴的な熱狂。妄信的な狂乱の渦を作り出す、強制的な音の繰り返し。
 小児病的な繰り返し、繰り返し。そしてまた堂々巡りを繰り返す。
「愛してる」と、闇雲に汗振り乱して喚きつつ、その中に、苦し紛れの涙を紛らわせていいのだと。
 それをやっていいのだと、一緒にやっていくのだと
 僕を呼んでくれた君だけが、僕のボス。唯一の。

 『ポール、いいぞ!! もっとやれ!!』
84I call your name/6:2009/11/04(水) 05:05:26 ID:???0
 先ほどのジョンの声が、ポールの胸に響く。
 自分の隣についたポールに、ジョンがにやりと笑って、促した。
 共に歩みだすその歩調の中で、故郷より遠く離れた異国の地で向かえた冬の寒さと、今肩を並べるジョンの姿だけが、
今のポールに感じられる確かな「現実」だった。
 世界とつながるたった一つの、縁(よすが)だった。

「寒いね、ジョン」
 ポールは、震える唇のまま、こういってみた。
「ああ、そうだな」
 あっさりとジョンが答えた。そして、苦笑交じりにこう言った。
「リバプールに似てるのは、そこだけだな」
 
 ポールには、それでもう十分だった。



     861Hedge-hog’s presents
      「I call your name」

        *the end*
85I call your name/0:2009/11/04(水) 05:24:35 ID:???0
自分では久々に短い話です。
それも本当に、突発で出来た話だからです。
多分、2時間くらいで書き上げたんじゃないかと思います。
だから端々おかしいのは、どうぞお目こぼしお願いします(冷汗)まとめに載せる時にまた
校正、修正かける予定です。
この手のポールは、以前私なんかより鮮やかに描ききる書き手さんがいましたが、引退してしまったので。
でも、「殿様」ポールが唯一自分の「ボス」と認めたのは、ジョンだけだったろうなあ。
ジョンは、自分は夢の中に陥りやすいけど、人を現実に引っ張り戻す力があるような気がします。
ジョンもポールも、大好きです。もちろんジョージもリンゴも。どうしていいやら(とほほ)。

ナニ言ってんだか分らなくなったところで(爆)
読んだ人が少しでも楽しんでくれましたように、祈りつつ。
コレに懲りずに、では、またーーーノシ      861
86ホワイトアルバムさん:2009/11/04(水) 09:23:03 ID:???0
支援
87861:2009/11/21(土) 00:58:24 ID:???0
さて、今年はちょっとビーで財布が寒くなりましたが(そらもう、氷点下っすよ)
みなさん、いかがお過ごしでしょう。

リマスター、聞いてますか? 聞いてますか、そうですかww。
私は……未だ、開封もしていません!!
諦めていたモノBOXまで届いたっつーのになにやってんだって感じですが(泣笑)!!
なんか…、もったいなくて…つい。
いや、時々は「そろそろ開けよう!」「アビーロードのB面メドレー聞きてえなあ」とか
「レリビーの哀愁に触れたいなあ」とか、思ってたんですよ。
でも……、ステレオの、あのモノリスタワーのようなステレオBoxを前に、手が震える自分が
いるのです。
「ああ、ここにあの4人の、苦悩と喜びの8年ちょいがあるのか」と思うと
「世界をちょっとだけ変えちゃったエッセンスが、ここに、この手の中にあるのか」と思うと
なんだか緊張しちゃって、開けるに開けれなかったのです…。なんか…すげえ負け方してます、自分。
しかし、決心しました。
ステレオは、ジョージの命日に。
モノは、ジョンの命日に。
開けます。聞きます。見ます。
彼らを、開きます。

頑張ります。
保守ついでにチラ裏にて失礼しました。

ではまたノシ
88黒天:2009/11/23(月) 13:34:00 ID:N7WEdi2D0
>>861さん

分かります!そのお気持ち分かります><
でも私は発売日に恐る恐る開けました←
開けるの私も物凄く怖かったですよ!
開けてよいのやら、このまま眠らせておいた方がよいのやらと…。
リマスター、命日に是非聴いてあげて下さいv^^
久しぶりに失礼致しました><
89861:2009/11/23(月) 23:31:07 ID:???0
>>88

黒天さま、お久しぶりでございます!
そして同意、ありがとうございます!!!!
黒天さまは、ちゃんと聞かれてるのですねwww。偉いなあww。そうなんだよなあ。ちゃんと聞くべきなんだよなあ。

………ああ、それなのにヘタレな自分よトホホ(爆)。

だって……だって、プリプリもマジカルも安売り中(笑)もWITHもレリビも、あるんですよ!?
子供の頃の夢が、彼らの奇跡が、彼らのかけがえのない日々がっ!!!!!(しつこいですね(汗)
ホントに「開けてよいやら」な感じですよ!

でも、はい、二人の命日に聞こうと思います。
泣き出さないか、自分。ちょっと自信ないですが(たはは)。

重ねて、同意レス、感謝多謝ですwww
ではまたノシ
90ホワイトアルバムさん:2009/11/25(水) 23:27:07 ID:???0
ポールは今日も朝一番にスタジオに入る。いつもはセッション開始ギリギリになっても
のんびりスタジオに現れて周りを呆れさせていたが、今回はそうはいかない。
スタジオに入るとついいつもの癖で中を見回した。メンバーは自分以外まだ誰も来ていない。
ほっとする様な、寂しいような。彼はピアノの前まで行くと、椅子に腰掛け、一息つくと軽く伸びをした。
まだ頭が冴えておらず、肩慣らしのつもりで軽く弾いてみる。ポロン、と軽やかな鍵盤の音が誰もいない
スタジオに響く。発声も兼ねて少し歌ってみるが、起き抜けのせいなのか喉の調子がすこぶる悪い。
煙草の本数を少し減らしてみるか、ぼんやりと頭の片隅で考える。
ここ最近は同じ事の繰り返しだ。何度歌っても自分が納得する出来にならないのだ。
少し落ち込む。無意識にピアノの上に置いてある煙草に手が伸びそうになり、慌てて手を引っ込める。
自然に深いため息が出た。
「5年前ならこんなのあっという間に出来たのにね」突然、後ろから声がかかる。
誰もいないと思い込んでいたので、内心驚いたが、極力何事もなかったかのように後ろを振り返る。
ジョージがそこにいた。「今日は早いんだな」ぶっきらぼうにそう言って、ポールはさっき言われた
事を思い出し、少し腹が立った。自分の心の中を見透かされたような気がしたからだ。


91ホワイトアルバムさん:2009/11/25(水) 23:48:39 ID:???0
「朝だから声が出ないだけさ。それよりいつからそこにいたんだよ」「ついさっき」
ジョージはポケットから煙草を取り出し、火を点けながら答えた。「俺も誰かさんを見習って
こっそり練習しようかな」とジョージが笑いながら軽口を叩く。「俺は別に好きでこんな事やってる訳じゃ」
その言い方にまた少し腹が立った。何か言い返してやろうと思案していると
「俺も練習に付き合おうか?」ジョージが静かに言った。突然のジョージの申し出にポールは軽く
面食らった。「え?」あとに続く言葉がしばらく出て来なかった。
最近は顔を合わせれば喧嘩ばかりしているジョージに、そんな事を言われるとは
思わなかったのだ。そういえば昨日も些細な事から喧嘩になったっけ。「なんでそんなに驚くんだよ」
ジョージが不思議そうな顔をしてポールを見ている。こいつは昨日の事も憶えてないのか?
そう思いながらも「練習に付き合うって言ったって、おまえは何をするんだよ」慌ててそう答える。
しばらく間を置いて「それもそうだよね」と、天井を見ながら煙を吐き出しジョージがのんびり答えた。
「俺の手拍子でも入れようか?」本気なのか冗談なのかも分からない間の抜けた答えを聞いて、なぜか急に笑いが
込み上げてきた。
92ホワイトアルバムさん:2009/11/26(木) 00:04:54 ID:???0
ポールは辺りをはばからずに笑い出してしまった。ジョージはなぜ彼が笑っているのか分からず
しばらくポカンとしていたが、やがて「そんなに笑うなよ」と顔を少し赤くしながらポールにつられて笑い出した。
笑いながらこんなに腹の底から笑ったのはいつ以来だろう、とポールはふと思った。ジョージを見ると
彼も心の底から楽しそうに笑っている。まだあどけなさが残る笑顔を見ていると、これまでの
嫌な出来事や不安な気持ちが、何だかバカバカしくちっぽけな事のように思えた。2人は顔を見合わせながら
いつまでも笑っていた。心に絡まっていたものが解けたような気がした。「なんだよ、おまえら楽しそうだな」
ジョンの声が遠くから聞えてきた。声がする方向に顔を向けると、リンゴは何事かといった感じで
興味津々にこちらを見ている。笑いながら、ジョンやリンゴに早くこの話を聞かせなきゃ、とポールは思った。
窓の外を見ると、雲ひとつない青空が広がっていた。今日はいい1日になりそうな気がした。

終わり

93ホワイトアルバムさん:2009/11/26(木) 00:45:56 ID:???0
>>90-92

おお、ニューカマーさんいらっしゃいwww
しかもG/P? G/Pなんですね? ステキだあ!!!!!
ちょっと痛いところをジョージに突かれて動揺しつつも、「おにーちゃん」しようと
あせってるポールかわいいwww。
そして、特に意識もなしでポールを突っついちゃってきょとんとしてるジョージかわいいwwww。
幼馴染なのに珍しい2ショット。ごちそうさまでした!!!!
94ホワイトアルバムさん:2009/11/26(木) 00:53:16 ID:???0
>>93

はい、ニューカマーですw
まさかレスがあるとは思わなかったので、感想をもらって、今ものすごく嬉しいです。
でもよく考えたらエロじゃないし萌え要素皆無ですが、読んで下さって本当に
ありがとうございます×2。また思いついたら書き込みします。
95861:2009/11/26(木) 01:05:16 ID:???0
>>94さま

そこはかとない萌えがありましたよwwww。G/P、いつか書きたいと思ってたので
参考になりました。
次の書き込みも、呑気にお待ちしていますーーーwwww♪
あ、あと、こちらのSS、まとめサイトに載せたいのですが、よろしいでしょうか?
気が向いたらお返事くださいませ。

96ホワイトアルバムさん:2009/11/26(木) 01:18:28 ID:???0
>>95

さっそく返事します(汗)
お褒めの言葉ありがとうございます。本当に嬉しいです。
まとめサイトに載せてもらうのは全然構わないです。861さんもいつもここで
書いてる方ですよね?楽しく読ませてもらってます。また新作を期待しています。
97861:2009/11/26(木) 01:35:15 ID:???0
>>96

94さま。
早速の返事をありがとうございますwww!
そしてまとめへの掲載許可、感謝です。
「G/P」と「ほのぼの」の項目に「ホワイトアルバムさん」の名前で収録しますので、
もし後で作者名を入れたい場合は、申請お願いしますww。

そして日頃のご愛顧、誠にありがとうございますwwww。新作、頑張りたいです……(汗)。
ああ、ジョージの命日が目前だ! 何も手をつけていない!!!! まずい!!!!
が、頑張ります(冷や汗)。
ではーーーノシ

98三毛猫:2009/11/26(木) 05:52:08 ID:???0
1つお話が出来上がったので投下させてもらいます。
99フレンズ:2009/11/26(木) 06:19:55 ID:???0
ジョージはスタジオを飛び出していた。今まで何度飛び出したのだろうか。一瞬考えたが馬鹿馬鹿しくなって
数えるのを止めた。今日もポールとギターの事で喧嘩になった。思い出しただけで腹が立ってくる。
まだ認められていないのかという思いで悲しくもあるが。ジョンは
間に入ってくれるのかと思ったら、2人の喧嘩を黙って見ているだけだった。リンゴは悲しそうな目でジョージを見ていた。
もうビートルズを辞めようか。ふとそんな考えが頭をよぎる。これまでだって考えなかった訳じゃない。
そこまで考えたところでスタジオの入り口まで来てしまった。このまま帰ろうと思った時、後ろから「ちょっと待って」
と声をかけられた。これがポールだったら思い切り文句を言って、、とあれこれ考えながら振り向くと
そこにいたのはリンゴだった。ジョージは少し拍子抜けしながら「何?」とわざと冷たく言う。リンゴは「みんな
待ってるから」と短く言うとその場から去ろうとした。それだけ?ジョージはさらに拍子抜けした。リンゴなら分かってくれると
思ったのに。「そんなの知らないよ」冷たく言い放ってジョージは外に出ようとした。その瞬間、ものすごい力で
腕を掴まれた。びっくりしてリンゴを見ると、普段の温和な表情からは程遠い、真剣で少し悲しそうな顔がそこにはあった。
100フレンズ:2009/11/26(木) 06:24:04 ID:???0
「痛いよ」とジョージが言うと、リンゴは慌ててジョージの腕を放して、もう一度「みんな待ってるから」とだけ言い残してスタジオに戻っていった。
一瞬の出来事で少し放心状態になる。リンゴの真剣な顔を見たあとでこのまま帰ろうという気にはなれず、気持ちを落ち着かせようと煙草に火を点けた。
吸い終わると、ふぅと一つ大きなため息とも煙ともつかぬものを吐き出して、ジョージはスタジオに戻った。恐る恐るスタジオを覗く。
それに気づいた
ジョンが大げさに「ジョージが帰ってきた!」と叫び、リンゴはいつもの穏やかな表情でジョージを見ていた。ポールは気まずそうに
「さっきは悪かった」とだけ言い「じゃあもう一度さっきの続きを始めようか」と少しぎこちなく言った。
それを見たジョンがたまらず吹き出す。「何だよ!」とポールがジョンに怒鳴り、2人で喧嘩の真似事をしてふざけている。
ポールはあれでも俺に気を使ってるんだな、と思うと思わず自分も笑い出しそうになった。ジョージはまずポールの元へ歩いて行き
一言「ごめん」とだけ謝った。ポールはジョンとふざけるのを止め「俺も悪かった」と言い頭をかいた。ジョンは相変わらず
いたずらっ子のような顔で「ジョージがスタジオ飛び出したのはこれで5回目!」と笑いながら言う。それがいかにもジョンらしくてジョージは
思わず笑った。セッションが終わりそれぞれが後片付けを始めた頃、ジョージはリンゴの元へ行った。何を言おうか迷っていると
それに気づいたリンゴが「どうした?」と煙草をくわえたままジョージに声をかけた。「せっかく追いかけてきてくれたのに冷たくしてごめん」
101フレンズ:2009/11/26(木) 06:24:56 ID:???0
とジョージは素直に言った。リンゴは「俺はスタジオを飛び出したどころか脱退したからね」とおどけてみせた。そうだった。ジョージは
思い出していた。いつも温和でムードメーカーのリンゴが脱退すると聞いた時はショックだった。脱退するなんてよほど思い詰めての
事だったに違いない。だが、自分の前ではそんな素振りも見せなかった。その場の感情だけで動いている自分がとても恥ずかしく思えた。
リンゴは自分以外にこういう思いをさせたくない気持ちでいっぱいだったのだろう。一番辛い思いをしていたのは自分ではなくリンゴ
だったのだ。「本当にごめん」申し訳ない気持ちとは裏腹に今はこう言うのが精一杯だった。「気にするなよ」と笑いながらリンゴはジョージ
の肩をポンと優しく叩いた。みるみる気持ちが軽くなっていくのが分かった。
またみんなとは喧嘩をするかもしれない。けれど目に見えない大きな絆のようなものに守られているような気がした。自分は一人じゃない。
そう思えた。スタジオを出ると外はすっかり暗くなっていた。満月がジョージを優しく照らしていた。
102三毛猫:2009/11/26(木) 06:28:05 ID:???0
読みにくい文章ですいません。スレ汚し失礼しました。
103ホワイトアルバムさん:2009/11/26(木) 17:42:20 ID:???O
投下乙
次回作も期待してます
104三毛猫:2009/11/26(木) 19:27:54 ID:???0
>>103
拙い文章を読んでもらってありがとうございます。また近々ネタを探して書いてみます。
105861:2009/11/26(木) 22:58:08 ID:???0
>>三毛猫さま

ニューカマーさま、またもお一人ご案内♪
久々のR/Gで萌えました! そしてジョン……「飛び出したの5回目」じゃないでしょーが!!
困ったリーダーだなあ(苦笑)。>>94さまのSSといい、しみじみ読ませていただきました。
そしてどちらも時期がGBSあたりな感じがラヴ。後期のFabは疲れた感じが大人のエロス…ゲフン
色気が漂ってて……やっぱ、エロいですね(汗)。てなわけで、こちらもまとめに入れさせて
いただきたく思います(低頭)。次回作も呑気に待ってます!
ああ……ビースラが二本も投下されてるなんて…今日はいい日だwwww
106三毛猫:2009/11/26(木) 23:05:35 ID:???0
861さま
読んでいただいてありがとうございました。実は>>90-92の話も自分が書きました。
本当は名無しのままでと思っていましたが、あとでここのルールを読み返して2本目の話から
この名前で書かせてもらいました。これからはこの名前でいこうと思います。
また1本完成しそうなので近々投下しようと思っています。よろしくお願いします。
107861:2009/11/26(木) 23:43:08 ID:???0
>>三毛猫さま

Wow!! そうでしたか! それは失礼いたしました(汗)!
今、ちょうどまとめサイトに収納していたところですwww。
三毛猫さまの最初のSSは「Nontitle」とタイトルを勝手につけさせていただきましたすいません(超低頭)!
後でまとめサイトの「作者別」の項に「三毛猫」さまの項を作っておきますね。
あと、一応ふたつのSSともにジャンル別の項では「ほのぼの」、CP別の項では「G/P」と「R/G」それぞれの項に
収納しておきますので、後はよしなにwwww(低頭)。
わーい♪ 次回予告をもらってちょっと嬉しいっす!! 呑気にwktkでお待ちしていますーーーー♪
などと、なんだか色々と勝手なことをいっていますが、まとめの件はこんな感じでやってみます。
こちらこそどうぞよろしくお願いしますーーーー!!!!
108861:2009/11/27(金) 00:40:18 ID:???0
そして、業務連絡
三毛猫さま、まとめサイトの収納、終わりました。
文章の成形を勝手にやってしまっているので、後で確認など、よろしくお願いいたします。

それでは、色々と勝手をやって、大変失礼しました(低頭)。
109三毛猫:2009/11/27(金) 01:21:21 ID:???0
まとめサイト見てきました。自分の名前が載っているのがなんだか嬉しいような恥ずかしいようなw
新参者なのに載せてもらってありがとうございました。
110三毛猫:2009/11/27(金) 03:24:20 ID:???0
お話ができたので投下させていただきます。
111A Little Help From My Friends1:2009/11/27(金) 03:47:27 ID:???0
「気分が悪い」マーティンがコントロールルームでの作業を一旦終えて、表へ出る。
やれやれと一息ついたところに突然この言葉が耳に飛び込んできた。「気分が悪い」
まただ。辺りを見回すとテーブルの上に誰かが突っ伏している。ジョンだった。どうしたのかと思い声をかける。
「大丈夫かい?」「気分が悪い」馬鹿の一つ覚えのように同じ言葉を繰り返している。「どう気分が悪いんだ?」
「新鮮な空気が吸いたい」今日も一日レコーディングに費やした。おまけに皆が喫煙者のせいで、スタジオの中は煙草の煙が立ち込めている。
さすがのジョンもこれには堪えたみたいだなと思い少し可笑しくなる。「屋上へ行くかい?」と聞く。夜風にあたれば気分も良くなるだろう。
「ああ」とジョンは弱々しく答える。周りを見るが誰もいない。「一人で行けるか?」「大丈夫」それだけ言うと、ジョンはヨロヨロと立ち上がり
屋上へ続く階段へ歩いて行く。一人で行かせて大丈夫だろうか?とマーティンは一瞬考えたが、まだ片付けたい作業が残っていたので、まあいいか、と自分を納得させるように独り言を言った。
しばらくするとスタジオに戻ってきたポールが開口一番「あれ、ジョンは?」とマーティンに尋ねる。「気分が悪いと言うから屋上へ行かせたよ」「ふーん」ポールはそれだけ言うと
あとから戻ってきたジョージとリンゴをつかまえて雑談を始めた。しばらくしてポールが「あっ」と言って突然立ち上がると、スタジオから足早に出て行こうとする。「どうしたんだよ、そんなに慌てて」
ジョージが尋ねると「とりあえず後で」とだけ言い残して出て行った。残された2人は少し呆気に取られながら後ろ姿を見送っていた。ポールは急いでいた。俺は何て馬鹿なんだ。と心の中で叫びながら。
ジョンの気分がすぐれなかったのはクスリが抜けた後の禁断症状なのに。マーティンに言われてすぐジョンを呼び戻しに行かなかった自分に激しく後悔した。確か屋上には手すりがなかったはず‥。
そこまで考えて恐ろしくなり考えるのを止める。屋上へ急ぐ。屋上へ上がると空気が刺すように冷たい。急いで辺りを見回し、暗がりに目をこらすと誰かが床の上に大の字で倒れていた。
112A Little Help From My Friends2:2009/11/27(金) 03:54:45 ID:???0
「ジョン!」思わず叫んで駆け寄る。「ああ〜?」突然、場違いな間の抜けた返事が返ってくる。
ポールは思わずジョンの顔を覗き込んだ。ジョンはニンマリと笑っている。この状況が把握できず、ポールは
ポカンとするしかなかった。「心配した?」とジョン。「……」ポールは何も答えられない。「実はさ」ジョンがそこまで言うと
「ジョンのアホ!」とポール。「もし屋上から落ちたりでもしたらと思って慌てて‥」そこまで言って口をつぐむ。「でもおまえがここに来るまでずいぶんかかったぞ?きっちり10分」
時計を見ながらからかうように言う。「ジョンのアホ!」とまたポールが叫ぶ。「気分が悪いんじゃなかったのか?」それを遮るようにジョンが続ける。「ここから見る星は最高にきれいなんだ」「えっ?」
「お前知ってたか?スタジオにこもってばかりじゃ駄目だぞ」ジョンだって同じじゃないか。そう言いたいのを我慢して言葉に出すのをやめる。「何だよ。心配して損した」そう言いながら安堵のため息をひとつ吐いて
ポールもジョンの横にゴロンと寝転んだ。ひんやりと冷たい地面が気持ちよかった。寝転がって空を見上げると星が無数に輝いていた。
こうやって星を見るなんて何年ぶりだろう。しかも隣にいるのは女じゃなくジョンだ。そこまで考えて可笑しくなった。「なんだニヤニヤして、気持ち悪いな」とジョン。「たまには男同士で星を眺めるのもいいかもしれない」
「どこが」ジョンにあっさりと否定された。
113A Little Help From My Friends3:2009/11/27(金) 03:57:26 ID:???0
しばらく無言のまま2人で星を眺める。「風邪を引くからそろそろ戻ろうか」そうポールが声をかけると
「もう少しこのままでいいよ」とジョン。仕方ないな、と思いながら目を閉じる。思いきり深呼吸すると、夜の冷えた空気が体に流れ込んで心地よかった。
「本当に心配したんだからな」とポールはジョンの顔を見ないままそう言った。いつもならここでからかってきそうなところだが「ありがとう」ジョンは意外にも素直にそう言うと
照れくさいのかポールに背を向けてしまった。ポールはまた一人静かに夜空を見上げた。ふいに誰かが階段を昇ってくる音が聞こえた。「何やってるんだよ!」見ると、心配して屋上へ上がってきたリンゴ達の呆れた顔がそこにあった。

終わり
114ホワイトアルバムさん:2009/11/27(金) 03:59:41 ID:???0
P「久しぶりだねえ、支援だよ!」
J「ルーシーがダイヤもって空飛んでるぜ、ポール!」
P「うるさい! ジョンのアホ!」
J「なんだよ、悪かったって」
P「ジョンのアホwwwww!!!!!」
J「お前、そのフレーズ気に入ったんだろ」
P「ジョンのアホ〜、イェー!!」
J「……ポールのアホ(空耳)」
115ホワイトアルバムさん:2009/11/27(金) 04:39:48 ID:???0
>114
支援ありがとうございます。ジョンのアホはまさしくポールのアホ!の空耳のパクリですw
へたくそな話を読んで頂きありがとうございました。
116三毛猫:2009/11/29(日) 05:27:31 ID:???0
お話ができたので投下させて頂きます。
117ホワイトアルバムさん:2009/11/29(日) 05:55:27 ID:???0
のどの渇きを覚えて目が覚めた。まだ頭がぼんやりする。ここはどこだろう。ぼんやりした頭で周りを見回す。見慣れないカーテンに見慣れない家具。
記憶をたぐり寄せる。ああそうだ。夜遅く仕事を終えて、帰るのが面倒だという理由で、スタジオから程近いセントジョンズウッドにあるポールの家に3人で押しかけたんだった。
4人で酒を飲みテレビを見ながらくつろいでいたが、仕事の疲れが残っていたのか途中で気分が悪くなり、他の3人を残したまま自分は寝室へ向かい、そのままベッドに倒れこんでしまったのだ。
ここまで思い出し、ふと横を見るともう一つベッドがあり、誰かが寝ていたような跡が残っていた。とりあえずベッドから降り、裸足のままキッチンへと向かう。
ここには何度か来た事があったので迷うことはなかった。グラスに水を注ぎ一気に流し込む。冷たい水がぼんやりした頭を少しだけスッキリさせてくれる。
もう一眠りしよう、そう思い、寝室へ向かおうとすると、リビングから明かりが洩れているのに気づいた。
誰だろうと思い、中を覗く。ジョージがいた。「何してるんだ?」と声をかける。「眠れなくて」とジョージ。見るとテーブルの上にウィスキーが半分残ったグラスが置いてある。
「もう気分は良くなったのかい?」ジョージが聞く。「ああ」とだけ答えると「聞いてくれよ」とそれを聞いて安心したのかジョージがクスクス笑い出す。
「ジョンが飲んでる途中で寝ちゃってさ」おかしそうに肩を揺らして笑う。
「ポールと2人で必死に起こしたんだけど、全然起きなくて。仕方がないからソファで寝かせたんだけど」と指でジョンを指差す。「あまりにも動かないもんだから鼻をつまんでやったんだ。それでもピクリとも動かないんだぜ。死んだのかと思ってビックリしたよ」
今はかすかにイビキをかきながら眠っているジョンが目に入る。それを見てリンゴも思わず笑う。
「ポールは?」「もう寝ちゃったよ」
動かないジョンを見て、呆れた顔をして寝室に引き上げるポールを想像して可笑しくなった。
「こっちに来て一杯やる?」ジョージがグラスを掲げてリンゴに尋ねる。「いや、もういいよ」そう言って寝室へ戻ろうとジョージに背を向けたが、
明日は一日オフだったことを思い出し、少し考えて「やっぱり付き合うよ」と言ってジョージの座っているソファへ向かった。
118ホワイトアルバムさん:2009/11/29(日) 06:04:20 ID:???0
「どっちなんだよ」とからかうようにジョージが笑う。酔っているのか今日はずいぶん楽しそうだ。「シャツが皺になってるよ」リンゴの姿を見てジョージが言う。
言われて自分の姿を見る。今日はカメラ撮影があるから小奇麗な格好で来るように、そうマーティンに言われてワイシャツとネクタイをクローゼットから引っぱり出し、それを着てスタジオに行ったんだった。
皺くちゃになったシャツを見て、軽く舌打ちしながらリンゴはソファのひじ掛けに座ると、ネクタイを緩めシャツをのボタンを外そうとする。それを見ていたジョージがふざけて「手伝ってやるよ」と言いながら
リンゴのシャツを掴んで脱がそうとする。慌ててそれをやめさせようと片手でシャツを掴み、もう片方の手でジョージをソファに押さえつける。
腕力には自信のあるリンゴが、酔っているジョージを押さえ込むのは簡単だった。「もうしないって」悲鳴に近い声を出してジョージが叫ぶ。
「本当か?」「もうしない」そう言うので力を緩めてやった。「ひどいよ」あまりの情けない声にリンゴが笑い出す。
ジョージはもうはむかう気力も失くしたのか、すねてしまったのか、ウィスキーが半分残っているグラスを掴むとグイっと飲み干し
「俺、もう寝るから」とだけ言って立ち上がろうとした。だが足元が少しおぼつかない。
119ホワイトアルバムさん:2009/11/29(日) 06:12:15 ID:???0
「悪かった」とリンゴは笑ってジョージの腕を強引に引っ張り、ソファに座らせた。
ジョージのくしゃくしゃになってしまった髪を見てもう一度笑う。そこで慌てて笑いをかみ殺す。「俺も一杯付き合うから」
お詫びのつもりでそう言うと少し機嫌を直したのか「グラスを取ってくる」と言ってジョージはキッチンへ歩いていった。
その姿をぼんやり見ながらリンゴは煙草に火をつけようとマッチを探す。どこにやったっけ。そう思っているとグラスを持ったジョージがマッチをリンゴに投げて寄こした。
「ありがとう」一言そう言って煙草に火をつける。リンゴのグラスにウィスキーを入れようとしたジョージをリンゴは手で制して「自分でやるから座れよ」と言ってソファをぽんと叩いた。
素直にジョージがそれに応じる。「今日も一日大変だった」ソファに座るなり体を投げ出して、ジョージはため息まじりにそう言った。
「まさしくハードデイズナイトだな」リンゴが間髪入れずにそう言う。「俺はまじめに話してるのに」少し怒った顔でジョージが言う。
「大変なのはおまえだけじゃないんだぞ」そこまで言って少し説教臭かったかなと思い「明日は休みだし、体を休めれば気分も良くなるよ」と言い直す。
同意を得られたのが嬉しかったのか「それでポールがさ・・」と身を乗り出して話を続けようとするが、ジョンがそばで眠っている事を思い出し慌てて口ごもる。
120ホワイトアルバムさん:2009/11/29(日) 06:24:23 ID:???0
「ポールがどうした?」リンゴはわざと意地悪く聞き返す。ジョージは焦って人差し指を口の前に当てて(黙れ)というゼスチャーをとる。
それがおかしくてまたリンゴが笑い出す。ジョージはからかわれた事にまた腹を立てて、そばにあったマッチをリンゴに投げつける。
さっきからいい年をした大人2人が何をしてるんだ?そう思うとリンゴは余計におかしさがこみ上げてきたが、天気のように気分がころころと変わるジョージを見ていると
愛しさにも似た不思議な感情を覚えた。自分でもよく分からない感情だった。「悪かったよ」そう言うとリンゴはジョージの肩をぐっと自分に引き寄せた。
抵抗するか思ったが、ジョージは意外にもおとなしくリンゴに身を預けてきた。
少し驚いてジョージの顔を覗き込むと、「もう少しこのままでいさせてくれ」と小さく消え入りそうな声が聞こえた。リンゴは静かにジョージの頭を優しく自分の肩にもたれさせた。
しばらくそうしていると寝息が聞こえてきた。リンゴがそばにいて安心したのか、ジョージは眠ってしまっていた。
やれやれ、と思いながら煙草の煙をゆっくりと吐き出し、リンゴは一人、静かに流れていく時間を楽しむのだった。
(困ったな)ジョンは一人悩んでいた。リンゴがリビングに入ってきた時点で目が覚めていたが、2人のやり取りを見て、起きるタイミングを完全に逃してしまったのだった。
(頼むから2人とも早く部屋に帰ってくれ)ジョンは一人、切実にそう願っていた。

終わり
121861:2009/11/30(月) 00:22:15 ID:???0
>>三毛猫さま

おお、R/Gだほのぼのだwwww!!!!! 二人っきりだと勘違いしてキャッキャうふふ☆といちゃこら
してるエコノさん達にアテられて人知れず困ってるジョンがすげえかわいいっす♪ ご馳走様です!!
最近、人のご飯をおごられてばかりいる気分ですなあ。いやあ、美味しいおいしいwwww。
そしてAnnaさま、うpろだ見ました♪ わーいかわいいジョージ! すげえギター描いてる!!
よろしかったら、またイラスト見せてくださいなwwww。
そして私は……
すいません…明日、明日には必ず……ごめんよ、ジョージ!! 愛はあるんだ!
…かたよってるけど……(涙)

122三毛猫:2009/11/30(月) 02:48:22 ID:???0
861さま

お褒めの言葉、ありがとうございます。こんな話でも需要はあるんでしょうか(汗)

明日は特別な日ですね。861さんの書くジョージのお話、首を長くして待ってます。
123861:2009/12/01(火) 02:48:50 ID:???0
ども今晩は、861です。
ジョージの追悼SSですが、申し訳ありません。今は書けないと判断しました。
確かに、猿に心を奪われているのも確かですが、なんてか……下手なものを書きたくない、と思うように
なってきました。
前にジョージのご臨終をお笑いでかわしたことがありますが、もうきっとアレが私なりの、ジョージ追悼だったのでは
ないかと思えます。
きっとリンゴとポールが、きちんとジョージに最後の挨拶を出来たから、もう私ごときが口を出す必要がないと
感じている、てのもあるかも分かりません。
ごめんねジョージ……あんなおちゃらけSSで追悼なんて(泣)。
でも、お笑い大好きなあなたなら、きっと分かってくれるはず! と勝手に思ってたりして。
一応うpろだに、あなたのイラストを置いてきてもらったから、それで許してほしい……んだけど、だめ?
ようつべで今見てきたけど、やっぱりかわいいなあ。ステキだなあ。不思議だなあ。
こんな人が、一緒の世界にいたなんて。それだけでもう奇跡なのに。
奇跡だったのに。
神様、ちょっとだけでいいから
ジョージを返してくださいよ。
ほんの1分だけでいい。
ジョージを帰してくださいよ。帰してくださいよ。独り占め反対。
今だったら、ジョージ、どんな風かなあ。もしかしたらリンゴとツアーしてたかもしれないなあ。
ポールとまた憎まれ口を聞きあってたかもしれないなあ。ダーニと一緒にアルバム作ったかもしれないなあ。
神様、返してくださいよ。ジョージを帰してくださいよ。彼の可能性を返してくださいよ。
神様。
お願い。
124ホワイトアルバムさん:2009/12/01(火) 21:47:16 ID:???0
ジョージ大好き 夢でもいいから逢いたい all things must pass聴いたら切なくなってきた・・。
125ホワイトアルバムさん:2009/12/02(水) 04:13:18 ID:???0
今日はツアーの最終日だった。
ジョージはこれでやっと落ち着いて酒が飲めると思い、ジョンに「これから飲みに行こうよ」
と誘ったが、「俺はポールと行くから」とあっけなく断られた。ジョンとポールが
夜の街に消えていくのを、一人寂しくジョージは見送った。そうだ、リンゴと飲もう。
そう思い、リンゴの部屋をノックする。リンゴは少し疲れた顔をしていたが、「一緒に飲もう」
と提案すると機嫌よく部屋に入れてくれた。コンサートから解放されたせいも
あって、ジョージは心配するリンゴを横目にこれでもかという勢いでグラスを空にしていった。
しかしあまりにも飲みすぎて、ジョージは途中で記憶をなくしてしまった。
気がつくとベッドの上だった。頭がズキズキした。リンゴの姿が見当たらないので
周りをキョロキョロすると、彼はソファで寝ていた。風邪を引いては大変だと思い
ジョージは毛布を持ってリンゴに近づいた。
126ホワイトアルバムさん:2009/12/02(水) 04:22:12 ID:???0
リンゴが起きないようにそっと毛布をかける。もう一度眠る気になれないので
ジョージは床に座って、リンゴの寝顔をしばらく見ていた。薄明かり中で見る
リンゴは男のジョージから見てもそれは愛らしかった。完璧なマッシュルームカットに
眉の上で切り揃えられた前髪。左右非対称の眉毛。どれを取っても巷でアイドル
と呼ばれるにふさわしい顔をしていた。あまりの可愛さと酔いも手伝って
ジョージは思わずリンゴの頬にキスをしていた。
127ホワイトアルバムさん:2009/12/02(水) 04:35:34 ID:???0
次の瞬間、我に返った。俺にはパティという可愛い彼女がいるし、リンゴは男だ。
いくら酔っていたからとは言え、自分がした事が恥ずかしくなり、部屋へ戻ろうと
慌てて立ち上がるが、頭がクラクラして、床に思い切り尻もちをついてしまった。
その物音でリンゴが目を覚ました。「どうしたんだい?」そう聞かれたが、ジョージは
目を合わす事が出来ずに「なんでもないよ」と言うのが精一杯だった。
128ホワイトアルバムさん:2009/12/02(水) 22:12:17 ID:???0
861さんのイラストとジョージのお話を読ませてもらったんですけど、とっても
素敵でしたよ〜。861さんの愛情が充分こちらにも伝わりました。けど今はモンキーズ
に心を奪われてしまってるんですねwまたビーでも素敵なお話を書いてくださいね。
スレ汚し失礼しました。
129861:2009/12/02(水) 23:22:05 ID:???0
>>128

こんばんは、ヘタレの861です。
まずは128さま、イラスト、SS共々に見ていただきありがとうございます!
てか…SSのタイトル、>>123のレスでは書いてなかったんですが、お分かりになりましたか(汗)?
一応書いておくと、「実質8スレ目時代」の「見上げてごらん、夜の星を」です。
あ、アレでいいんですか? ジョージ…えーと、アレでいいんですか!?(←二回聞くなよ)
ソロになってからのジョージのPVとか見たら…けっこう笑えるものが多いし(ブロウアウェイとかww。アヒールちゃんか?
アヒールちゃんなのか!? とか、「ディスソング」の「誰か不謹慎だと突っ込めよwwww!」などなど)、「ラットランド〜」の
海賊コントでノリノリだったりするので「コレくらい、本人に較べたら!」と自分を奮い起こしてスレ投下をお願いしたのもいい
思い出です(その頃入院してたので)。
ジョージ追悼SSはチョコチョコと書き出しては「ダメだ!」と破棄していました。
ジョージの気持ちになってもポールの気持ちになってみてもリンゴの気持ちになってみても
それは「なったつもり」のものでしかなく、本人達の心はもっと辛く、もっと切なく、もっと痛みを感じたに違いない!と
思うと、筆が止まってしまうのです。しかし、もしやジョージが逝ってしまうのを、一番「痛い」と思ったのは、実はポール
だったのではないかと思い至りました。ジョージが亡くなる直前にリンダを失ってるしなあ、サーマッカ(涙)。
130861:2009/12/02(水) 23:47:36 ID:???0
ポールはよくインタビューとかでジョンのことばっかり聞かれてるけど、ジョージのことを
聞かれることはあまりナイような気がするので、誰かそこらへんつっこんでくれないかなあと
思います。サー、泣いちゃうかもだが。なんたってジョージと超絶久々に曲を録音したのが
94年で、リンダを亡くしたのが98年で、ジョージが逝ってしまったのが2001年。その次の年に
再婚してるんですよねえポール(涙)。今調べてこの事実に行き着いたけど、ちょっと半べそ
モノだと思うのですが、この話。まだリンゴがいるだろ! という突っ込みはさておき(泣笑)。
でも、ジョンの時とは違い、ちゃんとビー同士でお別れ出来て、ちゃんとお話できてよかったなあ
と、取るに足らない1ファンですけどそう思えます。
そして、またも嬉しいニューカマーさま>>125-127
短くまとめられていいなあ……。自分の思いがけない行動にビックリして尻もちついちゃう末っ子と
ほっぺチューに気付かずソファでうたた寝アイドル長男に萌えwwww。ああ、ジョージかわいい。
なんですか? 三毛猫さまといい今は「歳末ジョージ月間」ですかwww!? でももうすぐ
「2009ジョンレノン月間」もスタートしそうですねwwww。猿と一緒に遊びつつも、虫のおにいちゃんにも
から頭をこづかれつつ、今年は終わることになりそうです。幸せだなあ。
勝手にたらたら話しつついきなり終わりますが、失礼しました。
それではまた、9日あたりに。   861ノシ
131ホワイトアルバムさん:2009/12/03(木) 01:33:59 ID:???0
>>130

>>125-127書いたの自分なんですけど、ちょっとエチーな方向に持っていこうか
悩んでとりあえず中断したんですよwでもエチーな話は書いた事ないから・・。
まあ気が向けば書くかもwでもこのまま終わりなのもアリですねー。
132861 :2009/12/03(木) 01:52:21 ID:???0
>>131

おお、それは失礼なことをいいました! 反省。
エチーは、心の赴くままに。「こんなエコノさん達やあんなエコノさん達が見たい」
という、己の萌えのままの書くのが一番近道です。あのまま終わってもすっきりはしますが、
エチーも期待しますwww。気が向いたら、新しい話でもこの話の続きでもけっこうですので、
よろしくお願いしますwwwww。
この話の流れだと、G/Rですかねえwwww。
一々うるさいレス付け、失礼しました。
133ホワイトアルバムさん:2009/12/05(土) 01:06:06 ID:???0
>>132
エチーは心の赴くままに 深い言葉ですね。
>>125-127の続きを書こうと思ったんですけど
あの展開からドロドロにしようかと思ったんですけど、ちょっと無理があるし
かと言ってスマートに書けるような文書力も持ち合わせてないんで悩み中ですw
こういうのをスラスラっと書ける書き手さんが羨ましい。
それと質問なんですけど、エコノさんってなんですか?

134861:2009/12/05(土) 16:09:48 ID:???0
>>133

おお、お帰りなさい(笑)。
ご質問の「エコノさん」とは、「エコノミーズ」の勝手な短縮形で、ジョージとリンゴのことを
指しています。ジョージが自分とリンゴのことを「僕達はエコノミークラスのビートルで、ジョンとポールは
ファーストクラスのビートル」と称したトコロから由来してます。

勝手に答えるなら…うーん、あの話の流れで、ドロドロですか…。
あえてやるなら、リンゴとジョージがじゃれてるうちに、ついジョージがリンゴにちゅーしちゃったら思いのほか
リンゴが怒っちゃって、ジョージを非難。それにショックを受けたジョージが部屋を飛び出して、ジョンが
「今のは酷すぎないか、リンゴ!!」とか言ってジョージを追っかける。
今の騒ぎでポールが起きてきて、立ちすくむリンゴに「どうしたの?」と声をかけた時、リンゴが泣いていることに
気付いてポールびっくり。実はリンゴもジョージが好きなのだけど、必死でその気持ちを隠していたのでした…。
みたいな感じですか。ううむ悪い癖で勝手に想像を進めてしまった。反省。
スマートじゃなくてもいいのです。書くのに大事なのは、「書きたい」と思うキモチッす!
でも、これ以上筆が進まないのなら、仕切りなおして新しいのに挑戦するのもいいですよね。
年寄りは一々うるさいですねえ(自分突っ込み)。失礼しました!
135ホワイトアルバムさん:2009/12/07(月) 03:28:23 ID:???0
ジョンは家に向かってのんびり歩いていた。
手には紙袋を持っている。ショーンに読んでやるための絵本が数冊入っていた。
「もうショーンには聞いてくれた?」並んで歩いているヨーコに尋ねる。
クリスマスに何を贈ればいいか分からず、彼女にさりげなく探りを入れるように頼んでおいたのだ。
「それが聞いても教えてくれなくて」とヨーコが言う。
「どうして?」ジョンが尋ねると「「サンタさんにはもうお願いしてあるから教えない」の一点張りなの。
反抗期かしら」ヨーコは困ったような顔でジョンを見て笑う。「それは困ったな」
ジョンもつられて笑った。5歳でもう反抗期か。成長の早さに驚くと同時に、ジョンには
それが嬉しくもあった。
136ホワイトアルバムさん:2009/12/07(月) 03:36:02 ID:???0
ふと辺りを見ると、すでにクリスマスの飾り付けをしている店がちらほらとあった。
「世間は気が早いんだね」そうヨーコに言うと「ジョンが世間に疎いだけ」と呆れた顔で言った。
「そりゃ疎くもなるよ。もう5年だもの。早いもんだな」ジョンはのんびりした口調でそう言うと
何気なく空を見上げた。今にも雨が降り出しそうだった。傘を持ってこなかった事を、ジョンは少し後悔した。
もう5年か。ジョンは雲行きの怪しい空をぼんやりと眺めながら、これまでの事を思い返していた。
137ホワイトアルバムさん:2009/12/07(月) 03:47:29 ID:???0
ショーンが生まれてから、ジョンの生活は一変した。彼を中心に世界が回っている
と言ってもいいほどだった。少し過保護過ぎるんじゃない?とヨーコはいつも呆れていた。
確かに思い当たる事が多々あったが、ジョンは意に介さなかった。
それまで続けていた音楽活動も、ショーンの為にあっさりと中断してしまった。
マスコミや世間は騒いだが、それもしばらくすると徐々に収まっていった。
日が経つにつれて、自分が世間から忘れ去られていくような気がして
一抹の不安や寂しさを覚える事もあったが、日々成長していく息子を見ていると
そんな不安は少しずついつの間にか消えていた。
138ホワイトアルバムさん:2009/12/07(月) 04:04:09 ID:???0
だがここ最近、ジョンは空いた時間を見つけては、少しずつ曲を書き溜める
ようになった。ある日、ジョンがリビングで何気なくギターを爪弾いていると
その音を聞きつけたショーンが、目を輝かせながらジョンの膝に飛び乗って
「なにか歌って」と、ジョンにねだったのだった。初めは困惑して、適当に思い浮かんだフレーズを
ショーンと一緒に歌っていただけだったが、それが2日、3日と続くと、いつの間にかそれが2人の日課になっていた。
そんなショーンを見ていて、不思議と創作意欲が湧いてきたのだった。
ジョンはショーンの喜ぶ顔がもっと見たくて、彼の為に曲を書き始めていた。
きっかけなんてこんなもんなんだな。いつの間にかジョンの膝の上で眠っている
ショーンの髪を優しく撫でながら、ジョンは一人つぶやいていた。

139ホワイトアルバムさん:2009/12/07(月) 04:21:29 ID:???0
ショーンのその寝顔を不意に思い出し、ジョンの顔は知らないうちにほころんでいた。
それを見たヨーコが「どうしたの?」と尋ねると、ジョンは慌てて「何でもない」とだけ
答えると、少し足早に歩き出した。ヨーコは不思議そうにジョンの後ろ姿を見て、肩をすくめた。

とうとう雨が降り出した。ジョンは立ち止まって後ろを振り返ると、ヨーコが追いつくのを
待った。家はすぐ目の前だ。手に持っていた紙袋を見た。雨で少し濡れている。ジョンは
紙袋についた水滴を手で払い落とした。絵本、喜んでくれるかな。ジョンはいつも玄関で
元気よく自分に飛びついてくるショーンの顔を思い出していた。

「もしかしてジョンレノンさん?」不意に声をかけられた。
ファンだろうか?そう思いながら、少し警戒心が薄れていたジョンは、ゆっくりと顔を上げた。

少しの静寂のあと、乾いた音が数発、辺りに響いた。雨が激しく降り出した。

140ホワイトアルバムさん:2009/12/07(月) 04:28:59 ID:???0
名乗るのを忘れていました(´・ω・`)三毛猫です。
ジョンファンの方、暗くてつまらない話を書いてすいません(´・ω・`)

141Rise & Fall:2009/12/07(月) 09:37:26 ID:???0
861様、ご無沙汰していました。
引越があったりで、最近やっとネットが見れる環境になり久々に訪問しました。
嬉しい新作がある。I call your name、遅らばせながら堪能させていただきました。
グループの中で唯一弟がいて兄という存在のポールはどこにいても
同じように兄という立場で立ち回ることになってしまうのでしょうか。
昔から彼はきっと見守る人なんだろうなと思っていました。
グループの中でも 彼の人生でも 皆が行ってしまったのを確認して
最後に彼が動く、そういうポジション。
それでこそポール、という気がしますし、その立場を一番判っていて
それを頼りにしていたのもジョンだったような気がします。
このお話はそれを改めて思い出させてくれました。
ただ一人の主人(マスター)、というくだりは思わずケイト・ブッシュの
「嵐が丘」の歌詞を思い出してしまいましたよ。リマスター、私はまだ
購入していませんが、861様がそれを開けて堪能したときに どんな
話を創造してくれるのかと期待をしてしまいます。
そして久々に書き込んだら規制がかかっていて書き込めません(泣)。
だいぶ経っているのにまだだめなのか?今日こそ書き込めますように。

142861:2009/12/07(月) 13:31:48 ID:???0
>>141

Rise&Fallサマ。
まずは引越し、お疲れ様でした! それにしても、最近の規制事情では、私達ユーザーは泣かされっ
ぱなしですねえ(ため息)。
話にいきなり入りますが、私もポールには同意見でスww。後、以前にも書きましたが、ポールは「待つ人」
なんだと思います。「約束」が果たされるのを待つ人。果たされることを信じて待つ人。
何故かジョンが逝ってしまってから、特にそんな感じを受けてしまいます。
なんか最近、ポールの目でジョンを見ます。そしたら、すごく切なくて泣きそうになったり。
ああ、この人はジョンが好きだったんだ。本当に、ジョンを頼りにしたかったんだなあと。
そして、この人がそう思えた相手はジョンだけだったんだなあと。
ジョンとはまた違う意味で、孤独な人だからなあ。
そんな意味では、孤高の二人だったんだと。
だから理解し合えたんだろうと。そう思えます。
…なんだか、意味が取れない文章になってしまってますねえ。すいません!
とにもかくにも、いつも嬉しい感想をありがとうございます! ケイトブッシュにそのような歌があったんですねえ。
勉強になります! 
>>三毛猫さま
ジョンのお話。切なくてよかったですww。彼にとってショーンの存在が、どれほど嬉しかったか。
それを思うと、あの事件が本当に許せませんね! 返せよ、ジョンを! 返せーーーー!!!!!
と、天に悪態をついたところで、それでは、またノシ
143ホワイトアルバムさん:2009/12/08(火) 00:56:25 ID:???0
>>134

そういう話の広げ方が1番しっくりきますね。この話はこれで終わりにして
出直します。次はポールを女の子にして話を作ろうかなw
それとエコノはエコノミーズの略だったんですね。知らなかった。でもさすが
皮肉屋のジョージって感じですねー。口の達者なところはジョンに負けてないかも。
それでは失礼しました。

144ホワイトアルバムさん:2009/12/08(火) 05:04:21 ID:???0
わっふる わっふる(`・ω・´)
145靴下の秘密 1/1:2009/12/08(火) 09:10:45 ID:???0
賢い子供は知っていた
愛される術を全部

でも靴下の中には
カミソリを隠したまま
抱き合いながら
微笑んで
夕日に傾く影は
赤く染まった


ジョンは一人、暗い森を歩いていた。
ただ、一人、当てもなくただ歩いていた。森の中には、鳥や虫や動物があった。
彼はすっかり泥で汚れていたが、その足を休めることはなかった。
彼は空を見上げた。暗い森で一人。彼の視界にはエメラルドグリーンの海が広がった。
ここには、誰もいない。ポールも、ジョージも、リンゴもいない。
誰一人彼を見つけてくれる人などいない。
ある程度のところまでくると、彼は狐の親子を見つけた。どうやら、子供の狐が樹から下りられないらしい。
そこでジョンは樹上の子供の狐をひょいと持ち上げてやると、地面にそっと下ろし母狐のところへ返してやる。
母狐は礼をするように彼の寂しげな瞳を見つめ、そのまま子狐と一緒に走り去っていった。
146靴下の秘密 1/2:2009/12/08(火) 09:11:36 ID:???0
母と、子。自分には母などいただろうか?いや、いない。そんなものなどなかった。
母親に虐待された記憶は今でも忘れない。
不機嫌な表情で、殴る彼女。今でも体には虐待で殴られた痣が残っている。
時には「お前なんか産まなきゃよかった」そう告げられたこともある。
怒鳴る声。そのせいで、叱る声がすると自分に対して怒っていると思う。パニックになったこともあった。
でも次に思い出すのは、おばさんの優しい暖かい腕の中。
おばさんは、少しの事でも褒めてくれた。学校であったことを話すと、おばさんは偉いわねぇ、あなたは立派ね。といつも頭を撫でて額に優しいキスをしてくれた。
それでもたびたび思い出すのは、母親のこと。
17歳になったとき、おばさんは母について話してくれた。
あなたのお母さんが、あなたに危害を加えてしまうのは病気だからなの。だから、お母さんはあなたが嫌いな訳ではなくてただ、愛したいけど愛せないの。
おばさんはそういった。
おばさんは、ジョンが心の奥底のどこかに母親に憎しみの感情を抱いていることを気づいていた。
だから母親に愛されない代わりに、人より優れた物を持てば人から愛されると思った。
愛されたい、ただそれだけのために彼はこの道を選んだ。

ポールと曲を作っているときだけが、救いになった。ポールは本当に、彼を慕って彼を目立たせようとしている。
ポールは、自分の母親は14歳の時癌で亡くなったと云った。看護婦だったと、彼は云った。
お母さんに愛されなかった分、おばさんに愛されてる君がうらやましいよ、とポールは云った。
でも、お父さんがいる君が俺にはうらやましいと彼は云った。
それから、ポールと本格的な交友が始まったのだ。
147靴下の秘密 1/3:2009/12/08(火) 09:12:56 ID:???0
歩いて、丸半日。
森は暗くなり始めた。ジョンは適当に腰掛けると、小枝を集めてマッチを擦って焚き火を作った。
枝がぱちぱちと燃える音を立てて、オレンジ色の光が大きくなる。
暖かい。ジョンは手を遠くから近づけて温まった。食べ物は、何かないか探した。
ちょうど、チューインガムが上着のポケットの中に入っていたことを見つけた。
彼はガムに感謝して口の中に放り込むと、包みと包装してあった用紙を焚き火の中にぽいと投げ捨てる。
これだけでは、空腹はしのげない。
でも、いいのだ。のたれ死んだほうがいいとジョンは思っていた。

彼は眠った。不明慮だが、最初に出てきたのはポールの顔。
彼はとても心配そうだ。警察に行ったらしい。ジョージは、ずっと俯いて自分を責めている。
リンゴは冷静に、どこか行きそうなところ知らない?と聞いている。
これは今起こっている状況なのだろうか。それとも、こうあってほしいという理想だろうか。
次に彼は、リヴァプールにいた。夢の中で母と住んでいた家への通りを歩いていた。
彼は夢の中で子供に戻っていた。
彼は家まで走って行った。家に帰ると、彼の鼻にいいにおいが飛び込んできた。
148靴下の秘密 1/4:2009/12/08(火) 09:13:50 ID:???0
母だった。母は、エプロンをつけてケーキを焼いているようだった。
ジョンは、声をかけずに立っていた。
母はジョンに気づくと、彼に満面の笑顔を向けておかえりなさい、母親譲りの赤毛がかった柔らかな髪を撫でて額にキスをする。
嘘だ。これは夢だ。ジョンは、もう一度母を見た。母は確かに、自分に対して優しい目線を向けている。
どうしたの?やはり、母の暖かい視線で包まれる。
ジョンは、気がつけば泣いていた。
いままで、溜まっていた痛みが流れ出るように泣いていた。母はジョンを抱きしめた。母も、泣いているようだった。
そして彼女はこういった。「ごめんなさい」
ああ、そうだ。これこそ、この時こそ今まで自分が待ち望んでいた時なのだ。
ジョンは母の涙が、服にしみこむのを感じた。



I love you
I love you
I love you
RIP To John


end
149ミハイル:2009/12/08(火) 09:18:39 ID:???0
ジョン追悼ssです。
このssは、わたしがいろんな思いを抱きながら書きました。
わたしは、実際に母親に虐待めいた言葉を言われています。
産まなければよかった、実際に何回も云われたこともあります、、わたしは母親に愛されたいのです。
でも、そんな風には変わらなかった。
だから、このssを書くときにそんなことを思うと、混乱して泣いてしまいましたが、わたしはなんとかこのssを書かねば、と
がんばりました。
わたしには今、わたしを支えて母親の代わりになってくれている人がいます。
その人は、恋人です。
なんか、、すいません
150861 :2009/12/09(水) 01:58:20 ID:???0
ミハさま、SS投下乙です。

では私もジョン追悼SSを。
打って変わって、どたばたほのぼので失礼します。
ポールもジョージもリンゴも出るぞ。全員集合! 
てなわけで、タイトル「the Songbird」でいってみよう!!
151the Songbird/1:2009/12/09(水) 02:02:31 ID:???0
Title:the Songbird
Pairing:John/Paul/George/Ringo
Rating:Fan-fiction
BGM:Songbird(Oasis)


『「Free as a bird」を、皆でレコーディングしている時、一羽の白い鳥が、スタジオに降り立ったんだ。僕はみんなに言ったよ。
「ホラ、ジョンがきたよ! あれはジョンだよ!!」てね』     Paul McCartney

 1995年、ジョンレノン未亡人オノヨーコは、生前ジョンが録音していた未発表の曲のうちの数曲をポールに渡した。
「どのように使ってくれていい」との言葉を添えて。
 そして、二人は歴史的な和解を遂げた。
 そしてそれは、もう一つの歴史的な和解を生んだ。
 残されたビートルのほかの二人―リンゴスターと、なんとジョージハリスンが、ポールに渡された曲に手を加え、「新曲」と
して発表することになったのだ。
 このニュースは、世界中を……特にビートルズのファンを驚かせ、そして喜ばせた。
 長い間、不和を噂されていたジョージとポールが、やっと一緒の席に座るのだ。
 そして、それを促したのがジョン(の曲)だったということが、またその喜びを増加させた。
 世界が注目する中、レコーディングの場所はポールの農場にあるプライベートスタジオで行われることになった。昔の親友が、
やっと一緒にセッションできる。それをきっと、誰よりも喜んでいたのはジョンだったに違いない。
152the Songbird/2:2009/12/09(水) 02:06:08 ID:???0
 だから……
 ちょっとだけ、ちょっとだけ。な?

 そんな言葉が、雲の上のどこかから聞こえたような気がした―――。

「ジョージ、そこはもう少し早くしたほうがいいんじゃないのかな?」
 また始まったと、リンゴは苦笑した。変わらないなあと。
 また始まったと、ジョージは苦虫を噛んだ。相変わらずだなあ、と。
 噂の通りだなあとジェフリンが困りつつも、「伝説」の実証に興奮していた。
 ベースを抱えながらギターを吊り下げて、ポールが「ほら、もっとこう!」と「お手本」を、可愛い弟分に見せている。アレからもう何年も
経っているというのに、どうしてもポールにはジョージが、もうすでに大きな子供がいる、いっぱしの大人……とは思えなかった。噂も聞いてるし、
その姿も時々に見ているのに、久しぶりに直に会うと、昔と変わらないその華奢さと、人の話を聞いてるんだか聞いてないんだかよく分からん
態度に、ついあれこれと口を出してしまう。『まったく……どこまで言ってもわかんないヤツだなあ!』と、ポールは半分眉を吊り上げて、
しかしもう半分は嬉しさで顔を赤くしながらわくわくとジョージ相手にはっちゃいていた。
「あー、分かってるよ。ちょっと待って、今やってみてるから」
 そんなポールを煩そうに受け流しつつ、ジョージが自分の手元を見ながらチリリチリリとコードを爪弾いている。それはしかし、ポールのやる
通りではなく、自分のアレンジを試しているのだった。
「ジョージ、そうじゃなくてさ! ホラちゃんと見てよ!」
「ウルサイなあ! 俺のアレンジを試してみて、よくなかったらそっちをやるか考えるよ!」
「確かめるんなら、ちゃんとこっちを見てからにしてよ! ホラこうやって」
「あー、もう! わかんなくなっちまったじゃないか!!」
153the Songbird/3:2009/12/09(水) 02:17:55 ID:???0
 なぜかは知らねど、静かだった農場の一角が無駄に賑やかになっていた。どうしようかとおろおろしているジェフに、リンゴが
のんびりと声をかける。
「大丈夫、いつものことだからさ。アレで楽しんでるんだよ、二人とも」
 特にポールがまあ、子供みたいになっちまって。とリンゴは嬉しそうに二人のやり取りを眺めている。お互い、相談できる相手は
いてもケンカができる相手はいない。どこかでこちらを「ビートルズだ」と思って、萎縮してしまうのが見えてしまうので、こちらも
思い切り自分を出すことがなかなかできない状況だ。ポールとジョージのやり取りを見て、やっぱり俺たちは、誰と一緒にプレイ
しようと、この古仲間と一緒の方が気楽に自分を出せるようだとリンゴは微笑ましく思っていた。
 しかしその隣で、今ではジョージの盟友である敏腕プロデューサーが、天下のFab同士のケンカにハラハラしている。もしこれで、
二人が決裂して「新曲」が発表できなくなったらどうしようと、サングラスの下でちょっとだけ顔色を変えていた。
 そんな「アフロパンダ」さん(爆)に、リンゴはお茶を入れてあげようかと席をたったその時
「リンゴ! そっちで見てないで、どっちがいいかちゃんと聞いてよ!!」
 いきなりのご指名がかかって、ドラマーは首を思わず引っ込めた。
「なんだよ、お前まだリンゴに甘えてるのか!? ガキじゃあるまいし!!」
「なんだと!? 子供扱いしてるのはどこのどいつだ!?」
「僕より2歳も下の癖に、大人みたいな口きいてら!!!!」
「9ヶ月だって何っ回も言ってるだろ、この健忘症!!!!」
 そしてまたぎゃあぎゃあと言い合いが始まった。
 レコーディングの様子をPVにするためにスタンバッている撮影班が、困り顔でリンゴを見ている。そりゃそうだろうなと
リンゴは思った。スケジュールだって、そんなに自由に取れていないのに、昔なじみのボードヴィルもどきを楽しんでいる
暇はない。おい二人とも、とリンゴが雷を落とそうとした時
154the Songbird/4:2009/12/09(水) 02:23:53 ID:???0
 小さな羽音が、リンゴに耳に入ってきた。
 振り返ると、まだ羽が若いハトが、窓辺にきょとんと降り立っていた。首をかしげて部屋を覗き込み、リンゴに
つぶらな目を向ける。
「おや、鳥さんいらっしゃい」
 リンゴが思わず挨拶をした。なんというタイミング。彼は青い目をほころばせて、突然の訪問者に話しかける。
「せっかくきていただいたのに、あわただしくて失礼」
 クルル、と鳩の喉が鳴る。そして起用に細かく羽ばたき、リンゴの肩にちょこんと止まった。
「おやおや、お前さん人懐っこいね」とリンゴが目を丸くした。撮影班は、そんな嬉しいハプニングを撮って
おこうと早速動き出す。コレが使えたら、感動的なシーンになるに違いない。ジェフの顔にも笑顔が浮かび、
部屋がいい雰囲気になった。
 と、おもいきや
「あーーーーーーーーーーっ!!!!」×2
 リンゴの背中を、ユニゾンが突き飛ばした。全員が「何だ!?」と振り返ると、いい歳ぶっこいて子供返り
していた二人が、同じ表情でリンゴを指差していた。
「な、なんだよ」
 リンゴが驚いて二人に尋ねる。
「せっかくリンゴに聞かせようと思ってアレンジ決めたのに、なに呑気に鳥と遊んでるんだよ!!」
「リンゴ、その鳥! その鳥はきっとジョンだね!?」
 同時の発言だが、誰がどっちを言ったのかは歴然だった。
 なんだって? とジョージすら隣の発言に目を向けた。
 大きな垂れ目をより見開いて、頬を今まで以上に上気させてポールはリンゴの肩にいる鳩を指差し
続けている。口元には大きな笑み。目の端は……かすかに光っている。
「ぽ、ポール?」
 思わずジョージが声をかける。しかし、ポールは感激でぷるぷる震えているようだった。
 そして、感激のまま、隣にいる弟分の肩を「ガッシ!」と抱き寄せた。
 その力の強さに思わずジョージが「ぐえっ!」と声を上げた。しかしポールはキニシナイww。
ジョージを小脇に抱え目をうるうるさせながら、じりっじりっとリンゴに近づいていく
「ちょ、ちょっと、ポール?」
155the Songbird/5:2009/12/09(水) 02:29:47 ID:???0
 そんなポールの様子にリンゴはおろか撮影班もジェフリンも、たじたじと後じさる。
「お前……なにしようってんだよ?」
 リンゴの肩にいる鳩も、周りの人間とおなじ顔になっていた。不安げな鳴き声をリンゴの耳にささやきかける。リンゴがそれに
頷きながら、じりっじりっと後退していく。
「ポール、おい、ポール!!」
「動かないでリンゴ……、そのまま、そのまま」
「お前、まさかこの鳥を!」
「だって、ジョンだよ!? ジョンがきてくれたんだよ!?」
「だからってアンタ、まさかあの鳥、捕まえようってんじゃないだろうな!?」
 中腰のまま足を進めなければならないジョージが、そんなポールに呆れつつも図星を指した。
 ポールはきっっっぱりと言い切った。『それのどこが悪いんですかっ!?』
 ええええええええ!? と、聞いた人間全てが無言の悲鳴を上げた。
「やっとジョンが、やっと皆が揃ったんだよ!? 長かった…長かったよ。もうこれ以上バラバラでいるのなんか、僕はごめんだ!! 
こんな機会はめったに、いいや、もう二度とないかもしれない!!」
 もうずっと待っていた。この時を待っていたんだ。だから、もうこれからはずっと僕の側にいてもらうんだ。いてもらうんだよ!!
 ポールが強い口調で言い切った。全員の息が、ハッと呑まれた。
 ポールは本気だった。ジョージとリンゴの視線が、一瞬ポールに集まった。
 その時
「どわっ!!」
 ジョージ共々、ポールがリンゴに飛びついた。
 周りにおいてあった椅子やガラクタが一斉に、三人+1羽の上に落ちてきた。
「あっ!!」
 撮影班の一人が声を上げた。鳥がつぶされると思ってあせったのだ。
 しかし、その瞬間鳩は、抜け目なくパッと飛び立つと、折り重なってもがいてるfab達の上をくるりと旋回して、ジョージと
ポールの背中に一回ずつ止まった。
 そして、その場にいる全員を茶化すように飛び回り、やがて窓の外へと出て行った。
「あ、しまったあ!!!!!」
 やっと起き上がったポールが、窓に駆け寄り身を乗り出した。
 白い鳩の姿は、雲にまぎれてもう見えなかった。
「ジョン、まってよジョン!!」
156the Songbird/6:2009/12/09(水) 02:35:05 ID:???0
 なにも逃げることないだろ!!!! とポールが思わず悪態をついた。全員が、ハッと我に帰った。ポールの言葉と勢いで、
彼らもあの鳥がジョンだと思い込んでしまっていた。
 リンゴとジョージは顔を見合わせた。リンゴが「コラ」と目でジョージを叱る。バツが悪そうにジョージがリンゴに
頷くと、ポールの隣にそっと並び立つ。
 そして、その肩をわざと強く叩く。
「Free as a bird。だろ? ポール」
 一緒に窓から身を乗り出して、空を見上げながらジョージが言った。
「アレがジョンなら、やっぱり自由にさせてやろうぜ?」
 リンゴが、その後ろから明るく声をかける。
「大丈夫、またきっと来るよ」
 そして『今度は、こんな莫迦な様子を見せないようにしないとな』と続ける。
 ポールが気が抜けた顔つきで、ジョージを、そしてリンゴに視線を向けた。
 二人が、にっこり頷いた。
 その笑いが大きくなる。
「ポール、なンだおめえ、そのツラ!!」
「は、鳩が豆鉄砲食らっただか!?」
 思いっきりのリバプール訛りで、二人は腹を抱えて笑い出した。一瞬ポールはムッとしたが「うるせえこンの、
バカタレが!!」 とやっぱり故郷の訛りで答えた。三人の言葉は、三人以外には誰も聞き取れなかった。
 鳥にまで置いていかれたFab達は、腹を抱えてお互いの肩を叩いて笑った。
 その、楽しげな笑い声は、青い空に登っていく………。

 鳩が一羽、街の教会の屋根にたどり着いた。
 郊外にポールの農場がある街だった。
 田舎の、落ち着いて退屈な町並みの中で、そんなちっぽけな鳥の姿など、誰も気に留めない。
 鳩は羽を細かく使い、屋根の縁に下りようする。
 そして、その足が屋根に降りた時。
157the Songbird/7:2009/12/09(水) 02:41:58 ID:???0
「ふえーーーー、びっくらした」
 白いシャツと、いい感じでくたびれたブルージーンズをはいた姿の男が、その猫背を伸ばしながら、
やれやれと腰に手をあてた。
 癖のある髪を顔の脇にたらし、とがった鼻には丸めがね。抜けるような白い頬を軽く上気させて、
男はよっこらしょっと、訛りのある呟きを洩らしながら屋根に座り込んだ。
「まったく…ちょっとみないとすぐ喧嘩しやがって。今いくつだあいつら! 俺より年上になってるはずだろうにもう」
 恥ずかしいなあ! と胡坐をかきつつ、男はその不適な顔つきを手で覆った。大体リンゴがついてて、なんだ
あのザマ! 周りの人間ドン引きじゃねえか! 
 その男には、もう時の流れは関係なかった。その相貌は何時までも精力的で、しかし大人の落ち着きを見せている。
 だが口を開けばなんの、結局今の三人と大差がないのが知れた。
「それにしても……あいつら、年取ったなあ。ジョージなんていいオッサンじゃん!」
 そこまで言って、彼は今見てきたレコーディングの様子に心を向けた。
 ジョージが、ポールと一緒にディスカッションをしてる。コードをあれやこれやと試しながら、単音の曲に厚みを
加えていく。リンゴが、様子を見ながらドラムを決める。ああ、リンゴのドラムだ。タメが聞いてて、煩くないのに
くっきりとしてる。
 ジェフリンが、一所懸命音をつないでいく。撮影班の存在は、その昔自分達を取ったドキュメンタリー映画を
思い起こさせる。
 あの時はもう最悪だったなあ。と彼はあの頃を思い出してうんざりとした。でも、今は違う。確かにポールと
ジョージは言い合っていたが、あの時にあったような険悪さはどこにもなかった。それはリンゴの様子で分かる。
 まったく、意地っ張り共が。男が肘を立てて頬杖を付く。
 俺の曲が、あんな曲でも、少しは役に立ったかねえ。
 ポールの声が、それに答える。
『もうこれ以上バラバラでいるのなんか、僕はごめんだ!!』
 そうだよな、うん。と、男は頷いた。
158the Songbird/8:2009/12/09(水) 02:47:07 ID:???0
 そして、その薄い唇を照れくさそうにほころばせる。
「ありがとな、ヨーコ」
 そう一人言ちた時、彼の目に、古い相棒がこちらに気付いた時の姿が浮かんだ。
『アレはジョンだよ!』
 そう言った時の、その様子。
『ポール、あの鳥捕まえるのか!!!!』
 ポールに抱えられつつ、こっちを気遣うジョージのまなざし。
『いや、大丈夫だから』
 ポールの様子に不安になって、ついリンゴに話しかけた時、ただの鳴き声にしか聞こえなかっただろう
その声にちゃんと頷いて答えてくれたリンゴの横顔。
 その全てが、男の心をくすぐった。
『ずっと側にいてもらうんだ! 僕の側にいてもらうんだ!!』
 歳を取った顔で切実に向かってくる相棒の姿が、一層胸を熱くする。
「………へへっww」
 両膝を立てて、体育座りになった男は、膝の上に腕を組むと、嬉しそうな笑顔を乗せた。
 薄い顎を突き出して、男は、街を、その外れにある農場を臨んだ。
 ぐるりと広がる風景の向こうから、懐かしい訛りと笑い声が聞こえた。
 それを聞いて、男はもう一度「へへへw」と笑った。しかし、見上げる空はすでに暮れかかっている。西に沈みかかった夕日は、
青い空を赤く染めていく。
 と、教会の鐘が鳴った。
 まるで誰かに何かを知らせるように。
 へいへい分かりましたよ、と男は立ち上がると、もう一度、街の向こうに視線を向けた。
 そして小さく微笑むと、軽く猫背を空に伸ばす。

 一羽の小さな鳩が、赤く染まった雲に向かって、高く遠く飛び立っていった。


         861Hedge-hog’s
        「the Songbird」
          *the end*
159the Songbird/0:2009/12/09(水) 03:26:14 ID:???0
ジョージ追悼も兼ねました。
コレは今年の入院中に思いついてたんですが、その時はまだ「書けないな」と
自分で分かってました。今だから書けたんだろうと思います。なんとか形になって
よかった、よかったww。
ちょっと台詞がクサかったりしますが、そこらへんは鼻をつまんでいただけたらと……。
も、申し訳ありません。
今はジョージも鳩になってしまったなあ。
たまにリンゴやポールに会いに行ってくれてるかなあ。ジョンもついてってくれてるかなあ。
ソロもいいけど、やっぱりこの4人が揃ってくれてる方が好きです。たとえどんなおじいちゃんに
なろうとも。
恋しい気持ちに、変わりはありません。
John LennonR.I.P George HarrisonR.I.P
大好きな、莫迦野郎共へ。            
                       ではまたノシ   861 
160三毛猫:2009/12/10(木) 21:27:59 ID:???0
861さん

いつも一言コメントありがとうございます。励みになります。
今回のお話も素敵でした。ジョンは本当に白い鳩になって
ずっとみんなを見守っている気がします。

読んでる間中、自分の脳内で「Free as a Bird」のPVがずっと
流れてました。こういうお話が自分も書ければいいなぁと思います。
それでは失礼しました。
161ホワイトアルバムさん:2009/12/11(金) 00:43:38 ID:???0
>>160

三毛猫さま。
読んでいただき、ありがとうございます!
「ステキな話」と言われると照れてしまいます。もったいないお言葉を頂きました!
重ねて感謝ですww。
あ、ところで業務連絡になってしまいますが、今までの三毛猫様のお話をまとめに収納する場合、
お話のタイトルとか、どうすればよろしいですか? 「nontitled」でよろしいのでしょうか?
ちょっとなんだか、もったいない気もしますけれど……(汗)。
もしタイトルをいただけるようでしたら、お話の最初のレス番を頭につけて、お話のタイトルをくださいませ。
他に>>125-127さまも、「nontitles」の著者名「ホワイトアルバム」さんでよろしいですか?
いつでも構いませんが、お返事のほどをよろしくお願いします(低頭)。

162あ、しまった!:2009/12/11(金) 00:45:04 ID:???0
>>161

は、わたくしこと861でございました!
スレ汚し、失礼しましたーーーー!!
163ホワイトアルバムさん:2009/12/11(金) 01:54:19 ID:???0
ここ見てていつも思うけど
なんかひとり無視されててちょっとかわいそうだね
読み専からしたら大体書き手の特徴なんてすぐつかめるから一行レスでも自演あるのすぐわかるし
見てる側からの正直意見ね けっこうキツイよ

書ける人は書ける人で自分のサイトをか持ってやった方がいいんじゃなかな
164ホワイトアルバムさん:2009/12/11(金) 02:23:35 ID:???0
>>161
>>125-127の件はそれでOKです!m(_ _)m


165三毛猫:2009/12/11(金) 07:59:43 ID:???0
>>161

861さんへ

話のタイトルなんですが、>>111−113は「with a little help from my friends」で
>>135−139は「Beatiful Boy (Darling Boy)」でお願いします。それ以外の話の
タイトルも色々考えたんですが、フレンズ以外思い浮かばなかったので(汗)無題で
お願いします。お手数をかけますが、よろしくお願いします。


166ホワイトアルバムさん:2009/12/11(金) 09:43:10 ID:???O
投下させていただきます。
ジョージ視点G/Jです。
167ホワイトアルバムさん:2009/12/11(金) 10:06:32 ID:???O
僕はベッドに寝転がって、傍らに眠っているジョンを見ていた。
事が終わった後、体中の汗や汚れを拭いて、体力が残っていればお風呂に連れていって体を洗ってあげて、寝かしつける。
これが意外に楽しい。
僕には弟や妹はいないけれど、誰かのお世話をするのってこんな感じなのかもしれない。
しばらくジョンの寝顔を眺めて楽しんでいると、その眉間に皺が寄ってきた。
また悪夢を見ているのだろうか。
しっかり疲れさせると熟睡出来るみたいだけど、今日みたいに軽く交わっただけだと眠りが浅いらしい。
以前からジョンは時々こうやって夜中うなされる。
小さくうめいて体を丸め、両腕で自分の体を抱きしめ爪を立てる。
こうなったら僕の出番だ。
「ね、ジョンお腹空かない? 一緒におやつ食べようよ」
声を掛けてジョンの体を揺さぶった。
ジョンはびくっとして目を開き、それから助かった、と言いたげに僕を見た。
「ジョージ……ああ、腹へったな。何か寄こせよ」
そう言ってジョンは、下手くそに笑って起き上がった。
「はい、僕の一番好きなビスケット。とっておきだけど、ジョンにも分けてあげる」
「そいつは光栄だな」
偉そうにビスケットを受け取って、カリッと小さく一口かじるジョン。
食欲が無いのが見え見えだ。
僕は自分の立ち位置くらい把握している。
ポールみたいに隣に並んで世界と戦えないし、リンゴみたいな包容力も無い。
どう足掻いたって末っ子ポジションを脱却出来ない。
「おいしいでしょ、これ。甘過ぎないし、歯触りも絶妙でさ」
「いや、普通に甘いと思うぞ」

せめて心を込めて、子供を演じる。プライドの高い君のご期待に添えるように。
168ホワイトアルバムさん:2009/12/11(金) 16:58:44 ID:???O
>>163さん
そうなっても、仕方がないのです。
わたしが悪い。わたしがすべてを壊した。
ただ一つ、これでやっと銃を自分に向けて打つ理由が整った。
169polly:2009/12/11(金) 17:34:26 ID:???O
ミハイルは死にました。
彼女は、暴力による殴る蹴るのリンチを受けて最後には暗い森の中に遺棄されました。
そして、pollyが生まれました。
170861:2009/12/12(土) 08:21:03 ID:???0
※業務連絡※
三毛猫さま、>>164さま。
まとめサイトに収納いたしました。ただ>>164サマは、作者の項に「ホワイトアルバム」はありませんので
CP別「G/R」、ジャンル別「シリアス」の項に「Nontitle(実質9スレ目より)」として収納いたしました。
あとはよろしくお願いします!

171ホワイトアルバムさん:2009/12/12(土) 21:19:18 ID:???0
生まれたばかりのpollyは一人で生きるにはあまりにも無力でした
何度言葉を紡いだって誰も気づいてくれません
何度助けを呼んだって誰も気にも留めてくれません
あげく、彼女は最も憎むべき存在の彼女の母親の名を叫びました
生き残るには母乳が必要だったのに、母親はそれすら与えてくれませんでした

それでよかったのです
痩せ細ったpollyはまた土の中へ戻っていきます
貴方がいなくてもこのスレは進んでいきます
貴方がいた頃よりもずっと明るい光を浴びて

さようなら、重度のかまってちゃん
172三毛猫:2009/12/12(土) 21:24:55 ID:???0
>>170

861さま
いつもまとめサイトへの転載ありがとうございます!確認しました。
173ホワイトアルバムさん:2009/12/12(土) 22:22:28 ID:???0
>>172

三毛猫さま。
確認、ありがとうございました! また次のお話、お待ちします!!

>>171
もしかしたら、>>163な人ですか?
そうであろうと、そうでなかろうと、どんな相手に向かってであろうと、個人攻撃はやめとき。
もし彼女の書く物が不満なら、まとめで読みたいものだけ読めばいいじゃないのか?
彼女が一番傷つくやり方で攻撃をして、いい気分か? こんな文章書いて、気持ちよかったか?

唾棄すべき行為を堂々と見せ付けてんじゃない。
ここはビー萌えを皆で話したり、書いたSSを読んでもらったりする場所だ。
個人攻撃をする場所ではないので。
ではさようなら。
                      今回のスレ立て人こと861より。
174163:2009/12/13(日) 00:08:05 ID:???0
>>173
いや、違いますよ
いきなり名指しされるのは困ります
勘弁してください
175861:2009/12/13(日) 00:16:09 ID:???0
>>174

あ、これは大変失礼しました(低頭)。
以後気をつけます。
176163:2009/12/13(日) 00:26:02 ID:???0
>>175
かなり気分が悪かったんで二度としないでください

>>171はなんとなくですが本人が書いた文章に見えます
177ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 00:33:30 ID:???0
せっかくの良スレが・・・
178ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 00:33:38 ID:EoRR31pHO
板違いなクソスレage

腐女子は801板から出てくんな
マナーも知らんのか
179ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 00:43:57 ID:???0
(´・ω・`)ショボーン 
180ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 00:56:58 ID:???0
良スレもなにも感情まかせで関係ない人名指しして騒ぐからageられたんだろ。
181861:2009/12/13(日) 01:01:39 ID:???0
>>176

>>171は、pollyさん本人が書いたものではありません。

スルーすればよかったのですが>>171レスを読んで、一瞬の内に頭に血が昇って反論じみたものを書いて、
返って類焼させてしまいました。
>>176(163)さん、および他の方々にも、ご迷惑をおかけしました。
  改めて、そして重ねて、お詫びさせていただきます。 
そしてここで、163さんは171ではない、ということを改めて示しておきます。
このどちらにも、大変失礼なことをいたしました。申し訳ありません。
しかし、自分の非礼はお詫びしますが、>>171さんの書いた文章を容認したわけではないことを、ここに伝えておきます。
では、今回のスレ汚し、大変失礼いたしました。              861
182ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 01:20:45 ID:qZmCdrwP0
ここは2chなんだから個人攻撃や煽りなんてデフォでしょ
匿名の攻撃を許す許さないとか頭に血がのぼったとか2chで大真面目に書くって
別にあんたのスレでもサイトでもないんだし

2chでコテつけはけっこう見るけどここちょっと怖いよ
183ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 04:06:04 ID:???O
ミハイルってメンヘラが痛いのは前からだけどね
184ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 05:00:52 ID:???0
ここ1年くらいで4.5人書き手がいなくなったのは残念
結構好きな書き手もいたし

でもこの痛々しい流れみてたらいなくなった書き手の気持ち分からなくもない
185ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 05:10:25 ID:???0
意外とここ見てる人多いんだね 急に書き込みが増えてびっくりした
186184:2009/12/13(日) 05:37:38 ID:???0
わたしは単純に、昔いたお気に入りの書き手が戻らないかチェックしてるだけだけどね
187ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 05:51:49 ID:???0
昔はここも盛り上がってたんだね 自分がここを見るようになったのは夏ぐらいからだから
過疎ってるのしか知らなくて。せめてここぐらいはまったりしてほしい。
188ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 06:32:34 ID:???O
>>163
今更だよ
過去スレ見てごらん

>>184
同意
189ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 07:10:16 ID:???0
痛々しい流れって?荒れてるってこと?
190ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 13:04:47 ID:???0
>>189
まともな意見が通らないことでは?
191ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 16:57:55 ID:cHlOlYpk0
クソスレ

801板でやれよ、目障りなんだよ
192ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 17:10:32 ID:???O
確かに、なんで801板じゃなくここでやってるのかなーと前から思ってた。
一回ちゃんとあるべき場所に移して、一から仕切り直した方がいいような気がします。これからも続けるのなら。
193ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 17:19:34 ID:???0
>>184
ビー萌えスレなのに何人かが自分の病気自慢して慣れ合ったのが原因ではないかと。
病気のことは専用スレでやりゃいいはなしだし、可哀想可哀想って騒いでる本人は自分に酔ってるだけだし。
そういうのに嫌気がさして書き手が何人もいなくなったんではないかね

良質の書き手現れないかな。
194ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 17:28:22 ID:???0
>>192
ID出ないから何かと好都合なんじゃないの?
それか801板いったら即効でオチされるか荒らされるのわかってるとか。
801板でこんな気持ち悪いスレってあり得ないしね。
場所うつっても同じことのくりかえしの気がす
195ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 19:13:58 ID:???O
最近やっと新しい書き手何人か入ったとこなのに この流れ…
何とか続けられないかな
196ホワイトアルバムさん:2009/12/13(日) 20:20:27 ID:???0
あら、久しぶりに来たら凄いことになってますね

うーん
流れというか、>>171あたりは本人自らカミングアウトしてた内容に突っ込まれてますね。
プライベートとネット世界の境界線が曖昧というか、…よく判りませんが。
ごくごくプライベートなつき合いのあった人物の私怨か何かじゃないかと予想します。

あと>>173あたりで、憶測だけで色々書いたのは良くなかったかもしれません。
これをきっかけに複数の読み専の不満が爆発したように見えます。

自業自得といえばそれまでですが……


いつかこうなるんじゃないかと思って心配してましたが、なんだかツライですね。
197Rise & Fall:2009/12/13(日) 23:55:15 ID:???0
今、皆様が問題としてスレだしあっているのとはかけはなれた内容なのはお許しください。
そうなる前から書き込んでいるのに規制に引っかかってなかなか書き込めなく、もし書き込めたら
いきなり話題をぶった切るような形になりますのでその点はご容赦ください。
ともかく、私はこのスレのおかげでたくさんのB4話を読めて大変感謝しております。
861さま、
毎年せつないジョンの命日の後に 素晴らしいお話の提供、ありがとうございます。
クサいセリフ大好きです。ポールが叫んだセリフ、「もうずっと待っていた。この時を待っていたんだ。
だから、もうこれからはずっと僕の側にいてもらうんだ。いてもらうんだよ!! 」
このセリフをポールが吐いた時、「よく言った!」と読みながら合いの手を入れてしまいましたよ。
ここだけでも読んだかいがあるセリフです、私にとっては。
ずーと、ずーーーと言いたくて でも、生前は言えなくて その人が逝って
しまってからも言えないでいたセリフをよくポールから引っ張り出してくれました。
861さま お手柄です!ありがとう!と感謝の嵐です。
もし、1日だけという約束でこの世に戻ってきたとしたらジョンが昔の
仲間のところの方へ来てくれた、というのもなんか粋な選択。
やはりこの4人は一緒にいるのがいいですね。
本当にいくつになってもじゃれあいを見ていたかった。
今回もいい話を読まさせていただきました。感涙です。
198ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 00:01:07 ID:???0
>>196
あなたも憶測で書いちゃってるよ

やっぱり801、それも解散しているとはいえナマモノジャンルなのに
こんな一般のファンの目につく場所にこのスレがあること自体がおかしいんじゃないかな
ナマモノの危険性をわかってない人ばかりだよ
199196:2009/12/14(月) 00:36:18 ID:???0
>>198
はじめまして、こんばんは。
私は以前こちらで書いていた者です。
当事者でしたので、ここ1年くらいのことはよく知っています。

当時、何度かプライベートのこと、年齢や現在の状態は書かない方がよいのではと意見していました。
それを早い段階で強く云えなかった自分について大いに恥じてもいました。
それが原因であったとは断言できませんが、>>171のような恐ろしい書き込みがされたことについて、
やはり色々協力したり、積極的に意見交換すべきだったと感じています。

あるべき場所、つまり801板に行くべきという>>198さんの意見は正しいと思います。
ナマモノの取り扱いは危険であり、とても難しいものです。
思いがけず人の心を傷付けることもあるについても同意見です。
ビーではありませんでしたが、私もまさかこんな所で!という場所でSlashに出会ってしまいショックを受けた経験があります。
移転というのは良いことだと思います。
200196:2009/12/14(月) 01:12:44 ID:???0
>ミハイルさん
>861hedge-hogさん
お久しぶりです、お元気ですか?その節は大変お世話になりました。

ここ数日色々なことがあったようですが、どうか気を落とさずに。
今の私にはビートルズ801というものについて何も協力することが出来ないかもしれません。
いずれはここも移転するのかも判りません。
ただ私は悲しいやり取りが好きではないので、悲しいやり取りがなるべく見えなくなるよう
いくつかの投下をします。超駄文ですが、悲しいやり取りをなるたけ見えなくする手段として埋めさせてください。
今はそれしか思いつくことが出来ません。

では宜しくお願い致します。
201Golden Slumbers - 1:2009/12/14(月) 01:17:10 ID:???0
何といったっけ。そう、あれだよ、ビートルズが新しく出すと噂されてるレコードのタイトルのことさ。
随分長いタイトルでさ。でももう何度も云ってきたから、さすがの君も覚えてしまったかもしれないね。
Sgt. Peppre’s Lonely Harts Club Band
ドラッグまみれとしか云いようのない新作レコーディングではあったが、
それも含めて「時代」を上手く切り取れた気がしてならない。
時代は移り変わる。今までも、そしてこれからも。
発売後数日はもてはやされるかもしれないけれど、
数年後にはこのアルバムも僕らもあっさり忘れ去られてしまうのだろうか?
大切なのは、今、僕たちがこうやって生きているということだ。


愛車のハンドルを握るポールの心は踊っていた。
珍しくジョンがやる気を出し、共同作業に協力的態度をみせたからだ。
彼特有の気まぐれなのはよく判っていたけれど、しかし気持ちを抑えることは出来ない。
ポールは― このような状況下にあったとしても、ジョンとの間にある特殊なマジックについて絶大な信頼を置いていた。
それがほんの気まぐれであったとしても、とにかく前後不覚になり果てた彼の気持ちが変わらぬうちに作業を進めるべきだ。
時計を見ると約束の時間まであと少し。彼はアクセルをめいっぱい踏み込んだ。

目的地に着き車を降りたポールはトランクからギターとジュリアンへのお土産を引っ張り出し玄関に向かった。
ドアの呼び鈴を押し、あたりをきょろきょろ見回し、そしてもう二度呼び鈴を押した。
早くドアが開かないかと待っていると突然二階の窓ガラスが割れた。
過激な歓迎に驚いたポールは、玄関の階段を下りると二階を見上げた。
男女が激しく言い争う声― どうやらジョンとシンシアが何か云い争っているようだ。
そして何かが破壊される音。窓の真下にはフォトスタンドが転がっている。
ポールはまた二階を見上げた、騒動は止みそうもない。
夫婦喧嘩に口出しするつもりのない彼は日を改めようかと考えたが、
玄関ドアの隙間からジュリアンが自分を見詰めていることに気付くと、とっさに彼に駆け寄った。
「ハイ、ジュリアン。久しぶり。学校は楽しいかい?」
彼の問いにジュリアンは小さく頷いた。
「そう」ポールは彼の小さな頭を撫でた。「じゃ、これはしっかり勉強している君への御褒美だよ」
202Golden Slumbers - 2:2009/12/14(月) 01:19:12 ID:???0
そう云ってラッピングされた可愛らしい包みを手渡した。
ジュリアンはまったく子供らしくない表情でそれを受け取り、無言でその場に立ち尽くした。
また二階のガラスが割れた。
ポールはジュリアンと同じ目線になるよう、その場にしゃがみこんだ。
「昨日は学校でどんな絵を描いたの?」
「んー」ジュリアンは困ったように首をかしげた。「先生が自由に描きましょうって云ったよ」
「楽しかった?」
「うん」
ポールは優しい笑顔を彼に向け、彼の小さな手をあやした。
「じゃ後でお父さんに見てもらおうね」
「パパは見てくれないよ」小さな彼は云った。
「そんなことないさ」ポールはジュリアンの頭を撫でた。「後でお父さんとお母さん、そして僕に見せてくれるよね」
「…何故?」ジュリアンの口から出てくる言葉はまったく子供らしくなかった。ポールの胸が痛んだ。
自分は親戚が多く、姪っ子やら何やら子供と接する機会が多いから判る、
笑顔のない子供の大半は心に何らかの問題を抱えているものだ。
ポールは彼の瞳を見詰めると、ゆっくりではあるが、しっかりとした口調で云った。
「それはお父さんもお母さんも、そして僕も君のことを愛しているからだよ」
ジュリアンは笑った。ポールはそんなジュリアンを抱きしめた。
またガラスが割れた、ポールは彼の耳をふさぐように抱きしめ何度も彼の背中をあやした。
大丈夫、大丈夫だから。そして立ちあがり、ジュリアンの手を引き家の中に入っていった。
玄関ではふたりの使用人が心配そうに二階へ続く階段を見上げていた。
「あ、マッカートニーさん」ひとりがポールに気付いた。「今日は約束が?」
「そうだよ、ジョンと約束した。そんなところで突っ立ってないでジュリアンに何か温かい飲み物を作ってあげて」
彼女は、バタバタとキッチンへと姿を消した。
ポールはもう一度その場にしゃがむとジュリアンの瞳を見た。
「僕らは友達だよね」
ジュリアンは頷いた。
「皆、君のことを愛している。それを絶対に忘れないで」
そう云って彼を抱きしめ、頬にキスをした。
使用人にジュリアンを預けると、ポールはギターを抱え二階へと向かった。
何処が問題の部屋かと廊下を歩いていると、ひとつのドアが開き、中からシンシアが出てきた。
「ポール!」彼女は驚いた。「今日は約束が?」
203Golden Slumbers - 3:2009/12/14(月) 01:21:33 ID:???0
「ハイ、シンシア」ポールは微笑んだ。
「いや、近くまで来たからちょっと寄っただけなんだ」
部屋の中にはジョンが居るのだろう。ポールの声を聞いた途端、思いっきりドアが閉まった。
「ごめんなさいね、ポール。せっかく訪ねてくれたのに、こんなところ見せてしまって。
…ああ、私ったら、こんな格好で…、酷いわね。ああ、ごめんなさいね、こんなのってないわ…」
シンシアは自分を徹底的に拒絶したドアを恨めしそうに見ながら、
それでも必死に夫から聞かされていなかった彼の訪問を歓迎しようとした。
震える指で乱れた髪を整えようとしたが、そうしようとすればするほど髪が指に絡んでどうにもならなくなる。
そのもどかしさに彼女は唇を噛んだ。
「…どうにもならないの。本当にごめんなさい…」
「謝らないで」ポールは震える彼女を抱きしめると優しく云った。
「僕になんて謝るべきじゃない。そんな時間があるならジュリアンの話をもっと聞いてやるべきだ。
あの子はまだ子供だ、ひとりで苦しんでいる。母親である君の力が必要だ。やれるね、シン。君は立派な母親だ」
彼女は堪え切れず泣きだした。ポールは身を離すと彼女の両肩に手を乗せ、しっかり瞳を見詰めた。
「大丈夫、今はたまたまこういうことが重なっているだけさ。だからってずっとこれが続くなんて話はないだろう?
希望を捨てないで。大丈夫。君は立派な母親で、そしてジョンは立派な父親だよ。
そして君たちにはジュリアンという立派な息子も居る。しっかりするんだ」
シンシアはしゃくりあげながら何度も頷いた。
「さっき彼にお土産を渡した。一緒にそれを開けてあげて、下で待っていると思うから」
「ありがとう」
「さあ、行って」
ポールはシンシアの頬にキスすると彼女の背中を押した。
彼女の姿が消えるのを確認すると彼はギターを廊下に置くとドアをノックした。
「ジョン?」反応がない。もう一度ノックする。「ジョン? 聞こえる? ポールだよ」
「なんだ、何の用だ」
ドアのすぐ内側で声がする。姿は見えないが、彼はドアに張り付いているのだろう。
その子供のような姿を想像してポールは思わず笑ってしまった。
「勝手に俺の家に来るな!」
204Golden Slumbers - 4:2009/12/14(月) 01:24:30 ID:???0
「ごめん、いつもの僕の悪い癖だね。でももう来てしまったよ」
今日の今の時間を指定してきたのはジョン、君じゃないか。
「お前はいつも勝手なんだよ! 迷惑、そう、俺はいつもお前に迷惑してるんだ!!」
「そうだね」
「”そうだね” じゃない! お前はいつもそうだ。そうやっていつも取り澄まして何様のつもりなんだ。
もの判りが良くて、その場の雰囲気に合わせて、適当に上手いことやって、お前はいつだってそうだ。
そうやっていつも不器用な俺のことを笑ってるんだろう」
「誰も君のことなんて笑ってなんかいないさ」
「嘘つけ! 今だって俺を笑ってるに決まってる!! 俺には判ってるんだ!!!」
「いつから君は透視が出来るようになったのさ。僕の顔も見てないくせに勝手に決めつけるのは良い趣味とは思えないね。
いくら僕がハンサムから程遠いと云ってもさ、それを見たくないからと云って勝手な決めつけはないだろう。
君だって人のこと云えないよ、全然ハンサムじゃないもの。僕ら不細工な男ふたりのださいコンビさ」
「うるさい!」ドアの内側でジョンは怒鳴った。「とにかく帰れ!!」
「屋根裏部屋で待ってるから」
そう云うとポールはギターを抱えて屋根裏部屋に続く階段に向かった。
すかさずジョンが出てきて、ポールの後を追った。
「他人の家を勝手に歩くな! ここは俺の家だ!!!」
「あ、絵を買ったの? なかなかいい絵だね」
「人の話を聞け!!」
階段を上り部屋の前に来てポールは振り返った。そこにはお世辞にも格好良いとは言えないジョンの姿があった。
シャツのボタンも胸の半分くらいまで開いているし、髪も寝ぐせだらけだ。
そして少し足がふらついているように見えるのは、なるほど、ガラスが無駄に割られた理由がなんとなく理解できた。
「ごめんね、部屋の前まで来てしまったよ」ポールは肩をすくめた。「ドアを開けてよ」
ジョンは腕組みするとポールを睨んだ。
「誰が開けるか、阿呆。というか帰れよ」
「協力を得られなくて残念だよ」ポールはポケットから一本の鍵を出した。「じゃ自分で開けるよ」
そう云って鍵を差し込むとあっさりと他人の家のドアを開けてしまった。
ジョンは焦って自分のズボンのポケットを探った。ある、鍵は彼の左ポケットに入っていた。
205Golden Slumbers - 5:2009/12/14(月) 01:27:25 ID:???0
「一体どうして鍵を持ってるんだ? どこでそれを手に入れた」
「さあね、気付いたら僕の鍵束の中にこれがあったんだよ」
ポールはジョンに鍵を見せて笑った。
「おまえ、それは問題あるぞ……」
「ジョンは見かけによらず細かいね、何も君の家の書斎の鍵を持ってるわけでもあるまいし。
泥棒も避けて通りそうな屋根裏部屋の鍵一本二本、どうだっていいことだろう。まして…」
そこまで云ってポールはジョンの頬にキスをし、耳元で囁いた。
「君と僕の仲だろう。この部屋は僕らにしか価値のない部屋じゃないか。誰がそんな部屋の鍵を欲しがるの」
ジョンの足元があまりにふらついている、ポールは彼のプライドを傷付けないよう配慮しながらそっと身体を抱きよせた。
「この家の主であるジョンと、まったくの他人の僕しか入れない部屋だなんてね。不思議な部屋さ。君もそう思うだろう?」
息遣いが荒い、彼は相当具合が悪いのだろう。
またドラッグをやりすぎた? ん、「また」って云い方は正しくないかな。とにかく…
「まずは部屋に入ろう。話しはそれからだ」ポールは云った。


ポールはひとり、窓から遠い夕焼けを眺めていた。
ソファーにはだらしない格好で眠っているジョンの姿。
彼はこの部屋に入るなり倒れるようにして眠ってしまったのだ。
ポールはひとり、もう何時間も椅子に座って窓の外を眺めている。
テーブルにはコードと歌詞が書き散らされた紙が数枚、目覚めたジョンが興味を持ってくれれば良いのだけれども。
そんな彼の心配を余所に、ジョンはのん気に眠っていた。
「新しいアルバムは素敵なものになる」ポールは独り言を云った。「君もきっと気に入るはずさ」
そしてとても悲しそうにまた窓の外を眺めた。
「もしいつの日か、君が何らかの事情で歌えなくなったら、代わりに僕が歌おうと思うんだけど、どうかな。
君にとってはぞっとしない話だろうし、殆ど恐怖かもしれないけど。
僕としても正直、君のように上手く歌えるか不安なんだけど……
でも僕は君を失望させるようなことだけはしたくないし、したくないんだ。それだけは信じて欲しいな」
「泥棒の次は恐怖話しか」ジョンは云った。
「あまりの恐怖で目が覚めた?」ポールは彼を見て笑った。
「ああ、まったく恐ろしい話しだ」
206Golden Slumbers - 6:2009/12/14(月) 01:29:49 ID:???0
そう云ってジョンは起き上がり、壁の時計を見た。
「もうこんな時間か」
「長い時間だったよ」ポールは呟いた。「長くて長くて…、君がもう目覚めないとすら思えたよ」
「目覚めるさ、泥棒がいる部屋でいつまでも寝ていられるか」
「なら」ポールはジョンの顔を見た。「いつまでも眠っていないでくれないか」
彼としては何気なく云ったつもりの一言だった。
しかしどうだろう、ジョンは酷く動揺したような、今にも卒倒してしまいそうな複雑な表情を浮かべたのだ。
彼の反応に驚いたのはポール自身で、そしてそんな相手の様子を見ていたら
なんだか胸の奥から熱いものがこみあげてきた。
これは一体何だろう― ポールは言葉で言い表せられない感情に流されぬよう努めた。
「なんだお前…」ジョンは複雑な顔でポールの顔を見詰めた。「どうしてそんな顔する」
「そんな顔って?」
「お前、泣いてるじゃないか」ジョンは立ち上がり、ポールに歩み寄った。「自分で判らないのか…」
「ああ」ポールは視線を落として微笑んだ。「気付かなかった。いつの間にかよく判らなくなったみたいだ」
「どうかしてるぞ、お前。一体何時からなんだ」
「さあね…、忘れたよ。それにそんなこと、僕が泣いていようが泣いていなかろうが、君にとってさほど重要なことじゃないだろう」
ジョンはポールの胸倉を掴み、無理やり彼を椅子から立たせた。
「ポール、お前。何か隠しているだろう。その顔、俺以外の奴に見せてるな?」
「妄想だよ」ポールはジョンの手を離そうとしたが、彼はそうはさせなかった。
「誤魔化すな、相手は大体見当はついてる」
「ならそれでいいじゃない」
「いいはずないだろう」ジョンはきつく胸倉を締め上げた。「そいつの前では泣くのか」
ポールはじっとジョンの顔を見た。
「だとしたら?」
その一言にジョンは気絶しそうになった。
パートナーである彼が、自分にはけして見せない顔を自分以外の誰かに見せているということがショックだった。
しかも間違いなくポールの相手はあいつだ。
「そんな顔を俺以外の奴に見せるのはダメだ。ポール、やめてくれないか。
お願いだ、俺の知らないお前をあんな奴に見せるなんて…」
そこまで云って言葉が詰まった。
「勝手なのは承知だ、でもダメだ…、お願いだポール」
207Golden Slumbers - 7:2009/12/14(月) 01:31:33 ID:???0
ポールは目の前で取り乱すこのなさけない男を思いっきり怒鳴ってやりたい衝動にかられた。
本当は今ここで怒鳴り散らし、殴り倒してやりたかった。
今更何だと云ってやりたかった、今のお前にそんなこと云われたくないと思った。
好き勝手やって自滅しかかっているのは一体何処の誰だ。
あの日あれだけ云ったのに、それを無視してドラッグにはまり、ふたりの間にあるマジックを台無しにしようとしたのは誰なんだと。
ジョン、どうしてあんたはいつもそうなんだ。
お前― そう、お前だよ、ジョン・レノン。聞いてるのか。
どうしてあんたはいつもそうなんだ。
「勝手な妄想を口にするのは止めてほしいな」ポールは云った。「僕はノーマルだよ」
「それは知ってる。恐らくあいつもノーマルだろう、そんなこと判ってる。でもだから、余計に…」
「今日は手伝って欲しい曲があったからここに来た。こんな話をする為に来たわけでも、君の寝顔を見に来たわけでもない」
ポールはジョンの手首をつかんだ。
「それにもし君が謝るというのなら、僕なんかじゃなく他にもっと謝るべき人がいるんじゃないのかい」
そう云いながら動揺するジョンの手を自分のシャツから離した。
「泣いているのは何も僕だけじゃない。ジョン、もっと周りを見てくれないか。
今、君をもっとも必要としているのは誰なのか判ってるだろう」
ジョンは震える両手で自分の髪を掻き上げた。
「俺に…、俺なんかに出来るのか…」
「出来るさ。今すぐ出来なくても時間をかければ必ず」
「自信がない…」
ポールはそっとジョンの肩に手を乗せた。
「大切なのは、今君を必要としている人を心から愛することだよ」


ふたりが屋根裏部屋から出て一階のリビングへ行くと、
テーブルでジュリアンがお土産のクレヨンで絵を描き、それをシンシアが優しい瞳で見つめていた。
彼女はふたりの姿に気付くと立ちあがった。
「何か飲み物を?」
彼女の声は先ほどより随分落ち着いていた。
「ありがとう、でももう僕は行くから構わないで」
ポールはそう云うと、一生懸命絵を描いているジュリアンに目をやった。
208Golden Slumbers - 8:2009/12/14(月) 02:08:16 ID:???0
「ジュリアン、君は将来画家になれるかもよ?」その言葉にジュリアンは微笑んだ。
「パパに昨日学校で描いた絵を見せてあげたら、ビックリさせてやりなよ」
彼は頷くとちらりと父親の顔を見て、自分の部屋へ駆けていった。
「ジョン、僕は帰るね。今日は勝手に押し掛けてすまなかった。今度は一度電話を入れてから訪ねるようにするよ」
「もう行くのか…」ジョンは悲しい声で云った。
「そうよ、一緒に食事をしましょうよ。もう少しで準備が出来るはずだし」
シンシアはジョン以上に悲しい声で云った。
「うん、ちょっとこれから用事があるんだ。食事に誘ってくれて本当に嬉しいよ、
ありがとう。また日を改めるよ。本当にありがとう」


ジョンの家からの帰り道、ポールは途中で車を止めひとり泣いた。
親子に見送られ車を発進させ、彼は何度も何度も後ろを振り返った。
すっかり夜になっていたから家の窓には明かりが灯り、見送る三人のシルエットが浮かび上がって見えた。
ふたつの影はひとつの影にぎこちなくも寄り添い、寄り添われているシルエットはいつまでも車を見送る。
温かくも脆いシルエットを見ていると何とも言えない感情が湧きあがり、彼の胸は締め付けられた。
今日、彼は大きな嘘をついた。
― 今君を必要としている人を心から愛すること
どうしてそれが自分なんだと云わなかったのだろう。
こんなに心細くて泣いているというのに、何故あの場でそれを云わなかったのだろう。
まだ自分は大丈夫だから、あのふたりに比べれば自分はまだ大丈夫なはずだから。
自分は大人で、男で…、そう、まだ自分は大丈夫だと思うから。



ビートルズの新しいアルバムのタイトルを知ってる? あの長いタイトルのことさ。
ドラッグまみれとしか云いようのない新作レコーディングではあったが、それも含めて「時代」を上手く切り取れた気がしてならない。
しかしそれより大切なのは、今、僕たちが苦しみながらも、愛する誰かを想いながら必死に生きているということだ。

***********************
ありがとうございました
皆さん、これからも頑張ってください。では失礼致します。
209861:2009/12/14(月) 02:20:43 ID:???0
>>199-200

お久しぶりです。まずは元気そうでなによりです。
そして、また無理をさせてしまったようで申し訳ありません。
今回は私の失態です。そちらが心配していたことを現実にしてしまったことを本当に後悔しています。
なので私はスレを離れようかと思っています。いつも私の拙いSSを読んでくださっている方々や、
嬉しい感想を下さるRise&Fallさまなどには、大変申し訳ないのですが…。
なので、もしスレの移転、仕切り直しを望まれる方がいましたら、上記されたPinkの801板に、
「新ビートルズで801」とのスレタイで、スレ立てしようと思います。
そしてここはDat落ち、もしくはスレ削除を求める方がいましたら、削除申請をしてこようと思います。
そして、新スレには私は一切関与しないでいこうと考えています。
でも、書きたい気持ちは死んでいません。ので、自身の場所をもって、そこでイラストなりSSなりを書いていこうかと。

今回のことで、2chでの書き手としての自分の至らなさに、ちょっとがっくりキタのも本当の話です。

SS,久々でちょっと嬉しかったです。自分で決めたことを曲げてまでの投下、ありがとうございました。

210196:2009/12/14(月) 02:38:08 ID:???0
お久しぶりです。
当時何もできず今日まで後悔し続けていました。
今回のことで何か出来ることがないかと思ったのですが
いかんせん引き出しが少ない為埋めることしか出来ませんでした。私は相変わらずです。

そうですか、2chを離れられるのですね。
しかしサイトを持たれるというのは素晴らしいことだと思います。
自分も持っていますが(しかも4つ)、機会ありましたらリンクをさせて下さいね。

861hedge-hogさんから頂いたイラストは大切に保管させて頂いております。
本当にありがとう
211861:2009/12/14(月) 02:41:36 ID:???0
一回で終わらなくてすいません!
Rise&Fallさま

いつも嬉しい感想をありがとうございます。
以前書きましたが、私は何故かポールは「何かを待っている人」という印象をずっと持ち続けています。
それは、ジョンに出会う前からなのか、ジョンに出会ってからなのか、失ってからなのかは分からないのですが……。
「Free as a bird」の録音を、ジョンがよろこんでくれたならいいな、という願望も入ってます。
少しでも、楽しんでいただけたのなら大変光栄です。
しかし、なんだか色々やっちまう私です。今書きましたが、今回はちょっと自分にがっくりしました。
一旦スレを離れて(半年ROMって)周りと自分を見るのもいいかな、と。
もしかしたら、まとめスレの方に何かを投下するかもしれません(クリスマスとか新年とか、
イベント的にいい感じですので……)ので、その時はどうぞよろしくお願いします。
それでは重ねて、スレをお騒がせして申し訳ありませんでした。
                                  861
212196:2009/12/14(月) 02:47:56 ID:???0
>>211
>一回で終わらなくてすいません!
ははは
いいですね、ほのぼのですね。

サイト構築等技術面で困った時など、範囲は限られますがお力になれることもあると思いますので
その時は声をかけてください。
213861:2009/12/14(月) 02:55:56 ID:???0
すいません、もう一回!
>>210
突然消えられてしまったりで、怒っちゃったこともありますが、やはり懐かしさには敵いませんねえ。
現在鋭意準備中ですが、毎日ひいひい言ってます<自分の場所。ついでにゲームにもひいひい言ってます(早くシェアに行け、自分)。
そちらもサイト運営(4つすか!?)頑張ってください。
…イラスト、持っていただけてましたか。それを聞いて、照れくさいやら嬉しいやらです。

重ねて、今回はお心遣い、本当にありがとうございました。       861

214196:2009/12/14(月) 03:17:57 ID:???0
>>213
ぎゃはは
いいですね、ほのぼのしました(変な意味じゃないですよ)

突然自分が消えたことについては申し訳なかったと思っています。
ただもうかなり前のことなので多くを忘れてしまいましたし、
もし先に進む気持ちがあるのなら、いつまでも過去に囚われず、
新たな気持ちで物事をスタートさせるということは大切なの事かもしれないなと思っています。

きっと861hedge-hogさんには素敵なお友達がたくさんいらっしゃることでしょう。
どうかその友情を大切に。

失礼致します
215ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 20:16:06 ID:???0
ミハイルさんは大丈夫かな・・・
216ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 20:29:31 ID:???0
スレの流れ切って申し訳ないけど、本当にこのスレを801板に移すの?
あっちのビートルズのスレ見たけど1年ぐらい誰も話を書いてないし、書き込みも
2ヶ月以上止まったまんまだよ。今移っても荒らされるか過疎になるかのどっちかだと
思うんだけど。このままスレを潰すのはもったいないよ。801板に行くのが正しいっていうのが
ここの住民の総意なの?
217216:2009/12/14(月) 20:48:31 ID:???0
それかいっその事、このスレタイを変えてみては?801と書くから腐女子は出て行けとか
板違いだとか言われたり荒らされたりするんだと思うんだけど。最近のスレの流れを見てて
ここを見てる人が不愉快になるような話を書いてる訳でもないし、嫌なら見なければいいだけの話だと思うし
このままビー板にいてもいいんじゃないかと思うんだが。
218ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 20:48:44 ID:???0
あのさ、住人の総意だとかいう前にね
こんな所に801スレがあることがおかしいの

しかもナマモノとかあり得ないでしょ
219ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 20:50:21 ID:???0
>嫌なら見なければいいだけの話だと思うし

うわぁ・・・・
220ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 20:54:44 ID:???0
えっ!?
なにかおかしい事言った?
221ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 21:18:03 ID:???O
ナマモノ云々以前に、本来BLという趣味は隠れたところでやるべきであって…最低限のマナーだと思いますよ
222ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 21:36:23 ID:???0
でも実際ここを見てるっていう書き込みもあったから、一概にこの板では
ダメってはねつけてしまうのもどうかなって思うんだけど・・。
223ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 22:26:17 ID:???0
なんでそんなにビー板にこだわるのさ
224Rise & Fall:2009/12/14(月) 22:37:12 ID:???0
861様、
個人的にはこの流れをものすごく残念に思います。
でも、ほかならぬご本人がそうしたいと言っていることを
書き手でもない読み手の私はなんとか考えなおしてくださいとも言えません。
とりあえずここに書かれた話の数々に楽しませて頂きましたことを心から
感謝します。これで当分、(もしかしたらずっと)861様の話が
読めなくなるのか、と思ったら何か気が抜けてしまいました。
それでも このスレで861様の話に出会えたのは大ラッキーだったと思います。
永遠に続くとは思ってなかったけど、やはり終わりは辛いですね。
上に書いて下さったようにクリスマスとかお正月、もしかしたら、という
期待をこめてまとめを見させていただきます。本当はすごい寂しいのですが、
節目のない人生なんてないですから。これからのご活躍をお祈りします。
このスレであなたという書き手の方の作品に出会えて幸せでした。
ありがとうございました。
861様がサイトを作ったら偶然にもそこにたどりつけるよう、
自分の運にかけるしかないのでしょうね。幸運を祈ってください。
861様もお体ご自愛ください。
(まだ、このスレを見ていてくださってますように)
225ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 22:47:23 ID:???0
>>223
801板のビースレは2ヶ月ぐらい放置されてる。ここでひっそり書いてたほうが
いいんではないかと。
226ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 23:07:10 ID:???0
マイケルが死んだ時これ系のやりとりすごかったじゃん
もしポールかリンゴが死んだ時ビースレにこんなもんあったらぶっ殺されるよ

ナマモノは好き嫌い以前に場所考えないとファンの怒り買ったり迷惑かけると思う
嫌ならみなきゃいいってのも都合のいい詭弁だと思うね
227ホワイトアルバムさん:2009/12/14(月) 23:10:16 ID:???0
>>226
×ビースレ
○ビー板
228ホワイトアルバムさん:2009/12/15(火) 00:04:46 ID:???0
誰がなんと言おうとこのスレを支持する!!
229ホワイトアルバムさん:2009/12/15(火) 00:43:37 ID:???0
よくわからんけど気に入ってる書き手のサイトに行けば済む話なんじゃないの?
シンプルに考えて。
それともニューカマー待ちとかそういうはなし?
230ホワイトアルバムさん:2009/12/15(火) 02:42:16 ID:???0
自分は読み専がコテつけてるのをはじめて見たな。
過去スレみたけど読み専コテが出てきたあたりからミハイルとかいう奴がかまってかかまってやりだしてるし
そして結果がこれだからねー
自分も読み専だけど、読み専は読み専の態度ってのがあるんでは。
つか読み専って※するにも名無しで十分だし、コテなんかつけんだろ普通。
231ホワイトアルバムさん:2009/12/15(火) 04:11:49 ID:???0
861さん
ミハイルさん
荒らしなんかに負けないで
待ってるよ
だから帰ってきてね
232ホワイトアルバムさん:2009/12/15(火) 18:51:40 ID:???0
233I'm only sleeping /1:2009/12/16(水) 03:48:59 ID:???0
Title:I'm only Sleeping
Pairing:John,Paul
Rating:Fan-Fiction
BGM:Can you dig it?(the monkees)


「さて、どうしたもんかな」
 ジョンはそう一人言ちた。トラブルメーカーの自分がしでかしたこととはいえ、今回の騒ぎの広がり方には、まったく驚きの連続だといえる。

 最初は、友人に漏らした一言だった。

「キリスト教なんて、いつか滅びるんじゃないか? だって教会へ行く奴の数より、俺たちのライブに来る奴の方が多いじゃないか」

 友人は、笑って受け流した。インタビューとはいえ相手は気を許した人間だし、雑談じみた内容でもあった。

 しかし、土地が変われば受け取り方も変わるもの。その一言は、彼らの大手のお客様――アメリカで大層騒がれ、今までの態度を取って返したよう騒ぎになっていた。
 レコードが踏みつけられる。写真が焼かれる。
 ラジオが、TVが、声高に非難する。
 わからねえもんだな、とジョンは疲れた身体をソファに沈めた。勢いのある時は見えなかったものが、ここにきて、よく見えるような
感じがした。なるほど、自分は自分が思うほどには、受け入れられてはいなかったようだ。いや、それとも、騒ぎの尻馬に乗って、面
白がって騒いでいるのもあるんだろうか。いやいや、元々大して好かれてなんか居なかったのかもしれない。
 その時を思い出して、ジョンの口から短い笑い声が漏れた。今まで、必死に走ってきた。デビューするために走りトップになるために走り、
トップになったら、追い落とされないために走り、火の粉を逃れるために走り、ハードキャンディーが投げつけられようと雨にさらされようと、
ピンバッチが飛んでこようと、とにかく走り続けてきた。

 そして、つい足元がおろそかになった。
 そしてこの、体たらく。
234I'm only sleeping /2:2009/12/16(水) 03:54:36 ID:???0
 自分とは、一体なんだったのだろう。
 機嫌がいい時には撫でられて、飽きたり飼い主の手を引っかいたら、手が飛んでくる。
 体のいい、ペットみてえなもんか。そんなことを思いながらジョンはおなじみの、違法タバコに火をつける。しかし、大概は三回吸い込んだら
効いてくるのに、今はまったく効いてこなかった。

 『行かないでジョン、殺されるわ!』

 アメリカに行くと聞いて、ファンの一人が泣いて叫んだ。まさかね、そう冗談にしたくても、その必死の形相が胸の奥から消えてくれない。
ブライアンはまごまごしている。その様子が腹立たしくて、つい怒鳴ってしまったけれど、元々は自分が悪い。そう思ったら落ちこんで、
ついでにマルが気を使って呼んでくれたかわいこちゃん相手にも役に「立って」くれなかった。悔し紛れに相手をベッドから引きずりだして
すっぱだかのまま廊下にたたき出す。そしてため息をドアにつく。弱いもんだなあ、男ってやつは。そう呟くが、今自分がやったことを
考えて「どこがだよ」と思い直した。

 カーテンの向こうが、明るくなって行く。
 景色が広がってゆく。
 
 今、自分達を思ってくれている人間は居るんだろうか。
 世界は広いから、きっとちゃんと、居てくれてるさ。
 そんな、楽観的なことを思いついても、次の瞬間覆される。
 『きっと、肩身の狭い思いをしてるんだろうな』
 そう思うと、自分の発言が恨めしくもあるし、「なんだってそんなことを拾い上げたりしやがったんだ」と逆恨みに走りそうになる。
だめじゃん、自分。思考の堂々巡りで夜が明けた。まったく眠れなかったけれど、大して眠りたいとも思わない。弱いもんだなあ、
男って。同じ言葉を繰り返す。
 いや、弱いのは自分だろうか。

 TVが「おはようございます」と、余計なことを明るくわめいた。

235I'm only sleeping /3:2009/12/16(水) 03:58:41 ID:???0
 そしてその日、ニールから決定的なことを聞いた。
 今回の騒ぎで一旦は懸案となっていたアメリカへのツアーは、中止にならなかった。
 ジョンは思わず立ちすくんだ。

「ブライアンが、アメリカに行ったんだろ。それで、どうして!!」

 どんなことがあろうとも、自分達を危険な目に合わせないと思っていたマネージャーの名前をだして、ジョンはニールに詰め寄った。
『殺されるわ!』 最悪のタイミングで、ファンの形相が思い起こされる。焼かれる写真、割られるレコード。怒鳴り声。全てが
ジョンを追い詰めていく。
「その、ブライアンが決めたんだ」
 ジョンの気持ちが分かって、ニールが辛そうに告げた。
 アメリカに渡って、その様子を見て決めたんだ。騒いでいる連中は、派手に動いているから目立つだけで、他の人たちはお前達を
待ち望んでいる。それに答えなきゃ、その人たちの信頼まで失ってしまう。
 ジョンは再び絶句した。まさしく、それは正論だった。どう転んでも自分に勝ち目はない。

 例の声が耳に響く。『殺されるわ!!』
 まさかね、といいたいのに口が凍ったように強張っていく。

「ジョン、それで」
 青を通り越して真っ白になった顔色のジョンに、「後でブライアンからちゃんと話が来るけど…」と前置きして、ニールは言いたくもない
言いつけを伝えた。ツアーを行う前に記者会見をして、今回の騒動をジョン自身から謝罪しなければならない、と。
 疲れきったジョンの頭は、その言葉の意味が一瞬取れなかった。
 しかし次の瞬間、怒りが疲れを凌駕した。ニールの襟元がすばやく掴まれて、ジョンにぐいっと引っ張られる。目の前が全てジョン、目の前が
全てニールの状態で、ジョンが勝手な言い草を披露する。
「なんで俺が、わざわざノコノコ出張って頭を下げなきゃならねえんだよ!!」
「そうしなければ、話が収まらないんだ」
「ブライアンはアメリカまで行って、何してきたんだ!? やつはマネージャーだろ? 代わりに頭を下げて当然じゃないか!!」
「下げてきたんだよ、ジョン!」
236I'm only sleeping /4:2009/12/16(水) 04:03:02 ID:???0
 締め上げられていたニールがとうとう、耐え切れないとばかりにジョンを振りほどいた。そして自分の胸倉を掴んでいた
ジョンの力が思っていた以上に強かったことに驚いた。しかし、すぐに表情を改めると、諭すようにジョンに言った。
「ブライアンは、いろんなところで頭を下げた。キャンセル料の話が出た時は、すぐ小切手を切ろうとまでした」
「なら、なんで!?」
「今、言っただろ。これ以上信頼を失わないためだ! フィリピンで何があった。もう忘れたか!!」
 ジョンの息が、ぐっとつまった。大統領夫人の昼食会をすっぽかした話だった。
 それは、ジョン達のせいでばかりではなかった。ブライアンは断ったのだ。
「誰であろうと、ボーイズは午後3時以降ではないと動けません」
 しかし、相手はそれを冗談と受け取った。まさか、大統領の招待を断る輩も居ないだろう、と。
 しかし、彼らはそうした。
 そして、袋叩きにあった。
 もう二度とくるもんか、こんな国―――。ほうほうの体で逃げ出して、飛行機が出た時、ジョンは履き捨てるように呟いた。
しかし、もしかしたら、そんな場所が確実に、もう一つ増えるかもしれない。それも、巨大すぎるあの国が、完全な敵になる
のかもしれない。
「もうそんなに時間がないから、会見の原稿を作らなきゃならない。原案をまとめる時間は取れそうか」
 襟元を調えながらニールがジョンに尋ねた。
 ジョンは、呆然と突っ立っていた。
「ジョン?」
 その様子を奇異に感じて、彼はジョンに近づくとその肩を叩く。
「聞いてるか?」
 その時、ニールの肩に、ジョンが崩れこんだ。
 その腕を、ジョンは掴んだ。
 それは、胸倉を締め上げていた力と同じだった。
「ジョ」
 声をかけようとして、今度はニールが絶句した。
 ジョンは震えていた。
237I'm only sleeping /5:2009/12/16(水) 04:09:04 ID:???0
 まるで瘧にかかったように、身体が大きく震えている。ジョンが触れている場所全てから、細かい摩擦をニールは感じた。
 腕を掴んでいるその手が、汗で濡れシャツにしみこんでくる。
 ああ、そうか。ニールは分かった。胸倉を掴んだのは、あれは、こっちを締め上げていたのではない。
 すがり付いてきてたんだ。
 今まで見てきた以上に、弱弱しく立ちすくむ旧友にかける言葉が見当たらず、ニールは、ただ黙ってその、音を立てて震える
肩を支え、そのまま寄りかからせていた。

 書いては破り、書いてはペンをぐしゃぐしゃに走らせる。
 タバコは旨くないし、ただ無意味に時間だけが過ぎていく。
 ジョンの様子をみてシンシアが、ジュリアンをリバプールのミミの家へ預けた。だがそんな心遣いが、ジョンの心を逆撫でした。
彼はとりあえずシンシアを一発平手で殴って、部屋に引きこもった。マリファナは効かない。LSDを決めたくても、そんなことを
している暇はない。しかし、眠れないから時間だけはあるような錯覚を起こす。
 弱いもんだなあ、男って。
 シンシアを怒鳴りつけた後、ふと空白になった頭にそんな言葉が浮かんだ。
 
238I'm only sleeping /6:2009/12/16(水) 04:11:30 ID:???0
 あれ、誰だっけ。こんなこと言ったの。
 ジョンは頭をかしげた。しかし、思い出せなかった。いらいらしたまま机に向かう。しかし、何が出てくるわけじゃない。
 そして、「もしキリストが女だったら、トップレスで十字架にかかったのかなあ」と考え付いて、ぐちゃぐちゃになった
紙に、イラストを書いてみた。
 書き終わって「ふむ」と見直し、彼は笑った。
 笑いながら、絵を破り、引きちぎり、丸めて最後は回りにばら撒いた。「反キリスト、ジョンレノンがまたやりました!」と
大声で怒鳴りながら。

 そこまでやっても、まだ眠れなかった。

 あれから何時間たったのか。
 カーテンを閉め切って、暗くした部屋では分からない。
 違法タバコの、紫の煙が立ちのぼる様を、ジョンはぼんやりと眺めていた。
 やめちまおうか、と思っていた。
 もう、グループなんて辞めて、今ココからどっかへ逃げて、ギターも歌も捨ててどっか田舎の片隅で、羊でも飼って暮そうか。
ああ、そりゃあいいなきっとこの世で、ただの農夫を殺そうとする人間なんていないだろう。写真を焼かれることもレコードを
踏みつけられることもない。大体、農夫がレコードなんてつくるか? 作らないだろ、普通。
 そんな、まったく建設的ではない考えに取り付かれて、つい面白くなってそのまま考えを進めていったら、「ジョン、羊に
歌う曲を考えたよ」と呑気に笑うポールが現れた。むかついて、「だから俺はもう歌わないんだって」と、そう言って殴ろうと
したら

「歌わないの?」 と声がかかった。
 思わず身体が、飛び上がった。
 声の方に目を向ける。
239I'm only sleeping /7:2009/12/16(水) 04:16:01 ID:???0
 そこには、やはり驚いた顔でポールが、「なんだよ」と呟いてこっちをみていた。
 「懐かしい部屋の様子だなあ」と、ちょっと落ち着いたポールはぐしゃぐしゃになったジョンの部屋に、すいすいと入っていった。こんな状態の
ジョンには、シンシアだって近づけないのに、ポールは返ってそんな時は「僕、何も知りません」てな顔を浮かべて、ジョンの側に無遠慮に近づいていった。
「何しにきたんだ」
「様子を見に」
「余計なお世話だ」
「そうだよね」
 かみ合ってるんだか合ってないんだか、よく分からない会話を交わす。なんだかジョンはばつが悪くなって
「……懐かしいってなんだよ」
 と、ぼそりと悪態をつく。ポールはカーテンを開けようとせず、どさりとジョンの横に座ると、テーブルの灰皿から上がる紫煙を拾い上げ、
これ見よがしに吸い込んだ。
「…これはひどいね」
 ポールが眉を顰めて言った。こんな代物じゃ、効かないよ。そう言って、ぎゅっと灰皿に押し付けた。
「上物のはずだ」
「そうかな、そうは思えなかったけど」
「売った奴はそう言ってたぞ」
「売った奴が、そう言っただけさ」
 こともなげにそう言い返して、ポールが「ん?」とジョンを見た。
 こっちがあせってるってのに、相変わらず呑気な垂れ目をしてやがると、ジョンは忌々しく思いながらも「そういわれたら、そうかもしれ
ないなあ」と、ポールの言葉で自分の思考を考えなおした。人に言われて、そうなのかと思い込んでいることって結構あったりするのかもな。
240I'm only sleeping /8:2009/12/16(水) 04:20:20 ID:???0
 『ジョン、殺されるわ!』
 ここ数日、ジョンを脅かしていたこの叫びも、そう思ってみたら「ただ、そう思い込んでしまっただけなのかもしれない」とジョンは何故か
起きているのに目が覚めた思いがした。『アメリカは、俺達を嫌っている』そう思い込んでいるだけ。『誰も俺たちの――俺のことなんて
好いちゃいない』そう思い込んでいるだけ。『この公演は失敗する。KKKが空港に爆弾を仕掛けて俺達を抹殺しようとしてる』そう思い込んで
いるだけ『男って弱いものだな』…そう、思い、こんでる、だけ。
 なんだよ、結局精神論じゃねえかとジョンは思い当たって、ポールに突っ込もうとした。しかしそう思っても、瞼が思うように開けていら
れない。身体から力が抜ける。頭がやたら重く感じる。
 あれ? 効いてきてる? ぼやける目をこすってジョンは、「やっぱりアレは、上物だったんじゃないか」と心の中でぼやいた。隣を
見ると、ポールはけろっとしている。その横顔はやっぱり呑気に見えた。
「…なにが?」
「へ? なにが?」
「なにが……懐かしいって?」
「ああ、その話か」
 なんてことないよ、ドイツを思い出したんだ。あの頃の部屋も、こんな感じだったよねえ。
 そういわれてみれば、そうかもしれない。「男所帯だったからな」とジョンは答えた。あの頃は夢中だったなあ。どこでボタンを
掛け間違えたんだろ。
「裸でいるよりマシさ」
 そんな声が、聞こえた気がした。服の話じゃねえよ、と言い返すと「服の話じゃないの?」と聞き返してくる。なんだお前は、
オウムか? と腹立ち紛れに突っかかると、なんだか聴いたこともないような、適当な鳥の鳴きまねが耳に飛び込んできた。
 それがやたらと可笑しく聞こえて、ジョンは思わず吹き出した。
 いつの間にか新しいタバコをに火をつけていた、ポールもつられて吹き出した。
 その体温を肩に感じつつ、ジョンは身体を支えていられなくなっていた。知らずと、ポールに寄りかかっていくのを止めることができない。
 そして、ポールも特にそれを咎めなかった。
241I'm only sleeping /9:2009/12/16(水) 06:01:14 ID:???0
 「歌わないの?」 隣から、尋ねる声がする。
 ああ? 知らねえよそんなこと。重い頭をポールに預けながら、適当にジョンが答える。するとまた「歌わないの?」と尋ねてくる。
「歌わない」「歌わない?」 そんな下らないやり取りを三回くらい繰り返してやっとジョンが頷いた。ああはいはい、歌いますよ。歌います!
 そして「フロムミートゥーユー」の出だしを超絶適当に口ずさむと、「ちょっと違う」と結構真面目な声が返ってきた。
 まったく、どこまでが本気で、どこまでが冗談なんだか。
 そんなことを思いながら、ジョンは100tくらいに感じる瞼を閉じて、これからのことを思った。
 分かったよ、歌っていくよ。
 結局は、それしか出来ないからなあ、俺
 写真も燃やせ。レコードも割れ。
 そんなことをしたって、俺の大事なモンは壊せない。
 片っ端から壊される横から、端から順に、また作っていくさ。
 作って壊して、壊して作って。莫迦みてえ。あ、でもコレも一つの会話(コミュニケーション)みたいなもんかなあ。
 なんだかよく、わかんねえや。
 「でもその前に、謝らないとねえ」
 誰かが突込みを入れた。うるせえよ、と隣をかろうじて見…ようとしたが、やはり瞼が言うことを聞かなかった。
 そして、ジョンが久しぶりに寝入る直前、ポールの声が「ジョン、羊に聞かせる曲を作ったよ」といったような言わないような気がした。

 ポールの耳にジョンの大きな深い寝息が聞こえてくる。
 肩口にぐったり寄りかかってぐっすり寝入るジョンを見て、ポールは何故だかホッとした顔をすると、ゆったりと煙を吐く。
 そして「……うん、上物だ」と笑って呟くと、小さな声で歌いだした。
『メリーの羊は、雪みたく白い。そしてメリーが行く先々についていく……』 
  なんだ、やっぱり羊かよ。そんな寝言をジョンがいった。
 ポールが思わず、吹きだした。


                861Hedge-hog’s
              「I’m only sleeping」
                *the end*
242I'm only sleeping /0:2009/12/16(水) 06:25:12 ID:???0
参考文献・R.コールマン「ビートルズを作った男・ブライアンエプスタイン」
     トニー・バーロウ「ビートルズ売り出し中!」
       香月 利一「もっと!ビートルズ」
  ビジュアルダイアリー「ビートルズ・1000」その他、過去読んだ文献・資料のうろ覚え。

肯定もあれば、否定もあるってことを忘れてたよ。抜けた頭だなあ我ながら。
ここで書くのが好きだったから、書いていた。
読んでくれるのが嬉しくて書いてた。でも、自分の書きたいものしか書かなかった。わがままでぶきっちょもいいところ。
それでも、読んでくれた人がいた。
とても嬉しい。どうもありがとう。傷つけていた人。傷ついていた人。ごめんなさい。
PINK板ではなく、ココが好きだったから書いていた。それがここに書く最大の理由で、ここのスレが、
私が参戦するまでに6スレも進んでいた理由なのではなかろうか。たとえ数人しか必要としてなかったとしても。
6スレ、続いていた。そしてその後も続いた。先はどうなるか分からないけど。
Rise & Fallさま 
起動が遅くてすいません。読んでおられますか(汗)?
心配をおかけして申し訳ありません。ちょっと投下してみました。前のヤツとは打って変わって、
さわやかさのかけらもないけど(汗)。

書きますよ、これからも。ビーが好きですから。それがココになるかは、分からないけれど。

では、次はまとめサイトで。   度重なるスレ汚し、失礼いたしました。       861
243ホワイトアルバムさん:2009/12/16(水) 12:19:51 ID:???O
意味のない投下や
だれも必要としていない自分のもの
ならもういいでしょう
わたし、新月は疲れました
もう二度とみたくもありませんさようなら
244ホワイトアルバムさん:2009/12/17(木) 00:42:49 ID:???0
意味のない投下なんてないよ
あなたがそう決めつけてるだけでしょ
245ホワイトアルバムさん:2009/12/17(木) 01:15:38 ID:???0
>>243の人って投下した人の友達なんじゃないの?新月って名前ぽいし
246ホワイトアルバムさん:2009/12/17(木) 03:39:42 ID:???O
>>242さん、半年経ったら戻ってこいよー 友達と一緒に
247ホワイトアルバムさん:2009/12/17(木) 03:53:22 ID:???0
自分も待ってるお
248ホワイトアルバムさん:2009/12/17(木) 20:18:58 ID:???0
かまってちゃんの巣窟だな
呼ばれたら出られずにいられないってやつ


わたしは本当〜に最初の時書いてた人待ちしてたけど
どうししていなくなったのかなんとなく分った。
そしてもう絶対こんなとこ戻らないだろなってあきらめた。
前はこんなだらしないスレじゃなかった
まともな人はみんないなくなった
249ホワイトアルバムさん:2009/12/19(土) 02:42:48 ID:???0

        *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    ノーモアロンリーナイト☆
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚
250ホワイトアルバムさん:2010/02/19(金) 03:28:25 ID:???0
  *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    ノーモアロンリーナイト☆
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚
251ホワイトアルバムさん:2010/02/23(火) 19:25:24 ID:???0
久々にのぞいて見れば・・
えらい事になってるね
252ホワイトアルバムさん:2010/02/24(水) 20:30:11 ID:???0
誰か話を書いてくれる人が降臨しないかな(´・ω・`)
253ホワイトアルバムさん:2010/02/26(金) 13:28:52 ID:???0
まとめサイトに避難所があるので、そちらに移っては?

まあ、あちらもちょっと荒れてたけど…てか、勝手に決めちゃまずいか。
254ホワイトアルバムさん:2010/02/27(土) 19:54:42 ID:???0
>>253
教えてくれてありがとう!
まとめサイトに行ってみたけど12月から更新されてない(´・ω・`)
ここの書き手さんも撤退しちゃったみたいだし諦めます(´・ω・`)
255ホワイトアルバムさん:2010/02/27(土) 23:14:44 ID:???0
まとめサイトの方は以前の書き手さんが時々チェックしているようなので、
コメントを残しておけば応えてくれるかもしれませんよ。
256ホワイトアルバムさん:2010/03/01(月) 02:00:35 ID:???0
あれどこで読んだのか忘れたけどここなのかな、
もう何年も前に書いてた人がいたんだけど戻らないね。
本当にうる覚えだけど、彼女のサイトのURLが勝手に出されて
そこらへんから姿が見えなくなった記憶があるんだけど。

一度そういう思いしてるから2chそのものにコテで戻らないのかもしれないけど
あれは本当に良かったと思う。
801とかそういう次元を超えて群を抜いていたというかね、今でも忘れられないな。

まあいい思い出だよね
257ホワイトアルバムさん:2010/03/01(月) 02:15:22 ID:???0
>>256
勝手にお話に割り込んですいません。。
今はすっかりこの板自体が廃れてしまいましたよね。
上の方のレスで誰かが嘆いておられましたが、以前は良質な書き手さんが
何人かいたみたいですね。せっかく9スレ目まで続いているのに
このまま廃れていくのは少しもったいない気がしますが
しょうがない事かもしれないですね。
258ホワイトアルバムさん:2010/03/03(水) 21:18:28 ID:???0
>>257
そうですね。
私が見たのはここのスレシリーズではなかったのかもしれませんが、良い書き手さんでした。
あと801じゃないですがジョンが死ぬまでの日記を書いてた方も素晴らしかったと思います。
(もしかすると同一人物様かもしれませんがハッキリしたことは分かりません)

このスレに書き手として登場する機会は何度もあったと思うのですがお姿が見えませんし、
でもそれがきっとご両人の’答え’なのかもしれませんね。
259sage:2010/03/23(火) 01:27:00 ID:???0
この流れで発言するのもアレなんだけどだれかJ/Pでえろ書いてくんないかな。
マジで飢えてます。




ここのスレなくなったらどこで読めばいいって言うんだ!!!!!
260ホワイトアルバムさん:2010/03/23(火) 18:49:57 ID:???0
>>259

もうここに書き手はこないと思う
でもそういう自分もG/Rでエロ読みたい
261ホワイトアルバムさん:2010/03/24(水) 13:56:54 ID:???0
ま、コレくらいなら、ちょっと顔出しても叱られないかなあ(汗)

題:「Lost Weekend」の始まりと終わり

 アメリカに移ってしばし、ジョンがヨーコとベッドを共にした時、つい気が緩んでイッちゃった一言。

「とてもイイよ……ポール」←ダウト!!

 かくて、ジョンはヨーコに叩き出された。
 そしてその間、ポールはジョンに「頻繁に」会っていた。ジョンもソレを歓迎していた。
 ま、色んな意味で(爆)。
 それが1年ちょっと続いて「帰る気配」が毛ほどもないジョンの様子に業を煮やしたヨーコがポールを呼びつけて一言、「いい加減にしろ!」と長さん怒鳴り(笑)。
 禿げそうなほど後ろ髪を引っ張られ(事実、引っ張られたかもしれないがww)つつ、ジョンは渋々、NYに戻った。
 でもKYなポールはヨーコもいるっつーのに場の空気も読まないで、とうとうジョンが呆れるほど、以前と変わらぬペースで突撃訪問を繰り返しましたとさwww。

             *めでたし、めでたくもなし*

こんな感じでノシ
262ホワイトアルバムさん:2010/03/24(水) 14:08:53 ID:???0
も一つ

題:モーリン・コックス ジョージとの日々を語る

モーリン「彼は、私にリンゴのことしか聞いてきませんでした。
     ベッドの中でも」

そして二人の短い付き合いは終わったのだった。

          *まったくめでたくなし(笑)*

お邪魔しました(低頭)
263ホワイトアルバムさん:2010/03/24(水) 15:24:55 ID:???O
また続けて書いて下さいね。楽しみにしています。
264ホワイトアルバムさん:2010/03/25(木) 01:45:16 ID:???0
この人もういいから
別の人が投下してほしい
265ホワイトアルバムさん:2010/03/25(木) 01:54:12 ID:???0
それなら、いっそ自分で書いてはどうか。
萌えというものはそうやって広がっていくのだ。
266ホワイトアルバムさん:2010/03/25(木) 01:58:07 ID:???0
>>259-260へのレスですね
わかります
267ホワイトアルバムさん:2010/03/25(木) 20:05:23 ID:???0
こういう流れ嫌いじゃない
また書きに来て下され>>261
268ホワイトアルバムさん:2010/03/25(木) 20:17:08 ID:WP9zKzFs0
アホだろこいつら
801板いけよ
269ホワイトアルバムさん:2010/03/25(木) 23:29:45 ID:???0
誰か話書いてくれ
でも自分アピールは本当に勘弁
270ホワイトアルバムさん:2010/03/26(金) 01:24:50 ID:???0
>>269
同意
自分アピールつーか>>265とかさすがに引いた
誰でもスレなんて立てれるのに、それを理由に仕切るとかさ。バカじゃん。
こんなんじゃ誰も書けないし書かないよ
>>264も書いてるけど、本当にこの人出てきてほしくない
信者もそこらへん気づいて(低頭)をマンセーできる場所に移動するべきだと思う
271ホワイトアルバムさん:2010/03/26(金) 01:41:15 ID:???0
面白い話だけ投下してくれりゃ文句は言わん

中二病スレに成り下がるのだけはごめんだけど

272ホワイトアルバムさん:2010/03/26(金) 10:48:02 ID:???0
SS書いた事ないけど、G/Rエロ書いてみようかな...時間かかると思うけど
273ホワイトアルバムさん:2010/03/26(金) 10:55:56 ID:???O
私は泣ける話しがいいな。感動の涙でも切なくて悲しい涙でもどちらでもいい。
274ホワイトアルバムさん:2010/03/26(金) 18:45:54 ID:???0
リレーSSなら参加させてください
でも「誰々マンセー」とかは無しでお願いしたいです
275ホワイトアルバムさん:2010/03/26(金) 20:41:09 ID:???0
そうするとコテハン無い方がいいのかな
276274:2010/03/26(金) 21:48:42 ID:???0
>>275
もしリレーが実現するならうれしいです
私はコテは持ちたくないけど、
リレー一本終わるまでは誰なのか分らないと混乱すると思うので
なんらかのコテ表示はしたいと思っています。


あとまえの方で801板に移動という話しが出ていますが、それはどうしたらいいんでしょう
277272:2010/03/27(土) 08:00:00 ID:???0
G/RのSS書き終わりそうですが、このスレの方針が決まってから投下した方がよさげですね...
278ホワイトアルバムさん:2010/03/27(土) 12:18:29 ID:???0
801板にいくならこんなテンプレはどうでしょう
立てようと思ったのですが出来ませんでした。どなたかお願いします

■ここはビートルズに萌えるスレです
・自作SSの投下
・リレー小説
・萌え語りなど

※sage進行でお願いします(E-mailの欄に半角英字で「sage」と入れます)
※荒らしはスルー
※個人サイトへの直リン厳禁
※コテハンは任意です
※リレー小説に参加する場合は、リレーが終わるまで書き手が分かるようにご配慮ください


マターリと参りましょう。
279ホワイトアルバムさん:2010/03/28(日) 00:42:30 ID:???0
280ホワイトアルバムさん
ポールが女だったら・・・4人目

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1247643127/