ビートルズで801 7スレ目

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1ホワイトアルバムさん
「初代スレの100くらいで1に「つかこのスレまだあったんかwww」と言われてしまったかわいそうなスレッドが、7スレ目に突入しました。(^^
ここは甲虫バンドのモララーのビデオ棚的にも、また、お好きなCPについて萌えを語り合うもよし、画像やイラスト投稿、馴れ合いもOKです。
リレー小説、その流れに関係なく自作スラッシュ投下、突然好きなカプやシチュを叫ぶもおk!皆で甲虫に萌え上がりましょう!
  画像投下はこちら↓
イメぴた ttp://imepita.jp/pc/
うpろだ http://www9.uploader.jp/home/betles801/

※また、このスレに投下された作品・画像(←画像、スラッシュ動画もおk?)を保管するまとめサイト(サイト名「ALL YOU NEED IS LOVE!」)も
作られる予定です。保管する際のことを考え、作品投下時はコテハンを使うことを奨励します(もちろん、名無しのままでもOKです)。
Q=海外のスラッシュ作品の和訳の投下は、OKですか?
A=二次創作とはいえ著作権がありますので、残念ですがご遠慮ください。ただし、Slash紹介・感想文は専用のスレを避難所したらばに立てようと思います。

CPに関するQ&A
Q=ここはJP以外に、GPやJRやJG、PJもしくはBJなどはだめですか?
A=いえ、どのCPでもOKです。

Q=映像やSlashはここには投下してはだめですか?
A=テンプレをご覧下さい

Q=コテは絶対ですか?
A=名無しでもOKです
2861Hedge-hog:2009/03/29(日) 00:41:15 ID:???0
いえーい、2ゲト! ミハイルさま、売掛金さま乙です。
ってか、まずいやんか! 早くまとめないと前スレ落ちちゃうよ!
それにしても、前スレの埋めカウントダウンがすごく笑えました。もうみんな
好きなこといっててww! 乗れなかったのが残念。まだ投下されたイラストも
埋めSSも読んでないていたらく! てなわけで、もうなんでもいいから仮の形でも
いいから作っちまいますね。検索よけはミハイルさまよろしく。まとめは6スレから
始め、それ以前のスレで残したいものがあったら各々編集よろしく。
一応WIKIを使うつもり。サーバは無料で一応…アダルトでwww。だめ?だめなら
そう伝えてください(ここに)。あああ、でもマジで作ったことないから不安。でも
作る。では、ちょっとだけまた姿をくらまします。でもその前に、画像を見て、6スレに
投下されたSSを、PCに落とします。今日、メイパンの写真集買っちゃった。
ジョンすげえかわいい。でも買う決め手はポールとの2ショットでしたw。一枚しかないのが
とても残念。
3売掛金:2009/03/29(日) 01:37:31 ID:???0
3げっとー

861Hedge-hogさま
お疲れ様です。
私はまとめサイトについては全然判らないのですが、
6スレ目だけだったとしても時間がかかりすぎてしまうと思います。
思うに、861Hedge-hogさまが初めて書いた部分から以後、
そしてそこから私のスラッシュを抜いた形で(私は自分のものは自分で整理しているので)
ひとまず作ればそれで十分なのではないでしょうか?
そもそもまとめを欲している人なんて居るのかも判りませんし。

6スレ目の861Hedge-hogさんのスラッシュを抽出、
もし本当にまとめを作るのなら、その作りたい人自らが7スレ目からやる、
求めがあれば自ら整理したものを持っている人がスラッシュを提出、で良いと思います。

私はどちらかというとサイト構築に時間がかかり、
萌えれないという状況の方が寂しく思います。
4861Hedge-hog:2009/03/29(日) 03:20:15 ID:???0
おお、売掛金さま、3ゲト乙です。
うちの子(作品)が大変お世話になりまして(イラスト超うれしい、の意)! ラブラブでにこにこなR/Gで幸せー。
駅でごろつくジョン、貰っていいですかハアハア? 売掛金さまの描くビーはカワ色っぽくていいなあ。
SSにイラストつけ企画?、いいですね!稚拙ながら、私も参加したいですーw。 
まとめサイトは…、一応雛形だけ作って、後は気が付いたら編集、やりたい人がいたら
やってー、て形にしたいのです。それにはやはり無料サーバーがいいのですが、容量とか
検索よけが大変か? とか色々考えてるです。2fcで、サーバーとWIKIをまとめて借りちゃおうか、
とか。その辺はどうでしょう<ミハイル様、売掛金さま?

>>ミハイルさま。前スレより。そうです、おあしすですふふふw。
この兄弟のビーヲタっぷりにシンパシーを感じます。ジョージとけんかしたりザックに
「親父のサイン持ってきたら正式メンバーにしちゃる」とかw。どさくさにまぎれて
なにやってんだかw、と。
5売掛金:2009/03/29(日) 04:37:16 ID:???0
以前自分はサイトをやっているというお話をしたのですが
更新の手間をかけないようにブログを利用しています。
使うのはBloggerかWordpressが殆どなのですが、
後者は検索エンジンが入りこむことを避けるシステムがあります。
これらはすべて無料で作ることが出来、編集者も登録すれば加えることが出来ます。

正直おっかない話(?)のまとめサイトのようなことをしようと思うと
作業がとても大変ではないかというのが本音です。
それは追々、本当に必要になったらやればよいだけの話で、
今は6スレ目の861Hedge-hogさまの自作スラッシュ、
これを861Hedge-hog様ご本人が自由な形で管理されればよいと思います。

私の個人的意見ですが、まとめサイトは今の段階では
急いで作る必要もないし、極端な話し要らないのではないかと思っています。
先にも記しましたが、本当に欲しいと思う人が積極的にやれば良いだけの話ですし、
私たちは新しく参加するようになった人間なのですから、
その方に情報提供という形で協力するということで十分なのではないでしょうか。
何も861Hedge-hogさまだけが好きなSSを書く時間を惜しんで
何日もかかってやるべきことではないと思いますよ。

「まとめサイトが欲しい人は、そのひとが作る」

それでいいのではないでしょうか。
6861Hedge-hog:2009/03/29(日) 15:41:19 ID:???0
>>5 売掛金さま、優しいお心使い、ありがとうございます。
でも、大丈夫! 「まとめ、どーしよー」とか思いつつも逃避に走ってます(そんな
ことやってっから進まないんだっての…(泣)。そんなわけで、うpろだに、売掛金さまの
SSにて、ジョンがポールに喧嘩売ってるところを描いてみました。なんてか、自分のセンスの
なさにがっくり。「そうだ、背景はスタジオにしてもよかったんじゃん」と気づいた時には
全てが終わっていて、書き直すのもマンドクセ状態でした。すいません。
無料ブログ(検索よけおk)の情報、ありがとうございました。これからちょっと覗きに
いってきます。自分もサイトを作ろう(ビーとポリス辺り…)と思っていたので、参考にします!
では!
7ミハイル:2009/03/29(日) 16:28:19 ID:???0
>>6
がんばってください
では私はカーレースを見てきますwアロンソがんばれ
8売掛金:2009/03/29(日) 21:10:11 ID:???0
>>6 861Hedge-hogさま
おー!!ありがとうございます!!! めちゃくちゃ嬉しいです!!!
こんなプレゼントは生まれて初めてです。
さっそく自分のブログの該当スラッシュにこちらの絵を入れされて頂きます!!!
また何か自分が描いた際は、挿絵をお願いできますでしょうか。
いやぁ、マジで嬉しいです(^^)

お返しといっては何ですが「alone as a tape」へ強引に挿絵をつけました
アップローダーに置きました。受け取って頂けると嬉しいです(^^)
9861Hedge-hog:2009/03/29(日) 22:45:06 ID:???0
>>7 ミハイル様…って、カーレースですかい(^^;)!?
萌え対象がいっぱいありそうですねふふふ。私は趣味が狭いので裏山しいっす。
自分でこんな小話つくったくらいで…
「最近、何聞いてる?」
「ビー」
「また? 飽きないの?」
「飽きたらオアシス聞く」
「…同じやないかーい!」  …自分で書いてて、なんか哀しい…。
>>8 売掛金サマ
こここちらこそ、なんだか光栄きわまります! どうぞ、よろしかったら使ってください<イラスト!
こちらこそ、あんな…ああああ、ジョーーーんーー!!<「alone as a tape」挿絵
 私、あんなかっこええジョン書いたっけ書いたっけ?「自分のこと忘れられたら、やだよう」なんて言って、
いい歳こいてべそってためそめそ野郎なら書いたけどなあ。さそく自分の画像ファイルに入れます! 大ご馳走さまでした!

>>また何か自分が描いた際は、挿絵をお願いできますでしょうか。
こちらこそ、描かせてくださいな! 頭を垂れてお願いします。てなわけで、SS投下、いつでもお待ちしておりますよん♪
そして、いつの間にかうpろだにジョン画像が増えてましたね〜ww。ジョンファン、多いのかしら?
ようし、そっちがジョンなら、こっちはジョージだ! て、なに張り合ってんだか。では!
 
10ミハイル:2009/03/29(日) 22:57:26 ID:???0
>>9
ジョージの影響で(笑
アロンソは、結果は5位でしたがいい走りだったと思いましたw
ただマシンデザインが去年に比べるとださいデザインでしたorzなんていうか、アニメっぽい・・
萌えありますよwトヨタのヤルノ・トゥルーリたんとかルノーのフェルナンド・アロンソたんとかww
売賭金さま、フェラーリのレーシングスーツを着たジョージを書いていただけないでしょうか?66年ごろで!w
F1といえば彼なので・・(w
11売掛金:2009/03/30(月) 00:36:08 ID:???0
>フェラーリのレーシングスーツ
なんという難しいご注文!!
一応描きましたが、ビートルズファンとフェラーリファンを
一気に敵に回すような出来栄えになってしまいました。
何もかもが崩壊しています。
ジョージはいずれまた頑張るぞということで、今日のところはこれで許してください…
12ミハイル:2009/03/30(月) 09:42:47 ID:???0
>>11
おはようございます。難しいリクエストですいません;
おおおww開いた瞬間あまりのできばえに驚きました。もしかして、売賭金さまは多田由美先生じゃないですかw?
あの戦闘妖精雪風で有名なwと思うくらい、上手いタッチですねw
そういえばデーモン・ヒルという晩年ジョージ化が進んでいるドライバーを思い出しました(笑
ジョージも池面で・・(笑)彼はドライバーのほうが向いてるんじゃないかと(笑

あ、ジョンの画像を昨夜二つうpしたのは私です
云い忘れてました;すいません;;フォルダから放流ですww
13売掛金:2009/03/30(月) 15:26:17 ID:???0
こんにちは
昨夜のジョージは我ながら大崩壊していて泣きました。
私事なのですが、現在有給消化中にありまして
やることがなさすぎで時間をもてあましまくっているのですが
そこにきてお題を頂き、ありがたく思っています。
14861Hedge-hog:2009/03/30(月) 16:31:54 ID:???0
>>ミハイルさま、乙です。そういえばどっかのビーブログで、デーモン・ヒルさんと
ジョージが似てると書いてありましたねw。そんなに似てるのか。後でググろう。
昨日のジョンたん達はミハイルさまでしたのね。後で私もジョン画像投下しにこようっと。
>>売掛金さま ジョージかわいかったすよw。’65年頃のジョージたんが一番レーサーっぽい
ですよね。そんで、おサイケなPJ画像乙です。おおお、ポーリィかわいい。
では、売掛金さまの有給消化のお手伝いで、「イラストお題」!

↓「ジョージかわいい」スレより
288 :ホワイトアルバムさん:2009/01/15(木) 01:11:14 ID:Rmb/ibQxO
ぼっこぼこにされた状態のビートルズ
ジョン→鼻血出たから鼻にティッシュつっこんでる(綺麗に丸めないで適当に入れたから入りきらない分はひらひら)。眼鏡歪んでる。
ポール→目のまわりに青くアザ。歯がかけてる。
ジョージ→頬に擦り傷。すんごい不機嫌な顔。
リンゴ→松葉杖
 
この中で、描きたいメンバーでおkですので、よければおねがいします!(私も描いてみます)
ちなみに私には、リンゴはどちらかったら喧嘩になる前に上手く逃げて、
救急箱もって他のメンバーの怪我に待機、というイメージがあるのですが、
どうでしょう(…て言われても困りますよね…)?
好きなことを言って去る、勝手な奴で申し訳ない…。ではまた。
15売掛金:2009/03/30(月) 17:01:45 ID:???0
おおう、お題だ!
今から頑張ってみます!!
16売掛金:2009/03/30(月) 20:12:08 ID:???0
努力倒れしました
(というかこの絵、ビートルズの必要あるんだろうか?)
アップローダーにあげます
17ミハイル:2009/03/30(月) 20:16:20 ID:???0
>>16
では私もよろしいでしょうか?
セナの命日にあわせて、セナとジョージのツーショットを御願いします・・
RIP・・セナ
18売掛金:2009/03/30(月) 20:56:18 ID:???0
セナのことはまったく知らないので無理ですね・・・
ファンの方なら上手く表現することが出来ると思います
19ミハイル:2009/03/30(月) 22:00:53 ID:???0
すいません;;
では、66年ごろのジョンを書いていただけませんか?w
20売掛金:2009/03/30(月) 22:19:32 ID:???0
>ミハイルさん
ではMMTのポールをお願いできますでしょうか
21売掛金:2009/03/31(火) 00:04:34 ID:???0
できました!
アップローダーに置きました
ではミハイルさんのMMTを楽しみにしております(^^)
22861Hedge-hog:2009/03/31(火) 00:18:27 ID:???0
でえええ! ちょとこない内になんという伸び方<レス。
>>売掛金さま。
リクにお答えいただき、ありがとうございました! いや実はリクエストをした
レスを、ジョージかわいいスレで発見したときに、4人の様子がはっきり見えてしまって
一人で萌え死んだという寂しい過去がありまして…。私Ver.も、ろだに置いてきました。
よろしければご賞味下さい。いやあ、4人そろってのショットは思いついてなかったので、
とても参考になりました。リンゴ松葉杖ーww! ジョン不貞寝ー! ポールちゃっかりコーヒー
ブレイクに不機嫌ジョージかわいい。そして私のイラではリンゴの指輪を描き忘れたことは
内緒です…。だめじゃん、リンゴじゃないじゃん(泣)!
>>ミハイルさま、乙です。
ジョンの画像も今から置いてきます! でも…持っているものだったらごめんなさい。
あ、売掛金さまのジョンも見てきますw。なんかイラスト板になってる気が…(wara
23売掛金:2009/03/31(火) 00:34:17 ID:???0
>861Hedge-hogさま
かわいー!! めちゃくちゃかわいー!!!!(萌死)
自分は絶対描けないわけですよ。いやー、本当に:861Hedge-hogさまの絵、大好きです。
リンゴが心配そうにしているのがいいですねー。いやぁ、かわいい4人だ!!!(興奮)
ありがとうございます(^^)

>イラスト板
おお、確かに。それはいけないことです。
最近861Hedge-hogさまは文章の方は如何ですか?
私は過去のねつ造物の整理で嫌になってきています。
新しい何かとは思うのですが・・・
ああ、何方か萌えを投下してください・・・
24861Hedge-hog:2009/03/31(火) 01:14:48 ID:???0
売掛金さま、ミハイルさま乙です。
アフター喧嘩イラ、よろこんでいただけて光栄です! てか、私はいい歳こいてアニメ絵?しか
描けなくて…うう…。そんな自分のイラを見てくれて、それを楽しんでいただけるのはまったく
嬉しいことです。でもそれは自作スラッシュにも言えることですw。
文章ですかw? 実は2本ほど書きたいものが…。ひとつは、前にモララー板に落とした
「リバプール若白髪同盟」みたいな、はちゃめちゃもの。もひとつはまたもレリビー関係で
G/P(そしてR/G)。ジョージがポールを泣かせるよ、そしてジョージも泣け! 最後はまたも
美味しいトコ取りリンゴ、って感じw。なんかテンプレ話になりそうで恥ずかしい…。

「萌え」といったら、それこそMMTはどうですか?こないだのブートを見て気づいたのが、「これ、
ポールの趣味全開だろ!?」ってことでw。でも意外とジョンとジョージが楽しそうだったなあ、とか
ようつべでも「MMT」の撮影合間の映像とかありますよね? そこでのJPがワリといい感じでしたよw。
あ、会話で進む短い奴も思いついてたんでした。次レスに落としますw。
25861Hedge-hog:2009/03/31(火) 01:33:56 ID:???0
(「MMT」クランクアップ。「Your Mother〜」で終了てことにしてください(汗)

「お疲れサマー!」「ありがとうございましたー」
J「よお、ポール。終わったなあ!」
P「そうだね、ジョン。長い間のバスロケ、お疲れ様!」
G「いや、ホントに疲れたよ。でもまあ、何とか終わってよかったよ」
P「ジョージ…(ほろり)」
J「…で、よう。ところでポール(にこにこしながらポールの肩を抱く)」
P「なんだい、ジョン」
J「…お前、なにがやりたかったんだ(deadpan)?」
 (その一言で、ハッと周りをみるポール。そこには自分を囲むジョージとリンゴ
  (同じくdeadpan)、そして沢山の参加者(やはり(ry)の視線が…)
   思わず息を呑み、一瞬悩むも頭に電球が付いた表情になり)
P「(大声で)シーン56、[Your mother〜]5テイク目、用意!!」
 (全員、固まったかと思ったら、わたわたと最初の位置に行こうとする。その隙に
  植木等ばりに逃げる)
J「…あ、てめえポール!!!!!」G「逃げたのか!」「待て!!」
(ジョンを先頭に地鳴りを起こしながらポールを追い始める関係者達。その後ろからリンゴがとことこと
歩きながら)
R「…じゃ、ボク帰るねー」
The beatles&Apple Co.ltd Presents MMT、(THEレアリィ END!)

…これ、萌えと違う…(泣)。
26ミハイル:2009/03/31(火) 09:15:52 ID:???0
>>21
おはようざいます
私は文章専門なので、悪夢にうなされてジョンにしがみつくポールという小説を書いたら投下予定です
お楽しみに
27売掛金:2009/03/31(火) 10:29:31 ID:???0
>>25
スピルバーグ 「Cool!!! コノエイガハスバラシイデスネー」

MMTは癖になる何かがありますね。
私がこれを見たのは友人宅で、確か5年くらい前と思ったのですが衝撃でした。
因みにその時ふたりでかなり酔っていて、観ながら爆笑していたような。
とにかく良い思い出がある一作に違いありません。
28861Hedge-hog:2009/03/31(火) 12:46:30 ID:???0
>>ミハイルさま、売掛金さま、乙です。
ミハイルさまー! おお、久々にミハイルさまが筆を御取りじゃああああ!!
ありがたや、ありがたや…。お茶用意して(そんな気持ち、てことでw)お待ち
しますー! wktkwktk〜*
>>売掛金さま
>>27 まだ「抱きしめたい」未見です。すまない、スピルバーグ。
>酔っていて見ながら爆笑〜
その気持ち、すごくよく分かります(私は下戸ですがw)。
29861Hedge-hog:2009/04/01(水) 00:56:23 ID:???0
>>ミハイルさま。
デーモン・ヒルさんを検索してきましたw。現役時代の写真しか見れなかったけれど、確かに
池面ですねw。しかも古館イチローにまで「顔面ジョージハリスン」とフレーズされていたん
ですね〜(Wikiより)。ジョージ本人とも仲が良かったとか。うわあ、そんな、同じ顔の池面が
揃ってるトコロが見てみたかった…。

そういえば、今日「自分内イラスト企画」として、「ビーのメンバー
達に今のファッションを着せてみよう」と思い、カジュアルでもトラッドな感じ(うわー、使い
慣れない言葉を使って気恥ずかしい〜)の雑誌を見てて、思ったのです。
「今の服を若い頃のジョージ(前髪ぱっつん時代でも)が着てもあんまりおかしくない」と。雑誌に載っていた、
皮のこじゃれたアクセサリーを吊るしたジーンズ(黒のストレート、ワリとピッタリ)にごつい革靴、
短めのPコートの下には縞シャツにネクタイ、なんて格好がとてもピッタリ。その他、皮のジャケットとか
スカーフをアフガン風に巻いても、すごくカコイイ。ビーのスーツを仕立てていた人が「ジョージは体付きに
クセがないから、一番作りやすかった」と言ってたのもなんか頷ける。そして、意外やリンゴも今風でも
決まるんですよ。彼の場合、逆にクセのある風貌が服の個性に負けない、って感じなんでしょうかw?
しかし、この場合困ったちゃんwなのがソングライター組。特にポール(泣)。こうしてみると、JもPも、
体付きにクセがあるのが分かります(←偉そうですね…)。そしてポールもジョンも、服に勝っちゃうん
ですよ。だから服を引き立てるためには、かなり服ががんばらなきゃならなくなりそうだなあ、と…。
と、いらない萌えを語って、今日は去ります。おやすみなさい…。
30売掛金:2009/04/05(日) 23:05:30 ID:???0
861Hedge-hogさま

アップローダーの絵を拝見致しました。
可愛いですねぇ・・・(^^)
因みに着色はどんなソフトを使用されているのでしょうか。
31861Hedge-hog:2009/04/06(月) 18:22:59 ID:???0
お、売掛金さま、お久しぶりですノシ!
そしてイラスト見ていただき、有難うございますw。
着色はですね、私は写真屋さんことフォトショしか使えないので全てをフォトショでやってます。
ホントはペンキ家さんの方が色々出来るとは聞いているのですが、使い方が分からない(涙)。
そろそろマヌアルでも買ってこようかと思ってます。
ところで、今晩くらいに「R/Gしかもちゃんとスラッシュさせるぞ世間の目が怖いけど」(タイトルに
有らず)を投下予定です。他スレのネタで思いついた話だけど、いや、別にそこのスレを否定とかでは
なくて、アクマで思いついただけのことですのでw。

売掛金さまは、そろそろ仕事復帰ですか? きっとミハイルさまとかも
結婚準備で忙しくしてるのだろーなーww。

では、また今晩!



32売掛金:2009/04/06(月) 19:30:22 ID:???0
861Hedge-hogさま

こんばんは!
そうですかフォトショをご利用なのですね。
私はそのようなソフトを持っておらず、血迷って絵の具を買ってきました。
仕事は・・・聞かないでください(笑)これから当分時間を持て余す予定です。

R/Gのスラッシュ!!!
期待しております。待っておりますよー(^^)
33売掛金:2009/04/07(火) 00:07:16 ID:???0
ジョージ、Hollywood walk of fame登録記念ということで頑張りましたが
もう何というか100年ぶりのアナログ塗りということで許してください。
というかそれ以前という話もありますね。
ジョージ描けない・・・(涙
34861Hedge-hog:2009/04/07(火) 15:12:19 ID:???0
 アクセス規制に巻き込まれて、昨夜、嘘つき野郎になってしまいました。すいません。どうも、
お待たせいたしました。…またれてなくても(泣)お待たせといおう(強気)。
R/Gのスラッシュですー。いやー、書いてびっくり。マジでヤッてるだけになっちまった(汗)。
しかもジョージの一人称。恐れ多い! そしてリンゴが黒い。多分黒い。黒リンゴ。うへえ。
照れ隠しでテンション高い状態で申し訳ありません。そして売掛金さま、祝・絵の具購入!
見てきましたよ早速戴きました! かっこかわいいFab4だー!! アナログ塗りマンセー! 
そしてジョージ全然、まったく、OK! 華奢でかわいい…ww。潜水艦の衣装がイカすww。
時間が出来てしまったのなら、たまーにSSも投下…ゲフンゲフン! いや年寄は我儘でいかん。

では、次レスから始めましょう。何時ものように、長くてすいません。R/Gスラッシュ
「I'm out a time」で「ばっちりいってみよ〜(←「アニメ ザ ビートルズ」風にw)」

35I'm out a time /1:2009/04/07(火) 15:17:24 ID:???0
傷つけてるつもりじゃなかった。
 本気でそうしようととか、思っていたわけでもない。
 ただ、そう言うと、いつもやさしい彼の顔がにわかに曇って、苦々しくこっちを見るのが、
なんだかすごく楽しくて。
 そういいながらじゃれ付くと、ぞんざいにこっちを払いのけるのが嬉しくて。
 オレはそんなところがある。悪い癖だと分かってる。
 好きなコをからかいすぎて、怒らせてしまうこと。
 でも、まさか彼がそこまで嫌がってたとは思わなかったんだ。
 だから、まさか
 こんなことになるなんて。

「リンゴ、ねえねえレイプさせてよねえ」
 その日もオレは軽い気持ちでそう言って、リンゴに後ろから抱きついた。小さな肩は
オレの腕にすっぽり収まって、女と違ったフカフカの身体の感触が服の上からでも伝わってくる。
「いい加減にしてくれよ、ジョー」
 いつもは愛称で呼ばない彼が、いきなりそうやって呼んできたからオレは「あれ?」と思って、
またいい気になってしまった。
「いい加減って、なにさ」
「そんなこと言ってじゃれ付いてくるのはもうよせ、って言うんだ」
 そういうと、彼はこっちを振り返った。オレを下からねめつけてくる眼は、何時もと違って怒りを
含んでいる。空色の目が冷たく光ってオレを制しようとする。
「なんだよ、それ!」
 自分のやっていることを棚上げて、オレはむっとして言い返した。こんなの、ちょっとしたオアソビ
じゃないか。それに、本当に嫌だったら、なんで最初っからそういわないんだ。彼はいう。ジョーが俺を
からかっていっているのが分かっていたから、最初は笑って受け取っていたさ。でも、こう何度も言われ
たら、たとえ冗談でもいい気持ちがしない。はっきり言わなきゃ分からないみたいだから、今、注意してるんだ、と。
 その時のリンゴの様子。全身が怒気を含んでいて、あの小さな身体がぐっと大きく見えた。さらさらの赤毛は
逆立っているようだった。そして、あの眼 ――― 。
36I'm out a time /2:2009/04/07(火) 15:20:39 ID:???0
 青い光。冷たい炎が燃え立っているような視線。怒気と視線をまともに食らって、オレは一瞬息が詰まった。
オレの腕の中にいる人物が、オレの知らない人物に変ってしまった。
 しかし、愚かなことにオレはまだ粋がって、彼を離そうとしなかった。よせばいいのにかえって腕に力を込めて、
しっかりと抱きしめてしまった。
「そういうなら、ホラ、オレを振り切っていきなよ。あんたにそれができるならね」
 バカだった。まったく愚かな話だ。オレは彼の体格と普段の優しい態度で、目がくらんでいた。忘れきっていた
のさ。いくら昔は身体が弱かろうと、確かに今だって病気がちかもしれなくても
 彼は、あの激しいステージの間中、ドラムを叩いてビートを刻む(しかも歌まで!)、ドラマーだということを。
 オレの言葉に、彼の怒りが爆発した。
「ぐっ!」
 殴られる、と思うより早く、正確に、彼の拳がオレのみぞおちにめり込んだ。硬い指輪の感触が、はっきりと
わかるくらい深い衝撃だった。
「か、は…っ! あ」
 身体から力が抜ける。痛みと精神的なショックで立っていられず、身体が崩折れていく。
 息が詰まるのをさけようと、本能的に咳き込む。
 彼は、そんなオレの身体を支えると、軽く背中を撫でた。ホッとしたのもつかの間、彼が優しかったのは
そこまでだった。オレは彼の肩に担ぎ上げられ、そのまま寝室に運び込まれた。長い演奏旅行の間、少しでも
緊張を解きたいオレ達は、寝室のリネンの交換は2日に一回としていた。あんまり毎日こぎれいだと、返って
余所に来ていると自覚してしまうからだ。だから、そこも今朝のまま、寝乱れてくしゃくしゃになったままのベッドだった。
 それが、なんだか生々しい。
 オレはそんな中に、乱暴に投げ出された。まだ身体が強張っていうことをきかない。腹を押さえて激しく咳き込む。つばを
飲み込むこともできない。
 しかし、彼はそんな憐れなオレの様子にちっとも頓着しないで、はぎ捨てるように自分の上着を脱いで床にたたきつけると、
そのままオレの上に乗っかってきた。
 そして、むりやりオレの身体を伸ばすと、そのままぐっと、おっかぶさってくる。
37I'm out a time /3:2009/04/07(火) 15:25:57 ID:???0
 オレは逃れようともがく。だけど、びくともしない。まさか、そんなと焦ればあせるほど、逆にベッドの中にもつれ込んでいく。その時、
オレは気付いた。リンゴの身体…。ぽっちゃりして、弱弱しく見えていたのに、うわっ皮の脂肪の下は、しっかりと筋肉がついている。そうだ、
ギター弾きなんかと違ってドラマーは全身を使って演奏をする。長年ドラムを叩いている彼が、どうして弱っちいことがある。
「お前がしたがってるのは、こんなことなんだよ? ジョー。それを教えてやるよ」
 彼はオレの襟元からネクタイを除いた。強く引っ張られて一瞬喉が絞まる。オレは怯えてしまったのだろう。今では分かるがその時はもう、
どうしていいのか分からなくて、体罰を前に縮こまる餓鬼そのまんまだったに違いない。
 彼は話してくれた。自分はこの体格から、よくからかわれていたことを。そして、なにも分からないまま社会に出た時、かなり「痛い目」に
遭ってきたことを。
「だから、俺も随分荒っぽくなったよ。でも、そんなこと聞かれない限り話さないだろ?」
 彼は、笑う。背筋を寒くするほどの、凄みのあるその笑み。
「だから、怖くてね。お前が俺に抱きついてくるとさ、ふざけてると分かっていても、つい緊張しちまうんだ」
「…オレ…そんな、つもりじゃ」
 彼は頷く。分かってる、と。
「俺が緊張するってのは、お前が「レイプ」と言って抱きつくたび、振り返りざまお前の顎を叩き割るのを押さえるため、さ」
 分かるだろ? オレの顎を片手で掴んで、彼は言う。頷くのも返事をするのも忘れて、オレはすくみ上がる。凄い力。その迫力。
 彼はそのまま、オレにキスしてきた。振りほどこうとして、もつれ込む身体。息を呑むように唇を吸われて、息が詰まる。
「は…、ああ」
 舌が差し込まれて、空気が吸えた。柔らかくてあったかい感触が、乱暴に口の中を暴れまわる。口の裏をなぞられ、舌をつるりと
飲み込まれ、わざと音を立てて吸い付いてくる。
 そうしながら、手が、服の上からオレの身体を撫で回す。腰から脇腹を通って、二の腕をさする。
38I'm out a time /4:2009/04/07(火) 15:30:07 ID:???0
「ん! んふ、んんん!!」
 リンゴの手が身体を走るたび、俺は思わず跳ね上がった。どうしよう、どうしよう。
怖い。怖いよ。怖くてリンゴの顔が見られない。でも、耐え切れなくて薄目を開けると、
彼はこっちをじっと見つめている。まるでオレを、怯えてすくむオレの姿を観察するみたく、
冷たい、青い目を向けて。バカなオレを制する、その視線。
 彼の手は、相変わらずひんやりしているのに、オレの身体はどんどん熱くなっていく。
 息が、違う意味で上がっていく。混乱が置き換えられる。
 怖くて彼にしがみつこうとしても、その度、手首をつかまれ枕に押し付けられてしまう。
 ここではそんなことも、オレには許されていない!
 ただ、オレは彼のするままに翻弄され、なぶられて、高揚を強制されるだけ。
 だらしなく惚けたツラを無様に晒して、彼のお許しを請い願うだけ。
 ああ、畜生! だのに、なんで、なんで、なんで
 なんでこんなに…
「はあ…ああ、いや…、やだよ…!」
「聞こえないね」
 頭の中がぐちゃぐちゃで、どうしていいか分からない。落ち着きたくて逃れたくて「嫌だ」と
言っても、彼は聞いてくれない。片手でオレの口を塞ぐと、その人差し指をオレの口元に差し出す。
「うるさい、これでもしゃぶってな」
 そして口の中につっこまれる。くちゅくちゅっと引っ掻き回され、弄り回される口の中。だけど
オレは…、うっとりとそれを受けると、そのまま赤ん坊みたく、夢中になってこれに吸い付いた。
舌を絡ませ、唾液を絡ませ、それをすすり上げるように。
 その様子を、リンゴは冷たく見ていた。青い目が、オレを煽る。そして、オレの唾液で濡れた
自分の指先を、自分の口に含んで彼は笑う。意地悪く笑う。ほら、ジョー。まだだ、まだ終わらないよ。
 胸をはだけられ、そのままキスされる。ボタンが弾けて、パラパラとシーツを叩く。
 ここにきて、まだオレは彼にしがみつくこともできない。
 彼の薄い唇が、オレの腹や首根っこ、そして…上半身で一番感じやすい場所を捕えて、舌まで使ってなぶり
上げる。ここまで煽られたオレは、もうどうしようもなく、次の刺激に餓えていた。そこへきて、この仕打ち。
39I'm out a time /5:2009/04/07(火) 15:34:08 ID:???0
 もうだめ、もうだめ、ガマンできない。
 だらしなく惚けたツラを無様に晒して、彼のお許しを請い願うだけ。
 ああ、でもその「お許し」って、一体なんだ?
 青い目が、オレを征する。その手が、その身体が、その口が、その声が、その一挙手が、彼の全てが
オレを犯していく。やっと分かった。これは毒だ。決して蓋を開けちゃいけない毒だったんだ。優しい彼に
甘えて甘えて、とうとうこんなところへ迷い込んでしまった。暴いちゃいけない裏っ側。呑んではいけない毒。
今、それはオレの口元にもって来られててムリヤリ注がれている。そうなったのは、自分のアホさかげんのせい。
 それなのに、呑んじゃいけないって分かってるのに、オレは砂漠を歩く人間みたいに、喉を鳴らして、それを
飲み干そうとしている。
 底が見えても、最後の一滴まですすりこもうと、浅ましく音を立てて器のヘリに吸い付いている。
 そして、その器を持っているのは…。
 彼は笑う。自分をバカにした相手を逆にたらしこんで、その様子をみて嘲笑う。
 きっと、今までだって、そんなふうにしていたんじゃないだろうか。
 それを証拠に、オレはもう、上半身はすっかり裸で、でも彼はネクタイも外していない。
 オレはもうすっかり出来上がっているのに、彼はまだ入り口にもきていない。
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
 百回だって書きます。百回だって言います。そんなつもりじゃなかった。傷つけようなんて、
思ってもなかった。罰を受けるのは当然だ。
40I'm out a time /6:2009/04/07(火) 15:39:23 ID:???0
 それなのに、こんなに怖くて、彼が怖くて、竦み上がってなすすべもなくって、罰を受けてる
ハズなのに。
 なのに、なのに、どうして、
 どうしてこんなに…気持ちいいんだよ…!
「リンゴ…、もう、もうオレ」
「聞こえないといった」
「許して、もう許して、たすけて…!」
「じゃあ…『ごめんなさい』は?」
 オレの気持ちが聞こえたようなタイミングに、ぎくりとなった。
「ご、めんなさい」
「もっと大きな声で」
「ごめんなさい」
「もっと」
「ごめんなさい、ごめんなさい! リンゴ、お願い!」
 オレの必死な様子に呆れたのか、彼は笑った。
 何時もの、優しい笑顔だった。
「よし、イイコだね」
 そういって、彼はオレの頬に口づけて、そのまま耳元をまさぐる。大きな鼻の先が顎のラインや
耳の中をくすぐる。
 
41I'm out a time /7:2009/04/07(火) 15:46:01 ID:???0
そして、やっと、やっと、オレの腕を離して、自分の肩にまわしてくれた。
 オレは、たったそんなことが許されただけなのに、嬉しくて、凄く嬉しくて、がむしゃらに彼の
首っ玉にしがみついた。
「ネクタイ、外してよ」
 そんな声がささやかれる。暗示にかかったようにオレは彼の胸元に手を伸ばす。
 もどかしく、ネクタイを外して、ついその首筋に八重歯を立てた。
「こら!」
 痛かったのか、彼はちょっとビクッとして、オレの鼻をつまんだ。そしておしおきとばかりに、
オレのベルトに手を掛けた。
「あ、だめだ。やめて!」
「どうして」
 また顔が意地悪くなった。
「見られたらマズイものでもあるってのか?」
 そして、すばやくベルトを抜くと、するりと手を滑り込ませる。恥ずかしくてオレは顔を背けた。
 だって、オレはもう
「凄いことになってるな」
 にやりと、リンゴが笑う。「そんなに感じてたのか?」息も出来ないほど恥ずかしくて返事もできない。
 下着の上から撫で上げられて、オレはまた彼にしがみつくことしかできなくなった。からかうような
いじり方をされて、もう沸騰寸前だった。
 どうしよう、どうしよう、このままだったら、このままいったら
 ガマンして、息をこらえているオレに、リンゴは気付いてくれた。
「ジョー、イキたいのか?」
 心臓が止まるかと思った。そうだよ、リンゴ。もうガマンできない。なんだっていい、どうしたっていい、
だから、お願いだ。早く、はやくオレを吹き飛ばしてくれよ。
 あんたのその手で、オレをどうにかしちまってくれ!
 そう叫びたくて、たまらない。だけど、そうなったら、オレはどうなる? どうなっちまうんだ? 
こんなスゴイ快感を知ってしまって、こんな恐ろしくて…こんな、魅惑的なリンゴを知ってしまって、普通で
いられるか? 壊れやしないか? 煽られ炙られ、もう道は一本しかない。
 …どうすりゃいいんだよ…!?
42I'm out a time /8:2009/04/07(火) 17:20:00 ID:???0
「大丈夫さ、ジョー」
 そんな、混乱しきったオレに、リンゴがささやく。耳をくすぐるように、優しく。
甘えを誘い出すように。
「こんなことで、狂った人間はいない。楽になりたくないのかい?」
 その声に、オレはどう答えたろう。頷いた? かぶりを振った? どうにしろ、
表す答えは同じだ。
彼は、その答えを拾ってくれた。
何度目かもう分からなくなったキスをして、オレの下着に手を入れた。
そして、「例のしぐさ」を畳み掛けてくる。
「ああ! うああ、い、いい!!!」
「そんなに気持ちいいのかい?」
「う、うん、いいの、気持ち、いい!!」
 彼のくすくす笑う声がする。そして、もう汗やら涙やらで、訳の分からなくなった
俺の頬をぺろっと舐めた。オレの口から、自分のものとは思えない声が上がる。
 酷いよ、リンゴ。こんなのない。
 ここにきて、優しくなるなんて。
 やっぱり、毒だ。この人は。恐ろしいほどの強い毒。
 皿まで舐め取りたくなるほどの、きついどく。
「ん、うう、あ、あああん」
 口からは、もう意味のない喘ぎしか出てこない。最後に向かって振り切られる意識を
保とうと、必死にリンゴの肩にしがみつくことしかできない。
 そんなオレに、彼は一層激しく手を動かして、わざわざ振り切ろうとする。
 オレの意識を、吹っ飛ばそうとする。
 決定的な言葉でオレを殺そうとする。
「ほら、イッちゃいな」
43I'm out a time /9:2009/04/07(火) 17:25:53 ID:???0
 そして、髪に顔を突っ込んできて、ふう、と熱い息を吹き込んだ。
 あっけなく、たあいなく
 オレは、殺された。
 極彩色の波が、オレにぶつかってきて、さっさとオレを浚っていった。
 リンゴの声がする。餓鬼をいさめる大人の口調で。
『もうこれで、あまり人を甘くみるんじゃないぜ、ジョー?』
 でも、オレは答えることができなかった。

 誰かが、頬を軽く叩いてる。
「ジョージ、ステージの時間だよ」ってって
 その声で、オレはやっと目を開けた。そこには、オレの頬から手を離すリンゴがいた。
 ハッと我に返って、ガバっと起きあがって時計をみると、ステージまでもう5時間くらいしかなかった。
「まだシャワーくらいは使えるよ。とっとと身体を流して用意しな。エピーからの電話は俺が受けてたから」
 顎で「こいよ」と合図して、彼は寝室から出て行った。まだオレは呆然としていた。あれ、なんだ? 夢? 
今までのは、オレの欲求不満が見せてたトンデモな夢だったのか?
 ベッドから出ようと、オレはシーツに手を置いた。その時
 小さな手触りがあった。
44I'm out a time /10:2009/04/07(火) 17:30:00 ID:???0
 手についてきたそれを見ると、ワイシャツのボタンだった。改めて見回すと、あちらこちらに
散らばっている。
 まるで、弾き飛ばされたかのように。
 起きてみると、下着もスラックスも履いていた。でもベルトはない。そして着ていたシャツが
パジャマになっていた。
「大丈夫かい?」 
 部屋からでたオレに、リンゴが声をかける。ああ、と頷くけど、心はここにあらず。ぽかんと
突っ立ってるオレを、彼はシャワールームまで引っ張っていった。
 そして、バスローブを羽織っただけの、びしょびしょになって出てきたオレの頭をわざわざ拭いてくれた。
 だめだよ、リンゴ。どうして優しくするんだよ。ああ、ドライヤーまでかけてくれて。
「モーリンに教わったんだ。マッシュルームカットを手早く乾かす方法をね」
 だめだよ、リンゴ。ここにきて、モーの名前を出すなんて。
 まったく、怖い人だよ。この人は。
 どうせステージ衣装は、皆が揃った時に着替えるので、私服を引っ張り出す。いつも着ているシャツは、
ソファの背もたれに掛けられていた。
「ボタン、台無しにしてごめん。仕立て屋にでも直してもらって」
 困ったようにリンゴが言う。それをみて、オレはあれが、本当にあったことなのだとやっと理解した。
ぼんやりしていたものが、はっきりと見えた。
「リンゴ、あの…」
 今までのことをあやまろうと、オレはなんだかもじもじしてしまった。あああ、これじゃホントに餓鬼だ。
みっともねえ。
 彼は「ん?」と目を丸くすると、にやりと笑って
「これで分かったろ? あまり人をからかうもんじゃないって」
 そして、かすめるようにオレにキスをして、頭をポンポンと撫でると「先に下りてる」と部屋から出て行った。
45I'm out a time /11:2009/04/07(火) 17:44:01 ID:???0
 部屋にぽつんと残されて、オレは彼が出て行ったドアを呆然と見つめる。
 身体には、まだ熱が残ってる。心には、新たな気持ちが疼いてる。
 そんなことを知っているのだろうか? そんな風にオレを仕向けて、一人でさっさと出ていってしまえるのか。
 薄暗くなっていく部屋に、バカみたいに突っ立ったまま、オレはなんともしがたい、どうしようもない思いを
抱えこみ、あの青い目に向かって文句をつける。

ほんとに、リンゴ。あんた、本当に
 ほんとうに、酷い人だよ。

「早くしてくれ、ジョージ!!」
ブライアンの金切り声が、ホテルの入り口に響く。いつものお上品な姿からはかけ離れている姿に、そうとう
イラついていることが分かる。
「さ、行こう」
 リンゴが、やっとロビーに降りてきたオレを見て、さっと走り出した。
 その後ろからついていきながら、オレは自分の中に湧き出す誘惑に折り合いを付けようと必死だった。
また、「あの」リンゴに会いたくなったら、どうしよう。
 話はカンタンだ。またいつものようにふざけかかればいい。
 でもそうしたら、今度こそリンゴに嫌われるかもしれない。
 それでは、まったく話にならない。

車のドアを開けて待つニールに、頭っから車に突っ込まれて、リンゴと顔を見合わせながら、
オレは「やってはいけない」ことをやりたがる自分の性格に心底うんざりして、ため息をついた。

リンゴは、ニールとブライと、とりとめのない話をしている。
46I'm out a time /:2009/04/07(火) 18:08:49 ID:???0
てなワケで、一巻の終わりです。自家中毒で申し訳ないですが、このリンゴは自分でも気に入ってます。このリンゴなら
ジョンもこませそうw。ポールは無理でも。
てか、ポールは容易に人に頼らない、人に自分を任せることができないと思うので。プライド高いし(私見)。そんな彼が
唯一、自分を任せることができた(プライドもへったくれも無くすほどの)相手がジョンだったのでは、と。
なんか違う話になりそうだから、軌道修正。とあるスレで、ビーの中で喧嘩が強いのは誰か、みたいな話が出てたのですが、
私は「リンゴ最強説」支持ですw。だって、あの気の荒い港町(ハンブルグ含む)で、酔っ払い相手に演奏してきてるんですよ? 
あの小柄で、病弱な彼が、無事に。絶対悪からかいの的にもされたろうし、ヨタ公に絡まれたりもしたでしょう。でも、ちゃんと
五体満足で過ごしてこれてる訳で。リンゴすげー。傍にいたら、絶対惚れそうww。こまされちゃったジョージの気持ちが分かる。
そんなドリーム入りまくり勘違いスラッシュでお目汚し、失礼しました。
今、実家のパソコンで書き込みしてるのですが、なんかワープロの具合が変で可笑しな書き込みになっちゃってる箇所が出来て
恥ずかしいです。いや、それを言ったら、このSS全てがそうなるか(涙)ではまた!
47売掛金:2009/04/07(火) 18:18:53 ID:???0
ハァハァ・・・
861Hedge-hogさま、張り付いて拝読させて頂きました。
口の中を犯すというのは何ともエロでございます。
ツボでございます、マジで萌えました。
真っ黒リンゴ最高!!!

リンゴ最強説は私も支持致します。
なんといっても私のビースラッシュ世界の最強はリンゴですから・・・

早速挿絵を描かせて頂けませんか?
あ、でもどこまで描いて良いものなのでしょう・・・(赤面)
範囲指示をお願い致します。

私もスラッシュを一発いきます。
正直これはちょっとえげつない一本なのですが、
861Hedge-hogさまのスラッシュで萌えた今の私に怖いものはございません。

ではいきます
48Drive My Car - 1:2009/04/07(火) 18:20:06 ID:???0
ステージが終わり、四人はいつものようにエピーに急かされた。
「急げ」
ライブが終わると全速力で走り、車に乗り込む。どこでライブをしても、それだけは変わらなかった。
女性ファンの悲鳴を聞きながら一目散に走る四人。
今日も観客の悲鳴で自分の出してる音なんか聞こえちゃいない。
それについてジョンが尤もらしい発言をしていたけれど、彼らにとってはそれは好都合だった。
酒に女にドラッグ、そして疲労で演奏どころではなかったからだ。
特にジョンはひどかった。どうしてあそこまでドラッグにのめりこむのか判らなかった。
彼がやりすぎなのは誰の目から見ても明らかだった。
しかし、それしかやることがなかったと云えば、それは正解だ。
ツアー中は外出が許されず、やれることといったら限られていたし、夜はあまりにも長すぎたから。
各々楽器をストラップでぶら下げたまま、廊下を走った。

「ヘイ、Geo、遅れるなよ!」
ジョンがジョージに声を掛けた。今日のジョンはいつになく上機嫌だった。
それを横目で見ながら、彼の薬が切れてきたのかもしれないとポールは思った。警備員に守られながら走り、外に出ると車が二台待機していた。最初に車に乗り込んだのはリンゴだ。逃げ脚だけは早い奴。
ポールはその車に乗り込もうとした時、誰かが彼のスーツの後ろを引っ張った。ジョンだ。
ポールの眉間に皺が寄る。最後尾を走っていたジョージがリンゴの車に乗り込んだ。ドアは閉められ、車は発進した。
「Shit!!!」
ポールは心の中で悪態をついた。
「急げ、何やってんだ!」
エピーがひどい剣幕で怒鳴った。滑り込むように二台目の車の後部座席に乗り込んだ後に、ジョンが続いた。
車は闇に向かって走り出した。
49Drive My Car -2:2009/04/07(火) 18:21:26 ID:???0
ポールは額ににじんだ汗をぬぐった。そして窓から流れる夜景を見た。
そういえば今日は何という国に来ているのだっけ。それもよく判らなかった。
悲鳴はいつも同じだったし、彼らの顔を見ただけではどこの国にいるのか判らない。
白人ばかりだったから、おそらく、ヨーロッパの何処かの国だろう。どうでもいいことだ。
横にいるジョンを見ると、彼はポケットから怪しげなスティックに火をつけて、それを吸っていた。マリファナだ。
ポールはまた外を眺めた。しかしやはり何も見えなかった。
車内がマリファナ独特の香りに満たされ、こちらまで眩暈がしそうだ。ポールは車の窓を開けた。
「ねぇ、ポール」
「何」
ポールはジョンの猫なで声にイライラした。
「お前さ、俺にキスしたっていいんだぜ?」
「はぁ?」
「ステージでさ、しようとしただろ。俺わかったんだぜ。変態」
「はいはい」
「俺はしてもよかったよ。でもしたら凄い悲鳴を浴びたかな?」
ジョンはクスクス笑った。
「あのぉ…」ドライバーがおずおずと云った。
「はい」ポール。
「すいません…、私、なんだか眩暈がしてきたのですが」
これはまずいと思った。ジョンがこんな狭い車の中でマリファナなんか吸うからだ。受動喫煙てやつだ。
ドライバーがハイになったんじゃどうしょうもないじゃないか。
「大丈夫ですか? 少し車を止めて外の空気でも吸いますか?」
ポールはドライバーを気遣った。
身を乗り出してドライバーの顔を覗きこんだが、もう彼にこれ以上運転させるのは危険だとポールは判断した。
彼の胸ポケットから顔を出している紙をひきぬくと今日の宿泊先のホテルの名前が書いてあった。
「ブレーキ、ブレーキ。ゆっくり。そう、そして右に寄って。そう、ゆっくりね」
ポールは彼に声を掛けた。ドライバーは催眠術にでもかかったようにその声に素直に従った。
車が止まり、ポールは外に出た。運転席のドアを開けると呆然と前を見つめる運転手を引っ張りだし、後部座席に押し込んだ。
そして運転席に座ったポールは慎重に車を発進させた。まったく最悪だった。
50Drive My Car -3:2009/04/07(火) 18:22:29 ID:???0
ポールは実に真面目に車を運転した。
事故だけは避けたかった。車が壊れることは怖くなかったが、足止めさせられることと、
警察に「名前を名乗りなさい」と云われ「レノン=マッカートニー」と答えるのが面倒だったからだ。
乗り慣れない車の運転は難しかった。これなら楽器の演奏の方がずっとましだ!
バックミラーを見ると、ドライバーが全裸になってシートに座っていた。
その横でジョンが笑いながら彼の肩を叩いていた。そしてドライバーからとった帽子をポールの頭に乗せた。
「ドライバー君、このままアムスまでやってくれ」
ジョンはポールの後ろ髪を引っ張った。
「痛い、やめろよ」
「ねぇ、ポール。キスしようよ」
「うるさい」
「助手席に座っていい?」
「ダメだ」
ジョンはむくれてポールの頭を小突いた。信号で停車するたびにポールは地図をひろげ、目的のホテルまでの道を調べた。
後部座席では全裸のドライバーが姿勢正しく座り、ジョンのギターに合わせてプレスリーの唄を歌っていた。
そんなこんなでなんとかホテルに到着し、入口にはエピーが待ち構えていた。
彼はは運転手がポールだったこと、そしてドライバーが全裸だったことに驚き、キっとジョンを睨んだ。
ふたりは一時間ほど説教を食らった。

ホテルの部屋に入ると、いつものように五人ほどのコールガールがいた。
すっかりハイになっていたジョンはギターをポールに渡すと彼女らの群れるベッドに飛び込んだ。
ポールはとても疲れていたので、伸びてきたコールガールのひとりの手を払い、そのままバスルームに向かった。
ぬるいシャワーを浴びながら、ポールはじっとしていた。
ドアの向こうから女と絡むジョンの嬉しそうな声が聞こえてくる。
本来なら不快になるべきところだが、ポールはとても安心した。
腰が抜けるほど楽しんで、そして疲れ果ててジョンが眠ってくれればそれでよかった。
突然バスルームのカーテンが開き、驚いて振り向いたポールの視界にジョンとひとりの女の全裸が飛び込んできた。
ジョンはポールにウインクし、彼女を膝まづかせBJさせた。卑猥な音がバスルームに響く。
51Drive My Car -4:2009/04/07(火) 18:23:26 ID:???0
ジョンは彼女の長い髪を乱暴につかみ、喉の奥までそれを差し込んでいた。
彼女は苦しさに涙を流しながら、それでも仕事を続けた。
ジョンは女の口からそれをひきぬき、女に壁に手をついて立つように命じ、固くなったそれを彼女の後ろから乱暴に差し入れた。
女がいかにもコールガールですよと声をあげ、それを受け入れる。
ジョンは女の丸い尻に腰を打ち当てた。
ポールはバスにつかりながら、タバコに火をつけた。
ジョンはわけの判らない、汚らしい言葉でコールガールを責めていた。
ポールは口の中で丸い煙の輪を吐いた。
ひとつ、ふたつ。
そしてタバコの先でその輪を切った。
すぐ横でジョンと女の粘膜がこすれる音が聞こえていた。
丸い輪を目で追い、その先に見える結合部を見た。
乳白色の粘膜が女のそこから垂れ、ジョンを濡らしている。
ジョンは何度もポールを見た。しかしポールはまるで無関心な目で、ジョンと女の行為を見ているだけだった。
ジョンは段々不機嫌になってきたらしい。そして女を乱暴に払いのけた。
「出てけ、売女! お前たちもだ!! 今すぐ出ていけ!!!」
ジョンはわめき散らしながら部屋の女を裸で廊下に出していた。
ポールは目をつぶって湯船に頭までつかった。

乱暴に誰かが狭いバスルームに入ってきて、ポールは湯から顔を出して顔をぬぐった。
不機嫌な顔のジョンがこちら向かいでバスに入っていた。
自分もタバコに火をつけると、わざとポールの顔めがけて煙を吐きかける。
それをポールは無表情で手で払った。
しばらく沈黙が流れた。
ポールは本当に疲れていた。このまま眠りたい気分だった。
何だって俺が車の運転などしなきゃならんのか。面倒なことは少なければ少ないほどいいのに。
ただでさえ俺は疲れているんだ。俺は運転なんかしたくないんだ。
ふと、水中のポールにジョンの手が触れた。ポールはそれを払いのけた。
ジョンはポールを睨んだが、その目には苛立ちと悲しみが同居していた。
その悲しみの色が濃くなり、ジョンは湯で顔を洗うと、そのまま両手で髪を後ろになでつけた。
「すまなかった」
ジョンはあちらを向いて、わざとぶっきらぼうに云った。
52Drive My Car -5:2009/04/07(火) 18:24:46 ID:???0
「何が」
冷たくポールが云った。
「いや、だから悪かった。マリファナは部屋に入るまでもうやらないよ」
「嘘だね」
「嘘じゃないよ。誓うよ」
「嘘だね。嘘つき」
抑揚のない声でポールが云った。ジョンがいまにも泣きそうなのが判った。
気分屋のジョン。あまりに度を越しすぎている。ポールはジョンが心配だと心から思った。
彼は彼自身を抑制することが出来ない。いや、本当は出来るくせに、それをしようとしない。
いつも何か混乱に頭を突っ込もうとするし、何らかのトラブルに身を置いていないと気のすまない奴なんだ。
それはマゾヒスティックでもあった。ジョンには、この仕事が向いていないのかもしれない。
ポールには、ジョンにとってこの状態がつらいのは十分すぎるほど判っていた。
何かを手に入れたようで、実のところ何も手に入れていないことをポールは最初から理解していたけれど、ジョンは直感でそれに気付いていた。
そういうところは天才的だと思う。しかしそこからどうするのか、
ジョンにはその次を考える能力に欠けていた。それはとても悲惨なことだ。
彼はその不安から逃れる為にドラッグに手を出し続ける。不安を消そうと、すすんでトラブルに身を投じる。
何の解決にもならないのを判っているくせに、そうする。
それがポールを悲しませた。ジョンは黙って湯につかって、下を向いていた。
「ジョン?」
ポールの声に、ジョンはすがるような目で顔をあげた。
「アムス女のプッシーはどんな具合だった?」
からかうように云った。そしてジョンの顔に湯をかけた。
ジョンは少しすねたように顔の水滴をぬぐった。
「いつもと変わらないよ。どの女のプッシーも同じさ。どこの国の女もね」
ジョンは悪がきのように云った。ポールはジョンの頬に手をやった。
それにはっとして、ジョンの顔が高揚した。
「マスターベーション」
ポールは云った。
「久しぶりにやってみせてよ」
親指でジョンの下唇をなでた。ジョンは大きく目を開けて、ポールをじっと見つめていた。
53Drive My Car -6:2009/04/07(火) 18:26:05 ID:???0
「ここで?」
「ここで」
ジョンは喉を鳴らして唾を飲んだ。
「見せてよ。ジョンのやってる姿」
ポールは笑いもしないで云った。
ジョンはゆっくり立ち上がり、バスルームの壁に背を持たれるようにして縁に腰を下ろした。
そして足を開き、ポールにそのすべてが見えるような格好をした。
ジョンは柔らかく垂れた自身に手を伸ばしてそれを包みこんだ。
ポールはジョンの瞳を見た。その瞳にジョンはまっすぐ視線を返す。
ポールはタバコに火をつけて、顎をしゃくった。
その冷たい視線に反応したのか、ジョンのそれがビクっと反応した。それをジョン自身がさすっている。
バスルームに卑猥な手淫の音だけがあった。
先ほどのプッシーとの水音とは違う、その何倍もいやらしい音だ。
ポールはジョンから視線を外さなかった。
ジョンはその凍ったようなグリーンの瞳に反応する。手の動きが早まる。
ジョンはおびえたような顔で後ろの壁に背中からぴったり張り付きながら、それでもポールの視線から瞳を外さなかった。
小さく訪れる快楽に時々目を細めながらも、ジョンはポールの瞳を見返し続けている。
少し大きな波が彼を襲ったのか、彼は小さく声を出した。
自分の声に反応したのか、ジョンはまた手の動きを速める。卑猥な音が加速する。
ジョンは唇を震わせ、左手で自らの乳首をつまんだ。そしてそれに反応し、また声を漏らした。
その手を腹に這わせ、開かれた内腿に這わせ、陰嚢のふちにラインを描き、
それの先端から流れ出る粘膜を指に絡め、自分の秘所に人差し指を当てた。
湯で柔らなくなっていたジョンの秘所が指を難なく受け入れる。
ジョンは第一関節まで指を沈め、そのまわりをほぐすようにしながら指を出し入れし、又は左右に揺さぶっていた。
声が断続的に口から洩れる。
大胆に指が第二関節まで挿入され、くぐもった声とともに、二本目の指が秘所に添えられた。
ゆっくりと二本目の指をそこに侵入させようとまた第一関節まで入れ、周辺を広げている。
ポールはその様をじっと見つめていた。
二本目の指が第二関節まで入れられ、ジョンはとても大胆にその二本の指を出し入れした。
ジョンの口から悲鳴にも似た声が漏れ、ジョンは固く目を閉じて壁にもたれた。
54Drive My Car -7:2009/04/07(火) 18:27:10 ID:???0
壁にジョンの髪が張り付いている。
いつの間にかジョンの右手は既に動きをやめ、彼は二本の指の動きに集中していた。
ディックの先から流れる粘膜がそこまで一筋の流れを作り、その潤滑によってジョンは指の動きを速めた。
指を出し入れするたびにいやらしい音がする。
ジョンはうっすら目を開け、そしてそんな自分の姿をタバコをふかしながら眺めるポールの冷たい瞳にすがった。
ポールはその哀れな視線に気付きながら、大いにそれを無視した。
ジョンは右手で指を差し入れているそこをもっとよく見えるように肉を引き拡張した。
またジョンの口から声が漏れる。
秘所をあらわにしながら、指を出し入れしている恥ずかしい姿をポールの前に晒している。
驚くほどの大きな水音が秘所から洩れ、ジョンはその音に益々興奮したようだった。
発せられる声は止まらなかった。そして夢に浮かされるようにポールの名を呼んだ。
ジョンがポールを求めているのは明確だったが、ポールはそれを承知しながら動こうとしない。
「ごめん、ポール…」
たまらずジョンが口を開いた。ポールはそれを無視した。
無視され、ジョンは益々指の動きを速める。
「ポール、許して。もう外でやらないから、もう迷惑かけないから……」
ジョンの指の動きが早まる。水音がうるさいくらいだった。
ジョンが高まるほどに、ポールは醒めていくのだった。どっと疲労が彼を襲う。
ポールは四本目のタバコに火をつけた。今はジョンのポールを求める声と、粘膜の音しか聞こえない。
目を閉じてもそれは同じだった。
ポールは疲れていた。運転を一日二回もするなんて無理な話しさ。
そこまでお人よしじゃない。
だから云ったじゃないか、マリファナはやりすぎるなと。
ドラッグに溺れるなって、あれほど云ったじゃないか。

ポールの頭は疲れが渋滞していた。
誰かがクラクションを鳴らしていたが、そんなのは無視しようと思った。
こんなに渋滞したんじゃ、もうどうにもならないよ。
ポールはバスの縁に頭をもたげた。クラクションの音だけがうるさかった。

*****************************
ありがとうございました
55861Hedge-hog:2009/04/07(火) 20:39:41 ID:???0
やっほー♪ 売掛金さま早速の反応ありがとうございます!
黒リンゴ、お気に召されて光栄です。リンゴ最強、ですよねw。そうだ、前スレの
時の、JP喧嘩話のリンゴも、もめる2人を冷静に見てましたね。かっこよかったなあ、
実はあの時の、おろおろジョージと冷静リンゴをイラストにしたのですが、
小説に忠実じゃないので、うpするのためらってます。2人とも襟無しスーツ(グレイ)
の格好で、JPの間に入ろうか? とするジョージを留めてるリンゴって感じで。嘘つき
イラスト。とほほ。
>早速挿絵を描かせて頂けませんか?
描いてください! いやあもうどのシーンでも、かまいません!
As you like it!! てなもんです! いつでもかまいません。wktkでお待ちしますwww。
そして>>48-54 やった…、やりましたね。天下のジョンレノンにオ(以下略!!
いや、本人もそれが好きだっていってたけど。あああポールがポールがカコエエ!
売掛さまのポールは、ひんやり冷たくて、いつも気だるくて、どこかしらあきらめを含んでいて
それでいて、それをどうにかしたいけど、どうにもできない苛立ちを感じます。ジョン、しっかり
せいw。でもこのヘタレジョンもいい。刹那的で小児的で、いつも路に迷ってる風のレノンさん。萌えw。
…勝手なことばっかり言って、すみません…。

ああでも、今日はいい一日だった。これで自分んとこのサーバの規制が解かれてたら最高なのだが。
自分とこ戻ったら、前記の画像うpします。うそイラストで憤慨されたらすいません…。
では!
56売掛金:2009/04/07(火) 22:18:00 ID:???0
861Hedge-hogさま

挿絵の快諾、ありがとうございます。
早速明日描かせて頂きます。
しかし861Hedge-hogさまの書く真っ黒リンゴ、最高でございました。
一人勝手に「やはりビースラッシュはほのぼの路線でなくては・・・」と思っていましたところ
このような真っ黒な、しかも末っ子丸出しのジョージに対してこのような真っ黒リンゴとは・・・
確実にSでございますね。嗚呼、素晴らしい・・・
Sリンゴ最高・・・
ほのぼのと真っ黒の書き分け、素晴らしいと思います。
「萌え」の一言です。
いえ、「マジ萌え」の一言でございます。

加えて前回の私のスラッシュにジョージとリンゴのイラストを頂けるとは!
本当にありがとうございます。UPを心よりお待ちしております。
57861Hedge-hog:2009/04/07(火) 23:42:51 ID:???0
売掛金さま。
捏造イラストうpしました。あと、昨日ジョージのHイラストを投下してました。
指なめジョージですが、SSとは関係ない…つもりです。実は4人のHeavenly Faceを
いたずら書きしてたら、けっこうハマッたので、パソに取り込んだのでした。だから
背景がひどいのなんの。笑うしかないという(涙)。売掛金さまのSSに便乗してジョンの
イッちゃった顔も彩色しようかな…ポールもリンゴもあるけど(汗)。なに描いてんだか。
では明日www!
58861Hedge-hog:2009/04/08(水) 00:14:49 ID:???0
明日っていったけどw。やった、規制解除された! うれしーwww!
>>56 
(照れてます)そんなに褒められても、水蒸気しか出ませんよ(By「マカロニほうれん荘」)。
では、ひとつお気に入りエピを。スタジオを自由に使えるようになって、レコーディングで
時間が遅くなり、買いためた食糧も切れた時、たまーにスタジオ近くのポールの家に皆で行って、
ジョージの手料理とかを食べてたんだそうで。そしてスタジオには4色の歯ブラシが揃えられていた
とか。なんだその夫婦ぜんざい(意味不明)w。みんなでジョーのサーブでご飯食べてから
また一仕事して、朝、レコーディングスタジオの洗面所でぎゅうぎゅうになりながら歯ぁ磨いたり
顔ふくタオルを奪い合ってたらかわいいなあ。
ドリーム入りまくりで失礼しました。ではまた! ああ、書き込める喜び…!
59売掛金:2009/04/08(水) 07:22:43 ID:???0
861Hedge-hogさま

おはようございます(^^)
そして規制解除おめでとうございます。
私も去年、2か月ほど規制に巻き込まれたことがあります。

アップローダーのイラスト拝見させて頂きました。
嗚呼・・・、朝の7時からジョージのいい顔に萌えまくってしまいました・・・
口腔をどうにかする行為は素晴らしいと思います・・・(赤面)
そしてちょっと腰がひけつつも何とかしようと努力するジョージを制する大人なリンゴ。
早速自作スラッシュの挿絵とさせていただきました。本当にありがとうございます(嬉涙
そして以前861Hedge-hogさまがおっしゃっていましたが、リンゴといえば指輪ですよね。
私も今日、そこを強く意識してイラストを描いていきたいと考えております。
60売掛金:2009/04/08(水) 07:44:15 ID:???0
>エピソード
そのような事実があったとは・・・
なんと可愛いのでしょう。ポールあたりはモリモリ食ってそう。
ジョージとジョンはあんまり食べなさそうな感じで、リンゴは偏食がありそうな・・・(大妄想)

私の好きなエピソードは朝っぱらから言うことではないかもしれないのですが
ポールが子供のころカエルを殺していた話ですね。
Many Years From Now(だったかな)を読んで、成る程そういう理由があったのかと納得したわけなんですが
この人は妙な覚悟があるというか、人生は諦めの連続だと幼い頃から悟っていたというか、
いずれにしても自分がスラッシュを描く上でそれはかなり影響しております。
まあ勝手な妄想には間違いないのですが。

は・・・ひとり勝手に萌え語りしてしまいました。では!
61861Hedge-hog:2009/04/08(水) 14:10:18 ID:???0
>>売掛金さま。
朝からの御愛好、ありがとうございますwwww! それにしても、2ヶ月も規制って…。
えらい話もあったもんです(汗)。捏造イラストもよろしきを得たようで、ほっと
しておりますw。よ、よかった…。

>>60 ポールあたりはもりもり食ってそう。
きっとジョージが作ったものだから、「不味い」とか「塩が効いてない」とか、さんざん
ぶーたれながらも、ぺロッと完食しそうですねw。ジョンは、色んなビー萌サイトを見てみると
「人から出されたものはとりあえず食う」とか「結局お人よし」という意見が多いんですよね。
言われてみると案外そうかも。だから出されたら、とりあえず食って、不味かったら残す。
「不味かった?」と(哀しげに)聞かれたら「ん? いや、今腹いっぱいで…」とかうやむや
言う。リンゴは、自分の嫌いなもの出されたら「ごめん、食べれないや」と、にこっと
笑っていいそう。きっとジョージは「そうか」といって、キッチンにUターン。素直に「なに
食べたい?」と聞けばいいのに憶測で突っ走って、運が悪ければテーブルの上は料理だらけ。
自分の冷蔵庫が空っぽになる! とむかっ腹たったポールにRG揃って怒られて、ジョージふくれっつら
リンゴ「ごめん」とあやまり、ジョンはゲラゲラ笑う、もしくは山積み料理をつまみ食いして
「結構うまいじゃん、食えよポール。リンゴも」とかあさってのことを言ってたりして。
ああ、しまった妄想が暴走した…。Many Years From Now、読んでないんですよ(泣)。
てか、1985年くらいから、ビーの書籍を買い控えるようになってたんです。だって山のように
出版されて、みんなそれなりするんですもの。破産する。でもそろそろ、アンソロとか
ポールやジョージの自伝とか読まなきゃなあ、と思ってます。本人達からの萌え発言を
拾ったり、あんなことやこんなことの事実確認のためにwwww。
ではまた! 
62売掛金:2009/04/08(水) 22:27:21 ID:???0
861Hedge-hogさま

「I'm out a time」の挿絵、描かせて頂きました。
ありがちっていうか何というか
もう何が何やらという感じになってしまいましたが是非受け取ってください
ほんとすいません、いつもこんなものを押しつけてしまって・・・(涙

>>61
素晴らしい萌え語りをありがとうございます。
私はスラッシャー様のの萌え語りやメンバーの話を聞くのが大好きなのですが
ジョンがお人よしなので云々など「あ、なるほどー」となります。
そしてジョージが憶測で料理を作りまくってしまう等、ああ、確かにありそうだと納得するのです。
どうしてもジョンに辛くあたりすぎるきらいがある私でありますが(何故かいつもへたれ)
この先スラッシュやイラストを描く際、参考にさせて頂きます。
本当にありがとうございます。

>Many Years〜
物凄く分厚くて読むのにえらい時間がかかった記憶があります。
私は全然ビー書籍を持っていないのですよね。なのでいつも捏造花盛りです・・・
63売掛金:2009/04/08(水) 22:30:03 ID:???0
何度もすいません!
イラストのふたりなのですが、物凄く初期の彼らの髪型(らしきもの)にしてみました。
ちょっと長めも髪もよいですが、短いのもいいものですね・・・
64861Hedge-hog:2009/04/08(水) 23:33:44 ID:???0
売掛金さま。

今、見てまいりました。

きゃああああああああ!!!!! ややややんらしいいいいい!!!!!!
ななななんだこの、「見てはいけないFabの内情を見ちゃったよだれにも言えないよ
どうしようどうしようあわあわあわわ」なイラストわ! ジョージの怯えた目と
イカリングモードの男前、危険なみりきプンプンの黒リンゴ! おいしい!
美味しすぎる!!!!! はだけたシャツから差し込まれた手がやんらしくてGJ!!
はあはあはあ、年甲斐もなく(まったくな)血圧騰がっちゃった。失敬。
ああ、この後ジョージは美味しくいただかれてしまうのね。自分で書いたスラッシュ
なのになぜかドキドキするのは、イラストのせい。まったく、ホントに、ありがとう
ございます! 末々まで大事にします。ああ、たまらない…。
前髪ぱっつん時代って、なかなか描けないですよね。でもお見事でした! 脱帽!

ジョージが憶測で料理を…てのは、やはりビー萌えサイトで読んだ「ジョージのまちがった
親切wとして、「人に紅茶を渡す時は、砂糖とミルクを入れてから渡す」「トーストはジャム
を塗ってから渡す」」というくだりからです。きっと相手にお断りもなしで、こうしてるんだろうなー
と。そして料理が出来て、好きな人wwに食べてもらいたいとなったら、そりゃあもう…w。な
ことになるのでは、と。妄想もいいところですね。天国のジョージ、ごめんなさい。
でも、もう今日は…いい日だ!最高だ! イラスト見ながらへらへら笑って過ごします。
重ねて、ありがとうございました! では! 


65ミハイル:2009/04/09(木) 09:35:22 ID:???0
861Hedge-hogさま、売掛金さま、お久しぶりです。
素晴らしいSS、イラストの投下ありがとうございます。私のほうは生憎、スランプ中でなかなか思いつきません。
ということで投下は長引く模様です。すいません;
ああ、結婚式の準備が忙しい;
66売掛金:2009/04/09(木) 14:02:59 ID:???0
>861Hedge-hogさま
イラスト、受け取って頂き本当にありがとうございます。
しかもリンゴの指輪描くといっておいて結局描いてないし・・・
ダメでございます。次回リベンジしたいと思います。
っていうか、今どき絵の具で色つけしてる時点でローテク。
ハイテクになりたいと願うばかりです。

>ミハイルさま
私の従兄も先月結婚し、急遽お祝などしておりましたが
やはり最初は引っ越しや親戚付き合い等忙しいものですよ。
まあ従兄の場合は一年もつかどうかって感じですが(笑)
いずれにしましても、ゆっくり焦らず様々なことをクリアしていって下さい。
67861Hedge-hog:2009/04/09(木) 18:07:30 ID:???0
ミハイルさま、お久しゅうですw! やはり、忙しくしてらしたのですねえ(に、日本語でおk?)。
結婚直前なのですから、身辺慌ただしいのは当然ですYO! 今は身体を壊さないよう気をつけて、
無事に式を迎えてください。でも寂しいから、たまには声かけてくださいね…ったらプレッシャーに
なっちゃうかな? すいません。まだ少し早いですが、寿がせていただきます〜♪
おめでとうございます〜!!
>>売掛金さま。
絵の具で色付けだと、微妙な色合いが出せていいですよねw。きっと私のスキルがないから
デジタル彩色はべた塗りばっかりになって、ちょっと「むう」な感じです。売掛さまの、シックな
色合いが出せないっすよ…(泣)。
あ、そうだ。「Drive〜」のイラスト、まだパソに取り込んでないけど…描いちゃった(冷汗)。
とりあえず今夜中に、原画をうpします(取り込んで彩色してったら時間がかかって…)。
なんか今回は原画のが気に入った出来になったので。でも、彩色が上がったら削除するつもりです。
またお目汚ししちゃうよ…。どうもすいません。ではまた今晩!(十時くらいかな?)
68861Hedge-hog:2009/04/09(木) 22:39:45 ID:???0
はい、「Drive My Car」の原画、うpしてまいりました。なんかジョンがでっかく
なっちゃって恥を拡大されてしまった気分です…。ピクトとかインチとかの大きさって
実感できない…。すいません…。

さて、これから彩色しましょうかw。でも線画が溜まってるんですよねえ…。彩色途中も
いっぱいあるし…。ああ、SSに逃げたい!←ダメ人間。売掛金さま、そんなわけで861は
今日はここまで! 逃げます(涙)! ではーーーーーノシ!
69売掛金:2009/04/09(木) 23:30:23 ID:???0
ブーーーーーーーーーーーー!!!!!!!(鼻血)

・・・861Hedge-hogさま、こんばんは。
なんという、なんという・・・(ワナワナ・・・)
もうあれですよ、本当にありがとうございますとしか言葉がございませんよ。
まずポールですが、可愛いです。もうそれしかありません。
そう、彼はけだるく、そしてドラッグに溺れるジョンを悲しく見ているわけです。
嗚呼・・・可哀そう・・・抱きしめたい・・・!!!!

そしてジョン!!!!!
これはいけません、もうね、これはエロのど真ん中でございますよ。
しかも一人遊び中ですからね、自分で書いておいて何ですが
これはエロすぎるでしょう。いやー、もう顔が真っ赤になってしまいました。
いやー(笑)いけませんよこれは(赤面)
もう何をそんなに私は喜んでいるのかって感じですいません。

重ね重ね本当にありがとうございます。
もう売掛は大満足でございます。早速自作スラッシュの挿絵にさせて頂きました。

>ああ、SSに逃げたい!
ええ、もう書いちゃってください。どうぞよろしくお願い致します。
彩色は時間のかかるものです、お時間ある時に・・・
861Hedge-hogさまのスラッシュを心よりお待ちしております。

すいません、全体的にハアハアな書き込みで・・・
70売掛金:2009/04/09(木) 23:35:10 ID:???0
そしてハンサムジョージ&リンゴの画像をありがとうございます。
いいですね、これは。
個人的に短い髪のリンゴは大好きであります。
こちらの画像を作画の参考にさせていただきます。

いやぁしかし、いいですねぇ・・・
どうしてもP/Jになってしまいがちな私ですが
いつかR/Gにもいつか挑戦してみたいと思います。


深夜にひとりPCの前で悶絶失礼致しました。
71861Hedge-hog:2009/04/10(金) 07:21:32 ID:???0
おはようございます! つい夜を徹してしまった861でございます!
「SS書きたい」と言っていた舌の根が乾かぬうちに、イラストまた描いてしまいました!
ミハイルさま、お祝いイラストでございます! 調子に乗りすぎて画面が、がっちゃがちゃ
になりましてございます(号泣)。すいません…。でも、気持ちは…。言い訳はもういいか。
あんなもんでよかったら、ご賞味&お受け取り下さい! かさねておめでとうですー♪

売掛金さま。イラスト、お気に召していただけたようでまったく、なによりでした(安堵)。
エロといっていただけて、大変光栄でございます! しかも絵柄の荒い原画を挿画に使って
いただけるとは…(感涙)。描き甲斐があるというものです。重ねてありがとうございます!
良ければ、また描かせてくださいませ。そして、いつか最強のリンゴスラを読ませてください〜
わ、わがまま?)。ではおやすみなさいませ。作業中のBGMは「BBCライヴ」のDisc1をかけっぱなし
でしたー。全体的にジョンのVo.がサイコーにセクシー!「Too much monkey business」が
カコイイよー(泣) ジョージのもたつくリードギターも最高だw! かわいすぎwww。
リンゴのドラムかっこいいー! ポーリィ、シャウトだ「Clarabella」!でも今一番好きなのは
「I'll Be On My Way」。この歌詞、ちゃんと読んだら切ないっすね。では!
72売掛金:2009/04/10(金) 18:09:43 ID:???0
861Hedge-hogさま

夜を徹してのお仕事、お疲れ様です(^^)
私は何もやることがないことをいいことに先ほど起床しました(最低・・・)
BBCライブ、実はこれを私は持っておりません。
いくつかをyoutubeで聴くくらいの知識、お恥ずかしい話です。

私は管理しているサイトの関係で東欧圏に親しい友人があるのですが
そちらからご当地の音源を手に入れることを時々致します。
勿論私は音源マニアではないので、その集め方はめちゃくちゃです。
「これは海賊版だろう」と疑うも、「いや、うちの国ではオフィシャルさ」というのが結構あって
一番ビックリしたのが「Sgt band」と「Words of Love」の2CDでございました。
「Words of Love」というのは「Love Songs」のようなものなのですが、18曲収録された
そちらの国では正規販売されているビートルズCDなのだそうです。
で、「Sgt〜」もそうなのですが異様に音が良いのです。本当に不思議です。
ポールの「Memory almost Full」も友人の国のものを買ったのですが
ジャケットの下に思いっきり国旗がプリントされているという激しいものです。

彼らが何時からビートルズの音源を聴いていたのか不明ですが、
恐らくドイツ経由で結構前から知っていたと思われます。ご当地ものは色々独特で面白いですよ。
73売掛金:2009/04/10(金) 18:45:37 ID:???0
一見いかがわしいですが、某国のビー正規版CDの画像をUpしておきました。
勿論現在は普通のものも販売されているようですが、これを見た時はひっくり返ったものです。

さて話はそれましたが、リンゴ最強のスラッシュ。
過去に書いたものがあるのでそれを投下致します。
よろしくお願い致します。
74Hold Me Tight -1:2009/04/10(金) 18:52:51 ID:???0
先月二本目の映画の話が持ち上がり、あっという間にその撮影がスタートするらしい。
この三年間で彼らを取り巻く環境は大きく変わった。
ちょっと前まで、国外旅行といえばフランスかドイツか、相場は決まっていたのに。
しかし今はその気になれば飛行機にのって地球の裏側まで簡単に行けるのだ。
多くの人に囲まれ、女も酒も、そしてドラッグも十分用意されている。夢のような生活だった。
完全に浮足立つメンバーの中で、ポールだけがどこか冷めてその状況を眺めていた。
いったいこんな乱痴気騒ぎはいつまで続くのか。
四人だけのバンドだったのに、今は多くの人が自分のことを「ビートルズ」と名乗っていた。
移動の飛行機の中で、ふと、静かに窓の外をみつめているリンゴを見る。
彼だけはいつも、どこか悲しそうだった。

「気分はどう? リチャード」
ポールはリンゴに声をかけた。
「あぁ、ポーリィ」
ポールはリンゴのことを、リチャードと呼んでいた。
リンゴはバンド内で唯一ステージネームを持っているメンバーだったけれども、
ポールにとって彼は二つ年上だったので、そう呼ぶことは当然のことだった。
「俺は飛行機ってのはどうしても好きになれないね。落っこちるんじゃないかとずっとヒヤヒヤしてるよ」
リンゴは笑った。ジョンとジョージは機内の中をあちこち歩き回ってはしゃいでいる。
それを確認し、ポールはリンゴの横の席に座った。リンゴはそれについてちょっとおどけたような顔をした。
75Hold Me Tight -2:2009/04/10(金) 18:53:55 ID:???0
バンドで一番大切なパートは何だろう。勿論、ベースとドラムだ。
それはどのバンドでも共通していることで、いくら歌が上手くたって、
どれだけ素晴らしいギタリストがいたって、ベースとドラムが最悪じゃバンドは成り立たない。
そのパートを受け持つのが、ポールとリンゴだった。
ポールがどれだけベースを弾きながら歌うことを練習していたか、リンゴは知っていた。
朝、スタジオに入ると、ポールはいつからそこにいたのか、ひとりベースを抱えレコードをかけながら演奏と歌の練習をしていた。
リンゴがそれにドラムをつけた時のポールの驚いた顔を今でも思い出すことが出来る。
彼はこのことは誰にも云わないでほしいと云った。
「理由は?」
リンゴの質問に対してのポールの答えは「格好悪いから」だった。
何が格好悪いもんかと思ったが、なるほど? 彼は影でこそこそ努力して
他人をあっと云わせてその反応を楽しみたいタイプなのかと思い納得した。
しかしリンゴの予想を裏切り、ポールはカメラの前では誰よりもはしゃぐくせに、こと、演奏に関しては誰よりもシビアだった。
彼は単純に、そして完全に音楽に魅せられているのかもしれない。
リンゴがビートルズに加入してすぐ、ジョンが
「ポールはギターが恋人なのさ。あいつはギターと寝てるんだ」といじわるそうにリンゴに耳打ちしたことがあった。
そういう男の子はいくらも見てきたので特にリンゴは驚かなかったが、しかしポールのそれは少し違っているように思えた。
彼がステージ前に見せる、あの何を考えているのか判らない表情。
ぼんやりと彼にしか見えない何かを見ている姿は一種神秘的ですらあった。
リンゴはそういうポールを悪く思ったことはない。そして実際、ステージ上での彼のベースは素晴らしかった。
ドラムとベースには絶対的な信頼感が必要不可欠だ。
互いに一目置いているが、それがなかなか他人に見えずらいのがまた面白いのだ。
ふたりはそんな間柄だった。
76Hold Me Tight -3:2009/04/10(金) 18:55:14 ID:???0
ポールは大きな身体で、ちょこんとリンゴと隣のシートに座っている。
見ると、ポールは顔をあからめていた。リンゴはちらりとジョンを見た。
「なるほど…」彼はふたりの間の空気を難なく察した。
バンドに加入したときから感じていた、ジョンの極端な不安定さ、そしてポールの冷たさは、ここ数か月で大きく変化していた。
ジョンは相変わらず不安定なところがあったが、どこか穏やかさを増し、ポールの極端な神経質さが緩和されたように見えた。
彼らをいつも後ろから見ているリンゴには一目瞭然だった。フロントのふたりが良い関係になることをリンゴは推奨する。
それが性的なものを含んでいたとしても、そんなことはリンゴにとってさして問題ではなかった。
特に、ジョンにはポールの冷静さが必要だった。
「お前は今、とても幸せそうに見えるね」
リンゴが云った。ポールは大きく目を見開き、そしてはにかんだように笑った。
ジョンと上手くいっていることにより、ポールにも良い兆候が現れていた。
「そう? リチャードだけには正直に云うよ。僕は今、とてもハッピーだと思う」
「そうか」リンゴは微笑んだ。
77Hokd Me Tight -4:2009/04/10(金) 18:57:59 ID:???0
海岸での撮影を終え、めいめい、好きな場所で波と戯れていた。
ポールは波が寄せては岸に上がり、波が引くとそれを追いかけるという子供っぽい遊びに熱中していた。
そうやってひとりふらふらと撮影の一団から離れ、気づくとかなり遠くまで歩いてきたようだ。
浜には地元漁師のボートが陸揚げされている。
その物陰に人の気配を感じ、ポールは誰もいないことを確認して、その物陰を覗きこんだ。
そこには共演女優とよろしくするジョンの姿があった。女優の両手をボートにつかせ、立ったまま後ろから責め立てている。
日は高く、天気は快晴だった。そこであけっぴろげに彼らはセックスしているふたり。
女はポルノ女優みたいなわざとらしい声をあげていた。
ポールはその絵に思わず笑ってしまった。
そしてボートに身を寄せ、隠れるようにして浜に腰を下ろしタバコに火をつける。
そこにポールがいることに気付かない二人は、ずいぶんと大袈裟な声をあげて行為に熱中していた。
ポールはまた微笑んだ。ふと、ふたりが静かになった。
「ジョン、大丈夫?」
ポールはそっと覗きこんだ。その場にうずくまったジョンを女が気遣っていた。
「どうしたの? もう終わり?」女はつまらなさそうに云った。
ジョンの顔色は悪く、じっと下を向いている。今にも吐きそうな顔をしているなと思った瞬間、ジョンは吐いた。
「OMG!!!」
女は悲鳴をあげて後ずさった。「Fucker」汚い言葉を続ける。
ジョンは冷や汗をかいて、とても具合が悪そうに見えた。
先ほどの撮影の時はどうってことなかったし、どちらかというととてもハイに見えたのだけど、一体どうしたのだろう?
風邪で具合が悪いなら、ジョンのことだ、それを無理して撮影に挑むなんてことは絶対にしない。
それに、ほんのちょっと前まで、せっせとセックスを楽しんでいたではないか。
急性の胃炎か盲腸かと思い、ポールは心配になった。事も終わったようだし、
姿を現しても問題はないだろうと思い、ポールは吸いかけのタバコを捨てた。
立ち上がって振り向いたポールは目を疑った。
先ほどあれだけ悪態をついていた女がジョンに寄り添い、彼の左腕のシャツを上まであげ、腕に細い布を巻きつけているではないか。
そして彼女はポーチから注射器を出した。
78Hold Me Tight -5:2009/04/10(金) 19:00:48 ID:???0
ポールは恐怖した。あれは何だ? いや、ひと目でドラッグなのは判った。
しかし、注射器で注入するドラッグなんて、そんなの冗談じゃ済まされないぞ。
ポールは今来た道を全速力で二十メートルほど戻り、そこから大声を出した。
「ジョン? どこさ。レモネードが冷えたってさ。早く行かないと全部ジョージに飲まれちまうぜ。一緒に行こう」
ボートのあちら側から女が走り去る後姿が見えた。ポールはジョンの元へ急いだ。

ジョンはぼんやりと座りこんでいる。ポールはその横の腰を下ろした。
波は寄せては返し、返しては寄せている。日差しが強いと思った。
「ポール」ジョンは云った。
「お前、見てたろ」
「うん」
ポールはあっさり答えた。
「僕はマニアだからさ。他人がやってるのを見るのが好きなんだ」
冗談を云いながら、同時に、ポールは今見たことについて頭をフル回転して考えていた。
あれは何なのか。一体いつからあんなものをやっていたのか。
「いや、そうじゃなくて。俺が何をしていたか見たろう」
「……」ポールは沈黙した。先ほどの笑顔は消えていた。
そして重く口を開いた。
「いつから、あんなものやってるの」
ジョンは黙っていた。
ジョンがドラッグをやっていたのは知っているし、自分だって手を出している。
彼らだけでなく、ジョージもリンゴも、皆ドラッグはやっていた。
だからそれについては何の問題もなかい。しかしそれは、今ジョンがやっていたようなものではない。
あれは度を越していると思った。ジョンは何も云わなかった。ふとジョンの吐しゃ物が目に入り、ポールはそれに両手で砂をかけた。
「さっきの女なナースでさ。俺は糖尿病なんだよ」
ジョンが冗談ぽく云ったが、彼らしからぬジョークだった。ポールは空を見上げた。
知るべきことと、知ってはならないことがこの世にはある。今見てしまったことは、そのどちらに属するのだろう。
79Hold Me Tight -6:2009/04/10(金) 19:01:50 ID:???0
「とにかく」ポールは云った。「ああゆうのは良くないと思う」
ポールは勢いよく立ちあがると、ジーンズの砂を払った。
「ジョンは幸せ?」
「ああ、とってもハッピーだよ」
「それは何故?」ポールはわざと答えの判り切った質問をした。
そんなポールを見て、ジョンははにかんだように笑った。
「行こう。きっとみんな僕たちのこと探してるよ。捜索隊がくる前に行こうぜ。腹も減ってきたしね。それにこんなに天気がいいんだし」
ポールは無理に笑った。

「Hey」
宿泊先のホテルのロビーで、ポールは先ほどの共演女優くずれに声をかけた。
彼女はポールの姿を見て飛び上がり、急いでその場を去ろうとした。
ポールは彼女の腕をつかみ、そのまま奥までひきずっていった。
壁に女を押しつけ、ポールは女の目を見た。女の目はおびえきっている。
「君、さっきジョンに何かしてたよね。あれは何なのか、僕にも教えて欲しいな」
ポールは優しく彼女に尋ねた。
女は必死に首を振る。ポールは彼女に微笑みかけながら、細い肩にかけた両手に力を入れた。
勿論相手はレディーなので、乱暴なことはしないさ。
「君のお国ではおかしなものが流行ってるらしいね。
でもね、大切な撮影中に、変な遊びをするのは止めて欲しいんだ。
君は国に帰ったら存分とその流行の遊びに興じればいい。
何もバハマにまで持ち込まなくてもいいだろう。
判るよね。僕らは君の国より田舎の出身なんだ。
田舎者には判らないことが多いのさ。
僕なんかは一番の田舎者でさ、未だレディーへの接し方を知らないからさ。だから注意して」
ポールはウインクした。女は完全にびびっていた。
80Hold Me Tight -7:2009/04/10(金) 19:02:40 ID:???0
「違う…」
「何が」
ポールは真顔で女の目を見た。
「あれはジョンに頼まれたのよ。バハマに入る前から云われてて、彼はずっともうあれをやっているのよ」
「嘘つけ。ジョンの身体には注射の痕なんかないぞ」
ポールは低い声で云った。
実際、彼の身体には注射の痕などなかったし、それを一番よく知っているのは他ならぬポールだった。
女は口ごもった。ポールは女に顔を近づけ、彼女の耳元に唇を寄せた。女な恐怖に失神寸前だ。
「もう一回云ってみて。いつからジョンがあれをやってるの?」
ポールは女の耳を噛んだ。女がびくっと反応する。
「し、知らない…。でも先月か、そのちょっと前くらいよ。
彼は云ってたわ、自分は写真やら映画やらの撮影があるから、
見える場所に痕をつけるわけにはいかないって。
だから彼はいつも信じられない場所に注射してた…」
「どこに?」ポールの心臓が高まった。
ジョンの身体に自分の知らない痕があるなんて信じられない。
女は震えていた。ポールは女の身体を強く壁に押し付けた。
「どこだ、云え!」
「****…」
81861Hedge-hog:2009/04/10(金) 19:22:25 ID:???0
>>売掛金さま、乙ですー。
見てきました、画像www。
ちょwwwwwwwwあれ違うwwwwwwwどうみたって「海賊だー海賊が出たぞーーーーー」
って感じですwwwww。さすが東欧。謎の国www。
さてーきゃあああ、最強リンゴだどうなるんだこの展開!? ジョンちゃんまたヤッチマッタ
状態で困ったもんですなあw。リンゴに一発、〆られるんでしょうか? 
wktkで待ってますー♪ あ、でもちょっとパソから離れます。すいません。
82Hold Me Tight -8:2009/04/10(金) 19:24:44 ID:???0
翌朝、ポールはホテルのオープンカフェでひとりコーヒーを飲んでいた。
コーヒーはめったに飲まなかったが、今日はそんな気分だった。
テーブルに置かれた灰皿には吸い殻が山積みになっている。そしてポールはまた新しいタバコに火をつけた。
「お前は吸い殻で山でもつくる気か?」
リンゴだった。
彼はポールの向かいの席に座り、ロシアン・ティーを注文した。
「吸いすぎだぞ。喉を潰す気か」リンゴは呆れた。
「いいんだ。今までずっとこうだったもの。
それでも声は出てるんだから大丈夫なんだよ」
リンゴに対して、こんな口のきき方をしたのははじめてだった。
リンゴはティーカップに注いだイチゴジャムをスプーンでかきまわしていた。
「お前は面白いね、ポーリィ」
「何が」ポールはリンゴを睨んだ。
リンゴはふふっと笑った。「その顔さ」そしてロシアン・ティーを一口飲んだ。
「前はそんな顔しなかった。誰に対しても。今は平気でそういう顔をする」
ポールはタバコを吸った。
「誰の前でもこうしてるわけじゃないよ。
ステージでは顔が痛くなるくらい笑ってるはずだ。誰からも文句を云われたことないよ。
こんな顔って云うけど、ひとりの時はいつもこんな顔さ。珍しいことじゃない。
ずっとこういう顔してるんだ、飽き飽きするくらいにね」
「今は俺が目の前にいるのに、そのおひとり様用の顔をしてるじゃないか」
「……」
リンゴは口に手をあてて笑いを堪えた。
「だからガキだって云ってるんだよ。面白い子だね、ポーリィは」
その言葉にポールは顔を真っ赤にし、足を組み直し、顔を横に向けて煙を吐いた。
「まあいいさ。そういう時も必要さ」
リンゴは微笑みながら云った。
83Hold Me Tight -9:2009/04/10(金) 19:30:35 ID:???0
ポールは相変わらず真っ赤な顔をしていたが、その瞳には暗い影が射していた。
リンゴはゆっくりとタバコに火をつけた。
「リンジー」
「え?」
「俺の愛称さ」リンゴは云った。
「へぇ、リチャードに愛称があったんだ。
でもそれって”Ringo”の愛称だよね。知らなかったよ。
だって誰もそのニックで呼んでないもの。君のスペシャルネームなんだね。
素敵だと思うよ。家でもそう呼ばれてるの?」
好奇心の強いポールは身を乗り出してリンゴに訪ねた。
「まさかぁ、誰が家で”Ringo”なんて呼ぶかよ。家では“リッチ”か“リチ”だよ。
ポールの云う通り、これは俺のスペシャルネームさ。自分で考えたんだ。なかなかいい名前だろ」
「うん」ポールは素直に頷いた。「本当に素晴らしいよ」
「今まで誰にもこのニックで呼んだ奴はいないよ。シークレットネームだからね。」
「そうだね、凄くいい名前だもの。それはシークレットだよ」
ポールはにこにこと笑った。先ほどのふてくされた顔は消えていた。
「俺のこと、リンジーって呼びなよ」
リンゴが云った。ポールは驚いた。
「え? だって僕は君より年下だよ? 年下の僕がリチャードのことニックで呼ぶなんてできないよ」
「いいから」
「ダメだよ」
「いいんだよ」リンゴは云った。「ポーリィだけ特別にね」そしてウインクした。
ポールは目をまんまるにした。
「ああ、そういう意味じゃないよ!
心配するなよ。バンドのドラムとベースが秘密の名前で呼び合ってるなんて面白いじゃない。
それに、お前は本当によくやってるよ。だからこの名前をお前だけに教えた」
リンゴの言葉に、ポールは感動した。
「だから、あまりひとりで背負い込みすぎるな」
図星をつかれたポールは一瞬固まった。リンゴにはすべてがお見通しというわけだ。
「バンドは俺達次第さ。それを一番よく判っているのは、ポーリィ、お前のはずだ」
吸いかけのタバコをもみ消し、リンゴは軽く手をあげて去っていった。
ポールは宙に舞い上がらんばかりだった。
84Hold Me Tight -10:2009/04/10(金) 19:33:27 ID:???0
ジョンとポールのコーラスは特別だ。そしてフロントに立つふたりはいつだって万人の目を引く。誰もが彼らに注目した。
その非凡ソングライティングセンスについて、実はゴーストライターがいるのではとゴシップ記事を書かれたこともある。
ジョンとポールのコンビネーションプレイはバンドの重要な要素だった。
しかし、ポールにとって、音楽はそれだけでは成り立たなかった。
自分の弾くベースは彼自身にとっても特別で、ポールのもうひとつの重要な歌声だったからだ。
それを誰よりも判っているのは、バンドのドラマーであるリンゴだった。
確かに、彼らは実に特殊な関係にあった。
しかしそれは実に地味で、レノン=マッカートニー前面の話題の中にはなかなか出てこない。
リンゴはけして自分を主張する男ではなかったし、彼のドラムもまた同様だ。
しかし、彼のドラムはジョンとポールの最高のコーラスを引き出していること、
ジョージのギターソロをサポートしていること、何よりも自分のベースと二人三脚なことをポールが一番よく知っていた。
その彼から、愛称で呼ぶことを許された。
嬉しかった。ともすれば音楽がおざなりになりそうな環境にあって、彼の言葉がどれだけポールを救ったか。
ポールは誰にも聞こえないように囁いた。
「……リンジー」
恥ずかしい。もう一度。
「…リンジー」
素晴らしい響きだった。
頭の中に、メロディが浮かんだ。優しい、温かいメロディー。ポールは立ち上がり、自分の部屋へ駆けていった。

ホテルの部屋の窓から、ジョンがオープンカフェを見降ろしていた。
その目は朦朧としている。そして白い錠剤を口に運んだ。
一粒、二粒…。そして、まるでキャンディのようにそれをかみ砕いた。
裸の女がジョンの後ろから腕をまわす。ジョンは、カーテンをゆっくりと閉めた。

**********************
ありがとうございました
85売掛金:2009/04/10(金) 19:46:33 ID:???0
861Hedge-hogさま

おはようございます(^^)
いやぁ、画像凄いでしょう(笑)もう誰かに云いたくて云いたくてしょうがなかったのですが
なかなかこれを話題にする機会がなかったのですが
今日この驚がく情報をシェアすることが出来、嬉しく思っております。

さて最強リンゴと云いつつ、相変わらず立ち位置がおかしかスラッシュを投下してしまいましたことお許し下さい。
861Hedge-hogさまのご指摘されます通り、私のスラッシュではいつもジョンがやっちゃっています。
けしてジョンが嫌いなわけではなく、深く愛するが故・・・と本人は思いつつ毎度虐待状態ですよね(汗
ジョン、ごめん
しかし何時かは格好いいジョンも書かねばならないと思っています。
86861Hedge-hog:2009/04/11(土) 01:28:19 ID:???0
>>72なんど見ても、スゴイCDジャケットで腹を抱えてしまいます。いやーん「リボルバー」
のジャケットかわいすぎwwwww。どこの脳髄の溝から、あんな絵柄が出てくるのか…。センスが
光ってますよねwwwww。
そして…リンゴから褒められたり「秘密」を教えてもらってニッコニコなポーリィかわええww。
ジョンと居るときの仏頂面がうそのようです。そして一人蚊帳の外っぽいジョンさんは、自業自得と
いう言葉の意味を調べよう(笑)。全ては繊細すぎる心から来てることではありますが。リーダーは
辛いよ。売掛金さまのJPは、共々に甘え方がヘタでかわいいなあw。当人達は困ってるんだろうが(笑)。
そして、>>74〜「Hold me tight」に影響を受けて、私も一発。ジョンを酷い人にしすぎたw。
反省。リンゴは仲間に説教するような人じゃないのに。反省。そんな捏造SSは次レスから!
タイトルは「彼氏になりたい!」で、さっそく「いってみよ〜」
87「彼氏になりたい!」/1:2009/04/11(土) 01:31:23 ID:???0
「自分がうぬぼれてるな、と思ったらリンゴを見るんだ。そしたら、自分は万能ではないと
我に返れるんだ        ――――J.レノン」

「ジョン、ちょっといいかい?」
 リンゴが珍しく、真剣な顔をしていたのでジョンは「おや?」と思った。コークが少し効きすぎて、
ちょっと足元がおぼつかないが、ま、いいやとジョンは彼に振り返った。リンゴは、ステージ直後で
額に汗を滲ませた、例の、少し憂いを含んだような顔つきで、何時ものあいまいで優しげな笑みを
浮かべていた。いいぜ、とジョンは、後角を一つ曲がれば楽屋というところで足を止めた。リンゴは
ニコニコ笑いながら話し始めたのは、今のステージのことだった。ジョンの演奏が酷すぎる、と言うのだ。
「ジョーも困ってたし、ポールもお前さんを取り繕おうと必死だった。分かるだろ?」
 なんだそんな話かと、ジョンは「チッ」と舌打ちをした。リンゴは相変わらずニコニコしている。その
青い目のプレッシャーに負けて、ジョンは乱暴にそれを認めた。ハイハイ、その通りでございます。でも
だからどうだってんだ。誰もなんも言わないじゃないか。リンゴは、それはお前が「ビートルズのジョン」
だからだと答えた。正論だった。ジョンは苦々しい思いを強めた。
「じゃ、オレにどうしろってんだよ。時間を戻せとでも?」
「いや、これから少し気をつけて欲しいだけだよ。せめて仲間を不安にさせるような演奏はしないようにさ」
 かっと頭に血が上ったのをジョンは感じた。
「なんだてめえは偉そうに! 仲間? へええ、仲間、ね!? お前がオレに指図できるようなことを、お前が
オレにしてくれたことがあったかね!!??」
「指図じゃないよ、ジョン」
88「彼氏になりたい!」/2:2009/04/11(土) 01:34:14 ID:???0
 ステージを思い出しながら、リンゴは一層大きく笑った。
 ジョージは、半泣きでリンゴに視線を送った。
 リンゴが、わざとらしいしかめっツラを見せた後笑って頷くと、ジョーはホッとして演奏に専念した。
 そしてステージ終盤に、ポールが…、あの、ステージを誰より大事にする男が、観客に背中を向けて
リンゴを振り返った。そして目を合わせて、焦燥とした笑顔を浮かべて肩をすくめると
 声無き声で、リンゴをシークレットネームで呼んだ。
 弱々しい、迷子の少年のような顔つきだった。
 仲間にしろ、仕事の同僚にしろ、やってはいけないことがある。
 リンゴは、それをジョンに伝えようとしていた。しかしジョンは請合わない。決まりの悪さや罪悪感で
嫌気が差していたところで、いらない説教なんかごめんだと彼は思った。
「お前は後ろでドラムを相手にしてりゃいいんだろうがな、こっちゃあ数千数万の餓鬼相手にしなきゃ
ならねえんだ! そのプレッシャーがわかるか? 曲もかかねえような奴にどうこういわれたくねえな!」
 黙ってリンゴは、ジョンの非道な言葉を聞いた。しかし、彼は表情を変えない。それが返って不気味に
思えて、ジョンは楽屋に向かおうとした。しかし
 その腕を、リンゴが取った。
「てめ…!」
 カッと頭に血が昇って、思わずパンチが飛んだ。しかし、リンゴは難なくそれをかわすと、ネクタイを
引っつかんで手前にぐっと引いた。身体がガクっと前のめりになる。リンゴはネクタイを掴んだまま、
ひょいっとジョンの横に立つと、その膝の裏に思いっきりの蹴りを入れる。一瞬上半身がまっすぐ立つ。
 そして床に跪く形になったまま、リンゴにネクタイを引っ張り上げられた。
89「彼氏になりたい!」/3:2009/04/11(土) 01:38:05 ID:???0
 釣られた形になって、ジョンの息が詰まる。リンゴはそのままで、ニコニコ笑っている。
「やめときな、ジョン。昔はどうか知らんが、ドラッグでヘロヘロの今のアンタじゃ、3歳児
にも勝てねえよ」
 口調が、以前に戻っているのをジョンは気付く。まだハンブルグあたりで、一緒にウロウロしていた
あの頃の口調だった。
「別に俺がアンタの仲間じゃないって言われても、俺はへたれねえよ? また田舎に帰ってやり直しだ。
何にも持ってねえ頃に戻ればいい話しだからね。でも、今はアンタのバンドで、同じメシ食う者同士だろ? 
そんな奴の話くらいは聞かなきゃ仁義がすたるってもんじゃねえか?」
「なんだそれ…笑えねえ…」
「笑おうと泣きを見ようと、アンタの勝手さ。でもそろそろ苦しくね? 息できてる?」
 ぐいっとリンゴが笑いながらネクタイを引っ張る。若い奴を黙らせる、凄みのある笑みだ。首が絞まり、
ぐう、っとジョンの喉が鳴った。
「な、昔なじみの言い草だと思って、ちっと度量を見せてくれないか? ちょっとだけ、お仕事の間は寝ない
よう気をつけてくれたらいいって話さ。そしたら誰も困らないし、アンタも嫌な思いをしないですむ。どちらも
めでたしで手が打てる。―――そうだろ?」
 底光りするリンゴの目に頷いて、ジョンはやっと開放された。咳き込む身体をリンゴは支えて、息が詰らない
ように背中をトントンと叩く。
 ジョンはぐったりとリンゴの肩にもたれかかった。荒い息をつく薄い唇は血が昇ったことで真っ赤に色づき、
何度も咳き込んだせいで、唾液が少しリンゴの肩を濡らした。
「俺の話、聞いてくれるかい?」
 何時もの、優しくとぼけた声がジョンの耳にささやきかける。
 なぜかしら、性的な高揚感にも似たけだるさがジョンを包んでいた。コクコクとその言葉に頷きながら、知らずと
リンゴの肩に両腕を回し、その首筋に甘えるように顔を擦り付けていた。
「ありがとう、ジョン」
 リンゴはそういうとジョンと頬を合わせ、チュッとわざと音を立てて耳元にキスをした。
 ブルっと、ジョンの背中が震えた。

90「彼氏になりたい!」/4:2009/04/11(土) 01:56:47 ID:???0
 それから、ライブでのジョンの演奏が、少しだけまともになった。
 それどころか、(しばらくの間ではあったけれども)ジョーやポールだけではなく、周りの昔ながらの仲間にも、ちょっとだけ気を使う
ようになったジョンでした…(てか、誰かに無茶振りしようとすると、その相手の後ろにいつの間にかリンゴが立ってて、ジョンに向かって
にっこり笑って拳を見せていたのだが)。

「自分がうぬぼれてきてるな、と思ったらリンゴを見ます。すると、自分は万能ではないと
我に返れます(大事なことだから、二回言いました)         ――――J.レノン」


はい、そんなわけで一巻の終わりです。誰が誰の彼氏になりたい、ってんだか。
それにしても、わたくし、リンゴに夢見すぎですかw? ジョンまでこましかけてるんですが(爆)。
バンド内制覇ですか? ホワイトアルバムあたりでこの立場が崩れるのでしょうがw。
でも解散してからも、ジョンの御守をしたりジョージに「コンサート手伝ってー」とか懐かれたり
解散間際のぐちゃぐちゃでちょっと険悪?になったポールとも今では残った者同士、ほのぼのしてる
ようだし、元奥さんと娘さんじゃ大変な病気になったけど(モー、死んじゃったもんね…)、息子は
立派なドラマーになったし、今は元ボンドガールの奥さんとラブラブだし、…やっぱ、リンゴ最強w?

ああ、言い忘れた! 「Hold me 〜」の、ジョンにちょっかい?出してた女優に目力効かせて
やんわりと〆るやや黒ポール最高! かわいい顔だから、なおさら底意が分からなくてコエエ!
でもカコエエ! やるときゃやりますね! なに言ってるのか自分。眠くて頭が変です。では。、お目汚しで
失礼しました。おやすみなさい!
91「彼氏になりたい!」/蛇足:2009/04/11(土) 02:10:53 ID:???0
あとがき?でモーリンと娘さんの話をしましたが、その際の文章で間違い。

>(誤)元奥さんと娘さん「じゃ」大変な病気になったけど
             ↓
(正)元奥さんと娘さん「は」大変な病気になったけど

確かモーリンは白血病で亡くなって、娘さんのリーは脳腫瘍?が出来て、リンゴは
看病のためツアーをキャンセルしたとか…。泣ける。モーが亡くなった時はすでに
リンゴは再婚してたけど、そうとうショックだったようです。ラブラブカップルで
好きな二人だったけどなあ…。でも今の奥さんのバーバラとも仲良くPVに出たりして
微笑ましいったらw。やっぱいい男だよなー。すげえよ、リンゴ。
92売掛金:2009/04/11(土) 12:31:24 ID:???0
861Hedge-hogさま

おはようございます。
「彼氏になりたい!」拝読させて頂きました。

>大事なことだから二度云いました
(笑)
いやぁ、リンゴ最強でございますね。ニヤニヤしてしまいましたよ(赤面)
格好いい・・・リンゴは本当に最高だと思います。
夢を見すぎ・・・いえいえ、リンゴが最強なのは多くのスラッシャーが感じていることだと思いますよ。
こんなこと誰も聞いてないって話ですが、もし私がビーの四人の誰かと付き合えと云われたら
私は間違いなくリンゴと交際しますよ。ええ、させて頂きますとも(?)
そして、私の捏造シークレットネームネタを使用して頂き驚きました。
恥ずかしい・・・、と同時にとても嬉しく思っております。私の勝手な捏造にお付き合い頂き
本当にありがとうございます。今夜「彼氏になりたい!」の挿絵を描いてもよろしいでしょうか?

さて、今朝は5時に起床したのですが(生活めちゃくちゃ)
過去のスラッシュを書き直しておりました。それを投下します。
冒頭四分の一から後は今朝書いたので、なんだかちぐはぐではありますが
先日Many Years〜の話が出たということで、そちらを絡めてみました。
土曜の暇つぶしにでもして頂ければ幸いです。
では宜しくお願い致します。
93すてきなダンス -1:2009/04/11(土) 12:37:52 ID:???0
I’m Happy Just To Dance With You

去年のアメリカでのクレイジーはステージの後、バンドは新しいアルバムのレコーディングに入った。
丁度そのステージが終わったあたりからだったろうか、ジョンとジョージはドラッグに溺れるようになったのは。
前からドラッグは常にバンドの側にあったが、何故ふたりがあそこまでドラッグにはまるのか、それがポールには理解できなかった。
ふたりがなかなか姿を現さないスタジオで、ポールとリンゴはしばしばダンスの練習をした。
ふたり手をとって、所謂社交ダンスってやつだ。
黒板にステップを書き、それを見ながら交互に立ち位置を変え、実にまじめに練習をした。

ふたりで大真面目に練習してるところに、ジョージがやっと顔を出す。
出して何をするかと云えば、まずティーブレイクというのだから大した貴族様だった。
そして三人でジョンが現れるのを待つ。ジョンが来る時もあったし、来ないこともあった。
そんな時はよくリンゴとふたりで、バンドは楽器を置いて、ダンスチームになるべきだと語り合ったりもした。
冗談まじりに会話しながら、しかしこれは冗談ではないのだと心のどこかで思った。
このままドラッグの度がすすめば、バンドは遅かれ早かれ解散するだろう。もうその兆しは見えている。
新しいアルバムに収録される予定の曲は皆ドラッグまみれだった。ポールは懐かしそうに、去年のアメリカツアーの写真に目をやる。
精悍な顔で歌うジョン。しかし今ドアを開けて入ってくるジョンはどうだろう。まったくの別人だった。
そんなスタジオでの作業を終え、バンドは演奏の旅に出た。どんな短い時間でもよかった。とにかく、この場から離れたかった。
しかしそんなポールの期待を裏切るように、海外遠征のステージは最悪であり、決定的だった。
マイクをはさんで歌う彼にだけ判ることなのかもしれない。もうジョンは使い物になりそうもないと不安になった。
このままでは、彼はドラッグで死んでしまうだろう。ポールは演奏しながら、ふと、ジョンの死を予感に震えた。
94すてきなダンス -2:2009/04/11(土) 12:39:52 ID:???0
「ハイ、ポーリィ」
リンゴがポールの肩を叩いた。ポールはスタジオでひとりギターを抱えて座っていた。
「今日のご機嫌は、お嬢さん? ナイト達にまた待ちぼうけくらってるの?」
冗談を云いながらリンゴはポールの横に座った。そしてタバコに火をつけた。
ポールは黙って二、三度ギターをコード弾きした。ふたりっきりのスタジオに空しくギターの音だけが響いた。
「リンジーは僕のこと、ポーリィって呼ぶよね。ポーリィ、うん。僕は嫌いじゃないよ」
ポールはぼんやりと云った。
「そう? お前は僕のことをリンジーって呼ぶじゃないか。
その要領だよ。ポーリィとリンジーは今日もふたりでダンスのお稽古ってね。
そういう曲でも作ってみたら? 意外と売れるかもしれないよ」
リンゴがニコっと笑った。ポールは笑わなかった。
「売れる、か。そう、僕たちは売れたかったよね。でもさ、気づけば僕らはただのジャンキーになってる。
僕はこんなことをしたい為にここまで来たわけではないのに」
リンゴは黙って聞いていた。
「凄く空しくなるんだ。アメリカで感じた成功の感触が懐かしい。今はそのかけらもないよ。
リンジーだけには云うよ。僕はもうビートルズは限界なんじゃないかって感じてるんだ。
…そんな風に感じているのはもしかして僕だけかもしれないんだけど…」
「いや、僕も同意見だね」
リンゴはタバコの煙を宙に吐いた。
「じゃなんで…、君は黙ってるんだ…」
ポールはにぎった拳に力を入れた。
「お前たちは上手くやってると思いたかったんだ」
「冗談。もうジョンは終わったよ。あんなになってしまては、もうダメだ」
ポールは吐き出すように云った。
「そんなにつらいか」
リンゴの言葉に、ポールははっとした。そして彼の目を見た。リンゴは真剣な顔をしていた。
ポールの肩から力が抜ける。同時に、今まで押し殺してきた不安が吹きあがってきた。
「僕は…」ポールは必死に涙をこらえた。「僕はただ…」
言葉にならなかった。ポールははじめて人前で泣いた。こんなに不安定な彼の姿を、誰も見たことがないだろう。
ステージを上手く進行させ、記者の前では常におどけているポールの姿からは想像もつかない哀れな姿だった。
リンゴはポールの顎に指をあて、顔を上に向けた。ポールはしゃくりあげた。
95すてきなダンス -3:2009/04/11(土) 12:41:42 ID:???0
リンゴは静かに云った。
「そんなにつらいなら、もう奴のことは忘れろ」
厳しい声で云った。
「嫌だ…。ジョンは絶対立ち直れるよ。じゃないとあんまりにも…」
「お前は甘いよ、ポーリィ」リンゴはこともなげに云った。
「とんだ甘ちゃんだ」そしてにっこり笑った。
「おいで、ポーリィ。レッスンの時間だ」
リンゴはたばこをもみ消し、手をとってポールをスタジオの中央まで引いた。
そしてステップが書かれた黒板をこちらに向け、泣き続けるポールをそっと引き寄せた。
ポールはリンゴの肩にもたれかかったまま声を殺して泣いた。
「そうだ、ステップ、クイック、クイック、ステップ…」
リンゴはポールをあやしながらステップを踏んだ。ポールも泣きながらステップを踏んだ。
「その調子、いいぞ、よくなってきた。お嬢さんには当分、個人レッスンが必要だな」

スタジオを出たふたりはタクシーに乗り、ホテルの一室に居た。
部屋に入るなりポールはあちこちに電話を掛けている。どうやら今夜のパーティを欠席するつもりらしい。
ポールはメンバー唯一の独身だったから、夜ごとロンドンのアングラな集まりに顔を出しているのはリンゴも知っていた。
この時代のロンドンは熱気にあふれ、ポールは多くの人に会い、多くのものを吸収していた。
ちょっと前までリバプールの田舎町に居た時とは環境も、そして彼の立ち位置も大きく変わっている。
勿論中には「ビートルズのポール・マッカートニー」に会いたいだけの人間も居ただろうが、彼ら以上に
ポールの「多くの人に会い、朝がくるまでたくさんの話をし、ひとつでも多くのシーンを知りたい」という気持ちの方が勝っているのだろう、
とにかくポールは夜を徹してロンドンの町に繰り出していた。
田舎町に居た時はけして入ることなど出来なかったクラブにも、
今なら顔パスで入ることが出来るのが現在のポールの立ち位置だった。
リンゴ含め他の三人のメンバーは結婚をしていたから、なかなか彼のような生活は出来ない。
それはジョンも同様で、家庭を持つということがどれだけ素晴らしいことであるのかリンゴは知っているし、
彼らの結婚年齢は当時のイギリスでは遅くも早くもないことも知っていた。
96すてきなダンス -4:2009/04/11(土) 12:43:35 ID:???0
ポールにはジェーンという恋人が居て、彼女の家族の好意でロンドンに快適なねぐらを提供されているのも確かだが、
彼女の父親、ドクター・アッシャーが娘とポールの交際を許したのも、
彼が「ビートルズだったから」ということが多少影響していたのは間違いないだろう。
ポールがそんな人の好意(または下心)を逆手に取っているのも知っていた。
人はそんなポールを人の血の通わぬ冷酷な人物であると云うかもしれないが、
ポールは人並み外れた好奇心の持ち主であり、同時に貪欲で、何もしないで呆けているようなタイプではない。
彼は多くのことを知り、それを「ビートルズ」という万能の集団で実行しようとしていた。
「よかれと思ってやったことだったんだ」受話器を置いてポールは云った。
「今ロンドンの夜で起こっていることは本当に凄いことでさ、本当に毎晩眠っている暇もないんじゃないかと思うくらいなんだ。
とにかく何もかもが凄くて、彼らに比べたらビートルズなんて可愛いことばっかりやってるよって気持ちになってくる。
でもビートルズは巨大な集団だよ。その名前で発表すれば、地球の裏側まで瞬時に多くのことを伝えることが出来るってわけ、
バンドは世界を変えるだけの力があるってこと。それって凄いことじゃない?」
今夜のポールはお喋りだった。
「ジョンも気に入ってくれると思ってたんだ」そこで言葉を切った。
「俺はよく判らないが」リンゴが云った
「奴はお前に嫉妬してるんじゃないのか? 嫉妬…という言葉とはちょっと違うと思うけど、
お前が何処か遠くへ行ってしまうのではないかと恐れているのではないのかね」
「何故?」
ポールは、意外、という顔をした。
「何故僕が遠くへ行くっていうの、僕はいつだってバンドに居るし、バンドは僕の家だよ。
僕は何処へも行かないよ、ずっとビートルズのポールさ。それにジョンには僕が必要で、僕にはジョンが必要なんだよ。
何故ジョンがそれを判ってくれないのか理解できない。
僕らは一緒にもっと多くのことをしていこうって時に、どうしてそれを台無しにすることばかりしようとするのか判らない」
「あいつは悲しいんだよ」
「悲しい? どうして?」
リンゴは「ああ」と思った。
97すてきなダンス -5:2009/04/11(土) 12:44:49 ID:???0
「僕はジョンと一緒じゃなきゃ嫌なんだ。彼がいなくなるなんて嫌なんだ!」
ポールは声を荒げた。
「あいつは、ジョンはね、お前の近くに居たいのさ」
「僕はいつだってジョンの近くに居る!」
「それはどうかな」
リンゴの視線が多少鋭くなった。
「お前の云っていることはよく判るよ、ポーリィ。でもな、ジョンはそうじゃないと思う。奴はお前の声の聞こえる場所に居たいのさ。
あいつには巨大なバンドなんて必要ないのだろう。ただ、お前が横に居て、そして歌ってたいのさ。
ジョンにはお前のような野心はない。とにかく側に相手が居ないとダメな奴なんだ、判るだろう。
あいつにとって大切なのは、お前が側に居ることなんだ」
「だから、側に居るじゃないか!!」
ポールは興奮している自分に気付き、はっとした。リンゴはそんな彼の姿をじっと見つめている。
ふたりの視線が交差する。ポールは悲しい瞳で床を見つめ、下唇を噛んだ。
98すてきなダンス -6:2009/04/11(土) 12:53:32 ID:???0
手慣れたベッドマナーというのはこういうものかもしれない。
ポールが何時それを身につけたのかは判らない。ロンドンの刺激的な夜が彼をこうさせたのかもしれない。
「リンジー」ポールが云った。「僕はおかしいんだろうか」
「いや、俺はそうは思わないよ」
「そう」
ポールはまた悲しい瞳をした。
「ポーリィは、なんというか…、上手いな」リンゴが云った。
「え…」
「いや、すまん。変な意味じゃなく、いや、変な意味か。いつもこんな感じなのか?
…いや、俺はこういう質問はしないタイプなんだが…、いつもこういう風にジョンと寝るのか」
「…ジョンとは違うよ…」
「…そうか」
リンゴはそれ以上聞かなかった。
ポールはとても手慣れており、相手であるリンゴと自分を同じ歩調で頂点に登りつめれるよう実に上手くやった。
うつぶせになったポールに身を沈め、リンゴはひとつ息をつく。ポールの肌は桃色に染まり美しい。
リンゴはゲイではなかったが、だからといって同性と寝たことがないという訳ではなかった。
挿入したままポール仰向けにし、静かにキスをする。ポールは軽い吐息をつき、うっとりとリンゴを見つめた。
他人から見ればどうかは判らないが、ふたりのセックスは静かで、一種会話のようなものだった。
リンゴはセックスで我を失うタイプではないし、それはポールも同様なのだろう。ふたりは静かに会話を続けた。
リンゴはふと、ジョンはこんなポールの姿を知らないのではないかと思った。
それは直感と云ってもよかった。彼はジョンと寝たこともないし、寝ることはないだろうと思ったが、
ジョンはこういうセックスはしないと思った。ジョンならきっとこう云うだろう。

「もっと声を聞かせてくれ。もっと俺を見て欲しい」

ああ、間違いない。きっと彼はそう云うだろう。けしてポールがジョンを見ていないわけではないし、
彼は充分すぎるほどジョンを見ているだろう。しかしそれがジョンの求める形であるのかは正直自信がない。
99すてきなダンス -7:2009/04/11(土) 12:55:45 ID:???0
『頼む、ポール。もっと側に来てくれ』

ジョンの声が聞こえた気がして、リンゴは一瞬瞳を閉じた。ポールの瞳から涙が流れるのを見たからかもしれない。
ポールは間違いなく、ジョンの側に居た。どんな時も。そしてきっとこれから何があっても、彼はジョンの側を離れないだろう。
それにジョンが気づけば良いと思った。

『まだ足りない。もっと側に来て欲しい。声が聞こえないんだ』

「リンジー」
ポールの声にリンゴははっとした。
「どうした」
「……」
「いいよ、ポーリィ」
リンゴはポールにキスをした。


ポールをタクシーに乗せアッシャー家に送り届けた後、リンゴはひとりスタジオに戻った。
見ると電気がついている、そっとドアを開けるとそこにはジョンが居た。彼は何をするわけでもなく、ただ漫然と椅子に座っていた。
「ジョン」リンゴはジョンに話しかけた。
「ああ、リンゴ。おはよう。今起きた」
「おはよう」
「おはよう」
リンゴは壁にもたれ、タバコに火をつけた。
「リンゴ」
「何だ」
「どうしてあんたはポールと同じ香水をつけているんだ」
ジョンの言葉には明らかに棘があった。
「さあ、お前の鼻がおかしいのではないのか?」リンゴは返した。
「俺は鼻だけはいいつもりなんだがね」
ジョンはリンゴと視線を交わそうともしない。長い沈黙が流れた。
この場に誰かが居合わせたら、このあまりに緊張した空気にあてられ失神してしまったかもしれない。
ふたりがそこまでやわでなくて本当によかった。
100すてきなダンス -8:2009/04/11(土) 13:03:58 ID:???0
「最近ポールの顔、見てなくてさ」
「時間通りにスタジオに来ればいいだけの話だ」
「俺に出来るかなぁ…」
「お前がやらなきゃ誰がやるんだ。出来ないというのならもうここに来るな。やれるなら明日ここに来い。
簡単な話だろう。いちいち俺に云わせるな」
「そうだな、すまん」ジョンは悲しい目でリンゴを見た。「あいつは、ポールは来るかな」
「スタジオに一番乗りしてるのはポールだよ。自分の目で確かめろ」
「そう…」ジョンは気まずそうにほほ笑んだ。「ありがとう」
101すてきなダンス -9:2009/04/11(土) 13:05:54 ID:???0
次の日、腕時計を見ると十七時を少し回っていた。リンゴはそっとスタジオの中を覗きこんだ。…誰もいない?
いや、居た。そこにはふたり手をとってぎこちなくダンスするジョンとポールの姿があった。
「何度云ったら判るんだ。僕の足を踏むなよ」
「お前の足なんて誰が踏むかよ、俺は俺に快適なステップを踏んでるだけだ」
「そこに僕の足があるという訳?」
「ああ、そうだ」
「ふうん、ところでリチャードと話してたんだけど。ビートルズがダンスチームになるっていう話があるんだけど…」
「はぁ? ダンスチームなんて流行るかよ。俺は嫌だね」
「そうだね、こんな悲惨なダンスは誰にも見せられないからね」
「いや、待て」ジョンは云った。「おまえとふたりで組むならいいよ。俺はこう見えてダンスは得意だから」
その答えにポールは吹き出した。
「よく云うよ」
ふたりは殆ど抱き合うようにしてステップを踏んでいる。その姿を見て、リンゴはほんの少しだけ安心した。
せめてこのダンスが終わるまでは安心していたいと思った。
恐らくきっと、明日のダンスのお相手は自分に違いないから。結局それが僕らの現実だった。

**********************************
ありがとうございました
102売掛金:2009/04/11(土) 13:19:48 ID:???0
朝の5時から何をやっていたかと思えば、このようなものを書いている売掛です。
もうこんな生活、誰にも云えませんよ(笑)

今読み返しましたが、これはいつ時期なんだって感じですね。
たしかこれの元を書いた時はリボルバーあたりのことを書こうとしていたと思うのですが
前後のツアー状況については知らなかったので適当に捏造しています。
でも確か、シェイ・スタジアムでの公演と1966年のドイツ公演のジョンの顔を見比べて
あまりに彼の顔つきが変わっていたのにショックを受けて書いた記憶がございます。
いつも時間の経過が適当で申し訳ない気持ちでいっぱいです・・・

そして、リンゴは一体いつベッドマナーを学んだのかも謎のままです。
103861Hedge-hog:2009/04/11(土) 14:21:31 ID:???0
>>売掛金さま
感想やら妄想やらエピやら、ごちゃごちゃと書き進めることをお許しください。

なんだか「リンゴ最強SSスレ」wwwになりつつありますねー(笑)。でも実際最強だから
仕方ナッスゥイング(爆)! ポール、なんだかもう…(T-T)。なんでしょう、この「両思いの片思い」
なJPは(泣)。でもジョンは、この時期確かに、急速に作曲者としてめきめきと力をつけ始めたポールに
脅威を感じてたそうですね。でも「Hey Jude」が好き過ぎて「アレは俺とヨーコのことを歌ってる」と言っちゃう
あたり、なんだお前って感じです。スゴイツンデレ。いやデレツンかwww? それにしても…素直に素を見せる
ポールのなんとかわいらしいことよ。リンゴにおねだりするところなんか、様子が見えるようでマズイ、捏造
イラスト描きそう。…描いていいですか? あ、もちろん、「彼氏〜!」のイラスト、描いてやってください〜!
わー、どこのシーンが絵になるのかしら!? 迷子顔のポーリィかな? 凄み効かせてジョンを〆てるところかな?
個人的には、リンゴの肩でぐったりしてるジョンのイッちゃった顔と、そんなジョンに不敵な笑みを浮かべてる
リンゴが見たい…。けど、それはわがままwwww? リンゴのベッドマナー講座受講時期は…。この人、ホントに底が
知れない…。そしてこのまま行ったら、R/Jスラッシュを書いてしまいそう…。マズイ? ダメ?
104861Hedge-hog:2009/04/11(土) 14:32:00 ID:???0
>>売掛さま
ああ、そうだシークレットネームネタ、勝手に使ってしまって申し訳ありませんでした!
いやもうだって、シークレットネームかわいすぎ! コレを20歳も過ぎた男前が考えた
とは…。そしてそれを「ステキだね!」とマジで歓心して、しかも使用許可を貰って
ウキウキする童顔天使…。カワイスグルYO!! YOU達、キャッキャウフフしすぎ! しかも
片方は相手を励ますために、そうしているなんて…。
どこまで犯罪的なんですか、あなた達。そしてそれをさらりと書く売掛金さま…
恐ろしい子………!!!(←もちろん、白目、顔に縦線でwww)。
では、イラスト楽しみにまってますー♪
PS. 根詰めすぎて、風邪など引きませぬように!
105売掛金:2009/04/11(土) 17:06:20 ID:???0
861Hedge-hogさま

お気づかいを本当にありがとうございます。
実はもう既に風邪をひいており、家から出ることが出来ずにおります。
PCの前、またはベッドの上でゴロゴロしている私をお許しください。

>「彼氏になりたい!」イラスト
快諾をありがとうございます。
ぐったりジョンと不敵なリンゴですか!頑張ります!!

ところでリンゴのベッドマナー講座受講時期・・・
自分で書いておいて何ですが、本当、いつなんでしょうね。
これは私の勝手な妄想ですが、彼は相当なテクニシャンだと思います。
なんとなくそんな気がするのですが・・・

そしてR/J!!!!! うおーーー、書いてください書いてください!!!!!
すいません、テンション高くて。いやぁ、それはほんわかストーリーなのでしょうか、
それともガチガチのスラッシュなのでしょうか。もう大妄想しております。
私の変な妄想スラッシュのイラストなど後回しにしてくれて全然大丈夫ですので
861Hedge-hogさまのご都合のよろしいように、ええ、私は待っておりますよ。
106売掛金:2009/04/12(日) 01:52:24 ID:???0
861Hedge-hogさま

「彼氏になりたい!」のイラストをUPさせて頂きました。
全然リクエスト通りではないではないかという仕上がりで
かえって多大な迷惑行為かも判らないのですが受け取ってください

本当にすいません・・・(涙
107861Hedge-hog:2009/04/12(日) 09:35:29 ID:???0
売掛金さま
おはようございます! 風邪の具合はどうですか?
見てきましたよーうpろだ! ジョンのグッタリ感と、ちらりと見えるリンゴの
青い目つきが…え、エロ…ゲフンゲフン!!!!
いつもいつもありがとうございます。
こちらも…あの、うpしてきました。「すてきなダンス」IN …R/P。
端々、荒っぽいこと、ご容赦くださいませ。
ついでに、持ってる画像で唯一ポールとリンゴが一緒のものも…。
あんまり2人とも、かっこよくないですけどw。
リンゴがテクニシャンの件についてはまったく禿同。しかも彼は相手によって
優しくなれたり激しくなれたりするのだろうなあ。
あ、いかんいかん。ついまたドリームに入ってしまった。
では、R/Jスラ、明日までには…。大丈夫か? ネタはあるがw。
ではまたー! 重ねてイラスト、リクを聞いていただきありがとうございましたーノシ!
108売掛金:2009/04/12(日) 12:26:53 ID:???0
861Hedge-hogさま

おはようございます(^^)
「すてきなダンス」のイラスト&ポール&リンゴ画像をありがとうございます!
・・・かわいいですねぇ・・・861Hedge-hogさまの描くビートルズは本当に可愛いと思います。
私のつまらんスラッシュに挿絵がつくなど、つい先日まで考えてもみませんでした。
又、国内でのビー萌え語りは無理なのではと半ば諦めかけていた時期でもありました。
本当にありがとうございます。

>優しくなれたり激しくなれたり
まったくの同感でございます。リンゴは絶対そういう人です(断言)
861Hedge-hogさまのスラッシュでジョージにやきを入れるリンゴというものがありましたが
激しい時はやはりあの要領なのでしょうか・・・
それとも己の手をくださず、言葉により相手を支配するタイプなのでしょうか・・・
やばい、物凄く恥ずかしい妄想をしてしまいました!
しかしいずれにしてもテクニシャンリンゴには間違いないと思います。
109861Hedge-hog:2009/04/12(日) 12:52:38 ID:???0
売掛金さま。
おはようございます! イラスト、受け取っていただけたようでなによりです。
しかも「かわいい」などと言っていただけて、大変光栄です!
こちらこそ、いつも私の、妄想と捏造のSSにカコイイイラをつけていただき感謝ですー。
萌え語りは…こんな話でよかったらいくらでも乗ります。こっちこそ何時も付き合って
いただきありがとうございますwwww。まだやっていきますのでどうぞよろしくー♪

そうだ…さっき間違えてここのコテハンで違うスレに投下してきてしもた…。
すいません…バカだ…逝ってきます(泣)。
おっとその前に
>激しい時はやはりあの要領なのでしょうか・・・
それとも己の手をくださず、言葉により相手を支配するタイプなのでしょうか・・・
きっとリンゴは、そのどちらも巧みに操る人でしょう!リンゴなら…きっと何とか
してくれる! そう思ってる時期です。今の私はww。あああダメですって、そんなこと
聞いちゃったらリンゴに言葉攻めされてどうにもとまらないジョージとか、肩口でにゃおにゃお
甘えるデッカイ猫化したジョンとか、優しい言葉と態度であっさり陥落ポーリィたん(これは
売掛さまがやってくれましたねw)とかが脳内に浮かんでは…浮かぶ。
どうしよう…Rとほのぼの過ごすジョンにするか、ドラッグでストーンしちゃって混乱するJを
介抱、その時泣いて縋られて、ベッドインするのがいいか。
こんな、人生で3番目くらいにどうでもいいことで悩む861です。
アホやなあ…。
110売掛金:2009/04/12(日) 13:11:24 ID:???0
連投失礼いたします。

今861Hedge-hogさまから頂いた「すてきなダンス」イラストを
スラッシュのイラストとして差し込んだのですが、すいません、これエロいんですけど・・・
というかリンゴとポールがセックスしてますよ!!!!!!
しかもポールが頬を赤らめてリンゴにねだっているではありませんか!!!!!!!!!!!!!!!!
今更何言ってんだて感じですが、これはすっごくエロだと思います。
え・・・、というかこれ頂いていいんでしょうか(もう顔真っ赤です)
いやーいやー、これは凄いなぁ。なんか正視できませんよ(大赤面)
やばーい、エロすぎますよ。もうやらしー!!!!!!!
すいません、なんかやっと頭が起きたって感じでいきなり騒ぎ出してしまって・・・

重ね重ねありがとうございます
私もいつかズバっとしたエロを描きたいと思います。本当にありがとうございました!!!!
111売掛金:2009/04/12(日) 13:21:23 ID:???0
あ、すいません、リロードしておりませんでした。
おはようございます861さま。頭の鈍い売掛です。

とまらないジョージ・・・ 
彼の泣きながら、それでもとまらない萌えな姿が目に浮かびます・・・

肩口でにゃおにゃお甘えるデッカイ猫化したジョン・・・
彼はリンゴのテクでどうなってしまうのでしょうか・・・

なんかこのふたり、リンゴのテクを知ってしまいもう帰ってこれないって感じですね。
112861Hedge-hog:2009/04/12(日) 13:31:52 ID:???0
こちらこそ連投。
>>110
え…え?
えええ!?
私はー、売掛さまのお話にそったイラストを描いただけですよーwwww(目をそらす)。
いやあ、私も色を付けてて「肌色系」の意味がやっと分かったって感じでした。
売掛様にも、そこまで喜ばれたなら、描いたカイがありましたw。ありがとうございます。
それはあなたのモノですよ、ふふふ(なんだこの話し方)。
では、少しパソコンから離れます。いい日曜を!
113861Hedge-hog:2009/04/13(月) 01:15:54 ID:???0
書いた…。
R/J。ほのぼのちょっぴりおセンチ? でも内容が、なんか何度も書いているような
感じが否めない。引き出し少ねーなー自分…(T_T)。
リンゴに甘えるジョンが書きたかっただけ、と言い訳させてください。
悪くないでしょ(笑)。だめ? そうか。それでも投下。ごめんね、道連れにするよ!
RとJが乙女入っててかなり恥ずかしいSS。タイトル「Here,There and Everywhere」。
なんでポールの曲のタイトル?それは謎w。こればっかりはタイトルが思いつかなかった
からなのは秘密。では「いってみよ〜」
114Here,There and Everywhere /1:2009/04/13(月) 01:22:54 ID:???0
 今日は、いい天気。
 ドアのベルが鳴って、少し寝ぼけた目をしばたたかせて、ふらりと玄関ドアのスコープを覗く。
 おや? 誰もいない? いいや。分かってる。いないわけじゃない。このドアの向こうには、100%の確立であの男が隠れてる。わざと勢い良く
ドアを開けると「うわっ!」と声が上がった。そして、どさっと尻餅ついた音。
「…おやつはないし、今はハロウィンでもないぞ」
 笑いながら、リンゴがドアの向こうに声をかける。
「お前、そーゆーことすんなっつってんだろ!!」
 パンパンに膨らんだバッグを抱えたジョンが、鼻をさすりながら怒鳴りつけてきた。
 だけどリンゴは涼しい顔で、「だったら下らない小細工しないでおとなしくドアの前に立ってなさいな」、と下町のおばちゃんの口調を作って
言いつける。
「林檎の樹に登っていい?」 悪がきの口調でそう答えて、ジョンは笑った。例の、ふざけきったBigLaughFaceだった。

 リンゴの家は、ジョンの家から1キロも離れていなかったので、数少ない休みの日など、ぶらりとジョンが訪れることが多かった。しかし、今日の
リンゴの家は、モーリンや子供達は学校の休みを利用してブライトンに遊びに行って3日は帰ってこないし、家政婦の休みの日でもあったので、家には
本当に彼しかいなかった。なにも出ないぞ、リンゴが注意すると「お化けくらいはでないのか?」とつまらないジョークが返ってきた。お世辞で笑うと
ジョンは「自分でもってきたからいいさ。でも意地悪でジョークを解さないリンゴじいさんにはやらねえよ」と答えた。
 書斎と呼ばれているリンゴの遊び部屋は、何時ものように暖かな日の光にあふれていた。イギリスの晩秋の午後の、一番退屈で一番幸せな時間帯だ。
「さてジョンさん、今日はなにをして遊ぶのかね?」
「こないだの演奏旅行のお土産整理しにきた。お前もやってねえだろ? つきあえよ」
「オレはもう、家族や親類に分けちまったよ。自分のは大して残ってないんだ」
「いいじゃんか、ほら、アレ…。変な仮面みたいなの買ったじゃん、骨董屋で。アレ見せろよ。な?」
 
115Here,There and Everywhere /2:2009/04/13(月) 01:27:21 ID:???0
 ジョンは日なたぼっこが好きで、自宅でもよくベランダに面して置かれたソファを独占して寝入っていた。人の家とは思えない馴染み具合で、ずかずか
と部屋に入り何時もの場所で寝転がり、クッションを頭の下に固めながら、なあなあよう、とジョンはリンゴの服の袖をひっぱって猫撫で声をだす。真っ赤な
ドレスシャツのすそがしわくちゃになって、リンゴは苦笑いを浮かべた。「じゃあ、そこの棚の中にスーツケースが一つ突っ込んであるから、出しといてくれよ」
と言いつけて、階下のキッチンへ行こうと部屋を出る。乱暴に棚を開ける音が後ろから聞こえてきた。
 がちゃがちゃとキッチンを探り、ティーバッグとレモンを取り出してなんとかレモンティーを作り、ビスケットを箱のままお盆に乗せると、リンゴはえっちら
おっちら二階に戻った。部屋の中では、ジョンはスーツケースの上に頭を乗せて横になっていた。
「…ジョン?」
 そっと彼の側に座り、小さく声をかける。ジョンは深く目を閉じて眠っているようだった。少し陽射しが強いのか、色の白いジョンの頬が薄く色づき、
軽く汗をかいているようだった。
 リンゴは、なんだか久しぶりにジョンに会ったような気がした。いや、普段も顔を合わせているのだが、慌ただしい時間の中では1時間も10分のように
感じてしまう。そして、彼らの何時もはそんな感じで過ぎ去っていく。
 どこへいくんだろう。ふとリンゴは、今回の演奏旅行で、空港からの車の中でジョージが呟いた言葉を思い出した。
 俺達どこいくんだろうな。ホテルかな? 記者会見かな? 疲れたなあ。もう疲れたよ。
 そう言って、ジョージは悲しげな視線をリンゴに向けた。リンゴは、彼の隣で、肩を落としてうなだれるジョージの頭を撫でた。そして、自分の肩に
誘導する。そのままぐったりともたれかかるジョージに、ジョンもポールも何も言わなかった。しかし、その無言はジョージの言葉に同意しているようだった。
 あの日は雨だった。寒かったなあとリンゴは思い起こしながら、まだポットの中で温みを保つ紅茶をカップに注いだ。ほろ苦い紅茶と爽やかなレモンの
香りが同時にマグを満たす。ここにいると総てのことが、ウソか冗談のように思えてしまう。きっと核爆弾が落ちてきても、ぼんやりと幸せなまま死んでいけるだろう。
116Here,There and Everywhere /3:2009/04/13(月) 01:31:25 ID:???0
 ジョンに視線を戻す。今日はまだトリップしていない。リンゴは小さく笑った。ほらジョン、大丈夫じゃないか。薬なんかなくたって、お前はこうして眠れるじゃ
ないか。ここにこうしていられるじゃないか。ジョンの鼻がピクリと動き、軽く鼾をかき始める。呑気なもんだ。今の時間なら世間の人は働いてるぜ? そりゃあ
俺達も働いてるさ。でもなぜだろう…。世間の人は、俺達を働いているって思ってくれてるかな? ちゃらちゃら歌って、ちやほやされていい気になってて、
世界中に旅行して酒池肉林の毎日を送ってると思われてるンだろうな。
 どう思われたっていいさ。リンゴはそう思いながら、タバコに火をつけた。どう思われたっていいさ。でも知らないだろう? 俺達は世界の頂点に立って、
そして山の高さに目を回している。進む道はいつの間にか歪み、スポットライトは眩しすぎて足先すら見えない。そんな…孤独を。
車の中での気持ちが思い起こされる。そうだなジョー、疲れたな。オレもだよ。このままどっか逃げちまうか。お前はギターを抱えて、オレはボンゴを
片手にして、ふらふら世界を流そうか? ここで、こんな空虚な気持ちを抱えたままでいるくらいなら。そんなバカなことが口をつきそうになって、
リンゴはため息をついた。後でジョンに話すと「そりゃいいや、そしたらおれをマネージャーにしてくれよ。そんでお前らをこき使って、おれ一人で
のうのうと過ごすのさ。鞭なんかふってさ」と言って笑った。バカいえ、お前はオレ達の演奏で踊るんだ。ポールは女装して、憐れなジプシーよろしく
か弱く歌って、同情を引いて通行人から金を搾るのさ。今やってることと、どう違う? 

確かにナ、違わねえやとジョンが答えた。さっきと打って変わった、何故か傷に塩をされたような顔つきだった。
117Here,There and Everywhere /3:2009/04/13(月) 01:36:46 ID:???0
 なあ、ジョン。深く考えるなよ。暖かな部屋で眠る友人に、リンゴは言葉なく語りかけた。オレ達がやっていることは、たかがそんなことだ。
餓鬼の頃に描いた、泡のような夢がたまたま現実になった。儚いさ、あやふやさ。だって、泡から生まれたものだろ? それに、毎日がヒステ
リックに過ぎていって何もかもががっちゃがちゃだけど、たまにこんな日もあるだろうから。
 嵐の日ばかりじゃないだろうから。
 だから、ジョン。哀しむなよ。
 笑いながら泣いてるなよ。
 ちょっとだけ振り向いたら、オレやジョージ、そしてポールがいるじゃないか。
 声を聞いて、というのなら、お前も、聞かなきゃならないんだぜ?
 悲鳴の中にまぎれてしまいそうな、ジョージの呟きを。
 無言で頷いた、ポールの辛さを。
 バカなことを言ってお前を傷つけてしまった、オレのあさはかさを。
 ジョン、オレ達はお前から見たら、愚かでなにも分かってないように見えるだろうけど。
 そんなものは見たくないと、餓鬼みたく布団かぶって震えてても。
 それを見なけりゃ、オレ達の姿も見えないんだよ。
 お前がその手に持っている、金色のリボンも、そんなものはないといわれたら、それで終わりなんだ。
118Here,There and Everywhere /5:2009/04/13(月) 01:41:19 ID:???0
 だから、ジョン。ちょっとだけ、振り向いてくれよ?
 見飽きた顔ばかりだけど、悪くはないだろ?
 そうさ、まったく悪いものじゃない。
 子供の頃の夢のカリカチュアに目がくらみながら、手に入れた唯一のもの。それが、たったこれだけ。
 ジョージの呟き。ポールの辛さ。俺のあさはかさ。そしてお前の閉ざされた心。
 それと引き換えに手にしたのは…硬い絆と、スープのように溶けあった魂。
 いつか別れることがあろうとも、手にしたことは記憶に残る。
 痛みと共に蘇る、永遠の約束。
 そのための苦痛と孤独なのならば、オレは甘んじて受けるさ。リンゴはそう思った。だってそれはきっと、悪いものじゃない。
 そして、ジョンも早く、そう思えればいいと祈るように思った。向き合えればいいと願った。それは、オレ達と向き合うことに等しいことだから。
 見失いそうなものを見逃さないための痛みなら。
 きっと、悪いものじゃないのだから。

「…なに人の顔見て笑ってんだよ」
 眩しそうに目を瞬かせ、ジョンがリンゴを見上げた。
「いや、よく寝てるなと思ってさ」
 リンゴはそう言って、ジョンに向かって肩をすくめた。ふん、と鼻を鳴らしてむっくり起き上がると、ジョンは「うまそうだな」とリンゴの
カップを取った。
「良く眠れたかい?」
 リンゴの素直な問いかけに、「いんや、監視員に睨まれてて気が休まらないったら」とジョンは憎まれ口を叩く。
「そりゃあ、お前がそう思ってるからさ。オレからみたら、気持ち良さそうに寝てたぜ。軽く鼾かいてさ」
「冗談いうな」
「本当さ」
 ジョンのマグに紅茶をそそいで、リンゴは一口飲んだ。苦味と酸味が口を潤す。
「ぐっすりと、気持ち良さそうに眠ってた。でっかいネコみたいにまるまってね」
 リンゴの目は、冬の空のように青い。しかし、そこに宿る光は暖かい。
 その目に映る自分の姿を見て、ジョンは何も言えなくなった。
 暖かな光りに包まれているのに、途方にくれたような顔をしている自分。
119Here,There and Everywhere /6:2009/04/13(月) 01:45:40 ID:???0
『睨まれてて気が休まらない』
『それはお前がそう思ってるからさ』
 なんだろう、なにかが分かりかけている。リンゴの言葉の中にある、大切ななにか。
 リンゴの目に宿る光りが映し出しているもの。
 それはいったいなんだろう。でもきっと…それが分かれば、おれはきっと、なにもこわくなくなるとジョンは思った。
何故か、そんな風に確信した。
 理由もなく、根拠もなく
 闇雲な理解。不思議な謎への奇妙な信頼感。
 そうさ、それはけっして悪いものじゃない。
 この謎が解けたら、おれはなにもこわくない。そう勘違いしたっていいだろう?
 それはけっして悪いものじゃない。
 悪いものじゃ、ないのさ。

 でも、今はもう少し安らいでいたいな。ジョンは先ほど感じた好奇心から一点、いきなりゴロリとリンゴの膝に頭を
置いて、大きなあくびを一つした。
 もうちょっと、休みたいな。
 せっかくの休日だから。
 日は暖かく、友人の膝は温かい。
 その目に映るのは、間抜けに呆けた自分の姿。なんにも分かってないことが分かった、怠け者の阿呆の姿。
 悪くない。
 ふいに泣きたくなって、ジョンはちょっとあわててマグに口を付けた。
120Here,There and Everywhere /7:2009/04/13(月) 01:50:06 ID:???0
「…ちっとばかり、酸っぱくねえかコレ」
「いいや、ちょうどいい酸味だね」
「自画自賛だな」
「悪くないだろ?」
 ジョンの目が丸くなった。リンゴが「なんだ?」と問いかけた。
 しかし、ジョンは結局なにも言わないで、ますますリンゴの膝に甘えつく。
「なあリンゴ、頭撫でてくれよ」
「やだね」
「なんでだよ、よくジョーの頭は撫でるくせに」
「あいつはかわいいからな。お前は憎まれ口ばっかりでかわいくない」
「なんだよ、贔屓しやがって。お前らできてんのか? やんらしー」
「ああそうさ、オレはモーと離婚してジョージとアメリカで結婚すんの。こないだ週刊誌でそう書いてあったぜ。
よくもバレたもんだ」
「なんだそりゃ、趣味わりい!」
 ゲタゲタとジョンが笑った。リンゴも笑う。優しい柔らかな笑みだった。
 ふとジョンが笑いを止めた。そしてじっとリンゴを見つめた。言葉を惜しむように。
 何かを解こうとしているように。
 リンゴが微笑んで、そんなジョンに視線を返していた。
 あきらめの表情を浮かべて、ジョンはリンゴの膝に顔をうずめた。
「…リンゴ」
「なんだ?」
「………」
 何か言いたげで、でも何も言えず、顔を伏せたまま、ジョンはおずおずとリンゴの手を掴んできた。
そして「なんでもねえ」と呟くと、もう一度膝に顔を擦り付けた。
 リンゴは、そんなジョンの、日を受けて金に光る髪を撫でた。
 ぴくっとジョンが震えた。しかし、安心した空気がそこから感じられた。
 リンゴは聞き取れない声で何かを呟いて、窓から空を見上げた。
 
 暖かな日を含む空は、彼の目と同じ色に変っていた。
 
121Here,There and Everywhere /0:2009/04/13(月) 02:27:38 ID:???0
はい、そんなワケで一巻の終わりでございます。
どうにもわたくし、「永遠の約束」とか「言葉なく」とか、「果たされない思い」とか
そんな言葉や物語にめっちゃくちゃ弱いのです。だから、前スレで書いたJ/Pでも同じような
フレーズを使いましたねえ。ああ恥ずかしい。
色んな本やら画像やらを見てると、「後で入ったはずのリンゴなのに、なんであれだけグループになじんで
しまったのだろう」と思う時があります。ジョーに懐かれてたとか色々あるんだろうけど、それにしたって、
ですよ。空気、ウィット、外見(そう、外見すら!)、演奏…。それがエピーの作戦勝ちといっても、どうにも
怖いくらいです。
まるで、遠い約束を果たすような。
欠けたピースの、あとひとつ。約束の人。運命の人。大げさにいうと、そんな感じ。
そして、永遠の約束を結ぶための苦痛を引き受けることのできる人ですねえ、リンゴは。また夢見てますか私はw。
ジョンは結びたくて、でも破られるのが怖くて怖気づく人。
ポールは結ぶ日を待ちわびる人。約束が果たされる日を待つ人。
なぜか私には、この人は(特にジョンが死んでから)何かを待っている、そんな感じがするのです。
何を待っているのかは分からない(本当に)のですが…。その辺を、今度SSで書いてみたいです。ネタはある。
ジョージはねえ…。とっくに自分の中で約束しちゃってる人かな(爆)?相手への確認はないwww。事後承諾の人。
そして、その(勝手に結んだ)約束をたまに忘れちゃうのwww。相手ポカーン。みたいな。そんなジョーが好きだ。
勝手なイメージですが、また新ネタが入ったらこのイメージも変わるんでしょうねえ。あらあら。
では、こんな感じで今回は失礼します。PCの前で寝たら、体を壊しますよ。
では、おやすみなさい。                     861Hedge-hog
122ミハイル:2009/04/13(月) 10:30:33 ID:???0
おはようざいます
相変わらずスランプですorz病気とかその他もろもろのことがありましてorz
こなんなんでほんとに作家に向いてるのか自分
R/Jいいですねぇw
売掛金さま脱スランプできるようにけだるげセクシーなジョンのイラストおねがいますw
123売掛金:2009/04/13(月) 12:24:26 ID:???0
おはようございます

> 861Hedge-hogさま
お疲れ様です。今朝私の住んでいる場所は大変晴れているのですが
なんというか「Here There and Everywhere」を読んで泣きたくなってしまいました。
何故でしょうね・・・その理由は判りません。
私は海外スラッシュサイトに逃げている理由のひとつは、ジョンが優れているとか
ポールが優れているとか、ファンが勝手にメンバーの優劣をつけて喜ぶサマに心底うんざりきているからです。
私はこれらの現象を見るのが本当に大嫌いで、スラッシュという一種独特な世界ではありますが、
せめてこの世界だけでは彼らをそのような寂しい世界から引き離したい気持ちでいっぱいです。
・・・ひとり語りを失礼致します。本当に素晴らしいスラッシュをありがとうございました。

> ミハイルさま
体調がすぐれないようですが、その後いかがですか?
お忙しい日々とは思いますが、無理をせず/焦らず、ゆっくりと日々をお過ごしください。
124ミハイル:2009/04/13(月) 12:44:16 ID:???0
>>123
なんとか保っている日々です
ご心配ありがとうございます
125861Hedge-hog:2009/04/14(火) 00:22:36 ID:???0
>>ミハイルさま、ご病気があったのですか! 実は私も24年来の持病持ち。お互い養生していきましょう! お見舞いに、ジョンの画像をうpろだに置いてきました。
もうもっているものでしたらすいません。でも、ジョンってやっぱりいい男ですねえ…。ちょっと惚れ直しましたw。スランプ脱却は、焦らないで。好きな本や漫画、
映画など、好きな時間を大事に過ごしてください。かく言うわたくしも、こちらにSSを投下するまで5年のブランクがありました(長すぎ!)。ま、5年はどうかと
思いますがw、ご病気も考慮して、じっくり英気を養ってくださいねー!
>>売掛金さま。
そこまで言っていただけると、約5時間の執筆時間も無駄ではなかったのだと慰められますww。今回の投下は、実は少しだけ緊張しました。「alone 4〜」以来の緊張。
ちょっとドリーム入りすぎたかとww。リンゴの家にジョンがよく遊びに行っていた話を知ってから、いつかこの二人の時間を書いてみたいと思っていました。なんとか
形になってよかった。手前味噌ですが、ジョージの件(くだり)と、そのあとのRとJの会話、そしてラストの会話群?が気に入ってます。私は、Fab達の間柄が、
羨ましくってかわいくって、泣けて笑えて、切なくて呆れて、彼らを見てると色んな感情があふれてしまうのです。恥ずかしながら。そんな自分の気持ちを
表現していけたらいいなーと思っております。なんだこの選手宣誓ww。まだちょっと書いたり描いたりしていきますので、よろしかったらどうぞヨロシクですm( _ _ )m。
今日は好き勝手なことを言って去ります。ではおやすみなさい!
126861Hedge-hog:2009/04/14(火) 01:22:55 ID:???0
>>って、今読んできたけど、皆様、うpろだが機能リニューアルされることで
4月27日(だっけ?)には、うpした画像が削除されるそうですよ!!
拾い忘れのないように! 私はジョンの写真とかレーサージョージとか拾わなきゃ!
いつまでも、あると思うな画像さん   なんて、言うしかなーい!
127売掛金:2009/04/14(火) 03:27:03 ID:???0
>861Hedge-hogさま
そうですか、5年ぶりのカムバックだったのですね。
私はHere There〜の/3の部分でぐっときました。
ああ、もしかしたら彼らはこういう風に自分たちのことを思っていたのではと切なくなりました。
本当に素晴らしいと思います。重ね重ねありがとうございました。


話変わって、「いつか描かねばならないのかな・・・」と思っていたイラストを描きました。
アップローダーにUP済みですが、好みが分かれる構図かもしれないのでパスを入れます。
パスは

「2006年11月20日に世界同時リリースされたビートルズのコラージュアルバムの名前(アルファベット四文字)」
の「反対の言葉を英語で(アルファベット四文字、英数半角、小文字)」

です。個人的には「それがどうした」という絵なのですが、4/27のリニューアルで削除されるのなら好都合です。
どうなんでしょうね、これはギリギリ大丈夫なラインなのでしょうか。
では失礼いたします。
128ミハイル:2009/04/14(火) 15:09:39 ID:???0
>>125
実はですね・・精神に関する病気で発祥して病気一年生ですorz
なので時々メンサロの雑談スレにいますw
どうもここ最近精神的に不安定なので今日は髪を切りに行って参りました。見事なYUKIみたいなボブヘアーです(w
ちょっとはすっきりしたかな?というところです
不二家でお昼食べてバイトのことで行ってきました。木曜日に電話してくださいと言われましたw
あれ?もしかして昔(2001年位)あったジョンとポール肉体関係があったというスレでSSを投下されてた方ですか?インドとかマーティン先生とポールとかの
SSの
お見舞い画像ありがとうございます(;ω;)なんだか、ボダなんかに負けないぞ!という意志が出てきました


>>127
イラスト見ました
>「いつか描かねばならないのかな・・・」
このことばが気になったんですが、なんとなく構図が浮かんだとかそういう感じですか?
なんというか、売掛金さまのイラストは色彩が綺麗で、全体的な紙の中の奥行き感や空間の作り方が実に上手でなんとなく
サルヴァトール・ダリとか多田由美、笹世一個を思い出しました。
小さい頃とか画塾とかに通われてました?私は昔行ってましたw
129861Hedge-hog:2009/04/14(火) 17:34:00 ID:???0
>>ミハイルさま、乙です。画像、受け取っていただけて光栄ですw!
>ジョンとポール肉体関係があったというスレ
ふふふ…というとそれっぽいですが、残念ながら違いますw! てか、2chのビー板を
覗くようになったのは、マジでつい最近なのです。いやあ、ビー板の皆様の愛が熱すぎて、つい
若き日の萌えが甦っちゃったんですよww。まったく、こんないい歳してなww。でも幸せっすw。
だから、過去の名スレッドとか全然知らなくてちょっと後悔。こないだ「こんなビートルズは嫌だ!」
を初めて読んで爆笑しましたよ。参加したかったーww! そんなこんなで、ここでは青二才でつw。
コレカラモヨロシク…。心はゆっくり、のんびりとw。とりあえず木曜日はHere Comes The sun〜♪
な感じでゴー、ですだww。
>>売掛金さま
じょーーーーーーんーーーー!!
逝かないでーーーーーーーー!!(;o;)/
思うものが描けましたかノシ? きっと売掛金さまのジョンのイメージが、こんな感じなのですね?
繊細で弱くて、寂しくて淋しくて、どうにもならないジョン。って感じがしました。
そして、売掛金さまは…本当に「死んだまね」画像がお好きなのですね。
私もジョンでは好きなイラがあって、それは同人サイトの方のものだから詳しくは言えないのですが、
もうほんと、これを見たときは「ああーーー、ジョンだなーーーーー!!!!」と、泣きそうになりました。
実はこれをモチーフにしたSSを考え中。ひどく暗い話(しかもSF風味)になりますが…投下しても
いいものでしょうかね……。判断に困ってます。
好きなエピを。ポールが「Coming Up」を発表したのを聴いてジョンが
「ちっくしょー! 俺にはこんな風にはできねえええええ!!! こうしちゃいられん、
ギター、ギター!!(少し大げさに書きますたw)」と活動再開をしたという…。なんかかわいいなージョンはw。
72年だかのインタビューで、ビーの曲を誰が作ったという話をしていた時もジョンは
「Yesterday」を聴いた時「これはポールの。…あー、やっぱ傑作だよなあ」と呟いちゃったり。
なんだかなーwwww。
130ミハイル:2009/04/14(火) 18:10:21 ID:???0
>>129
ああ、私もそのイラストを元になんか思いついたっぽいですw
薬(安定剤w)飲んだときはぼーっとしてなんにも思いつかないですがww
私のはすごい暗くなりますがwこれでもか、といわんばかりに救いようがないどん底まで陥ったジョンがテーマですw
自己投影もありますが(おい
山岸涼子みたいな暗い話を書く作家になりたいですw
131灰になるまで 1/1:2009/04/14(火) 19:54:37 ID:???0
東の国でアンディ・ブラウンが死んだんだって。誰かからそんな話を聞いた気がする。
空っぽのベッドから、ジョンはふらふらした頭を抑えながら起き上がる。今何時だっけ?ふと思う。
まだふらつく脚が、衣服が擦れる音を立て、床をぎしぎしと共鳴させる。
ジョンは床に転がった小瓶を見る。中身はドラッグ、すなわちLSDだ。昨日はミックと寝た事をふと思い出し苦笑いする。
ミックから薬を貰う代わりに、自分の体を売った。ドラッグを手に入れる為に、こんな売春婦じみた真似をしている自分。その自分のこの様はなんだ。本当は、薬を手に入れたらミックとオサラバするつもりだった。
なのに。なのに――ヤツは自分の体目当てなのは明らかだった。甘い言葉をまるでコップにミルクを注ぐみたいに囁いてきて、性欲の塊みたいに隅々まで犯された。
わざと積極的に奉仕してやると凄くいい、もっと根元まで舐めてくれ、だってさ。天下のローリングストーンズが全く笑っちまうよ。
今日はポールだったか。ほら、あいつは来た。表向きは曲づくりって名目で。シンだって俺がこんな事をしてるなんて知らないんだ。
「ジョン、居るかい?」
「ああ、そこに適当に座ってくれ」
ポールは、小さな袋を取り出した。マリファナだ。ジョンはニヤリと笑ってそれを取り出すと、ジョイントに巻いて火を付けた。
最初にジョンが吸って、次にポールが吸った。マリファナの効果は、吸ってすぐに現れた。
ある程度効果が効いてくるのが分かると、ポールはマリファナのジョイントを灰皿でもみ消し、ジョンの色づいた唇に噛むようなキスを与えた。
ポールの手が、ジョンの細い腰に回されてジョンが少しだけ荒い息を吐き出す。ポールの右手はジョンの背中や腰を弄るように徒に動き、左手は彼の衣服を脱がし始めた。
やがて長いキスが終わると、ポールは唇を離した。二人の間を銀糸が繋いでぷつりと消えた。
ポールの指がジョンの艶やかな唇をなぞる。
132灰になるまで 2/2:2009/04/14(火) 19:55:25 ID:???0
「ジョン・・綺麗だね」
「俺は女じゃねぇ」言いつつも、ジョンの雪よりも白いきめ細やかな頬はほのかに色づき、体温が上昇している。
ジョンはそのまま誘うようにポールをベッドに招き入れた。ジョンの上に覆いかぶさったポールが、少しだけ笑う。
「悪いやつ」
「君もね」
「ジョンと僕は共犯者だ。そうだろう?」
「なんだそれ」
「さぁね」
「さぁねってなんだよ」
もうおしゃべりは終わりだ、そう云う様に再びジョンの唇がポールによって塞がれる。
再びジョンから小さく快感を感じた時に出る特有の声が何度か出て、其の度にポールを興奮させる。
ポールは舌でジョンのうなじや首筋を舐め、そのまま敏感な部分に触れる。
ジョンが、シーツをぎゅっと握り締め、体を反らせる。ジョンの全身は赤くほのかに色づきポールのそれを欲しがっていることを示している。
ジョン、脚開いて?ポールが囁く。ジョンはこくりと頷いてゆっくりと脚を開く。
やがてジョンの少し濡れたそこにポールのものが入ってくるとジョンはますます快感で甘い声を上げる。
出たり、入ったりを繰り返すうちジョンは絶頂を感じた。
「出る・・・っ」ジョンは白濁した液を吐き出すと、ぱたりと横になった。ポールはジョンのそこからぬぷりと自身のそれを抜き取り、二人はキスをしながら呼吸を整えた。
ポールは、部屋を出る前に振り向き様にジョンを振り返る。あんたも僕も死ぬまで共犯者だよ。
ああ、一生付き合ってやるぜ。二人の目が、そう物語っていた。
一生、付き合ってやるさ。灰になるまで


               了
133ミハイル:2009/04/14(火) 20:02:45 ID:???0
小説ができたので短いですが投下させていただきました。
なんだかお二人のように長くかけなかったですが(´・ω・`)ああ、ああいう風に長く書きたいです。
予告どおりにあんまり暗くなくて後半はポールとジョンのいちゃいちゃになってしまいましたが・・orzなんぞこれ?
あと、ドラッグに溺れゆくジョンがテーマでした
自分の中では30点です
一応、互いを敵視しつつも、なんだかんだで付き合うポールとジョンがテーマだったので・・汗
いかがでしょうか?ボーイズラブではなく、JUNE風に書いてみたのですが・・暫く書いていなかったのでまぁまぁのようにも思えますが
次回はもっと精進するつもりです
なんだか私はやおい作家のほうが向いてる気がしてきましたw
では、 861Hedge-hogさまお待ちしていますw
134売掛金:2009/04/14(火) 21:37:29 ID:???0
> ミハイルさま
ビートルズと云えば永遠の青年というイメージなのですが、やはり現実として薬物の問題もあったと思うのです。
なので漠然と「いつかはそういうものも描かねばならないのかなぁ」などと思っておりました。
しかし古のミュージシャンはそれで何人も命を落としているので、けして推奨/肯定はしておりませんし
ビーのモロそれっぽい曲が好きかと云われれば反対で、彼らの初期楽曲にみられる美しいコーラスがいい感です。
因みに画塾のような所には行ったことはありませんので、技術的なことは何も判りません。

> 861Hedge-hogさま
こういう絵は良くないと思ったのですが、ついつい描いてしまいました。本当に申し訳ございません。
最初ジョンの目は開いていたのですが、物凄くまずい雰囲気になったので彼には急遽寝てもらいました。
恐らく数時間経てば彼は目覚めると思います。寝てるだけです(しかもボトルがアメリカン)
「死んだマネ」の画像はポールのが一枚、ジョンのが二枚手元にありますが
あちらの少年は葬式ごっこと申しましょうか、そういうものを一度はやるのかなと勝手に妄想しております。
日本ではなかなか見ない習慣ですよね。本当にあれは何なのでしょう。
135売掛金:2009/04/14(火) 22:05:45 ID:???0
>灰になるまで
スラッシュ投下、お疲れ様です。
なんともエロでございますね(赤面)
そしてジョン、切ないですね・・・
なんだかその場に行って説教してやりたい気分です。
Ashes to Ashes, Dust to Dust でありましょうか。

全然関係ないのですが今youtubeでYour mother should knowを見ているのですが
これは何度観てもジョンがコケるところで笑ってしまいますね。好きな一本です。
136ミハイル:2009/04/14(火) 22:13:53 ID:???0
>>135
私は女性問題がアレです・・;
そうですかね?私はリボルバーみたいにモロっぽいのも好きですよ
シーセッドシーセッドとか
いえいえ^^;なんか久々に投下しました;ヘアカットの効果でしょうか?!(笑
そうですか;?江守備先生を目指したつもりです。あの先生は日本語の表現が綺麗で好きなJUNE作家です
中島梓先生がそのあまりにも完成度の高い文章表現に、仰天した位です
エジプトものを書いて引退されたようですが、再び復活してほしいものです。JUNEで
好きな箇所といえば、この箇所が好きです
>ポールは、部屋を出る前に振り向き様にジョンを振り返る。あんたも僕も死ぬまで共犯者だよ。
ああ、一生付き合ってやるぜ。二人の目が、そう物語っていた。
一生、付き合ってやるさ。灰になるまで
この部分は多田先生風ですw
>Ashes to Ashes, Dust to Dustとはどういう意味でしょう?案外英語に弱いもので;
137861Hedge-hog:2009/04/14(火) 22:47:20 ID:???0
おおおミハイルさま乙です! ちなみに「Ashes to Ashes, Dust to Dust」とは
直訳すれば「灰は灰に(戻る)、塵は塵に(還る)」(カッコ内勝手に付けたし)で、
確か聖書、死者を悼む言葉です。「人は土から生まれた」から、死んだら土(塵)に帰るってこと
らしいですよキリスト教では(えー、どーだったかなー〜♪)。まあきっと、「男は灰になるまで〜だよなあ!」
ってことでよろしいですか売掛金さま!?(違うと思います)。三つ子の魂百まで?もっと端的にいえば、あの年齢で
赤ちゃんを作ってまったポー、あ、もういいですかwww?
しっかし、みんなカッコイイ話書くよなあ。なんで私はこう書けないですか(涙)。共犯者。いい言葉だ。
でも、なんとなくこうなると、健全おちゃらけFanFan-FabFab!みたいなモノを書きたくなってきましたぞ、
お嬢さん方!(なんだこのもの言い)。ちなみに私は、池波先生の「剣客〜」のみを読み込んで、書くときは
アメリカの小説みたいな切り口を目標にしています。そして、「ビートルズファンタジー」に代表されるような
ビーIfモノを読むと、なんか、なんでも書いていいよなーwwwと希望が湧いてくるのです。世間の奴らだって
勝手に楽しんでるんじゃン。だったら私もヤッちゃえ! みたいなww。
おーい、雲よー(眠くて壊れてます)。
Your mother〜、いいですよねー! 私もコケそうなジョンをワクワク待ってる口ですw。
結構ジョージがいい味だしてたりしますよね。なんかジョンと一緒に振り返るところとか、
「実は楽しいだろ!?」と突っ込みたくなるリズミカルな身のこなし。その他、勝手に動き回って
一人花束を貰うポール(ジョンやジョージが、一瞬手を出しそうになるのが笑える)、主役
のポジションのはずが、まったく目立ててないリンゴ(おーい)など、突っ込みどころ満載の
一本でございます。もちろん最後の最後でポールによっかかるジョンに「隙無し」、つー感じですwww。
後半に続くー
138861Hedge-hog:2009/04/15(水) 00:10:50 ID:???0
>>134
謝ることなどありません!売掛金さまのイラストは、きっと自分の中で描かなきゃ収まらない、というもの
だったのでしょうか? それはモノを描く・書く人の業のようなものです。後↓でも出ますが、
表現に節操なしw!全然OKです。これからもナイスでセクシーな「売掛印」のイラストを
拝領させてくださいませなwww!
葬式ごっこは、確か「赤毛のアン」もやってましたよね(未読)。そして最大の葬式ごっこは
フリーメイソ(ry)。仏教とキリスト教の生死感の違いははっきりとありますよね。なんたって
死んだ者は、神の身元で永遠の命を授かる、おっと、これは次のSSのネタばらしになりそうw。
この話はこの辺でw。
ミハイルさま、やおい作家マンセー!!!! ちなみに私はポルノ作家になろうとして挫折した口ですw。
今でもたまに、フランス書院の小説募集などをチェックしますwwww。前↑にも書いてますが、表現に節操なし(持論)!! 
やおい作家、いいじゃないですか!ゴーゴー、です!

そしてアシッドソングも爽やかコーラスも大好きなわたくしは、実は詩こそ我が最良の表現とも思ってる…の
ですが、どうやら「詩」の方が、私をそこまで見込んでくれてないようです。ちぇ。

今回はなんだかめっちゃぶっ壊れ&ハイテンションで終わります。不愉快にしてしまったなら陳謝します…。
あ、今更ですが売掛金さま、>>135の「Ashes to Ashes, Dust to Dust」の解釈は>>137でOKですかw?
たぶん、絶対、違うとは思いますが…(T_T)。
では乱文にて失礼しました。おやすみなさいm(_ _)m
139売掛金:2009/04/15(水) 01:10:28 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
丁寧な解説をありがとうございます。
Ashes to ashes〜ですが、何の意味もなくただ漫然と書いただけなのですが(何だそれ)
「いずれすべてはあるべき場所へ」のような意味合いで書いた気が致します。
特に何の意味もないことをつぶやく癖が出てしまい、申し訳ございませんでした。

葬式ごっこ・・・
なるほど赤毛のアンにも出てくるのですね。勉強になります。
ビートルズの写真を見ていて、何故3種類の葬式(死んだふり)写真があるのか実は自分の中で相当な謎なのです。
近年国内で騒がれたいじめ行為とはまったくの別物というか、
なんだかこの人たちは幼い頃からこれをやっていないか、いや、やり慣れてないか?と思った次第です。
「禁じられた遊び」みたいなものなのでしょうか。
ヨーロッパあたりでは「おままごと」とかその部類の遊びかもしれませんね。
140ミハイル:2009/04/15(水) 08:18:24 ID:???0
>>138
おはようごいます。今付け爪貼っているので、キーボードが打ちにくいですが、頑張って打ちますwww
あ、ミハイルは決してギャルではございませんwwww
ところで、861Hedge-hogさん
>ポルノ作家になろうとして挫折した口ですw。
ちょwwwwwwwwポルノてwww何故男女エロのwwwww?フランス書院といえば神社こと矢城米花を思い出してトラウマが・・・orz
ズネ・・・ハードル高いですが、頑張ってみます・・(はぁ・・・・
江守先生のような大人のボーイズラブが書きたいのですww昔のズネみたいに中島梓の小説道場が復活してくれれば難はないんですが(´・ω・`)
あそこから江守備らの大御所が誕生していったのですね
あ、ずっと思ってたんですが、メル友にません?なんかペースが合いそうなのでwwwww
なんか勝手なこといってすいませんww
ではデートいってきますw
141861Hedge-hog:2009/04/15(水) 10:01:07 ID:???0
おはよーございますw。昨日は勝手なことを暴走気味に言い散らかして失礼しました(冷汗)。
こんなわたくしのレスに付き合ってくださってありがとうございます。
>>売掛金さま
「いずれすべてはあるべき場所へ」…ああああ、そっか。腑に落ちた。そこまで読みきれなかった。
修行が足りない! 反省。葬式ごっこ=おままごと。ああ、そうかもしれませんねえ。
まさに「禁じられた遊び」。「皆がオトナから隠れてやる(ちょと危なめな)子供の遊び」なんで
しょうかねー。一緒にやったもの同士、それこそ「共犯意識」を持つような。ん? なんかネタになりそうですねwww。
>>ミハイルさま
おお、デートですか! よきかなよきかなw。行ってらっさいwwwノシ。
ポルノ作家、いいじゃないですかー。きちんとポルノを書けたら、きっときちんとやおいも書けます。
しっかとエロを描けたら、しっかと物語を構築できます。エロスに夢持ちすぎ、自分www。
小説道場なつかしーwwwwww!! まだどっかにあるなー。「二番もあるんだぜ」
メル友ですか? えーと、でもそれはどうやるのですか? まさかここにメルアド晒すわけにも…wwww(^^A。

なんだか昨日は一日中ハイで、ビーの「クリスマスアルバム」でジョージが挨拶をした時の声を思い出しては
一人で笑っていました(こえーよ自分w)。すんごい訛りのきっつい(しかもくすくす笑いながら)発音で
「Hi,There!!」 …今思い出したら、「クスリ」ともきませんがな。
G/Rの危な絵を彩色中でございます。パス付きでうpする予定です。あ、でも私の絵柄なので
あんまりエロくない…。哀しい…。
ではまた!
142ミハイル:2009/04/15(水) 20:00:02 ID:???0
>>141
861Hedge-hogさん、ただいまですww帰ってきたのは6時過ぎでしたww
アウトレットまで行って買ってきたのが睫美容液かよwwという話ですがwwwwwwwwwwww
まぁ静岡いったらローリーズで存分に買う予定ですwwところで今、新番組にヘイジュードが流れてますwww
うーん、ジュネ、応募してみましょうかね
さすがに親に男同士の恋愛の小説書いてるなんていえませんがwwwwww
861Hedge-hogさんのポルノ小説も読んでみたいですw作家志望同士いい刺激になればいいなw
>メル友ですか? えーと、でもそれはどうやるのですか? まさかここにメルアド晒すわけにも…wwww(^^A。
メンヘルサロンのアド晒し専用のスレに晒してきますので、スレを貼ります
名前欄にミハイルと書いてあるので、分かると思います
143ミハイル:2009/04/15(水) 20:20:17 ID:???0
やはりワードに打ち込んでスクショしたのを801うpろだにしたので、拡大してごらんください
ミハイルですというコメントのやつです
144861Hedge-hog:2009/04/15(水) 20:42:51 ID:???0
ミハイルさん乙です。メルアド頂きました(うpろだから)。ありがとうございます。
今はまだ出先からですので、10時過ぎにでもメールさせていただきます。
ポルノはねえ…完成してにのばっかりなんですよ。そして、私が作家としての限界を
感じたことにひとつには「オリジナルが書けない」ということなのです(致命的!)。
つまり、こういうSSならばいくらでも書けるのですが、いざ「なんもないところから起こせ」
と言われたら、とたんになんにも思いつかなくなるのですよ。いや、少しは書いてはいますが
書いてるものが面白いんだかどうだか、まったく分からないのです。SSは、もうすでに元があって
それにそって物語を描けば問題ないわけです。しかし、オリジはその「線路」を自分で構築せねば
ならなくて、それが私は決定的にうまくない。指針がないからあやふやになっちまうですよ。
だから、すーごく辛い。とほほ。でもどんなものを書きたいとか、どうやってモノを作っていくのかは
興味ありますねー。勉強としてw。よろしくお願いします。

さて皆さん。…SS書いちゃったよ…。
打って変わって、おちゃらけ「Fun-Fun Fub-Fub!」な一本!
なんでこれをビーでやる? そんな答えは、持ってないwww!
タイトルは「Too Much Monkey Business」。ノリだけで書いた一本!
元気に「いってみよ〜」
145Too Much Monkey Business /1:2009/04/15(水) 20:47:38 ID:???0
 それは、彼らがアメリカ進出直前の頃合だと思っていい。
 その日の夜の、ラジオ収録とコンサートのリハーサルのため、彼らは朝からスタジオに篭っていた。そして、つい前日の
酒とリハの疲労から、ジョンレノンがいねむりしてしまったことが全ての始まりだった。
「寝てるね」
 ジョージが呟く。
「寝てるな」
 ポールが答える。
 リンゴが、ちょうど買ったばかりの小型カメラを取り出して、その寝顔にシャッターを切った。フィルムも新しいので、
たっぷりと取りためることができる。
 ポールがリンゴからカメラを借りて、いたずらっ子の顔をすると、ジョンの顔をすごいあおりの角度で撮る。現像したら
彼の鼻の穴がぐっと強調された写真になるだろう。
 ジョージが、なんとなく自分のスーツのポケットに手を入れると、何かの手ごたえがあった。取り出してみると化粧品店の
小袋が出てきた。
「なんだそれ?」
 あけてみると、それは眉を書くための鉛筆だった。
 それを受け取ったポールが、他の二人に厳かな口調で言った。
「諸君、これは神が我々に下さった、最高のチャンスだと思わないか? ここに、眉用の鉛筆があり、眠っておるジョンレノンがいる!」
「つまり?」
「…あ、その前に、なんでジョージこんなもん持ってたの?」
「ロンドンに行くっつったら、姉ちゃんに「買って来い」って頼まれたんだよ」
「そんなことはいいから。つまり? ポール」
 ああ、つまりとポールは言葉を続けた。
「これは、我々がジョンレノンという素材を使い、芸術活動を起こせというのではないかと」
 まあ、つまりだとポールは、ジョンの頬を軽く叩いて、起きないことを確認すると、その頬に鉛筆を使って大きな傷跡を書き込んだ。
「…あんまり面白くないね」
 しみじみとそれを見て、ジョージが品評する。
 リンゴが鉛筆を引き受けて、ジョンのまぶたに目玉を書き入れ、しかもそのまぶたをくっきり縁取りすると、その作品は大きく飛躍した。
 彼らの目の前に、「よだれをたらして、虚空に目をひん剥いている、頬に傷を持つ男」が出現した。
146Too Much Monkey Business /2:2009/04/15(水) 20:52:25 ID:???0
 彼らは、思わず自分の中のエッモーショナルな部分を刺激されて、「ぶっ!!!」と噴出しそうになった。
しかしそれは、作品の素材を起こしてせっかくの芸術を台無しにしかねないし、なにより彼ら自身の身を
危うくさせてしまう。お互い頷きあいながら、ペンを争うように奪い取りつつ、この作品を仕上げようと
熱をこめた。それは決して(そう、決して)リハーサルに飽きたところで新しい遊びに手を出した、という
ワケではないのだ。あくまで、ジョンレノンという素材を生かした芸術活動であったことを、改めて、改めたい。
 素材に数々の手がくわえられていく。リンゴがその様子を逐一カメラに収めていく。「作品ジョンレノン」が
出来上がっていく様を記録に収める、にわかドキュメンタリー作家の誕生である。この作品は、芸術品の他に
偉大なフォトグラファー誕生にも一役買ったのである。
 かくて、「作品ジョンレノン」には、「傷」と「目玉」「縁取り」の他に、「ミックジャガーも顔負けの分厚い
唇」と「SMの女王様専用の羽眼鏡」、「よく言えばダリ、悪く言えばヨーロッパ人がもつイメージの東洋の人」の
ような髭、レーニンも真っ青の「眉毛」、お約束の、額に「meat」の字、「横っ鼻のふくらみを強調したライン」と
「鼻の穴をもう一回り広く見せる塗り」などがほどこされ、その度彼らは、作品の底の深さと、己の仕事への確たる
手ごたえに、肩を震わせ額を寄せ合い、口を塞いで静かに、喜びを共有した。作品への喜びを共有しているだけで
あって、決して「どんなにイタズラ書きされても起きやしないうっかりさんに、笑いをこらえている」わけでは
ないことを改めておきたい。
 頬にぐるぐる巻きを書いた時点で、作品は完成されたようなものだった。つまりは、もう書くところがなくなったの
だが。彼らは笑いを堪える、いやさ、作品の完成を喜ぶ恍惚の中にいた。しかし、満足のいく作品が出来上がると、
誰かに見せたくなるのは当然の欲求で、しかし彼らはそれを、リンゴの写真の現像を待たねばならないと思っていた。
147Too Much Monkey Business /3:2009/04/15(水) 20:59:51 ID:???0
 そこに、ちょうどいい人物が登場した。ジョージマーティンである。リハーサルの様子を見に来た彼に、3人は口元に人差し指を
立てて手招きした。なんだとマーティンが覗き込むと、そこには「ジョンレノン芸術祭」が開かれていたので、やはり大きな音を
立てて噴出しそうになった。その作品は言葉で書くと「ジョンレノンの姿をした、顔に傷があって女王様の眼鏡をかけて目をひん
剥いている、ほっぺたぐるぐるの分厚いおちょぼ口をして額に「Meat」と高らかに掲げた、横っ鼻を膨らませ鼻の穴を開かせて横に
なっている男」となる。マーティンは一瞬気が遠くなったが、由緒正しき英国紳士でもあったので、すぐさま動揺から抜けた。そして
英国紳士とはジョークを解し、女装や(笑えないような)悪ふざけなどを一種のたしなみと考える不可解な種族でもあるので、すぐさま
この「芸術祭」への参加を表明した。しかしすでに作品には書き加える余裕はない。すると彼はジョンの顔以外へのアプローチを開始した。
 つまり、ネクタイをとって額に巻いて、スラックスのチャックを開けて中からシャツのすそをひらめかせた。3人は、そのコロンブス的な
発想に、膝かっくんになるほど笑い、いや、感銘した。すばらしい。まったくすばらしい。ここまでやってまだ起きないジョンも素晴らしい。
もちろんリンゴの、記録者としての目がこれを無視するはずがない。彼は撮った。大いに撮った。「かわいそうだからもうやめてやれ」と
言いたくなる位に撮りまくった。マーティンの素晴らしい発想を期に、芸術は顔だけではなく全体像へとスケールを移し、いろいろな
ポージングを試された末に、日本で言うなら「シェー」の格好で落ち着いた。東西の区別無く、可笑しな格好、いや芸術は普遍であることを
図らずも証明した瞬間だった。もちろんリンゴは撮った。もはやそこにいる表現者達は、己達の挑戦の証としてのレノンに、大爆笑いや
大感服の念を禁じえなかった。作品に目を落とすたび、互いの口を塞いで喜びを押さえ込んだ。肩をつねって、芸術への恍惚から我に返った。
148Too Much Monkey Business /4:2009/04/15(水) 21:09:41 ID:???0
 作品が、腹を掻きつつむにゃむにゃしながら「うーん、もう食べられないよ」なんて言った時には、そこを中心にスーパーノヴァが起きそうに
なるほどの爆笑、いや、歓喜が起こった。しかし、彼らは必死の必死で、それを堪えた。誰だって悪ふざけ、いや、芸術ふぜいで殺されたくない
と思っていたからだ。
 そこへブライアンエプスタインが立ち寄ったことも、作品への大きな貢献となった。まず彼はマーティンと同じように呼ばれ、作品を見たとたん
表情を変えて口を押さえ、息をすることを忘れてしゃがみこんだ。なんとか笑い、いや感銘を抑えることに成功した彼は、作品への参加を要請
されると、ちょっと考えてから手元の紙袋を探った。そして、シンシアへのちょっとした贈り物である、赤ちゃん用のガラガラとおしゃぶり、
可愛いフリルがお揃いの涎掛けとボンネットを取り出した。彼らはそれを見ただけでひっくり返りそうになった。完璧だ! ブライアン、あんた
サイコーだよ! 皮肉にも表現者としてのブライアンが、グループやプロデューサーに受け入れられた瞬間だった。
 ポールがそーっと、作品にボンネットを被せて涎掛けを襟元に縛り、ガラガラを作品の顔の横に置いて口におしゃぶりを咥えさせる。そこに
現れたのは「よだれをたらして、(略)、おしゃぶりを咥えて無邪気に寝入る男」だった。もうどうにも
ならなかった。「笑うな」といわれると、どんなちゃちなことでも可笑しくなるのが人情なのに、こんなものを前にして黙ってなくてはならない
とは!
149Too Much Monkey Business /5:2009/04/15(水) 21:13:20 ID:???0
 彼らは作品製作者の記念として、作品と共に写真に納まった。ポールはジョンにガラガラを振ってすっげえいい笑顔を向けた様子を、ジョージは
赤ちゃんのボンネットを被ってニヒルな笑みを浮かべた顔を、マーティンはおしゃぶりを咥えエピーは涎掛けをかけてガラガラをふる姿を、作品と
共に写真に納まった。リンゴはというと、マルを呼んできて自分も記念写真に納まり(マルはその大きな身体を二つに折ったまま、十分間は動け
なかった)、最後には全員がジョンを中心に頭を集めて横になった姿を、上から取ってもらった。素晴らしい、まったく素晴らしい時間だった。
マルが真っ赤な顔のままリンゴにカメラを返し、よたよたとドアを出て行った時、「作品ジョンレノン」が、大きなあくびをしてむっくりと起き
上がった。全員ひやりとしたが、ジョンが極度の近視であることが幸いし、彼は自分の身に何があったのか、まったく気付いていなかった。頭を
ぼりぼりと掻きながら間抜けなあくびを繰り返し、「おはよう」と、そこにいる全員に声をかける。
しかし、皆なぜか、彼から背を向けて返事をしない。心なしかその姿が震えているようだが、
ジョンは意に介さない。
「なんだよ、人が挨拶してるってのに」
 ここで挨拶を返さないと怪しまれる。ポールが決死の覚悟で振り返り、ジョンから巧みに視線を逸らし
つつ「おはようございます」と返事をした。しかし、気を許したら爆笑しかねないので、口元と声帯を
こわばらせた結果「オハヨウゴザイマス」と、可笑しな鸚鵡のようになってしまった。ジョンはちょっと
だけ頭に「?」マークを浮かべたが、眠気覚ましが必要だとタバコを取り出そうとした。だが残念ながら
手元になかったので、そこにいる全員に近づいて「タバコあるか?」とねだった。
150Too Much Monkey Business /6:2009/04/15(水) 21:17:14 ID:???0
しかし自分がそうするたびに、言われた方は口を塞ぎ顔を逸らして、首を必死に振るのみだった。エピーに至っては、壁に
向かってしゃがみこみ、ピクリとも動けなくなりリンゴがその背中をさすってもらっていた。ここまできたら、なにかが
可笑しいことに気付いてもいいのだが、人はそれが自分ではなく他人なのだと思いがちになる。ジョンもそれに習い、周りを
「ヘンな奴ら」といぶかしみつつ、小銭をつかんでスタジオを出て行った。タバコを買いに外へでたのだ。それこそ、
笑いの発作で全員が硬直している状態だったから、止めることも出来なかった。
「出てっちゃったよ」目元に涙を浮かべたポールが、まだ興奮冷めやらない顔で告げる。
「まずくね?」ぐったりした顔でジョージが、誰とも無しに問いかける。
「大丈夫だよ」
 と、目尻にくっきりと笑い皺がついたリンゴが言う。
「ここから出たら大きな窓がある建物が続くから。いくらジョンだって…」
 そこまで言って、リンゴがハッとした。もちろん全員がそれに気付かぬほど、抜けてはいない。あわててスタジオの
入口から顔を出すと、30メートル程先からえらい勢いで駆け込んでくる人物が見えた。
「あんなとこまで行ってたのか」
「そこまでよく気付かないよな」
「いっそ、ご立派だといえるね」
 まるで他人事のように彼らは「作品」を語り合った。その目の前に怒鳴り声が迫る。
「てめえらああああああああああああ!!!!!!!!!」
「あ、やっべえ!!」
 つい作品品評に夢中になっていた彼らに、その作品が怒り心頭の姿で飛び込んできた。しかし、全員ちゃんと逃げる
算段ははじき出している。後は、タイミングだ。
「あ、ジョン」
 ポールが、そのタイミングを作り出す。
151Too Much Monkey Business /7:2009/04/15(水) 21:31:00 ID:???0
「あれなんだ?」
 後ろに向かって、彼は指差した。ガキじゃあるまいしそんな手にのる人間がいるか、と言われたら「ここにいる」としか
いえない。ちゃっかりジョンは「え?」と後ろを振り返った。それを合図に「それっ!」と全員、蜘蛛の子を散らすように
バラバラに走り出す(そこらへんニブいエピーは、マーティンが受け持った)。
「あ、しまった!」
 何度もひっかかってるにもかかわらず、またやられたレノンは、「作品」姿のまま地団駄を踏んだ。そこにメモ書きが
ひらりと落ちる。みると「イタズラ書きは石鹸で落ちるとジョージが言ってたよ」とポールの字が躍っていた。
「あいつら、見てろよ!!!!!!」
 今夜のラジオ収録に全てを賭ける意気込みのレノンだった。

「どうする、今夜」
「マズイよなあ、殺されるぞ」
 某所でひそひそ声が、不安げな相談をしている。
 しかし、一人の声が自信たっぷりに「大丈夫、まかせとけ」と答えた。
 他の声達が、「おおお?」と返した。

 さて、夜だ。
 ラジオ局のスタジオ入口に、例のメンバーが雁首をそろえている。
 ブライアンとマーティンもいるのは、「共同制作者」としての責任感からだった。全員が不安げだった。ジョンに半殺し
どころか全殺しになる覚悟で、その場にいた。
 しかし、たったひとりだけ、余裕の表情でそこにいた。彼らは、それに賭けたのだった。
「あ、きた」
 ジョージの声に、一斉に視線が廊下に移る。
 ジョンが「般若」の形相でズンズンと廊下を進んでくる。洗っても落ちなかったのか、まだうっすらと「芸術祭」の
後が残っているようだった。
「そこを動くなよ!!!!」 地の底から響くような声だった。一人を除いた全員がぎくりと身体を強張らせる。そして、
その小さな人影の後ろに隠れた。
 リンゴだった。緊迫の空気の中、彼だけは鼻歌まじりでジョンの前に進み出ると、にっこり笑って、彼に手を振った。
152ミハイル:2009/04/15(水) 21:32:09 ID:???0
>>144
>10時過ぎにでもメールさせていただきます。
了解です^^携帯のほうに、ということでしょうか?;11時には携帯に移ってます
なるほどー・・私もです、こういうジャンルがないとかけない的な;><
オリジナルは難しいですよね;とりあえず、読んでみないとなんとも;;
でも、何故ポルノ作家を志すようになったんですか?女性のポルノ作家って珍しいですよねw
はやり団六鬼などを読まれて・・?
小説、面白いですwww顔に落書きされまくったジョンwwwww
153Too Much Monkey Business /8:2009/04/15(水) 21:35:57 ID:???0
『!?』
 ジョンまでも、度肝を抜くような態度だった。そして、その理由はジョンが近づくたびに明らかになった。
 リンゴはジョンの姿がはっきりすると、首からかけてるストラップを引っ張って、スーツの中からとある
ものを取り出した。
 それは、例の「記録」を収めた小型カメラだった。
 一瞬ジョンは「?」となったが、リンゴが笑顔のままそれを指差し、続いてジョンを指差し、そして
ハンドサインで「OK」と出した時点で、ジョンはそれがなんであるか悟った。なんたることか、ジョンは「自分の
恥ずかしい写真」をヤクザに撮られた生娘よろしく、やんわりと脅迫されているのだ。
 一歩あるくたび、ジョンの顔色が変わっていく。真っ赤から、真っ青に。顔も憤怒から驚愕へ変わっていく。
 そして、リンゴの前に立った時には、口あんぐり状態に陥っていた。
 酸欠の金魚のように口をパクパクさせるジョンをフィルムの最後の一枚に収めると、リンゴは改めて、にっこり笑った。
 しばし、ジョンはそんなリンゴを見つめたが、結局
「…まいりました」と、がっくり肩を落とした。
 リンゴの後ろで、全員が腕を上げ声を上げた。

 その日のラジオ収録は、ジョン以外はとても生き生きとした演奏をして見せた。
 ジョンが、悔し紛れのシャウトをマイクに叩きつけた。
「くっだらねえ仕事だぜ! つっまらねえオシゴトだ! そんな仕事にまた逆戻り!!」

PS.
「旦那、俺んとこじゃ色んな恥ずかしい写真を現像するけど、こんなつまらねえ写真をたのんだ人は、アンタが初めてだよ」
「そうかい? 初めてなの?」
「そうさ。なんだかイイ歳の男が、顔に落書きされて可笑しなカッコさせられてる写真なんてアホらしくて、
複製を手元に置いとく気にもならないね」
「それはよかった。じゃ、ちょっとだけ多めに支払うよ」
「ああ? そりゃありがたいね。こんなつまらん仕事させられちゃ。はい、毎度あり」

 その男は数ヶ月後、激しく後悔することになる。
154Too Much Monkey Business /0:2009/04/15(水) 21:47:04 ID:???0
はい、てなワケで一巻の終わりです。
ミハイルさま、携帯の方がよろしいようですのね? おkです。
私がポルノ作家になろうと思ったのは、綺羅光というSM系の作家さんの影響です。
この人、パターンがおんなじなんですけど(笑)いい意味でのマンネリ感があり
それが安心感にもなってるような感じがするのです。そして、この人が書いた
「エロだけど、ちょっと小粋な探偵モノ」になってる作品を読んだ時、目からウロコが
落ちたのす。つまり「ポルノだって、ちゃんとした作品なんだよな!」と。
ちゃんとポルノを書ける人は、ちゃんとしたモノも書けるんだ。ちゃんとした作家なんだ
と思ったのですよ。それからですねーw。ワリと単純です。

久々のばか話を書けて、なんか楽しかったです。お付き合いありがとうございます!
ではまたノシ                       861Hedge-hog             
155861Hedge-hog:2009/04/15(水) 22:57:13 ID:???0
ミハイルさま
すいません!なんか書き写し方がだめだめだったみたいなので、パソの方に
メールしました。すいません!
それでも届いてない時は、お手数ですがここ(このスレッド)にお知らせください!
まったくバカですいません。吊ってきます…。
156ミハイル:2009/04/15(水) 23:14:29 ID:???O
パソコンの電源は切ってしまったので私のブログにさらしてきましたので携帯にメールお願いします;すいません;;
http://m.ameba.jp/m/blogTop.do;jsessionid=97C8D22A03CCD0957F8CE1578DF02411?unm=omoigoto-blog&guid=ON
157ミハイル:2009/04/15(水) 23:20:01 ID:???O
さらにすいません;;
ブログがエラー表示されたので仕方ありませんこちらに晒します
paul-is-lovery-boy.beatles☆docomo.ne.jp
☆は@に変えてください
158売掛金:2009/04/16(木) 00:23:41 ID:???0
こんばんは(^^)
おお、友情を深めあっておられるのですね。
素晴らしいことです、今のうちサインを貰っておこうかしら。

さてtoo much monkey businessですが、楽しいですねー
リンゴは笑顔でさりげなく脅迫というのが似合っている気が致します。
monkey businessという言葉は好きです。
この言葉を覚えたのは「12モンキーズ」という映画だったと思うのですが、どうでも良い昔話です。

too much〜拝読させていただき、私も楽しい絵を描こうと思い立ちました。
画像につきましてはアップローダーにあげました。
こんな自転車はあり得ないと思うのですが、笑って許して頂けると嬉しいです。
ドリームですね。こういうことが実際あったらつくづく嬉しいなと思います。
159861Hedge-hog:2009/04/16(木) 01:29:48 ID:???0
売掛金さま、乙ですー。
さっそくの拝読、ありがとうございますw。最初はリンゴが寝ちゃって、ソレを皆が
「かわいいな」「持って帰りてえ」と萌え会話をしているものだったのですが、最近
リンゴ祭りwが続いたから、違う人にしようと思ったらジョンになりました。
これがジョージだったら、無言で自分で書き足すが、すんごい怒って手もつけられない
って感じ(でも甘いもの食べたらすぐ忘れる)かなー? そんでポールだったら、きっと
無言のまま、その顔で一日中ずーっとずーっと過ごす。無言で、無表情で。
そして最後にいたたまれなくなったジョン(ここはジョンだろうw)が「ごめんなさい」と
ワビを入れたら「あ、そうなの?」とやっと顔を洗う、って感じになります。私の中ではww。
ポール…こええよwwww。でも、そんなポールに戦々恐々となっている回りで、一人ジョージ
(幼馴染)だけが「やりたくてやってんだろうからほっときゃいいじゃん」と、完全KYな発言
をして皆をぎょっとさせる(特にジョン)。そんなドリーム。いらないか。とほほ。
サイクリングかわいいっす! 売掛金さまのビーは、サイケな衣装がとてもかわいいですね。
見てて楽しいです(フリフリシャツがキューツ!)。
少しでも、ビーがその時間その時間を楽しく過ごしていて欲しいですよね。
そんなドリームを少しの間かなえてくれる「ヤア!ヤア!ヤア!」を見て今日は寝ます。
またバカ話書いたら投下しますねーノシ。
R/GHイラ、も少し待ってくださいねー(誰も待ってないって)。
では!
160売掛金:2009/04/16(木) 02:03:13 ID:???0
861Hedge-hogさま

ポールはいかにもそんな感じですね(笑)ジョージもそういうこと平気で云いそうで笑ってしまいました。
楽しげなビーは本当にいいですね。いや、きっと当時も辛いことのあい間あい間に楽しいことがあったはず。
そう信じて疑わない売掛でございます。
「ヤア!ヤア!ヤア!」は私も最近youtubeで観ましたが、
四角い石の上でぐるぐる回るゲーム(?)をしてるシーンが好きです。

チャリンコですが、本当は昨日みた「マジカル〜」の影響で
当初四人揃ってマジカルマラソンに参加してもらうつもりだったのですが
あまりの出来事に画面におさまりきらず、あえなくジョージとリンゴだけにライドして貰いました。
衣装は花畑みたいなところで四人でフォトセッションしてるものを参考にしました。
彼らは自転車にまたがって、一体どこへ行くのでしょうね(^^)

また何か挿絵ご所望の際は是非声をかけて頂ければ嬉しく思います。
宜しくお願い致します。
161861Hedge-hog:2009/04/16(木) 11:52:15 ID:???0
>>売掛金さま、恐れ入りますw。
ホントに、挿絵よろしかったらお願いいたします! 売掛さまの描きたいもので
いいので、お願いします。売掛さまの絵は色っぽくていいなあ。色合いもいいなあ。
どうにも自分はあんな風には描けないので(何度も話してますが)あこがれます。
ちゃんと空気が60年代してて、かっちょいい…ポワワ〜*
>当初四人揃ってマジカルマラソン
MMTでマジカルマラソンに参加してるメンバーって、ジョージだけなのかしら?
彼しか確認できなかった…。なんかジョー、MMT撮影当初は風邪引いてたらしいけど、
なんだか随分と楽しそうじゃねえかよ(いきなりジョン口調)。ジョンといえばやはり
子供をあやしてた時の彼が相当にかわいらしくて、あれみてまたも心臓射抜かれちゃいました。
薬中のくせにかわいすぎ。そしてYour mother〜の時の、イカレポンチな笑顔。最高です。あの時は
ポールが「落ち着きのない子」になってて、やっぱり最高なのです。でも揃って歩く時は一番綺麗に歩いてたなあ。
HDNは萌えの塊ですね。ちーさなお気に入りは、ポールのじいちゃんをポーカールームから引っ張り出す
時、稼いだお金が全部持ってかれてがっかりしてる中、リンゴが「Easy come,Easy go!!」と笑ったのを、
なぜかその場の全員が睨みつけるシーン。ちゃっかりポールがいるのがwwwww。
睨まれたリンゴが「なんで(俺を)!?」って言うのも好きだなあ。
聞かれてもないのに話しますがwHelp!でのお気に入りは、バハマでカイリ教の本拠を探す時のポールたん。
地面に耳つけたり、インディアンの挨拶したり、自転車をかっちょよく呼びつけても
「がっしゃん」と倒れて終わったり。特に自転車のシーンはすごい好きで、自分でも
口笛吹いた後{がっしゃん}と口でつぶやいて笑ってます。怖いって自分ww。
では、今はこの辺でwww。勝手な萌え語り、失礼しましたノシ。
162売掛金:2009/04/16(木) 19:03:14 ID:???0
マジカルマラソンに参加しているメンバーは
ポケットに手突っ込んだまま走ってるジョージ、
マジカルバスを運転するリンゴ、のふたりだけかもしれません。
そうでした、チャリンコと云えばヘルプでしたね。
もう全然忘れてました(ひどい・・・

そういえばジョージがWalk of fameの星となりましたね。
オリビアさんがジョージについて「神秘的な人だった」とコメントしたことについて
「ああ、そうだったんだろうな」と妙に納得してしまいましたよ。
私がはじめて聴いた彼のソロ曲は「I Got My Mind Set On You」で、
これは当時英国でも大ヒットしていた記憶があります。懐かしいですね。
ポールのはじめて聴いたソロ曲は夜ヒットか何かの中継らしきもので
「My Brave Face」か「This one」だった記憶が。
少年隊の東にサインか何かをやってたような記憶があるのですが、定かではありません。
もう何年前の話だって感じですが、あれがポールをはじめてテレビで見た瞬間でした。
163861Hedge-hog:2009/04/16(木) 23:23:01 ID:???0
売掛金さま、乙です。
そうそう、ポケットに手突っ込んだまま走るジョージかわいいっすwwww!
それにしても、なぜ彼は蛍光色のスラックスをよく穿いているのだろう。
レリビーの、目にも鮮やかな蛍光黄緑パンツ…、どこで売ってるの、それ!?みたいなww。
そっか、リンゴがあの時のバスの運転してたんだ。なんか、そうとう荒っぽい運転でしたよね。
あの中に、実はJとPがいて、Jは魂の半分が抜けたくらいに車酔いしてて、その横でPはケロと
してRの運転をめっちゃ楽しんでたら楽しいなあ。ポールもスピード狂のようですしww。
>>「神秘的な人」
…なんか、クラプトンがジョージのことを「謎の天使」とニックネームつけたらしいですよ。
そんでジョージはクラプトンのことを「義理の夫」と…。ビー萌えサイトから拾った情報ですが。
ジョージよ、「義理の夫」がいるってことは「本妻」ならぬ「本夫(なんだこりゃ? どういって
いいのか分からない…w)」がいるってことでFA? 誰だよだれだよ「ご本家」ってよー! もー!
はっ! また私、やっちまいましたか!? 反省反省。
ポールを初めて見た瞬間はどうでしたか?なんかワリと皆さんとっかかりはポーリィなんだなー。
私はなぜか、ジョンでした。いやー、確かにポールスゴイかわいい人ですよね。こないだ久々に
「coming up」をYoutubeで見て、そのあまりのかわいらしさに仰天しました。
これじゃジョンも覚醒するよなーwww。と。何話してるんだか。とほほ。
164売掛金:2009/04/16(木) 23:57:59 ID:???0
>ポールの初見印象
「後ろ髪、長!!」
でした。すいません。

>MMT
これは私の中でビー最高の映画にあたります。
先日BBCで放送されていた「Monkey Dust」という風刺アニメをyoutubeで観ていたのですが
BBCは国営放送だと思うのですが、オープニングでゲイの二人組(勿論アニメ)が出てきて
くるぶしまでズボン下げて後ろから立ったままやってるんですよ。しかもふたりともこっち見て笑ってて。
で、「This is BBC-1」とか云ってその左下に大真面目に「BBC」って正規のロゴが出てくるんです。
凄いなーと思いましたよ。クリエイターが亡くなったそうで、今は放送していないようですが
当時イギリス国内で人気のダークアニメだったようですよ。NHKではまずこういうことはやらないでしょうね。
話逸れましたが、確かMMTもBBCでやったと記憶しています。
これを国営放送でうやっちゃうんだーと当時は思っていましたが、今は「BBCならあり得る」と思っていますし、
当時はヒステリックな反応もあったでしょうが、あれはあれである意味先駆的な意味合いがあったのではと勝手に妄想しております。

ところでダーニの「Here Comes the Son」の写真をご覧になられましたか?
ダーニがジョーに似てるのは誰もが認めるところですが、これらの写真を見て本当にビックリしました。
165861Hedge-hog:2009/04/17(金) 00:30:04 ID:???0
>「後ろ髪、長!!」
ズサー〜*<(スライディング!)

>BBC
だって、モンティパイソンを許しちゃう放送局ですものwwww。
パイソンスケッチで出てきた「趣味は動物虐待とマスターベーション」て台詞の
「マスター…」だけを検閲しちゃう(全部検閲しろよw!)放送局ですもの。なにを
出してきても、驚きませんよ私は。
ええ、驚きませんとも(ちょっとgkbr)。NHKは、今のオカシナ方向性がちょっとウケてます。
「東京カワイイ」って、なんなの!?と。あ、どうでもいいかww。

ダーニ、かなり…ていうか激似! だとは聞いてますが、そ、そんなに似てるのすか!?
見てきまーすwwww
166売掛金:2009/04/17(金) 00:40:24 ID:???0
>「後ろ髪、長!!」
>ズサー〜*<(スライディング!)
(笑)いや、それまで写真とかでしかビートルズを知らなかったので
見た瞬間はやはりそういう感想でしたよ(笑)

>ダーニ
「Here Comes The Son(Here Comes The Sunのもじり)」という何かの企画だと思うのですが
その写真はビックリしますよ。凄くおしゃれですし、
もしジョーが今の時代に生きていれば、彼はこういう仕事もやったに違いないと確信する程です。
こんな衣装着てね、ジョーがこんな写真撮ってれば凄かっただろうなと妄想爆発です。
これらの写真で着用している衣装をビーメンバーに着せて、捏造イラスト描きたいくらいです。
167861Hedge-hog:2009/04/17(金) 00:41:10 ID:???0
yahoo!のmusicbrogの、[Who's Next?]を覗いてきました。
画像小さかったけど…すげえ! すげえぞジョージのDNA!!
ダーニすごいハンサムだな〜! しかし、特に鼻と眉毛wが生き写しどころか
丸写しですね! これで宿題出したら先生に叱られそうなほど丸写しで、
ビー二世内では一番(父ちゃん似で、ハンサムでランキング)ですね。参りました。
売掛さま、教えてくれてサンキューですーノシ。
168売掛金:2009/04/17(金) 01:01:28 ID:???0
861Hedge-hogさま

私の個人的な興奮にお付き合いして頂き申し訳ございませんでした。
アップローダーに二枚ほどでかい写真を置いておきましたのでお暇な時ご覧ください。

そうですか、クラプトンとジョーは「謎の天使」「義理の夫」と呼び合っていたとは。
861さまおっしゃる通り、ジョーの本夫って誰なのでしょね?
ビーのメンバーなのでしょうか?

>Coming Up PV
私も好きです。後ろに居るビートルズ時代のポールが笑えます。
「ああ、この人結局ビートルズのポールっていうのを演じてたんだな」と確信したのもその時です。
無駄に明るい笑顔と振りまく愛嬌・・・まさしくビートルズのポール。
でも本当のポールってそのま逆の男だったりして・・・というのが私の勝手な妄想並びにビースラッシュ世界です。
169861Hedge-hog:2009/04/17(金) 01:24:41 ID:???0
売掛金さま
うおおおおおおありがとうございますうううう!
こちらこそ、検索下手ですいません。今、見にいきますううう!!!

>私も、ポールは「ビーを演じていた」と思います。
でも私は、なんだかんだ言ってもポールはビーを「楽しく」演じていたのだと思っているのです。
だから、ビーがダメぽな時、必死になってそれを食い止めようとしたのだと。
自分の本心を裏返すほどに、彼はビーが、そしてジョンが好きだったのだと思うのです。
しかし、それが彼の哀愁を深めているのだと。切なさを抱えることになるのだと。
最後には「壊れてしまえ! なにもかも消えちまえ!」ってなってしまったのだと思えてなりません。
これはまったくの私見ですが…、ポールって片思いばかりだよなあ…。切ねえ(ほろり)。
は、またやっちまった! 失礼しました。
では売掛さまやミハイルさまののスラッシュを楽しみに待ち焦がれつつwwwwノシ。
(でも萌え話も楽しいなあ)
ではまた、おやすみなさいノシ

170861Hedge-hog:2009/04/17(金) 01:48:16 ID:???0
おやすみっていったけど…
>>168
すげえええええダーニいいいいい!!!!!
親父かと思ったああああああああ!!!!
それにしても激ハンサムうううううう!!!!!

捏造イラストもしお描きになるなら、「why do〜」の方はJPでお願いしたいです〜
(もちろんポールがおにゃのこの方の格好でww)。
いやでも、売掛さまにお任せします! いやあ、今日はいい日だ!!!!!
いい夢見れそうwwww。ありがとうございました! おやすみなさい!!!!
171売掛金:2009/04/17(金) 02:18:36 ID:???0
過去の捏造スラッシュを恥ずかしくもなく投下致します。
相変わらずおセンチですが、何かの話の種になれば幸いです。

ではよろしくお願い致します。
172Ram On -1:2009/04/17(金) 02:23:49 ID:???0
それは突然の決定だった。もうビートルズはコンサートをしない。
誰がそれを決めたわけではない、状況がそうさせたのだ。
それについてメンバーは多くを語らなかった。
理由をあげ連ねようとすればきりがないだろう。
ただもう、それについては終わったのだ。あとはスタジオで夢をみるしかない。


「こんな歌詞はありえないだろう」
ポールはジョンを睨んだ。ジョンはしれっとしてそっぽを向いた。
その態度を見てポールは益々イライラした。
「あのね、愛とか生きるとか死ぬとかさ、なんでそんなことを歌おうと思うの。
信じられないよ。そんなの個人的なことだろう。
そんな想いをぶちまけられたって当事者以外は迷惑なだけさ。
そんなのは僕と君の間でだけ語り合っていればいいだろう。何故それを歌にしようと思う。
どうしてそれを公にしようと思う。誰もそんなの興味ないよ」
ジョンは知らんぷりでタバコに火をつけた。
「何が不満なんだ。お前は異常だぞ。神にでもなったつもりか」
そこまで云って、はっとした。先日のジョンの発言がどれだけのスキャンダルになったのか、記憶に新しい。
ジョンが何故あんな発言をしたのか、ポールには判らなかった。
ジョンが自信家なのは判っていたが、あそこまでいってしまっては自信過剰だ。
案の定バンドは叩かれ、批難を浴びた。
ポールには公の場であのような発言をするという発想がなかったから、あの日多少ジョンがハイになりすぎていたからといって、
まさかあそこまでの発言をするとは思っていなかった。彼の口から言葉が放たれた後ではすべてが遅かった。
ジョンにはジョンの考えがあって云ったことかもしれなかったが、ポールにしてみれば、最近のジョンはおかしかった。
ポールにとってジョンはジョンでしかなく、それ以上でもそれ以下でもない。
「何が不満なんだ」
ポールはジョンを睨んだ。
「別に…」ジョンは冷たい返事を返すだけだった。
この頃のジョンのやる気のなさは異常だ。前はここまで怠ける男ではなかったはずだ。
173Ram On -2:2009/04/17(金) 02:26:33 ID:???0
理由が判らなかった。スタジオで、ふと、ポールはひどい孤独に襲われる。
そこにジョンが居るのに、時として彼の姿が見えなくなるのだ。
今までそんなことは一度としてなかったのに。
ポールは、ジョンがこうまでなるのなら、あの日もっと強くドラッグについて話し合うべきだったと後悔していた。
「もうそんなのいいからさ」ジョンが口を開いた。「ベッドへ行こうよ」
「嫌だね」
ポールはすかさず返した。ジョンはギロっとポールを睨んだ。
「誰がお前とベッドに入るかよ。いい加減にしろよ。おまえは自分では判らないだろうけど、異常だよ。
とにかくドラッグをやめろ。俺も協力するから。
カウンセリングを受けるのもいいし、長期休暇をとってセラピーに参加するのもいい。
とにかく、まずはそこから始めよう」
ジョンのタバコを持つ手が震えた。
「今更…、もう遅いよ」
そう云って下を向いた。
「そんなことないさ。大丈夫だよ」
ポールは明るく云った。そしてそれは彼の本心だった。誰だって心の風邪はひくものさ。
それを放置すれば風邪はこじれていくけれど、適切な処置をすればあっという間に完治する。
そうすればまた元気になれる。ポールはそう信じていた。
彼は本来楽天家だったし、そして実際、こんな姿のジョンを見るのは辛かった。
以前の生意気で若々しいジョンに戻って欲しかった。
今ジョンはポールよりも十歳は年上に見えた。本当に異常事態だった。ポールは長く伸びたジョンの髪に触った。
「ねぇ、ジョン。ゆっくりやってこう? 大丈夫だから。ずっと傍にいるから」
「ずっと?」
ジョンがおうむ返しした。
「ああ、ずっとだよ」
そう云ってジョンを抱きよせた。ジョンは震えていた。
それがドラッグの禁断症状なのか何なのか判らなかった。
が、とにかくすべては急がなくてはならない。このままではすべてがアウトじゃないか。
174Ram On -3:2009/04/17(金) 02:29:31 ID:???0
弱弱しいジョンの肩を抱いて、ポールは専門医の門をくぐった。
ジョンはカウンセリングを受け、その後ポールが呼ばれた。

「あなたはレノンさんの恋人なのですか?」
五十代くらいのカウンセラーだった。彼はジョンのこともポールのことも知っていたろう。
だがやはり彼もプロなので、彼らを患者として扱った。
「恋人というのは少し違うと思います。ジョンには妻と子供もありますし。
僕は何でしょうね。仕事をやるうえでのパートナーだと思います」
カウンセラーは何かをノートに走り書きした。
「職業は?」
「音楽をやっています」
ポールは素直に答えた。
「クラシックですか?」
「ロックです」
「成る程」
そして又何かを走り書きした。
「あなた達の職場は、ドラッグを容易に手に入れやすい環境ですか?」
「Yes」ポールは正直に答えた。「テーブルの上に普通にドラッグが用意されています」
「レノンさんの他にドラッグをやっている関係者はいますか?」
「僕も含めて皆やります。でも、ジョンほどやる人間はいません。
メンバーのひとりがやはり多くそれを用いていますが、しかしそれはジョンほどではないと思います」
ポールが云うメンバーのひとりというのは、ジョージのことだった。
「そのメンバーとレノンさんは、あなたとレノンさん以上に親密な関係ですか?」
「それはないと思います」
カウンセラーはしばし黙り、部屋に沈黙が流れる。
ポールは待合室に待たせているジョンのことが気にかかっていた。
「よくあることなのですよ」カウンセラーが口を開いた。
「ドラッグにはまるのは、何も弱い人間だからというわけではないのです。
ちょっとしたきっかけなのですよ。本人もそれがなくては生きていけないなどとは考えないのが普通です。
タバコと同じで、癖のようなものです。何となく口にしてしまうんです。しかしドラッグは脳に多大なダメージを与えますから、その症状が深刻です。
レノンさんには何か大きな悩みがあったのだと思います。その時、たまたまドラッグが手に入りやすい環境に居た。それだけのことなのです」
ポールは頷きながらその話しを聞いた。
175Ram On -4:2009/04/17(金) 02:30:42 ID:???0
「では一体その悩みが何であったのか。それについてはこれからゆっくりカウンセリングで解決していこうと思います。
まずはドラッグを止める、ということですが、それについては本来とても時間がかかるものです。
いきなり止めようとするのは危険です。本来何年もかかる作業です。
なので、あなたもレノンさんにはドラッグを今すぐやめろとは云ってはなりません」
「はい…」
「そしてこれは大切なことですが、あなたの思うドラッグと、彼の思うドラッグというのはまったく別物だと認識すべきです。
環境上、どうしてもドラッグを切り離せないというのならそれも致し方ないでしょう。
まずは、今以上の量を摂取しないこと。そこからはじめましょう。
レノンさんへの家族への連絡は私からしましょうか」
カウンセラーは云った。
「いえ、僕から話しをします。そうしないと、ジョンは怒ると思います」
「成る程」
そして彼は微笑んで云った。
「レノンさんは良いパートナーを以ている」
ポールはカウンセラーと握手して部屋をあとにした。
そして二度と彼らがここに訪れることはなかった。
176861Hedge-hog:2009/04/17(金) 02:35:30 ID:???0
R「支援だよ!」
P「寝なくて、大丈夫?」
J「まったく、どいつもこいつも、好きだよなあwktk」
G「リンゴ、もう寝ようよ!」

JP「空気読め、ジョー!」
177861Hedge-hog:2009/04/17(金) 02:46:28 ID:???0
P「あれ、もう終わっちゃったのかな?」
J「まだだろ? いつもの挨拶がない」
R「ボク達の出番はなさそうだね」
G「きっともう寝ちゃったのさ」

JPR「…こればっかりは、ジョーに「違う」とは言えないなあ…」

「じゃあ、もう寝るね。風邪引かないように。おやすみなさい!」
178Ram On -5:2009/04/17(金) 02:56:16 ID:???0
帰りの車の中で、ポールはずっとジョンの手を握っていた。
ジョンはポールの肩に頭をもたげ、うとうととしている。ポールは先ほどのカウンセラーとの話しを思い出していた。
彼らを取り巻く環境は、カウンセラーの想像をぜっしている。
ジョンにこれ以上のドラッグをさせるなといっても、それは恐らく無理だろう。
ポールとて、ジョンの側に常につきまとっていれるわけでもない。
ジョンには帰る家があり、妻と子供がいる。そしてスタジオにはひっきりなしに大勢の人間が出入りしている。
彼一人の力ではどうにもならない。恐らくジョンはこれからも大量のドラッグに手を出し続けるだろう。
一体いつから僕らはこんな所に来てしまったのだろう。すべては僕たちが望んだ結果? こんなものが?
ポールは心の中で悪態をついた。彼らしからぬ酷い言葉で。
ジョンは子供のような顔で眠り続けている。ポールはとても悲しい気分になり、涙がこぼれないよう上を見た。
自分は無力だった。僕は何もしてやれないのかもしれない。
ジョンが壊れていくのを見つめることしかできないなんて、バカ者もいいところじゃないか。
ああ、でも頭が回らない。どうしてだろう、一体どうしたというのだろう。
窓から外を見ると、植物園が見えた。色とりどりの花。
ポールは運転手に止まるように云った。


ポールはジョンの手を引いて、植物園を歩いていた。一面バラが咲いている。とても静かな午後だった。
「カメラを持ってくればよかったね」
ポールがジョンを振り返って云った。
「うん」
ジョンは無邪気に笑った。そしてポールに抱きついた。
「いいよね、こういうのって。花がきれいでさ、鳥がさえずっていて。
余計な人間なんていなくて、こういうところでこそハミングしたくなるよね。
とってもナチュラルな感じだよ。
俺はこういうのが好きだよ。もしバンドが売れなくなったら、俺は郊外に家を買って庭の手入れをして生活するんだ。
一年中何らかの花が咲くような庭を作ってさ、そこにテーブルを置いて紅茶を飲むんだ。
まあ気が向いたらギターなんかも弾くよ。良いアイディアだと思わない?」
ジョンは夢見心地で話し続けた。
179Ram On -6:2009/04/17(金) 02:58:26 ID:???0
「ポールはダメだよ。おまえはずっと働くんだ。おまえにはそういう生活が似合ってるからね。
庭いじりしてるポールなんて想像できないしさ、お前にはステージが似合ってるよ。
ステージでのお前はスペシャルだよ。本当に素晴らしくって、俺も観客と一緒になって「ポール!」って叫びたくなる。
そんなお前と一緒にステージで歌うってどんなだと思う? すごく幸せなことだよ。
俺はおまえからステージを奪ってしまったことを後悔してる」
ポールはまた上を見上げた。そうしないと涙があふれてしまいそうだった。
「俺はジョン・レノンの大ファンだよ」
「それは嬉しいね」
ジョンは笑った。
「ちょっとしたミスさ。ただ、ちょっと着地点が思ってたのと違ったってだけさ」
ジョンはポールの髪を撫でた。ポールは今にも泣きだしてしまいそうだった。
「大したことじゃない」
ジョンは続けた。
「バンドはもう少し続く?」
ポールの瞳からこらえきれず涙が流れ落ちた。
「ああ、残念ながらまだ続くんだよ。本当に残念なことにね」
そこで言葉を切った。ポールはジョンを力いっぱい抱きしめた。
このまま彼を抱きしめていられたらと思った。しかしそれは無理な話しだった。
「ポールなら大丈夫だよ」
ジョンが云った。
「お前は器用だからね。そして気も強いしさ。本当に生意気なくらい気が強くて、時々凄く頭にくるよ。
でもそれくらい気が強くなくちゃ、やってけないよ。
俺はお前の強さが羨ましい。俺にはそれがないんだ。情けないことに。それが俺に決定的に欠けていることさ」
180Ram On -7:2009/04/17(金) 02:59:57 ID:???0
電話が鳴った。
「Hello…」
「Hi」
受話器の向こうからリンゴの声が聞こえた。
「決心はついたか?」
「うん」
「そうか」
選択肢はそれしかなかった。もう泣いてる暇はない。しっかりするんだ。ポールは自分に言い聞かせた。
「リンジー」
ポールは受話器の向こうのリンゴに話しかけた。
「これでよかったのかな」
「ああ、たぶんな。これが最良の選択だよ。ポーリィ。なんだ、泣いてるのか? 俺の胸で泣くか」
「泣いてないよ」
ポールは嘘をついた。
「泣かないよ。絶対」
そして目を閉じ、大きく深呼吸した。次の瞬間、ポールの瞳には冷たい光が宿っていた
ポールの強さは彼の最大の魅力であり、それは人を惹きつけてやまない。
そして同時に、愛する者を傷つける。意図的に、時として偶然を装って。
彼の外見からそれを読み取ることの出来る人間はごく僅かだ。
ジョン、そしてリンゴ。
しかしポールにとってはそれで十分だった。

さあ見ていて、僕らの最後のショーのはじまりだ。きっと君も驚くと思うよ。
それはずっと昔の話し、でもきっとこの名前を君はずっと前から知っていると思うんだ。


*****************************************
ありがとうございました
181売掛金:2009/04/17(金) 03:05:22 ID:???0
いやいや、投下途中にFabの皆さんから声が掛かるとは(大喜び)
ありがとうございます(嬉涙)
今ちょっと海外フォーラムで熱くなっていたので(あちらさんは今が日中らしい)そのついでとばかりに
過去のねつ造物を恥ずかしくもなく投下した次第です。
次回スラッシュは明るいものを・・・

>捏造イラストもしお描きになるなら、「why do〜」の方はJPで
あれをですか!おおう、私に描けるだろうか心配です。
ひどくガッカリな仕上がりになるかも判りませんが、頑張ってみます!!!
182861Hedge-hog:2009/04/17(金) 10:44:09 ID:???0
売掛金さま
せつねえ……。
お互いがお互いを理解しあってるのに、それが寂しさをより際立たせちゃう
なんて、皮肉だなあ。しかし、それこそFabである、とも言えるしなあ。
植物園の、人工的に作り出された空間でジョンが綺麗に笑ってて、ポールが
いきなり、一番好きな人から(もしかしたら最悪のタイミングで)嬉しい言葉を
貰っちゃって、もーなんも言えなくなっちゃって…。かわいい。でも辛いなあ。
…は! しまった、また私、アッチ行ってましたか? 反省反省。
あ、それと、すいません私の読解力がなくて、ちょっと最後が分かりづらかったのですが(えーん)
>>180の箇所は、ポールがビー脱退をマスコミに発表することを決意した、ってことでFAですか?
それとも、ポール自身がLSDを使ってことをリークする前? うう、すいません…。
イラスト、無理言っちゃってすいません。 もしお手上げでもかまいませんのでよろしく!
いいもの読ませていただき、ありがとうございました〜!ではまたノシ
支援Fabは、また出てくるかも知れませんYOww!
183真夜中は純潔 1/1:2009/04/17(金) 13:24:42 ID:???0
真夜中は純潔


「秘密を知りたい?」悪戯に、歌うようにジョンが云う。
何ー?何ー?!ジョージが飛び上がって聞く。お子様ジョージ坊やは知らない方がいいかもな、ジョンが云う。
「で、その秘密っていったいなんだい?まさか僕らが知らないような凄いこと?」
「凄いことだから秘密なんだろ。ほんとに知りたいか?後で知って後悔したり、この秘密を口外しないって云うなら教えてやってもいいぜ」
「ああ、いいよ。ばらしたりしないし、後悔しないよ」
「なんだか、僕は胃が痛くなってきたよ」ジョージはキリキリする胃を押さえ、飯のまずそうな顔をした。
彼は唸りながらトイレに行ってしまった。ジョージがトイレから戻ってきた頃、ポールとリンゴは既に行く事を決めていたので、ジョージのやつも誘ってやろうぜ、という笑顔でジョージに尋ねた。
「僕らも行くんだし、当然ジョージも行くよね?」
「う・・うん、勿論だよ・・・まさか行かない訳ないじゃないか」ジョージが冷や汗を浮かべた笑みで答える。
流石のジョージもポールにだけは逆らえない。彼は学生ジョージの先輩だったからか、いつもジョージが負ける。行かないと答えられなくなってしまったジョージは、結局半分ポールに強制連行される形で行く事になった。
さっきからジョージは青い顔でびくびくしている。何か嫌な事でもあると言わんばかりの顔である。
「本当に、いいんだな?もう後戻りはできないぞ?」ジョンが三人を前に、最終確認をする。
「うん」この時ばかりはポールとリンゴも唾を飲む。
184真夜中は純潔 2/2:2009/04/17(金) 13:25:44 ID:???0
二人の返事に、ジョンは自分の部屋に案内してドアに鍵をかけた。ここならシンシアも入ってこない。
「こいつが俺の秘密だ」ジョンは、愛猫の一匹を持ち上げた。
「なぁんだ。普通の猫じゃん。この猫が、どんな秘密を持ってるんだい?まさか・・・」ジョージは脳裏に獣姦という文字が浮かんだ。
ジョージの言葉に、よく分かったな、とジョンは悪戯に笑う。「そう、こいつ、バター犬ならぬシロップ猫なんだよ」
「え?じゃあこの猫とヤるのかい?僕はなんだか怖くなってきたよ」ポールが云う。
「ここまで来て逃げるのか?約束破るんなら、しなくてもいいんだぜ?」
そんな訳じゃないけど、ジョージが自信なさげに言う。
「僕、猫とヤるってどんなか興味あるんだ。早く見せてよ」そう無邪気に云ったのはなんとリンゴだ。
ああ、いいぜ。ジョンの目がそう物語って、彼はいそいそと服を脱ぐと、先ほどの愛猫を呼び寄せた。猫は、彼の開かれた秘所をペロペロと従順に舐め始めた。
猫特有のねっとりと舌がイイ所、即ち性感帯を突くので、さっきからジョンは酷く感じ入って何度も悶えた。
ジョンは荒い息をしながら、猫の頭を撫でた。「よし・・いい子だ・・・」
猫は頭を撫でられて嬉しかったのか、みゃあーと一声鳴いた。
猫の舌が、上下したり、挿入を繰り返したりする。猫は、蜜でぐちょぐちょに濡れたそこを、まるでミルク皿からミルクでも飲むようにぴちゃぴちゃという音を立てながら舐め始めた。
とびきり卑猥な音と、官能的な声が、部屋中に響いて木霊した。壁にもたれ掛かり、ただ、猫に身を任せ、頬を上気させるその姿はまさしくセクシュアルそのものだった。
185真夜中は純潔 3/3:2009/04/17(金) 13:26:24 ID:???0
ジョンは、小机からちいさな容器を取り出した。そして彼はその透明な液体を、腹や脚の付け根に塗りつけた。
液体から甘い、いい匂いがした。シロップのようだ。猫は、シロップの塗られたジョンの身体をペロペロと舐め、満足げな顔をしている。
ジョンは激しい快感で、腸がよじれるような感覚を感じた。ジョージは、興奮を抑えきれなくなってジョンをオカズに自慰を始めた。ポールとリンゴはその様子に唖然としている。
「何・・やってんだよ」ジョンがジョージをからかった。
「君もだよ・・」ジョージも息を荒げからかう。
ジョンが、身体をびくんと持ち上げた。絶頂が近いようだ。猫のほうも、また再び濡れたそこを舐めている。
ジョンは猫に舐められ、ジョージは自らの手で絶頂を迎えた。どちらともなく、同時に白濁した液を吐き出した。
猫はベッドからぴょんと飛び降りると、自分の役目を終えたといわんばかりに、自分の前足を舐めたりしている。
ポールはごくりと唾を飲んだ。「なんていうか・・いつもこんなことしてるの?」
「ああ、そうさ。驚いたろ?」ジョンは悪戯好きの子供みたいな無邪気な笑顔を向けた。
「凄い・・凄いよ、ジョン」二人の反応に比べてリンゴだけはまるで黄金を見つけたような顔で、興奮している。
驚きを隠せない人間たちをよそに、勝ち誇ったような顔で猫が、ドアから出て行った。


「さ、今夜も宜しくな」ジョンは今夜も猫に相手をさせる。



end
186ミハイル:2009/04/17(金) 13:33:28 ID:???0
おそらくこのジャンルでこんなもん書いたのは私だけかとwwww
実はこれ、今朝起きたら頭の中にあって、おそらく服部ミツカさんのバター犬のエロ漫画を読んで発色されたものかとww
なんていうか、猫ップレイですねww
うーん・・今回もあんまり長くなく、そして微妙にイマイチな気がしますが・・・
ふと猫飼ってる=獣姦みたいな図式が出来上がってまして、好評ならバター犬編(こっちはポール)を書く予定ですw
ビートルズで獣姦・・なんか斬新というか違和感ないと言うかw
不快な思いをされたらサーセンww861さん、売掛金さまどうでしょうか?w売掛金さま、中盤のエロシーンの挿絵を御願いしたんですが、よろしいでしょうかw?
ではやきそば食って体力つけてきますw
187861:2009/04/17(金) 17:34:38 ID:???0
ミハイルさま、乙!
>ビートルズで獣姦・・なんか斬新というか違和感ないと言うかw
すいません、ちょっとツボった…wwwww。
ジョンがにゃんこにこまされている情景は、まことエロスでございますw。そんで、
ポーリィはマーサにお願いしてるわけか…、そんな理由でこの2人は…こまった人らだ!
リンゴが昔飼ってた犬には、ジョージの好きなお花の名前をつけたのがいたそうですぜ!
そこからこれにリンク張ると…ぎゃお!とんでもねえwww!!!!(張るなよ)
どうせなら本人とやってくださいよ、お願いしますよリンゴさんwww!!!!!
焼きそばは美味しかったですか? 栄養つけて、またエロエロなFabを…www。
おばちゃん、照れくさくてどーもここまでできなくて。ヘタレです。がくっ。
ではまた後でノシ。SS,おいしゅうございました、ごちそうさまですー!
188売掛金:2009/04/17(金) 22:53:21 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
昨夜は支援をありがとうございました(^^)
最後の部分ですが、判らないですよね。
過去に書いたといっては投下してるものは元々30程度の短編で構成された連作の一部なのです。
書き直せばいいのにそのまま投下しているのでこのようなよく判らない部分があることを謝罪させて下さい。
最後のショー、これは架空のバンドSgt. pepper's bandのショーのことを云っています。
リンゴが「決心したのか」云々云ってるあたりは、この連作のストーリーの流れに由来しています。
本当によく判らん投下物で申し訳ございません。
以後はなるたけ新しく書いたものを投下できるよう努力致します。

> ミハイルさま
挿絵の依頼をありがとうございます。
しかしご指定の場所をそのまま描くことはパスを入れたとしても殆ど不可能と判断致しました。
代わりといっては何ですが、私の思いつく限りのブラックな絵を描いてUP致します。
ある意味こっちの方がひどい気もしますが、楽しんで頂ければ幸いです。
189861Hedge-hog:2009/04/17(金) 23:45:02 ID:???0
売掛金さま。
お疲れ様です!
>連作
ああ、そうなんですね。つまりこれまでの売掛さまのssは、ビーというよりは
「Sgt. pepper's band」を舞台にしたもの、と理解してよろしいですか(違ってたら
かっこわりい(泣)?
いえいえ、なんの遠慮が要りましょう。過去だろうと新作だろうと、
どんどん投下していっぱい読ませてくださいな。でも、もし次に過去のSSを
投下するときは(これに関連付いているときは)よろしかったら、
タイトルの前に「Sgt.」と付けていただければ嬉しいですww。
勝手を申して失礼しました。これから、ミハイルさまに刺激されてR/Gを書いて
きます。ここでのジョージは「犬」です。wwww。
ひどいブラックイラスト、端から楽しみにしていますwww。ではまた後で!ノシ
190売掛金:2009/04/18(土) 01:04:04 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
お疲れ様でございます。
すいません、しょうもない話に付き合わせてしまって(涙)
前スレで記しましたが、私が数年前に書いたものはビーメンバー以外の名前を知らない時期に書かれておりますゆえ
今読むと酷いものばかりです。がしかし、どのようにしてジョンとポールがそういう関係になったのかを書いた部分があります。
以後もしかして新しいものを書く際に、それを基準にしたいと思っておりますので
もう本当に恥ずかしいですし、読まれる方も苦痛とは思うのですが、
何度かに分けてもう2.3作、過去ものを投下させて頂ければと思っております。

前スレに投下したスラッシュ(彼らのデビュー曲レコーディング)からの続きです。
まさかこれを人様の前に出す日が来るとは思っておりませんでした・・・
書き直し致しませんのでめちゃくちゃです、読み飛ばして頂いても全然OKです。

・・・では恥ずかしさに耐えながら・・・
逝きます・・・
191【Sgt】 Rain -1:2009/04/18(土) 01:11:42 ID:???0
四人の存在は一晩にしてイギリス中の話題をさらった。
バンドは進行役にポールを据え、彼はそれを実にうまくこなした。
最初それをするように云われたのはジョンだったが、ジョンはポールこそ適役だと主張した。そして実際、それは大成功だった。
普段は無口なポールは、ステージにあがるとまるで別人そのもの、いや、楽器を持つと別人と云ってもよかった。
ジョンは自分のポールの違いについて考えることが多くなった。
ポールにあって、ジョンにないもの。皆、自分のアイドルが欲しかった。
しかし当のポールは実に冷めていた。
それを知っていたのはメンバーと関係者だけだったが、特にジョンはポールの異様に冷めた性格が気になっていた。
自分とはまったくの正反対。それがうらやましくもあったし、同時に、鼻についていたのも確かだ。

ステージ前の楽屋は熱気にあふれていた。
マネージャーはゲイだったこともあるだろう。楽屋は多数の花で飾られていた。
彼はメンバーに花を一輪づつ渡し、ジョージは渡された真っ赤なガーベラの花を面白そうに眺めている。
リンゴは受け取ったピンクのスイトピーをスーツの胸ポケットに入れた。
「ジョンはこれ」
深紅のバラが渡された。花に興味のないジョンはそれを脇に置いてマネージャーをひどくがっかりさせた。
気を取り直すようにマネージャーはポールの横に立つ。そして白いフリージアをポールに手渡した。
「なんで俺にはバラで、ポールにはフリージアなのさ」ジョンは云った。
「そういうイメージだからさ」
フリージアを受け取ったポールは笑いもしなかった。それをリンゴと同じく、胸のポケットにさした。
ジョンは投げ出したバラに目をやった。ゲイの考えることはよく判らなかったが、このマネージャーは嫌いではない。
いつだったか出席したパーティーで、ジョンの尻を触ってきた男から彼を守ってくれたのもマネージャーだった。
もし彼が間に入らなかったら、ジョンはその男を殴っていたかもしれない。
拳を握り締めるジョンを見つけるなり、ポールはジョークを振りまきつつジョンに自然と近付き、その日はずっと隣にいた。
192【Sgt】 Rain -2:2009/04/18(土) 01:15:09 ID:???0
ポールはソファーに腰掛け、じっと壁を見つめている。何を考えているのか判らない。ステージの前はいつもそうだ。
いつだったか、ジョンはポールが本気で呆けてしまったのではないかと心配したことがある。
しかしステージがはじまると、彼は実に陽気に振る舞い、はじける笑顔で歌った。
そんな彼と声を合わせるたび、どちらのポールが本当のポールなのだろうとジョンは首をかしげた。
そのギャップは時として、関係者の目に不審に映ったのは云うまでもないが、ポール自身はまったく気にしてはいないようだった。

楽屋の外がにわかに騒がしくなった。ドアが開き、醜く太った中年と、その娘らしきふたりが姿を現した。
その態度を見るに、どうもこの劇場のオーナーとその娘らしい。
娘といっても、彼らよりはいくつか年上に見えた。歯並びの悪い、背の低い女だった。
女は彼らを見て大きく目を見開き、興奮したように溜息をつく。その目は明らかにジョンを見ていた。
ジョンはまったく彼女に興味がなかったので、目を合わせないようにそっぽを向いた。
劇場のオーナーとその娘。そして今夜ここでショーをする若者。誰がみても力関係は明白だ。
女はパパに何か耳打ちしていた。ジョンはぞっとした。まったく彼の趣味じゃなかった。
勿論、女は嫌いではないジョンである。がしかし、何かの為に女を抱くことだけはしなかった。
それじゃまるで売春婦じゃないか。自分は違う。そんな気持ちが彼の中にあった。
女の目が執拗にジョンをねぶっているのが判る。吐き気がした。バラの花が目についた。嫌な気分だった。
と、ポールが立ちあがり、女の手をとりキスをした。
女は少しギョッとした顔をした様子だったが、ポールの例の笑顔にほぅと声を出して微笑んだ。
そして似合いもしない長ったらしいスカートの裾をつまんで会釈してみせた。
ポールはそれを見て、柔らかく笑った。
女がまたパパに何か耳打ちし、オーナーはポールと握手をした。ポールはニコニコ笑っていた。
ジョンはそれを見ないふりをしながら、内心ドキドキしていた。ポールが自分を助けてくれたのが判ったからだ。
もし女の視線による凌辱が続いていたなら、ジョンはどなり声をあげて彼女とそのパパを追い払っていたろう。
193【Sgt】 Rain -3:2009/04/18(土) 01:18:23 ID:???0
それがバンドにとってどれだけの損失なのか、頭では判っていても、でもやはり、ジョンはそうしただろうと思う。
その一歩手前にポールが空気を変えてくれたのだった。
ジョンは、年下のポールに助けられたことに腹立たしく思った。
- ジョンにはなくて、ポールにはあるもの。
ジョンはまたそれについて考え込んだ。

ステージはいつもの通りやって、そしていつも通りに終わった。
悲鳴に似た歓声を背に、彼らは急ぎ足で舞台の袖に戻る。
誰もが汗だくだった。ポールは笑顔が顔に張りついたのか、そのまま笑ったままで、肩で大きく息をしている。
ジョンはポールに肩に手をやると、そっとウインクした。今日も彼の進行は完璧だった。ポールはジョンに笑顔を返す。
と、機材の影に人の影が見えた。先ほどの女だ。こっちを熱っぽい目で見ている。
ジョンは仕事場に女が入ってくることを極端に嫌う性格だった。
女は仕事場には来てほしくなかったし、女と楽しむのはベッドでだけと決めているからだ。
ステージの興奮もあってか、彼は今にも女に殴りかかりそうな勢いだ。
女はこちらに小さく手を振った。ジョンは爆発しそうになった。
「Hi」
それに応えたのはポールだった。ポールは先ほどと同じ笑顔を保ちながら女に手を振り返した。
そして女に歩み寄って何やら話しをはじめた。誰から見ても、女がポールに気があるのは明白だ。
ジョンは激しくイライラした。仕事場にいる女は大嫌いだった。
ポールを引き戻そうと歩み寄ろうとした瞬間、マネージャーが彼の前に立ちふさがった。
ジョンは彼を睨んだ。わざとだと判ったからだ。ジョンはマネージャーに詰めより、低い声で云った。
「どけよ」
「何のことかな? どかないよ。というか、仕事だよ。インタビューを受けてもらう。今日は、ジョン。君への単独インタビューがあるんだよ」
「聞こえないな。俺はそんなの受けない」
ジョンは益々マネージャーに詰め寄った。二人はじっと見つめあった。ジョンの瞳は憎悪に燃えていた。
「仕事なんだよ。わかるね」
マネージャーは静かに云った。どいつもこいつもグルってわけか。糞ったれが。
194【Sgt】 Rain -4:2009/04/18(土) 01:20:02 ID:???0
ジョンは誰にも見えないようにマネージャーの腹に拳を入れた。
一瞬彼の身体が九の字に曲がる、しかし彼もプロだ。ジョンの前を開けようとはしない。
そしてジョンの手を引き、彼だけを別の控え室に連れていこうとした。
「ジョン!」
ポールの声に、ジョンは思わずマネージャーの身体をはねのけた。
「あんまり、俺の悪口を云うなよ」
ポールの言葉を聞いてまわりの人間がどっと笑った。
そして彼はジョンにウインクし、女の肩に手を回してステージ裏から去った。
残されたジョンは皮肉を返すこともできないまま、マネージャーに引っ張られるようにして楽屋に押し込まれた。
中には10名ほどのインタビュアーが、ジョンの登場を今か今かと待ち構えていた。
その日のジョンの単独インタビューは散々だった。
195【Sgt】 Rain -5:2009/04/18(土) 01:26:11 ID:???0
ホテルにつくなり、ジョンは車から飛び降りた。
外には雨が降っていたが、そんなの気にせず入口に向かって走っていった。
ばしゃばしゃと水が足元で跳ねたが気にはならない。
エントランスボーイが番をする時代遅れの回転ドアを抜け、フロントで鍵を受け取ったジョンは、エレベーターに飛び乗った。
そのホテルは地元の高級ホテルだったから、同乗した老夫婦は雨に濡れっぱなしのジョンを、まるで汚物のように眺めて顔をしかめた。
十階に付き、転げ落ちるようにエレベーターから降りる。閉まる自動ドアから「Jesus…」という老女の声が聞こえた。
ジョンはポールの部屋へ急いだ。ドアノブに手をかけたが、鍵がしまっている。
乱暴にノックしたが反応がない。まだ戻っていないのか。
胸騒ぎがして、またドアをノックした。部屋からは何の反応も返ってこない。
かわりに、隣の部屋のドアが開き、リンゴが顔を出した。
「ポールは?」
ジョンはリンゴに訪ねた。
「まだ戻ってないよ。それよりジョン、早くシャワー浴びないと風邪ひくよ」
のんびりしたリンゴの声がもどかしかった。
ジョンはドアをもう一度叩き、そしてあきらめたように自分の部屋に入っていった。
部屋の中は静まり返っていた。窓の外を見る。雨脚が激しくなっている。
深いため息をして濡れた服のままソファーに座りこんだ。

いつの間に寝てしまったのだろう。ジョンは暗闇の中で目覚めた。
雨に濡れたままで居眠りしたおかげで、身体が冷えている。
身ぶるいして服を脱ぎ棄て、そのままシャワー室に入り蛇口をひねった。
…そう、ポールはもう帰っただろうか。
ジョンはそう思うと大いそぎでシャワー室から出て身体をタオルで拭いた。
ジーンズとTシャツを着、ポールの部屋の前に立つ。
ノックをしたがやはり返事はない。ジョンはひどくガッカリした。
自分の部屋に引き返そうとした瞬間、ドアが開いた。寝むそうな顔をしたポールの顔がのぞく。ジョンはポールの部屋に強引に押し入った。
「ポール、いつ戻った」ジョンはポールの背中に向かって怒鳴った。
ポールはジョンの問いを無視してスタスタと部屋の奥に消えた。ジョンがその後を追う。そしてポールの腕をつかんだ。
「いつ戻ったか聞いてるんだ」
ポールはその手を払った。
「ポール!」
「うるさいよ」
196【Sgt】 Rain -6:2009/04/18(土) 01:30:18 ID:???0
ふたりは闇の中でにらみ合った。ジョンはひどく感情的になって、ポールを平手打ちした。
ポールは顔を傾け、声ひとつたてない。
もう一度、今度は反対の頬を打った。やはりポールは何も云わなかった。
ジョンは立て続けにポールを打った。あまりに打ちすぎて、ついにポールはその場に倒れた。
それでもジョンの気持ちは収まらず、ポールに馬乗りになり、ところかまわず打ちまくった。
誰かがその姿をみれば、一方的な暴力に見えただろうし、実際そうだった。
しかしジョンはすっかり感情的になっており、そして部屋にはふたり以外いなかったから、誰も彼を止める者などいない。
ジョンはポールを打ち続けた。ポールは身体を丸めて、必死にそれを耐えていた。
息が切れ、ジョンは打つのを止めた。そしてその場に座りこんだ。ポールは床にうずくまったままだ。
外の風が窓を打ち、我にかえったジョンはポールを抱き起こした。
ポールは鼻血を出してぐったりしている。ジョンの血の気が一気に失せた。
急いでタオルを手にとり、洗面所で水に濡らし、それでポールの顔を拭いた。
ポールはぐったりしたままだった。ジョンはすっかり気が動転してしまった。
こんなになるまで打つなんて、俺は何をしているんだ。どうすればいいんだ、判らない。
そうだ、マネージャーを呼ぼう。いや、それはまずい。そうだ、リンゴを呼ぼう。いや、違う、ホテルマンを呼ぼう…。
もうジョンの頭の中はぐちゃぐちゃだった。
考えがまとまらないことに彼はいらつき、そしてそんな自分に涙が出そうだった。
年下のポールをこんなになるまで殴って…。
ポールが何をしたって云うんだ。どうしてここまで己の感情を制御できないのか。
そう思って、ジョンは自分が本当に悔しくなった。情けなかった。そんな自分が大嫌いだった。
すべての発端は、感情まかせの自分の行動なのだ。
それを彼が一番よく知っていた。知っているくせに、どうすることも出来ない。
そして今はメンバーのポールをこんなになるまで殴ってしまった。最低だ。
「う…」
ポールが苦しそうに目を開けた。
「ポール、大丈夫か?」
ジョンは必死にポールを揺さぶった。
自分で殴っておいて、今度は揺さぶって気遣う。異常者のすることだった。
俺は頭がおかしいのかもしれない。どうして、どうして…。
197【Sgt】 Rain -7:2009/04/18(土) 01:32:53 ID:???0
ポールはしばらく視線を彷徨わせていたが、ジョンを見つけるとそっと彼の頭を撫でた。
ジョンはその手に頬を充てた。最低な者のすることだった。
自分のぶちまけた罪を、傷つけた相手に癒させているのだ。人間として最低じゃないか。
しかしジョンには、そうするしか方法が見つからなかった。
ジョンの正気は臨海寸前だった。いや、今まで正気でいれたのが不思議なくらいなのだ。
もっと早く狂っていたなら、ジョンはまわりの人間を不幸にすることはなかったのだ。ジョンは己を呪った。
「痛いな…、まったくジョンは元気だね」
ポールが憎たらしい声で云った。ジョンはそれに返す言葉がなかった。
「ベッドに連れていって」
云われるままにジョンはポールをベッドに運んだ。
といっても自分と同じ身長の大の男だ。身体は当然のように重かったが、それに耐えた。
今ジョンがやれることといったら、ポールをベッドへ運ぶことしかなかった。
ジョンはタオルを濡らしに洗面所に行った。そして何度も何度もポールの顔をそれで拭いた。
ポールの顔の半分は腫れあがっていた。それを見ると、如何に自分が力まかせにポールを殴ったのかが理解できた。
ジョンは逃げ出したいと思った。卑怯なのは承知だ。
逃げるか、それとも狂うか。
そんな極端なことしか考えることが出来なかった。
ポールはそんなジョンをじっと見つめていた。
「ジョン」
ポールの言葉にビクっとした。
「嫉妬するよ」
ポールは云った。
「お前はクレイジーだけど、俺なんかよりずっとマシさ」
ジョンはポールの云っていることが理解できなかった。
「何を…。こんな俺のどこが羨ましいんだ」
「いや、羨ましくてたまらないね。俺はお前みたいになれない。そんなに、真剣になれない」
198【Sgt】 Rain -8:2009/04/18(土) 01:36:32 ID:???0
ジョンはポールの手にすがった。ポールはどんよりした瞳で天井を見つめていた。
そもそも事の発端が何だったのか、今はそれを思い出すことすら出来ない。
しかし、あの時、ポールがジョンの前に立ってくれなかったら、ジョンは彼女に何をしていたか判らなかった。
それらすべてを穏便に済ませてくれたのはポールだったというのに。
云うなれば、ポールはジョンの身代わりになったのだ。なのに、だというのに、そんなポールをジョンは力任せに打ったのだ。
「本当にすまない…」
ジョンは心から謝罪した。ポールはそんなジョンの様子を見て笑い、楽しげに指にジョンの髪の毛を絡ませて弄んだ。
ジョンはポールの手を握ったままベッドの横に膝まづき深く頭をさげ、その姿はまるで何かに祈っているようだ。ポールは静かに目を閉じた。
「明日のステージが終わったら、一緒に寝よう」
ジョンはびっくりした。「何だって?」オウム返しした。ポールは目を閉じたままだった。
「寝ようって云ったの。Okay?」
蝋人形のように横たわったポールの口からそんな言葉を聞くとは思っていなかったジョンはしばし呆然とした。
「寝ようって、お前…」ジョンはしどろもどろに云った。「お前はゲイなのか?」
「まさか」ポールがすかさず返した。
「ただ、一緒に寝たくなっただけ。それだけじゃダメかい?」
「ダメかいって…。そんな、俺はお前と同じ男だぞ。ゲイじゃないのに、なんで男の俺と寝たいなんて思うんだよ」
ジョンはそう云いながらドキドキしていた。
ゲイを心底毛嫌いしているジョンである。あの日のキスはそういう意味ではないと思っていた。
というか、まったくそういう風には感じていなかった。
ポールがゲイでないのは誰の目にも明らかだ。
あの日、ただ、ポールのキスを自然と受けただけだ。自然と…。ジョンは顔を真赤にして口をぬぐった。
199【Sgt】 Rain -9:2009/04/18(土) 01:43:31 ID:???0
「A simple yes or no will do, John?」
ポールの声は裏腹に凍りのように冷たかった。
「仕返しか?」ジョンはなんとか己を立ち直らせようとした。「仕返しなんだろ?」
「yes or No」
「お前は仕返しで他人のケツを掘るのか…」
その言葉にポールは噴き出した。ジョンはひとりで顔を赤くした。
「まだ、こう、殴り返すとか何かあるだろう…。ケツを掘ろうなんてどういう発想だよ…」
ポールは腹を抱えて笑った。
ジョンはポールが何を考えているのかさっぱり判らなかった。
心のどこかで、それが冗談であると信じたかったし、そして同時にポールの謎めいた言葉に何かを期待していた。
ポールは実に楽しそうに笑っている。
そして一瞬笑うことを止め、ジョンの顔を見つめ、そして指で自分にキスするように云った。
ジョンは薄暗い部屋の中でポールの目を見つめた。
ポールの目には一点の曇りもなく、その表情からは何の意図も読み取ることが出来ない。
雨はいつの間にかあがっていた。

*************************************
ありがとうございました



いやいや、これは本当にどうなのという感じでございますね(苦笑)
ひとりでこんなものこそこそ書いていたなんて、己の人格を疑ってしまいそうです。
ところでひどいブラックなイラストですがアップローダーにUP済みでございます。
なんだこりゃというシロモノですので、こころゆくまで大いに蔑んで頂ければと思っております。

では861Hedge-hogさまとミハイルさまの素敵なスラッシュを期待しております。
失礼致します。
200861Hedge-hog:2009/04/18(土) 03:55:03 ID:???0
書いてて眠くなってきたから、遊びにきたらアラ、こんな素敵なSSが!!
…なんか、私ごときが書くことないやん(涙)。ジョンのDV、大爆発!
でもポールはオトナだから、引き受けるの。まったく手のかかるリーダーですことwww!
ポール生傷絶えないなあ…。
ああ、でも後々、綺麗な笑顔でジョンはポールを認めるのですねえ<Ram on
全てが、あの植物園のシーンに集約されるなら、しょうがないやw。ヘタれ、ジョン!
ああーそれにしても、ポール…。売掛さまは、ジョンも絶品だけど、私は…ポールが、
この、ポールが…。ああ、もうたまらん!←なんだこれ。
ホントに、私、出番ないなあ…。JPとか書こうと思ったけど、止めとこうかなあ…。
(いえ、ちゃんと書こうと思ってますwwちょっとだけ弱音を吐きました)。
R/G、も少しで出来ますが、もーベタもいいところの話の展開で恥ずかしいたらありゃしない。
開き直って投下しますけど。笑わないで…笑うのは、私のいないところで笑ってくださいね…。
あ、イラスト見てきました。んー、なんてブラックな! 深く考えたらエロ?だけど後ろのポールで
「ああ…」と安心多い日も安心。多いの、蛸がね。    
 ―― 蛸?
 訳わからんうちに、これにて。眠いやら真夜中やらで、煮詰まったレスにて失敬ノシ!

PS.売掛金さま、(そんなこともないと思うが)
ヘンに気を使って「SS投下を遠慮」とか言わないでくださいね。
これからも、よかったらSS,イラストを拝読、拝観させてくださいませ!
私も微力を尽くします。では自作スラッシュに戻りますーノシ
ええもの読ませていただきました。ごちそうさまでした!そしてタイトル【Sgt.】
付けていただき、重ねて感謝ですーwww
201861Hedge-hog:2009/04/18(土) 06:10:45 ID:???0
あー、できた。
そういえば、前のレスで200ゲトしてたんだなー。そんなこと意識する暇もなかったww。
えーと、書いたんですけどね。R/G。
でもね、なんだか皆様に煽られちゃって、つい「ヤッチャッタ」かもしれないの。
下品ですいません。
ヘタでごめんなさい。
そして天国のジョージ。ごめんすまん許して! 
超絶ベタなSS。後で見返したらきっと赤面するに決まってる。でも皆、道連れになって
もらいます。いえ、なってください。お願いします。
笑うも泣くも、自分の覚悟。いっちゃえやっちゃえR/Gww!! 顔○もありだぜ!
タイトルはそのまんま「I'm Your TOY-DOG」で「ばっちりいってみよ〜」
202I'm Your TOY-DOG /1:2009/04/18(土) 06:28:21 ID:???0
落ち着かない日が続いていた。
 気がそわそわして、集中できない。
 イラついた表情で、ジョージは皆がたむろしている部屋から出て行った。わざと足を踏み鳴らし、肩を怒らせて
ドアをバタンと閉める。
「あいつ、どうしたんだ?」
 カードを引きながらも、あっけにとられたジョンの問いにポールが肩をすくめる。長い長い演奏旅行だ。ストレスが
溜まるのも無理はない。それにしても、である。
「ジョン、悪いんだけど」
 手元のカードを揃えながら、リンゴが声をかける。
「今日はジョーと僕を同室にしてくれないかな?」
 その言葉に、ジョンとポールは顔を見合わせたが、すぐさま「ああ!」と手を打って、OKと頷いた。
「ありがとうジョン。すまないね、ポール」
 二人は、にやにや笑いで首をふる。まったく、リンゴの察しの良さには頭が下がる。
「ホント、すまないね二人とも」
 にやりと笑って、リンゴが手元を広げる。
「スペードのフルハウス。また僕の勝ちだ」
 一瞬で、ジョンとポールの顔つきが変わった。

 ジョージが、部屋のドアのかしぐ音でベッドから顔を上げると、そこにはリンゴが何時もの優しい笑顔で立っていた。
「ジョー、ワインでも飲まないか?」
 いつものジョージなら二つ返事で寄ってくるところだが、今日は物憂げな顔を不機嫌にしかめ、無言のままベッドに
つっぷした。
「イラついてるなら、女の子でも呼んでもらえば…」
「いやだ、もう飽きたよ!」
 鋭い声で、ジョージが答えた。
「下らない連中にあうのも、下らないショーを繰り返すのも、下らない仲間とだらだら過ごすのも真っ平だ!」
 そういい捨てると毛布を被りなおしてそっぽを向く。やっぱりそうか、とリンゴは落ち着いた目の色のまま、彼の
ベッドに近づいた。
 そして、そっとジョージのそばに腰を下ろす。ジョージは振り返りもしない。
203I'm Your TOY-DOG /2:2009/04/18(土) 06:42:13 ID:???0
「僕の家では、犬を飼っていてね」
 ワインの栓を抜きながら、リンゴは独り言のように話し出した。
「僕がいなくてもモーリンが寂しくないようにと思ってさ…」
 そして、真っ赤なワインを一口含んでにやっと笑う。
「これが、どういう意味かわかるかい?」
 その声が含むものを察して、ジョージは顔を強張らせてリンゴを見上げた。リンゴは、ワイングラスをダッシュボードに置いて、
ぐっとジョージに迫る。
「耳聡いんだね、ジョーは」
 そして、するりとその顎に指を添える。
「そんなマセた子供は、お仕置きが必要だ」
 ワインが、リンゴの口からジョージに移る。突然のキスでジョージの眉が苦しげにしかめられた。口元からワインが筋を作る。
「本当に吸血鬼みたいだ」
 リンゴが思わず笑った。ワインは、ジョージの唇を染め、パジャマとシーツを汚した。
 呆然と、ジョージはリンゴを見つめた。何が起こったのか理解できていない子供のような表情だった。そんなジョージを
リンゴが笑った。口の端をゆがめ、相手を見透かす目つきで。
 ぎくりとジョージが身を強張らせた。
 しかし、身体のどこかが熱くなる。心がなにかを期待しはじめる。
 そんな彼に、リンゴが命令を下す。
「今日はジョージ、君が僕を慰めるんだ。そうだよ」
 いきなりリンゴの手がジョージの髪を掴むと、ぐいと引っ張り、彼の顔を自分に寄せる。
「ジョージ、今日の君は、僕の犬だ。イヌはイヌらしく、飼い主に従属しなけりゃな」
 ジョージが背中をぶるっと振るわせる。リンゴの、ガラスみたいな青い目がこちらの裏まで射抜くように見つめてくる。
 リンゴの声が魔法のように耳に響く。あの、低く、心の底に溜まるような声でジョージに告げる。拗ねて使い物にならないと
放り捨てられたいか? 目を逸らせないままジョージはおずおずと首を振る。ワインは、味だけを口に残してすっかり乾き
あがっている。心臓の音がうるさいくらい響く。
204I'm Your TOY-DOG /3:2009/04/18(土) 06:52:20 ID:???0
 リンゴは竦みあがるジョージの目に、期待の色を見てとると「おやおや」と心で呟いた。しかし、そんなそぶりは見せずに
冷笑を浮かべてジョージに言いつけた。なら、役に立つところを見せてもらおうかな?
まず、俺にキスしな。話は、俺を満足させることができてからだ。リンゴが部屋に入ってきた時とは、打って変わったような
ジョージの姿だった。ふてぶてしいふくれっ面はすっかり消えうせ、変わりに弱々しい視線が恐々とリンゴの様子を伺う。
僅かに震える顎が、よろよろとリンゴに近づいていく。
 一瞬、ジョージの唇がリンゴの前でためらった。その背中をぐっと引き寄せ、リンゴはジョージに深く口付けた。身体をリンゴに
預けた形になり、ジョージは身動きがとれない。そのまま、リンゴの舌がジョージの口をたっぷりと潤していく。丁寧に、しつこい
くらいに口を犯されても、ジョージはなすすべもない。息が詰まらないようにするのが精一杯だった。
 顔の角度を何度も変えて、リンゴはジョージにキスを繰り返す。彼の身体から力が抜けたのを見計らって、リンゴはジョージから
やっと顔を離す。ジョージはぐったりとリンゴの肩にもたれかかった。小さく身体が震えている。リンゴの手が僅かに動くと、短い
喘ぎが喉にくぐもった。かなり敏感になっているようだった。
 リンゴはジョージに気付かれないように、一瞬目線を天井に向けた。やれやれ、と笑ったが、すぐにジョージに目を戻すとさっさと
彼のパジャマのボタンを外していく。
205I'm Your TOY-DOG /4:2009/04/18(土) 07:01:11 ID:???0
「…待って、リンゴ」
「口答えか?」
 ジョージは必死で被りをふる。ここはジョンと僕の部屋だから、ジョンが帰ってくるよと訴える。見られたくない?リンゴの問いかけに
ジョージは目尻に涙を浮かべて頷く。恥ずかしいの?この問いにも、そっと頷く。
「ジョーはこんな風に」
 そういいながら、リンゴがジョージのパジャマを剥いだ。細い体があらわになる。
後ろから抱きしめる形になって、リンゴはジョージの顎を掴んで自分の方にむける。そしてじっくりとジョージに問いかける。
「俺に剥かれながら、あちこちいじられてくしゃくしゃにされるのを喜んでいる姿を、ジョンに見られるのが恥ずかしいのか?」
「そんな言い方しないで…」
「犬のくせに、生意気いうんじゃないよ」
 怯えるジョージの目をリンゴが覗き込む。青い目に飲み込まれそうになって、ジョージがまた身体を固くする。
「お前は俺が言うとおりのことをしていればいいんだ。その辺をまだ分かってないんだな」
 そう言うと、すっと身体を引いて、両手もジョージから離す。
「分かったよ。そんなに俺の言うとおりにできないのなら、自分でやりな」
「え?」
「俺にされるのを見られるのが嫌なんだろう? だったらほら、自分でやりな。俺がお前にしてやろうと思っていたことを」
 そして続ける。僕がお前に何をしようとしたのか、して見せてごらん。もしそれが合っていたら、このまま部屋を出て行くよ。外れたら、もっとひどいことをするかもね。
 あいまいな笑みを浮かべて、リンゴが言う。さあ、どうする? 早くしないとジョンがくるかもよ。それは卑怯な言い方だった。彼はもうジョージと相部屋になっているのだから。
その事実をまだジョージは知らされていないのだ。
 ベッドにゆったり構えたリンゴと、寝室のドアを何度も見比べて、ジョージはやっと心を決めた。リンゴはそんな彼を自分に寄りかからせ、後ろからささやきかける。
「ほら、やってごらん?」
 ジョージが息を呑んだ。そして、そろりと手がパジャマのズボンに入ろうとした時
「だめだ、ちゃんと下ろして」
 リンゴの声が残酷に響く。
206I'm Your TOY-DOG /5:2009/04/18(土) 07:11:45 ID:???0
「聞こえないのか、ジョージ。ズボンを下ろして、ちゃんと俺に見えるようにするんだ」
 ジョージは泣きそうな目をリンゴに向けていやいやをした。しかし、リンゴは許さない。
「ジョンを呼ぼうか? 隣にまだいるかもしれないぞ? 呼ばれて、自分の寝室でこんなことされてると分かったら、奴はどうでるかな? 
それも楽しそうだな。呼んでやろうか?」
 てか、きっとジョンはこの隣でポールと一緒に、コップを耳に付けてるだろうなとリンゴは思った(そしてそれは正解だった。…アホや…w)が、
それはそれとして。
 ジョージは、リンゴの真意が分からなかった。なぜいきなり自分にこんなことを始めたのか。しかし、それを尋ねることはできそうにない。
何故なら自分はすでに、リンゴの犬であることを認めてしまった。理不尽なリンゴの態度に、怒りもしなければ逃げもしなかった。むしろ、
心の底から喜んでいたくらいだ。
 翻弄され、なすすべもなく飲み込まれていくことを。
 これから起こることへの期待と、恐れ。目がくらむような悦びに、すっかり心を奪われてしまった。
 いうことを聞くのか聞かないのか? 乱暴なリンゴの問いに、ジョージは負けた。リンゴに預けている背中を曲げて、自分のパジャマに手を
かけると、そろそろと下ろしていく。
 無防備にさらされたそこは、血が集まり始めているようだった。リンゴが鼻で笑ったのが分かって、ジョージの顔に血が昇った。早く始めなよ。
リンゴがせっつく。しかし、ここにきてジョージがまたためらいを見せる。
「どうした?」
 ジョージの手が、そこへ何度も伸びかけるが、どうしても掴むことができない。「見ないで…これだけは。お願い」怯えが濃い声で、彼はそう
言った。リンゴはその言葉は想定していた。にやりと笑うと、ジョージの目を両手で塞ぐ。
「俺じゃなくて、お前が見えなくなればいいのさ。ほら、ぐずぐずするな。廊下を歩く足音がするぞ」
207I'm Your TOY-DOG /6:2009/04/18(土) 07:21:19 ID:???0
 びくっとジョージが震えた。そして唇をかみ締め、息を一つつくと、やっと意を決して手を伸ばした。
「…はあ」
 最初は柔らかく掴み、そっと上下に動かし始める。自分が見えないだけでも、随分気持ちが変わる。リンゴの手が瞼に気持ちいい。ジョージはつい、我を忘れて
手をうごめかせた。身体が熱くなり、息が弾む。追い詰められる緊張と、腰を震わせる心地よさを、ついに両手を使って追いかけ始めた。強く手で押さえつけられた
頭を、それでも激しく振って彼は己の施す愉悦に身を委ね切っていた。
 あともう少し、となったその時だった。
「ジョージ、教えてやろうか?」
 心臓が凍りついた。リンゴの声だ。ジョージは自分がどんな状況に置かれているのか思い出した。そして、今の自分のあられもない姿を想像して、激しい恥辱に
息をするのも忘れた。
 リンゴはジョージのそんな気持ちをとっくに承知で、しかし責める声を止めない。心の底に溜まる声で彼はジョージにささやきかける。ジョージ、お前の手の中で、
どれだけ膨れ上がってるか教えてやろうか? どれだけ嫌らしい声を上げていたか。ヘタなブルーフィルムなんかよりよっぽどエロかったぜ? 俺がそこまでやると
思ったのか。
「片手じゃ足りないくらい、パンパンに膨らませて。先もヒクヒクさせて、蜜みたいな液を水のみ場の飲み口みたいに垂らしてるよ。まったく、おイタが過ぎるなこの犬は」
 リンゴの言葉が、ジョージには見えない自身の姿を想像させる。はしたなく口を開いて、嬌声を上げながら、人の目も忘れて自慰にふけった自分が、目で見るより生々しく
思い起こされ、ジョージは強い恥じらいと共に湧き上がる、激しい快感に心を引っ掻き回された。
「どうしようもないな、ここまで言われてもまだ止めないなんて」ほらほら、よだれを零すんじゃない。スゴイ顔だな。場末の売春婦だってここまでの顔見せないよ。
自分のをいじるのは、そんなに楽しいのかい? ん?
 ジョージの口からは、もう訳の分からない声しか出てこなかった。答えることもままならない、反論なんて考えもつかない。リンゴは声だけでジョージを責めきっている。
彼自身、ジョージには一つも触れていないのだ。ただ、ジョージの背中を自分に預けさせ、ジョージの頭の上から彼を見下ろし、その狂態に茶々を入れているに過ぎない。
208I'm Your TOY-DOG /7:2009/04/18(土) 08:26:41 ID:???0
 しかし、その声がジョージに様子を克明に説明するだけで、ジョージはどうにもならないほどの強い快感に翻弄された。息を凝らし、目を硬く閉じて、彼は飼い主が与えて
くれる僅かな刺激を自分の中で十倍にも百倍にもしてむさぼった。
「ひゃあああ!!! ああ、は、ひィっ!! んっ、んあ、ああああああん!!!!」
 そして
「勝手にいこうとするんじゃない、この駄犬が!」
 リンゴの声が、ジョージの蕩けた心を突き刺した。
 いきなり、視界が明るくなる。同時に、ぐい、と両手を引き離される。
 荒い息で、ジョージは目を開けた。リンゴが冷たい目でジョージを見下ろしていた。
 ジョージは何時の間にか、リンゴの膝まで身体が落ちていた。乱痴気騒ぎが突然やんだような、空虚な空気がジョージを見下している。
「俺がやるようにやれ、といったはずだ。そして俺は、お前を「イカせてやる」と言った覚えはないぞ。どうだ、ジョージ?」聞いたのか、お前の耳は! そう言って、
リンゴはジョージの髪を掴む。そしてガクガクと人形をもてあそぶように振り回した。
「聞いて、ません」
 ジョージがなんとか答える。しかし、怯えているはずの心が不思議な陶酔で満たされているのを彼は自覚していた。リンゴが自分に粗野な振る舞いを見せるたび、
自分を「犬」と蔑むたび、彼の自尊心は傷がつき、その痛みがなおさら歪んだ愉悦を引きおこしていた。
「許して…ご主人さま…」
 恍惚の涙を浮かべて、ジョージが呟いた。リンゴは、そんな彼の様子をみて満足と「ヤッチマッタ」と後悔の念を思った。しかし、ここはちゃんと仕上げてやらねば
ジョーが可哀想だ。自分の両の頬を叩くような気分で、リンゴはジョージをねめつけると「最初に言ったよな? お前が俺を慰めるんだと。――慰めるの意味は、
分かってるな?そうじゃなかったら」ハッとジョージが目を見開いた。もし、できなかったら捨てられる――。このままで、生殺しのままで放り出される。そして
リンゴはきっと、二度と自分には触れないだろう。それどころか、目もくれないかもしれない。そう思うと、ジョージの背筋がぞっとした。彼は今や完全な犬だった。
209I'm Your TOY-DOG /8:2009/04/18(土) 08:34:35 ID:???0
 捨てられるのを極端に恐れる、やっと拾ってもらった犬。
 与えるだけ与えられて、気を許した時においていかれる犬。
 蒼白になった顔に、リンゴが頷いて半分体を起こすと、やるべきことを顎で指図する。
 ジョージが、リンゴの足の間に身体を沈めると、スラックスのジッパーに手を掛けた。
 震える手でそれを下ろし、そっと手を差し込むと、さすがにそれは硬くなりかかっていた。
 目で許しを請うたジョージに、リンゴが促す。ジョージは何故か嬉しくなった。ご主人さまが自分の姿に反応してくれたことと、自分に全てを任せてくれたことに、
深い悦びを感じていた。
 下着の上から何度もそれを擦りあげ、口をあてがい息を吹き込む。すると服地が息で熱くなり、敏感な場所をうまく刺激する。
 リンゴの身体がぴくりと動いた。自分の前髪の間から覗くと、リンゴはゆったりとした目で、こちらを見つめていた。飼い犬が言うことを聞いているのを喜んで
いる、そんな目だった。ジョージはそんなリンゴの姿に、腰が重く痺れるのを感じた。興奮が返ってくる。もどかしくスラックスのボタンを外し、下着から充分に
強張ったそれを引き出すと、ためらいもなく唇を寄せた。丁寧に舐め上げ、その周りにまで両手を一杯に使って撫で回し、熱を含んだ口内にそれを咥えた時、
リンゴの短い喘ぎがジョージの耳に入ってきた。自分の興奮よりも彼はリンゴを――己の飼い主を優先した。彼の手がジョージの髪に差し込まれたが、それは
ジョージにとっては強制ではなく頭を撫でるのと同じ行為だった。じゅぶっじゅぶっ、と粘りのある水音がジョージの頭の下から響き、そのたびにリンゴの顎が
上がっていった。時々見上げると、リンゴが目をきつく瞑って、顔を赤くしながら何かに耐えていた。それを見るたびジョージの背筋に強い奮えが
走り、腰がつい動いてしまうほどの快感が湧き上がった。被虐と加虐の間で引き裂かれながら、その混乱がジョージをなおさら歪ませた。
210I'm Your TOY-DOG /9:2009/04/18(土) 08:37:57 ID:???0
「ん、んんん、んふ、ふう」
 「ご奉仕」に夢中になって、ジョージの息が荒くなっていく。リンゴの口からも甘い喘ぎが聞こえ始める。お互いが一体になっていくのが、
息のテンポで分かった。
 くちゅ、と吸い付く音がして、リンゴの身体がびくんと跳ねた。痛くないように十分気を使って吸い付いてくるジョージの口は最高だった。
その急成長ぶりにリンゴは驚かされた。
「…ジョージ…いいよ」
「ふ?」
「イイコだよ…、お前は」
「んん、んふ」
「したいのか? まだだめだ…。もう少し…舌を使って…、ああ、ん、いいよ。さあ、おやり」
 ほら、と促されて、ジョージは自分のものに手を添えて、思う存分動かした。
「あ、はああ!! んああああっ!!」
 苦しくてつい口を離すと、飼い主から注意を受ける「ほら、また。忘れてるぞ」あわてて顔を戻すが、つい自分の方に気が行ってしまいそうになる。するとまた。
「ん、んう、んぷ、ふぐう」
 ようやく、自分と主人とのテンポがあってくる。リンゴの身体が九の字に曲がり、来るべき時に備えている。
 ジョージはすでに、意識が半分飛んでいた。ただただ夢中になって、自分と、主人の快楽に従属している。
「ジョー…あ、出すよ。ああ、もう…でる…!!」
 ご主人様のいいつけに、犬は尻尾を振って喜んだ。
 口の中が、ぐっと熱くなる。
「んぐ、ぷは、ああ」
 受けとめきれずに、口を離してしまったジョージの顔に、リンゴの満足の印が溢れかえった。
「はあ、あ、あああああ!!」
そして、自身もその手の中で最後を迎えた。顔を汚されながら、その被虐の最たる中で迎えたそれは、今まで感じたことのない悦楽だった。気が遠くなりながら、
ジョージはリンゴを見上げた。彼もまた、ぐったりと横になっている。
 よかった…満足したんだ…。そう思ったとたん、安堵が彼を包み、そしてやっと、目の前が暗くなった。
211I'm Your TOY-DOG /10:2009/04/18(土) 08:45:34 ID:???0
 ジョージの顔を拭い、服を調えて毛布を掛けると、リンゴはそっと廊下に出た。
「よ、お疲れ」
 ジョンがその後ろから気楽な声をかけた。
「…やっぱり聞いてたな」
 苦笑いのリンゴにジョンは、罪の意識のかけらもない明るい笑顔をかえした。
「ま、そう言うな。お陰でこっちも久々にありついたよ」
「古女房の弁当にかい?」
「まあな」
 二人は声を潜めて笑った。
 その時、眠っていたポールが、乱れたベッドの中で一つくしゃみをした。
「まあ、これでジョーの機嫌が、少しはもてばいいけどな」
「大丈夫だろ? ツアーもあと少しだ」
 リンゴがそう答えて、ジョンに笑いかける。その笑顔を、ジョンはしげしげと見つめた。
「なんだよ、気持ち悪いな」
「いや…あのさ」
 珍しく、聞きづらそうにジョンが口ごもりつつ「モーリンのこと、ホント?」と尋ねる。
 きょとんとリンゴはジョンを見たが、ゲラゲラ笑って「ウソに決まってるだろ!」とあっけらかんと答えた。少しジョンは安心して、
今度は「お前、あんなテクどこで覚えたんだよ」とリンゴに尋ねた。彼はちょっと考えてから「ああ」と頷くと、人の悪い笑顔を作って
「聞きたいなら明日俺のベッドにきな、ハニー?」
と言って、次の瞬間あははと笑った。そして、ちょっとラウンジでタバコ吸ってくるよ、と手を上げてそこを離れた。
 
 とにかくリンゴの機転とウルテクで、バンドの危機は回避されたことにジョンは感謝しつつも、
『明日、あいつのベッドにいってみよっかなー』などと、去っていくされの背中を見送りつつ、
つい思ってしまったのだった。
212I'm Your TOY-DOG /0:2009/04/18(土) 08:55:58 ID:???0
ああ、そうかいそうかい。最後の最後で、誤字ですかい(ちっ)。
>>211 去ってゆくされのせなか<去ってゆく彼の背中 です。
眠いとだめですねえ。ついでに投下する前に最後の推敲とかしちゃうから、
逆に変な文体になっちゃう時もあるんですねー。ちゃんと完成させてから
投下せいや自分。ちぇ。失礼しました。
まあ、こんな感じで一巻の終わりです。ねー、コレに関しては…ねーwwww。
笑って許してくれたら、大変ありがたいです。正直、すまんかった。
そして一番のお気に入りは、最後の旦那同士のしょーもない会話だったりします。
ジョージ…いいツラの(ry 。
こんな話に付き合ってくれてありがとうございました。
PS.…付き合って、くれたんだよね(泣)?          861Hedge-hog
213白い狂気 1/1:2009/04/18(土) 10:53:54 ID:???0
薄暗い部屋の中で、二つの影が壁に映ってうごめく。
一つは人間、もう一つは動物のようだ。しかも大型の。彼は、檻からその大型動物を出し、地下から二階の自分の寝室に連れて行った。
「よし、いい子だね。今日も、僕の云うこと聞いてくれたら美味しいものあげるからね?」そう云って、彼は犬――大きな雄のジャーマン・シェパードの頭を撫でる。
シェパードは、一声吼えて尻尾を振る。そして従順そうに主人が裸になるのを待った。彼が、シープドックのマーサ以外にこのシェパードを飼っていることをジョンやあのリンゴでさえ知らない。
そう。この犬はバター犬、つまり人間と性交するためにしつけられ、育てられた犬なのだ。ポールは自他共に認める犬好きで、その犬好きが高じて獣姦という事を思いついたのだ。
このシェパードは、媚薬を餌の中に少しづつ混ぜた物を子犬の頃から食べさせているので普通の犬と違って性器がかなり大きい。
その為、人間とは違った快感を得る事ができるのだ。ポールは、裸になり横たわると、口笛を吹いて先ほどのシェパードを呼んだ。
シェパードは、主人の裸に興奮できないのか、ハァ、ハァ、と息を荒げ、尻尾を強く振っている。
ポールが脚を開き、自分の上に乗ったシェパードに命令する。
「Slave、舐めて」
スレイブとは奴隷の意味だ。彼は、はふ、はふ、と息を荒げながら主人のそこを熱い舌と唾液を持って舐める。
214白い狂気 2/2:2009/04/18(土) 10:54:43 ID:???0
スレイブのねっとりとした卑猥な舌がポールの秘所を行ったり来たり、時には窄まって入って来たりする。
スレイブの舌が敏感な箇所を舐め上げる度ポールはシーツを握って悶えた。人間からは得られない違った快感、動物だから得られる独特の快感。
それが今、ポールの体中を電流のように駆け巡って喜ばせた。次第にぴちゃぴちゃという卑猥な水音が部屋中に響いて主人と奴隷を尚興奮させた。
「スレイブ、今度は僕が愛撫してあげる」そういうとポールは、スレイブに舐めさせる行為を止めさせ、今度はスレイブの巨大なペニスを手で愛撫し始めた。
ポールの細くて長く、綺麗な指がスレイブの性器を奮い立たせ、膨らんでゆく。ようは、勃起しているのだ。
犬のペニスと云うのは、ざらざらしているとよく言われているのが、本当にその通りだった。
ごつごつして、普通の一物では味わえない快感がある。ポールは、スレイブの性器を愛撫する手を早めた。
「これ位でいいかな?」ポールが頬を赤く染めながらスレイブに聞く。
彼はご主人様、早く挿れたいですと云わんばかりに一声吼えた。ポールはスレイブを抱きかかえる形で、彼の勃起したペニスを自分のそこにゆっくりと挿入する。
奥に近づくにつれ、ポールの喘ぐ声は一層大きくなった。スレイブの呼吸のリズムも、主人に負けじと興奮して荒くなっている。
ぐちゅぐちゅという卑猥な水音が何度も響いて、同時に、スレイブの精液がポールが秘所を濡らしてピストン運動を助けた。
215白い狂気 3/3:2009/04/18(土) 11:09:00 ID:???0
彼はご主人様、早く挿れたいですと云わんばかりに一声吼えた。ポールはスレイブを抱きかかえる形で、彼の勃起したペニスを自分のそこにゆっくりと挿入する。
奥に近づくにつれ、ポールの喘ぐ声は一層大きくなった。スレイブの呼吸のリズムも、主人に負けじと興奮して荒くなっている。
興奮する主人に、スレイブは腰を振ろうと思ったが、体位を変え、再びバックから挿入して再びピストン運動開始。
ポールの奥に、スレイブのペニスが当たるたび、パン、パンと鳴り響いてポールを異常に興奮させた。
ポールは、それだけでは飽きたりず、スレイブをぐっと更に奥まで引き寄せ、前を自分で弄り始めた。ポールの自身を弄る手も早くなる。
こんな姿を見たら、普段の彼とは別人に驚くだろう。さっきからポールもスレイブも息が異常に荒い。絶頂が近いのだ。
スレイブとポールの蜜があふれ出し、ポールの太ももを濡らして滴り、何度もシーツにしみを作った。
216白い狂気 4/4:2009/04/18(土) 11:10:35 ID:???0
再び体位を戻し、スレイブは絶頂へのスパートを掛ける。何度もじゅぷりという音がして、ポールは、白濁した液を吐き出し、主人と奴隷は絶頂を迎えた。
ポールの顔に掛かった蜜が、どろりと滴った。
スレイブは役目を終え、じゅぷりと抜き取ると、主人の顔に掛かった蜜をぺろぺろ舐めて綺麗にした。
彼は後始末まで紳士なのだ。「いい子だね・・スレイブ・・気持ちよかったよ」
ポールが赤い顔で荒い息を吐きながら、そう呟いた。
「ご褒美だよ」ポールがバターを取り出し、自分の身体に塗り始めた。スレイブが、ポールの身体に塗られたバターをぺろぺろ舐め始めた。
二人の夜は、まだ長い。


end
217ミハイル:2009/04/18(土) 11:13:45 ID:???0
はい、やっちゃいました。ポールのバター犬編w
犬と絡んでもエロいポールたん。最高ですハァハァwwwwwスレイブ邪魔です、どきなさい
今回は自分でも満足してますw
売掛金さまこういうのは大丈夫でしょうか?つぼッた861さんはともかくw
あ、もういっこスチュ/ジョンのいちゃいちゃものを投下しますw
218同じ夜 1/1:2009/04/18(土) 11:43:26 ID:???0
「ジョン、起きてるかい?」スチュが、温かいホットコーヒーを片手にドアを開ける。
「ああ、なんか用か?」
「はい、これ。今日は手伝ってくれてありがとうね」スチュが、ベッドの横に腰掛けてコーヒーの入ったカップを渡す。
「サンキュ、礼なんていいんだよ」ジョンが笑う。
彼は、あまり人に心を開くことをしない。ただ、スチュのようにある程度親しくなった人間には、笑ったり、ふざけたりする。ようは、シャイなのだ。
他愛のない話で、二人は盛り上がる。今日のことや、今日食べたあれがおいしかったとか、そんなどうでもいい話だ。
「ジョンは、笑うとかわいいよね」
「な、なんだよ!唐突に!気持ちわりぃな・・・」ジョンはスチュの突然の思いがけない言葉にカップを落としそうになった。
「ほんとに、かわいいよ」スチュは、ジョンの頬に手をかけた。ジョンはスチュの予想もしない行動に、あわててコップをテーブルに置く。
スチュは、真剣な、熱を持ったまなざしでジョンを見た。まるで恋人を見るようなまなざしで。
スチュは目の前の愛しい人の頬をなで、抱きしめて呟いた。
219同じ夜 2/2:2009/04/18(土) 11:44:59 ID:???0
「好き・・好きなんだ。ずっと君の事を思うと寝れなかった。君は僕のミロのヴィーナスだったんだ」
スチュは自分の思いを口にした。
その言葉一つ一つは、甘く、切ない響きを乗せて響いた。同時に、スチュが長年抱いていたジョンへの恋心の証でもあった。
「スチュ・・俺も・・・、スチュのことが・・・」ジョンも自分の思いを口にした。
「好きだよ、ジョン」
「俺も、好きだ、スチュ」
二人は抱き合ったまま、暫くそうしていた。ジョンのどくどくという早い鼓動がスチュに伝わった。
「キス・・していい?」スチュの真っ直ぐな、偽りのない瞳がジョンを見つめている。
ジョンは小さく、こくりと頷いた。スチュの唇が、ゆっくりとジョンの唇に重なる。彼の舌は、ジョンの唇をなぞり、ゆっくり口内に侵入して歯列をなぞり、舌を絡める。
ジョンも、スチュの侵入して来た、熱を持った舌を受け入れ、そのまま絡ませる。唾液が互いの口内を行き来して、卑猥な水音が鳴り響いた。
やがて二人が互いの唇を離すと、銀糸が二人を繋いでぷつりと消えた。
「ジョン、いいね・・?」スチュがジョンの耳元で囁いて、こくりと頷く。頷けば、抱いていいという合図。
スチュはゆっくりとジョンを横たえる。今夜は月が綺麗だ。月だけが二人を見ている。
220同じ夜 3/3:2009/04/18(土) 11:46:16 ID:???0
「スチュ・・やっぱり俺怖い・・・」ジョンの目が潤んでいる。
「大丈夫、君を傷つけることは絶対しないから」スチュは安心させるように、自分の下にいるジョンに囁いた。
ジョンのさらさらした赤毛がかった綺麗な髪が動いた。スチュが優しくその美しい髪を撫でる。
「ジョン・・綺麗だね、こっちを見て・・?」
「スチュ・・」ジョンの手が自然とスチュの背中に回され、二人の唇はゆっくり重なった。
スチュの舌が唇をなぞってジョンの口内に侵入してくる。ジョンはそれを受け入れている。スチュの舌と、ジョンの舌が絡みあって唾液も交換し合う。
スチュはくちゅくちゅと音が響かせるキスをしながら、ジョンの服を脱がした。ジョンは、男の割りに、肉質が薄く、ほっそりしている。
ジョンは整った顔だけでなく、その声、その髪、その姿、雰囲気全てがスチュにとって愛しい存在だった。
その上雪よりも透き通る白い肌はスチュにため息を吐かせ、吸い付くようにその白い首筋に何度もキスの雨を落とした。
ジョンがスチュの耳元で囁いた。スチュはにこりと笑うと、頬を撫でた。
二人は今、キスをし、上と下で繋がっていた。スチュが動くたびにジョンは喜んでもっととせがんだ。
スチュの汗が、ジョンの髪を伝って流れ落ち、胸を伝った。
ピストン運動の合間に二人はキスも忘れない。テキーラみたいなとろけるような熱いキスがジョンを焦がして覚めた。
221同じ夜 4/4:2009/04/18(土) 11:47:58 ID:???0
ジョンがスチュにしがみついて、二人は一緒にエデンの楽園へと入る。シーツのしみはその証だ。
二人は裸でベッドに入り、ジョンはスチュの隣で煙草を吸っている。
ジョンはスチュに煙草を差し出し、スチュはそれをありがたく受け取る。そのままジョンに返し、ジョンは灰皿で煙草をもみ消した。
「僕、びっくりしたよ。ジョンがあんなだったなんて」
「ば・・馬鹿!あれはだな・・・気持ちよくてついだな・・・」ジョンは顔を真っ赤にして怒った。そして提案した。
「今夜は月が綺麗だから、なんかいい絵が描けそうだな」
「そうだね、なんだかジョンの顔を見てたらいい構図が思いついたよ」スチュはいそいそと下着と服を見につけ、キャンバスに向かった。
「見てていいか?」
「ああ、いいよ」スチュは笑ってジョンに軽くキスを落とした。


end
222ミハイル:2009/04/18(土) 12:00:41 ID:???0
はい、お粗末様でした(笑
これは一応、獣姦苦手だったらどうしようと思い口直しで書いたものでしたw
ちなみに、この小説の中でスチュは長生きしているので、バンドがデビューして63年くらいで二人はジョージとリンゴみたいにアパートで同棲している設定ですww
23歳のスチュ・・さぞかしかっこよくてジェントルマンで(にやにや)その上テクはかなりプロで・・ww
そんなかっこいい旦那なら、ジョンだって惚れ惚れでしょうwwwちなみにこのSSを書いている時BGMはユ/ー/ミ/ンの真夏の夜の夢でしたw
ユーミン、大好きですwTanks you for yuming!
861さん、売掛金さまいかがでしょうかw?
223861Hedge-hog :2009/04/18(土) 14:38:34 ID:???0
ミハイルさま、乙ですーwwww。
をを、ほんまに「ヤッチマッタ」ですねえ。いいすね、でっかい黒い犬とポーリィたん。
>「Slave、舐めて」
ポールの声で聞こえてしまいましたよ。ダメになりつつあります、自分ww。
でもポールはなにやっても、かっこかわいいなあ。恐ろしい子…!!
でもなんでいきなりケモノなのですか、ミハイルさま? まだ昨日のがツボ?
重ねて懇願しますが、リンゴと馬は、カンベンなwwww(ジョン口調)!! 
ついでに断っておきますが、「リンゴがダメなら馬×ジョージ」とか思っても、らめぇ〜〜wwwww!!!!!
そしてS/Jですが、いい男だなあスチュ! 確かにグループ内のバランスを壊すほどの
人物ですよね。間違いなく天才だったんだろうなと思います。ところでミハさま。ここの世界でポールは
どうなってるんですかw?スチュにライバル心ガンガン燃やして…たら、現実と変わらないなwwww。
がんばれポーリィ、あんたイケてるよ! 私に言われても説得力ないか。ちぇっ。

最近なんでR/Gづいてるのか、分かった。
J/P、P/Jって、最後が結局、哀しくなるからだ(私の中では)。
R/G、G/Rは最後まで仲良しだから、見てても書いても、気持ちが楽だと気づいた
昨日の夜。遅いな、自分…。
むちゃくちゃなことをいい散らかして、ここは去ります。ではまたノシ!
224ミハイル:2009/04/18(土) 16:08:44 ID:???0
>>233
自分でもシェパード相手に興奮しまくる淫乱ポールたんに萌えておりますwwww
私も書いてる途中にそのせりふがポールの声で脳内再生されましたwwwwなんか、普通のやおいでは飽きたので、
ビートルズで獣姦なんて書いたことある人いないし、やってみようと思い、チャレンジャーですwwwwwああ、それはシロップ猫書いたんだから、
定番のバター犬も書くだろう!wと思って書きましたwwwww
リンゴは昨日いったジョージの悪戯で犬にヤられるやつですwww
>ここの世界でポールはどうなってるんですか?
そこまで考えていませんでしたが、ポールは一応ノーマルの設定っぽいです;あまり細かい設定は短編だとあまり考えませんね(死
あと二人の恋路を邪魔しないように見守るタイプですwwww
では、犬に犯されるリンゴを楽しみにしていてくださいw
225861:2009/04/18(土) 18:45:44 ID:???0
ミハイルさま乙ですー。犬に翻弄されちゃうリンゴたんとそれにハアハアするジョー、
こわごわと楽しみに待ってます。

さて、ここらでちょっと赴きを変えてw
ようつべでちょっと気になったビーを少し。

すんげえクリアな66年のライブ(全員キューツ!色んな写真でみたまんま!でも演奏はガッタガタw)
http://www.youtube.com/watch?v=8YQgaG5Lbgw

ハンブルグ、デビュー直前!?(1961年と1962年の説が出てる。ドラムはピートらしいのでまだ
デビューはしていない)
http://www.youtube.com/watch?v=fKQzyMdLJa4

まだあるので、後でまた投下にきます。ではノシ

そしておまけ(笑)
動きが楽しい 萌えアニメ(ハルヒダンス)でTwist and Shout!
http://www.youtube.com/watch?v=gos7vSOzJf0

226売掛金:2009/04/18(土) 19:43:09 ID:???0
あら、物凄くスレが伸びていて驚きました。
しかも全体的にエロい!!!!!
どうしたことでございましょうか、私はただただ赤面するのみでございます。

> 861Hedge-hogさま
リンゴいいですね。私は最初のカードゲームでさり気なく勝ってしまう彼に心奪われました。
861さまのスラッシュではジョージが「ジョー」と呼ばれますが、実はこれが大好きです。
私の場合はその都合上リンゴに対して「リンジー」という言葉を使いますが、
この愛称は海外のどこかのサイトで見たもので大変気に入っており、個人的なパスやIDとしてよく使っています。
それにしてもジョージもマスターベーションですか・・・(赤面
すいません、私は心底変態かも判りません。
> SS投下を遠慮
恐らく私が書くメンバーが誰もゲイではないというところを気にかけて下さったのではと予想を致します。
私はこちらに遊びに来るようになって最初に書いた「立ち位置がおかしい」というのは
もしかしてそこらへんを指しているのかもしれませんが、本人は割と細かいことは気にしないタイプなので
「ああ、また何かやってるな」くらいで生暖かく見守って頂ければ嬉しいです。


> ミハイルさま
マスター&スレイブでございますね。
私はペットというのを飼ったことがないのですが、それによりあまり動物に興味がございません。
ただ獣姦というか「愛玩犬」の類は遠い古からあった貴族の遊戯であったという話は聞いたことがあります。
記憶がはっきりしませんが、主に婦人(夫人)がこれらを所有していたとか、していなかったとか。
それ用に改良された犬も当時は居たようで、もしかすると現在もそういう犬は居るのかもしれません。
あと大航海時代の船舶に食糧として載せられていた七面鳥のケツはすべて腫れあがり、めくりあがっていたそうですよ。
海外ニュースを紹介するサイトで見たのですが、海外には「獣姦愛好家の集うファーム」というのがあるらしく
そこでポニーだか馬に掘られて腸が破裂して死んだ男性があったようです。本当に人の欲望は尽きないと感じたものです。
話が逸れましたが、私も何か良いネタを思いついたら投下を致しますので、その時は宜しくお願い致します。
227売掛金:2009/04/18(土) 19:57:13 ID:???0
> 1
おお、ドイツ公演のカラー版ではないですか。カラーフィルムがあったのは驚きです。
可愛いですねぇ。この時のBaby's in blackは好きです。ポールが間違ってて(笑

> 2
おー、ジョージが若いですね。ポール元気だなー

> 3
このアニメの踊りはよくyoutubeで観ます(知識ナシ)


私のおすすめ動画は
http://www.youtube.com/watch?v=uPa8K6Y7Cf4
ですかね。 No no no, Go away!!!! これは天才的編集だと思います。
228ミハイル:2009/04/18(土) 20:02:45 ID:???0
>>226
気に入ってもらえたようで(?)よかったです
もういっこ、ジョージのいたずらで媚薬を盛られたリンゴの愛犬にリンゴがレイプされるというのを書いていますw
昨晩、861さんがいろいろつけたしけくれましてww
あと、スカトロものを考え中ですwジョージ/ジョンかポール/ジョン(こっちは鬼畜w)でw
お楽しみにww
861さん、私18なのにアブノーマルな方向に走ってませんかwwwwwwww?
229Un chien et Eros 1/1:2009/04/18(土) 22:25:06 ID:???0
「よぅし、おいで」ジョージはリンゴ愛犬を呼び寄せ指でしーっとやった。
今日は久しぶりの休みで、ジョージはリンゴの家に遊びに来たのだ。ジョージはポケットからなにやらごぞそごそ取り出すと、お菓子を出して更におびき寄せた。
「いいかい?云うこと聞いてくれたらこれあげるからね?」ジョージはたいていの犬が好物である骨を出して見せた。
犬はわん、と吼えて尻尾を振っている。ジョージは犬にある薬を出した。なんでも東洋のある国に伝わるどんな犬でもバター犬にしてしまう魔法の媚薬と云うらしい。
その国では、獣姦が文化として栄えており古来の貴族はその薬を犬や猫、果てはロバや馬に飲ませて性交に使ったそうだ。
ジョージは最近、愛猫の健康診断の帰りに道端で怪しげな薬を売る男と出会った。その時その男から買ったものだ。
少し、ここでジョージが何故この薬を買うことにしたのか回想してみよう。
「そこの兄ちゃん、この薬はいかがかね?」
「薬?何?ほれ薬だったら足りてるよ」ジョージは眉間に皴を寄せて怪しげな目つきで見た。
男はジョージの言葉に笑った。「そんなものじゃないさ。この薬は、そこら辺にある薬とはちょっと違うのさ」
230Un chien et Eros 2/2:2009/04/18(土) 22:27:05 ID:???0
「違うってどう違うのさ?」
「この薬はね、動物の媚薬なのさ。意味が分かるだろう?」男はにやりと笑って、長いあごひげを撫でた。
「び・・媚薬って、つまり・・そういうこと?」ジョージは唾を飲んだ。
「そう。この媚薬は動物と性行為を楽しむために動物に飲ませる薬なのさ。犬や猫だけじゃなく、馬やロバのような大型動物にだっていいのさ」
男は説明を続けた。「和姦で楽しみたいなら、こっちの青い瓶、強姦ならこっちの赤い瓶だ。いいかい?」
ジョージはますますの不思議な魅力的な薬に興味を示した。そして喉から手が出るほど欲しいと思った。
「それ、いくら?」
「××ポンド」男はニヤリと笑って二つの瓶を代金と引き換えに差し出した。
「どうも、まいどありがとう」男はジョージの背中ごしにそう呟き、またニヤリとするのだった。
こうしてジョージはその薬を手に入れた訳だ。そこでジョージは思いついた。この薬を悪戯でリンゴの犬に盛ってみようと。
リンゴには申し訳ないなと思いつつ興味が優先したジョージは早速一滴飲ませてみる。
瞬く間にリンゴの愛犬は目つきが変わり、リンゴめがけて勃起しながらかけていった。
「お待たせ〜あれ?ジョージは?」何も知らないリンゴは哀れ、愛犬に襲われてしまった。
愛犬は、リンゴを軽々と押し倒し、荒い息で顔や首筋をペロペロ舐めてくる。それが戯れだと思ったリンゴはつい、優しくしてしまう。
231Un chien et Eros 3/3:2009/04/18(土) 22:27:52 ID:???0
「はは、くすぐったいよ。わかったよ。よしよし」リンゴが犬の毛をもしゃもしゃと撫でる。
犬はそれに興奮したのか、リンゴを芝生の上に完全に押し倒し、完全に勃起しきった自分のそれをリンゴに当てようとしている。
「八フ、ハフ、」
「ど、どうしたんだい?変なものでも食べたの?」
「ぐぅぅ〜!・・」
犬はリンゴの服を噛み破り、リンゴのそこに自分の勃起したペニスを当てた。リンゴは突然入って来た突然の異物に、それが愛犬の性器だとわかったのはやっとだった。
リンゴは頭が混乱して、とりあえず愛犬を身体から引き離すために諭すことにした。
「何があったか知らないけど、こんなことしたら今日の夜はえさ抜きだからね」リンゴが愛犬をどけながら云った。
ところが、犬は聞くどろこか、ますますリンゴの奥へ挿入し、中を犯しむさぼる。犬独特のざらざらした性器が、気持ち悪い。リンゴは身を振り絞って愛犬から逃れようと身をよじる。
さっきから犬とリンゴを見ていたジョージは、勝手に右手が動くのが分かった。ジョージは自身のそれを上下させ、擦る。ジョージの手の中でそれは膨らんでいくのが分かる。
同時にジョージの息も荒くなる。もう彼はどうしようもなくなっていた。同時に、リンゴも今まで感じたことのない快感に、悦楽を感じているのがわかった。
ジョージは自らの手で、リンゴは愛犬に突かれながらそれぞれ果てた。
やがて犬がどくと、リンゴは気絶してしまった。


end
232ホワイトアルバムさん:2009/04/18(土) 22:30:00 ID:???0
はい、これもお粗末様でした!
861さん、売掛金さま、できましたよwリンゴの獣姦ものwww
861さんどうですかww?
タイトルの“Un chien et Eros”はフランス語で犬とエロスという意味ですwwフレンチエロスを追求したwww
もう一つアンダルシアの犬というタイトル候補がありましたwww
233861Hedge-hog :2009/04/18(土) 23:42:50 ID:???0
>>226
売掛金さま、乙です! そうですねー。なんかきっと、ミハイルさまに引っ張られたかなー(人のせいに
しないでください!)。ケモノと自慰は、ミハ&売掛さまから戴きました。いかん!人に乗っかってちゃ!
スラッシュ最初のポーカーゲームの件は、実はまったくなんの意識もないままに書いていました。そしたら
リンゴがカードゲームを始めてて、しかも一人勝ちしていたというw。HDNの見過ぎかも(ここでも戴きかよ…)。
ジョーへの自慰強要は、以前リンゴ萌えトークの時に、「リンゴが言葉攻めをしたら…」みたいなこと話してたじゃ
ないですかーwww。そこからの引用です。どこまでも戴く女よ、861…!! すいません。
愛称ですが、彼らがホントに「ジョー」と呼ぶのを聞きたいなー、と思ってw。「ハリー」もいつか使いたいw。
そしてようつべですが…。ハンブルグの映像なんてあったんですねー! びっくりしました。同じ画像で違う人が
投稿したものを見比べて、音が入ってて画像が綺麗なものを選びました。投稿者のコメントで、年数字が違うんですよね。
どっちだよw。 66年のはドイツ公演でしたか。いやー、すげえみんなかわいくてびっくりしました。
後、シェイクスピアの寸劇とかもかわいいですよね。
あ、そだ、自作SSのリンゴイラ、うpしました。最後に、ジョンに「知りたきゃ明日ベッドに…」のトコロ。自分でいうのも
嫌らしいですが、大変に性格の悪そうなリンジーに描けて、嬉しくてw。
売掛さま推薦のつべ、後で見に行きますーwww。
ミハイルさま。
後でヘビとジョージの絡みを書いてくれるってwww。ひゃっほうwwww!
…相当だめ人間になりつつあります…
234861Hedge-hog :2009/04/19(日) 00:29:31 ID:???0
>>225の続きーwww。


今度はパロ映像。知ってるものばかりならすいません…。

みんな、逃げてwwww!!!
http://www.youtube.com/watch?v=KIWsMKZt3Eg

オーストラリアのFabカバーバンド。ビーでやってみよう「天国への階段」!
すげえ、上手すぎ。ラトルズかと思った…wwww
http://www.youtube.com/watch?v=8to_IhsWyno
235861Hedge-hog :2009/04/19(日) 23:41:34 ID:???0
>>231
リンゴたんの話の続きを書きました。ミハイルさまには許可を貰っておりますww。
ミハさま、こんなんなっちゃったよ(泣)。では次レスどぞーww。
236世界観台無し(泣) /1:2009/04/19(日) 23:44:40 ID:???0
 広い庭で、犬の精液にまみれたリンゴのそばに近づく人影があった。
 射精後のけだるい中で、ジョージはぎくりとその姿を見た。
 ジョンだった。彼はたまたまリンゴの家に遊びにきたのだ。
「…おい、リッチ! どうしたんだこれ!?」
 思わず抱き起こし、何度か軽く頬を打つ。やっと霞がかかった目を開いて、リンゴが目の前の名前をつぶやいた。
「ジョン?」
「そうだよ、分かるか? なんだこれ、ひでえ有様だな。家には?誰かいないのか?」
「家族は誰も…ジョージが来てくれてたんだけど、どこ行ったかな…」
 ジョージ? その名前をきいて、ジョンは嫌なセンサーがぴんと立った。あの野郎、またなんかやらかしたな。
「とにかく家に戻ろうぜ。これは…かえって、家に誰もいなくてよかったな」
 ジョンはリンゴを元気付けようと、軽口を叩いて明るく笑いかけた。リンゴもつられて笑みを返した。

 ジョージが、足音を忍ばせて二人の後ろをついていくと、ジョンは勝手知ったるとばかりに、リンゴをお姫様だっこのまま家に歩き進むと、まず水を一杯
飲ませてからシャワーの用意をした。大丈夫か? と何度も声をかけ、細かい気遣いをしてみせる。ジョンは本来、こういう男だった。ジョージは昔、
自分がハンブルグから強制送還される時のことを思い出した。一人で帰らなければならないジョーを、ジョンとスチュが心配して、何度も何度も道を
教えてくれたっけ…。
 ぽわわと思い出にひたったのが失敗だった。
 いきなり身を隠しているドアが、バンっと大きく開いた。
「ぐはっ!」
 ドアノブに、思いっきり胃の上をどつかれて、ジョージが目を白黒させた。
「ジョー?」
 意地の悪い笑い顔が、ドアから生える。
「や、やあ、ジョン…」
237世界観台無し(泣) /2:2009/04/19(日) 23:48:47 ID:???0
「やあ、じゃねえぞこのクソ餓鬼!」
 リンゴがシャワーを浴びているのをいいことに、ジョンは(遊び半分で)何度もドアを開け閉めさせて、ジョージをぼっふぼふにした。
「冗談だったんだってば!!!」必死で弁明するも、ドアで遊ぶことで頭が一杯になっているジョンには聞こえない、いや意味がない。かくて
ジョージはリンゴがシャワーから出てくるまで、ドアと壁から乱暴な抱擁を受けっぱなしになっていた。
「…ジョージ、大丈夫かい?」
 シャツとジーンズに着替えたリンゴが、ティーバッグを落としたマグにお湯を注ぎながら、なんともいえない笑顔を浮かべた。
「お前が言われなきゃならない台詞だぞ、それは」
 ジョンがもっともなことを言う。ジョージは、青あざだらけの顔をしかめていたが、リンゴには素直に謝った。
「これが、その薬さ…」
 そういって、彼は上着のポケットから小さな瓶を「一つ」出した。ジョージの説明に、興味をしめしたのがジョンだった。
「じゃ、これを動物に飲ませたら、人間あいてにおっぱじめようとする訳か」
「ジョン…」顔を赤くしてリンゴがジョンの服の袖を引く。
「ジョー、それくれよ! そしたら今回のお前のイタズラ、許してやるぜ」
「ジョン、それこそ僕が決めることだよ」リンゴが呆れてジョンを見る。
「嫌だよ、安くないお金で買ったんだ。もうリンゴには使わないからこのままボクが持ってるよ!」
「バカ野郎! リンゴに使わないってナンだ!? それじゃリンゴ以外には使うってことじゃねえか!」「その可能性が
あるってだけだよ!」「それじゃ話にならんだろ!」
「黙れ、バカ共!!!!!!」
 いきなり怒号と、テーブルを強く叩く音が響いた。びくっと二人は肩を竦めると、音を発した場所に立つリンゴを
恐々見上げた。青く大きな瞳が、強く光って二人を照らす。
 唖然となった二人の間から、さっと瓶を浚うと彼はそのまま、庭に向かって投げ出した。
238世界観台無し(泣) /3:2009/04/19(日) 23:52:23 ID:???0
「ああああああ!!!!!!」 本気でザンネンそうな二人の口を、ギロっと視線で黙らせる。
「あんなもんがあるから、バカなことを考えるんだよ。こうした方がいいの。これでこの話はおしまい!」
「ええー?」
「ジョン。どうせマーサにでも使ってみようと思ったんだろ? ポールが慌てるところが見たいとかなんとかで」
「うっ…」
「それがバカだっていうんだ。ジョー、お前もいい加減にしろよ。今回は許してやるけど、俺の目が届くところで、
またバカをやったら…」ジョージの顔から血の気が引いた。
「ごめんなさい、ごしゅ」
「いや、それはいいから」
 あっさりとリンゴはジョージに言い捨てる。
「とにかく、ジョン。助けてくれてありがとう。ジョージ、薬の効き目はどれくらい?」
「あ、もう切れてると思う」
「よかった。モーリンを襲いだしたらどうしようかと思ってたんだ。じゃあ、二人とももう、帰れ」
「ええ?」
「俺、きたばっかじゃん!」
「ジョージは変な薬を僕の飼い犬に使った罰、ジョンはあんな薬を欲しがった罰。二人で反省しながらとぼとぼ歩け!」
 最後は笑いながらの言葉になった。わかったよ、と二人はすごすごと玄関を出て行った。
 しかし、一歩外へ出たとたん
「ジョン?」
 ジョンが庭に駆け出したのを見て、ジョージが声をかけた。
「どこ行くのー?」
「あの薬探すんだよ! あんな面白そうなものめったにねえじゃんか!!!!」
 そして、庭の真ん中近くで、四つんばいになって草原に顔を突っ込みだす。
 呆れてモノが言えないジョージの足元に、無邪気な顔に戻った例の犬がじゃれてきた。
 その犬と、庭にいるジョンを交互に見比べて、ポケットから「青い薬瓶」を取り出すと、ジョージに口元に、あの片笑いがにやっと浮かんだ。

 本人知らないところで、ジョン大ピンチ。
239世界観台無し(泣) /0:2009/04/20(月) 00:11:14 ID:???0
>>236
一人で帰らなければならないジョーを→一人で帰らなければならないボクを
また間違えた…。投下する前に10数えて落ち着け、861!

てなわけで、どうにも書き手がお笑い仕様だと、どーしてもオチをつけてしまいます。
すいません、ミハさま…。こんなんなっちゃいました(泣)。
少しでも楽しんでいただけたら光栄です…。

売掛金さま
>>227 見てきましたよー。ヘザー…wwwwww。ほんっとあのアマ、いや、失敬
つい言葉が悪くなってしまってww。再婚の話を知った時は、ポールの側にいてくれる
人が現れてよかった、なーんて思った私がバカでしたww。ナイスな編集ぐあいに「これ
ホントか?」と一瞬思っちゃいました。きっと、ファンの皆はこう思ってるよな。きっと
ジョンが生きていても、そう思ったろう。「だまされたポールもアホだが、あのアマ、
もし会ったらボコったる」って言いそう。やっちゃえ、リーダー!
でも産まれた子供には罪はない…たとえ遺産、いえ、なんでもないでーすw。

またなにか良さげな動画を見つけたら、報告しますねーノシ!      861Hedge-hog   
240Ketzerei 1/1:2009/04/20(月) 00:37:40 ID:???0
薄暗い礼拝堂の中で、一人の男が祈っていた。彼は神父の服を着ていることから、彼の役職が分かる。
彼は長いこと聖母マリアの像に向かって祈りを捧げていた。
マリアは、冷たく、そしてどこか温かい目で両手を広げ祈りを捧げる彼を見下ろしている。ぐるりと一周囲むように貼られたステンドグラスは、天使達や聖母マリアと幼子イエス等が書かれ、
まるで美しくカッティングされたダイヤのように、威厳を持ち立っているこの教会の中にさまざまな角度から包み込むように光を差し込む。
長い祈りを捧げていた神父は、胸で十字を切り、祈りを終える。彼はまだうら若かったが神父らしい威厳と風格を兼ね備えていた。やや長めのこげ茶色の髪と、彫が深く整った顔が美しかった。
神父は顔を上げると、自分の部屋に戻ろうとした。その時、教会の外で馬の蹄の音がして、教会の前で止まった。
彼はなんだろうと思い出て行った。教会の外にいたのは法皇直参の兵士たちであった。彼らが来たということは、大事な事か拷問に掛けるために捕らえに来たかのどちからになる。
「何か御用ですか?」神父は失礼がないよう、丁寧な口調で尋ねた。
「お前は悪魔と契約しているという噂がある。法王様がお前を拷問に掛けるようにとのご命令だ!さぁ、来い!」兵士の一人がジョージに逮捕状を出した。
ジョージは元から細く、すぐに捕らえられてしまった。ジョージは悪魔と契約を結んだ覚えなどない。誰がそんな噂を言いふらしたのだろう。
ジョージは兵士たちに馬車の中に押し込まれてしまった。馬車の中には隊長が居て、好色そうな顔つきをした初老の老人であった。
老人はジョージの身体を舐めまわすようにジロジロ見ながら、彼の身体を触ってきた。そして彼の太ももにするすると手を差し入れると、まもなくしてジョージの悲鳴が上がった。床に、彼のロザリオが散らばった。
ジョージは、ひんやりとした石の感触に目を覚ました。此処は何処だろう?自分は何をされているのだろう?起き上がって、周りを見渡してみる。
241Ketzerei 2/2:2009/04/20(月) 00:39:00 ID:???0
其処は、粗末な藁のベッドしかない、冷たい牢であった。確か、自分が馬車の中でレイプされた事は覚えている。
それから確か、気を失って――、何処かに運び込まれて。そうだ、そして薄暗いこの牢に入れられたんだ。
ジョージは自分の身体を触ってみた。囚人服を着ているが、まだ少しあの男の精液の匂いが身体に染み付いて気持ち悪い。
吐き気がした。ジョージはその染み付いた匂いに思わずうっ、と口元を押さえ、嘔吐してしまった。
ごほごほと咳き込み、床に倒れこむ。やがて嘔吐が収まるとジョージは服の袖で口元を拭った。呼吸がまだ荒く少し頭がクラクラした。
その場に倒れこむと、すぐ耳元でこつこつと靴音がした。どうやら拷問官たちのようだ。
拷問官たちはジョージの側まで来ると、ムチを取り出した。
「気分はどうだ?」拷問官の一人が話しかける。彼の冷たい青い瞳がジョージに突き刺さる。
ジョージはゆっくりと顔を拷問官たちに向けた。まだクラクラする。二人の拷問官が、ジョージを起き上がらせ、腕を縛った。
「吐いたのか、まあいい。来い、拷問だ」
「・・・・・」
「ほら、とっとと歩け!のろのろするな!」
ジョージに再びあの青い冷たい瞳が突き刺して、拷問官たちにこれからされることが分かると、びくびくした目で彼らを見た。
ジョージは拷問官たちに引っ張られながら一段一段、冷たい石段を登ってゆく。ある程度の所まで来ると、ある一つの部屋のドアを開いた。
そこが拷問室で、今ジョージの他にも拷問をかけられている人々が居た。彼らは神父から貴族、平民とさまざまな階級の人々で、男や女子供までもいた。
あまり目立たない場所まで連れて来ると、拷問官たちはジョージの服を脱がせた。彼の太ももからは、昨日馬車の中でレイプされた名残りで、血の跡が付いていた。
242Ketzerei 3/3:2009/04/20(月) 00:40:28 ID:???0
先ほどの青い目の男が、ジョージの身体をじろじろ舐めまわすように見、太ももの内側を触った。彼の太ももをいやらしい動きの指が動く。
「よし、あれを持って来い」男は部下の拷問官に命令すると、にやりと笑った。
「はっ、わかりました」部下は上官にうやうやしく敬礼し、布をかぶせた檻を持ってきた。そして布を取ると、中から一匹の大きな蛇を取り出した。
「たっぷりかわいがってやるからな。悪魔の弟子よ」そう云って、男は蛇をジョージの脚の間から入れ始めた。
ジョージは身をよじって嫌がったが、硬い縄で押さえつけられているため、身体が動かない。
ジョージの太ももを伝って、蛇は益々奥にぐいぐい押し入ってくる。蛇はジョージの秘所の中でのたうちまわった。
蛇はジョージの性感帯を付いてくる。ジョージは、味わったことのない快感に頬を赤く染め、もっとほしいと拷問官にねだった。
「淫乱め」拷問官はジョージを鼻で笑い、彼の口元に自らの性器を当てた。彼はつたないながらも、拷問官の性器を口と舌で愛撫した。
拷問官は、ジョージのそれを手でしごいてやると、ジョージは身をよじって喜んだ。ジョージが身震いした。絶頂が近いようだ。
ジョージは荒い息をしながら、蛇にのた打ち回られ、弄られて果てた。
ジョージの目の前に数人の男が取り囲むのと鞭が見えた。


243ミハイル:2009/04/20(月) 00:42:49 ID:???0
861さま、おまたせしましたw
蛇×ジョージでございますwエロい拷問と言葉攻めを追求したらこのようなことになってしまい、蛇があまり出てきませんが、
いかがでしょうか?
ジョージはこの後鞭打ちの刑に合い、ここはやおいなので餓えた男たち100人にレイプされますw
タイトルはドイツ語で異端という意味ですw聖書=ドイツだったのでw
244861Hedge-hog:2009/04/20(月) 01:37:42 ID:???0
ミハイル様、乙ででですすすすす!!!!!
聖職者ジョージぎゃあああああああ、かわええええええええ!!!!!!
マリアに祈りを奉げるジョージたん激萌え! だめだってだめだってもおおお!!!
きっと質素な、ゆったりとしたローブ姿なんだろーなそんであの長いまつげを微かに
震わせながら、一心に神に祈ってるんだろーな。あああああもうたまりませんなあああ!!!
はあはあはあ。いやすまない、つい。
そんなジョージをレイ(ryとは、羨ましいぞ名もない初老の男(笑)!
冷たい青い目の拷問官はリン(ry でFA!?
どうせなら、ビーのメンバー全員が拷問官で、皆さんジョーをかわいがる、てのも見たかったなあ!
でもこれから100人友達できるかな? に落ち込むジョージwww。死なない程度にお願いしますwwww。
こんなカワイコちゃん神父(しかも堕天wwwww)、殺してしまうのは惜しすぎる!
しかし、いつの間にジョージはこんな、Mキャラになっちまったのでしょう。
あの、末っ子バリバリの雰囲気が悪いんだな、きっと。
すんごいご馳走でございました。
冷たい床に転がるジョージマンセー!
つい快楽に負けちゃって、あっという間に堕ち込むジョージマンセー!
ご飯10杯いけます。おいしゅうございました!!!!! 今日はいい日だ!




ああああああ、も、もちょっと読みたかった!!!!!!
245861Hedge-hog:2009/04/20(月) 01:43:20 ID:???0
最後の一言は、本音ですwwwww。できたらジョーの、やられちゃってのたうち回る
かわいい姿をも少し堪能…。
いや、贅沢はやめよう…。
超ご馳走に変わりはないのだから…。
100人レイポで生き残ったジョージたんは、その後みんなのかわいいペットになって
白濁色の天国でイキ続けるのですね。だからポルノ作家になりたかったんだってば。私は。
ごめん、許して…(泣)。でも、想像がこんな程度じゃ、たかがしれてますね。反省。
246花とナイフ――続Ketzerei 1/1:2009/04/20(月) 14:23:55 ID:???0
ジョージは、のろのろと起き上がった。昨夜の法皇との激しいセックスにまだ腰が痛く、重い感じがする。
上品な絹のカーテンごしに日光が差し込む。とりあえず、湯を浴びようと裸のまま浴室に行って湯を流し込む。
温かい湯気と、風呂が心地よい。外からは小鳥の囀る声や鐘の音が聞こえてくる。暫く長く漬かっている。
ジョージのすぐ側で足音がした。法皇だろう。
「レディーの入浴中に失礼ですよ、法皇様」ジョージはその妖艶の笑みを浮かべる。
法皇はジョージの顎をなぞり、乳首をつまみあげ、片方では太ももの内側を弄って噛み付くようなキスをする。
びくん、ジョージの白い首筋が持ち上がる。法皇はジョージの敏感な部分をじらすようにして触れ、やがてジョージのそれを手で愛撫する。
「ほほう、もうこんなに感じていやらしい子だ。おいで、私が悔い改めさせてあげよう」
「朝からお盛んですね」
法皇はジョージの濡れたままの身体を運び、寝台に横たえる。先ほどの愛撫でやや濡れていることが分かる。
法皇は自分の身体が濡れるのを気にしなかった。法皇の指が、ジョージの中をかき回してぐちゅ、じゅぷと卑猥な音を立てあげる。ジョージは法皇にしがみついた。濡れた髪から水滴が滴った。
法皇の指が出たり入ったりを繰り返し、指よりももっと激しい快楽の塊がジョージの中に押し入ってきた。
法皇のそれがジョージの中で更に卑猥な音を立てて動く。先ほどより感じているのか、ジョージの秘所からは蜜をたらして濡れていた。
ジョージは法皇の背中にしっかりしがみつくと、喘いで法皇に狂ったようにキスをして求めた。
法皇は、腰の動きを強くして彼を喜ばせた。もう法皇のそれは初老とは思えないほどパンパンに膨れ上がり、ジョージの身体を隅々まで喜ばせた。
舌を絡め、身体を繋げあって二人はこのしばしの休息のひと時に現実のことを全て忘れる。ここは二人だけの世界となっていた。
247花とナイフ――続Ketzerei 2/2:2009/04/20(月) 14:24:36 ID:???0
法皇の激しいピストンによってジョージは果てる。白濁した液がそこらじゅうに飛び散った。
昼食の後、ジョージは一人庭を散歩してみる。花の香りがいいにおいだ。鳥たちもさえずんで昼寝してみようかと思い、横になろうとすると大きな樹の後ろで、ごそごそと物音がするのが分かる。
ジョージはその物音の主に気づかれないようにそっと覗いてみる。そこには、樹に手をついて昼間からセックスをする神官と男娼の姿があった。
男娼は、嫉妬したくなるほど誰が見ても美しかった。男は、ジョージに気づいたようだ。
「誰か見てる」
「私は、視姦されながらするセックスは好みでなくてね」
「俺はかまわないさ。坊やにどんなものか見せてやろうじゃないか」
男は神官に激しい快楽を送り込まれまがら喘いだ。男は絶頂が近かった。やがて身体を震えさせ、白濁した液を吐き出す。
やがて神官のそれがずぶりと抜かれるのがわかった。ジョージはあっ、と思わず声を出した。その妖艶な姿に思わず見とれてしまったのだ。
さきほどの男娼が近づいてきて、ジョージに話かける。「坊や、さっき見てたろ?」ジョージは確かにぎくりとする。でも坊やなんかじゃない。
「見てた事は認めるよ、だけど僕は坊やじゃない!」
顔を真っ赤にして反論するジョージにジョンはおかしそうにくすくす笑う。そして冗談だ、と笑う。
彼もまた神官の側室なのだろうジョージのいでたちを見て、彼が法皇の側室であることがわかった。ジョンは、どこか洗練された仕草と生まれもって兼ね備えた美貌ですぐに神官や法皇を虜にした。彼は高級娼婦であった。
また、彼はフェラチオの技術が非常にうまかった。そんなわけで、普段禁欲と云って修行ばかりしている神官によく買われるのだ。
「お前、法皇の側室なのか?」
「え?なんでわかったんだい・・?」
「だって、お前の衣を見れば俺みたいな高級娼婦でも着れない高そうなもんを着てるしなんとなくわかった」
「へ・・?」
248花とナイフ――続Ketzerei 3/3:2009/04/20(月) 15:26:24 ID:???0
ぼけーとした顔をするジョージにジョンはまたおかしくて腹を抱えて笑い出した。そして金袋から金を数枚渡した。
「小遣いやるから、これで好きなものを買いな。じゃあな」ジョンは手を上げて、その場を去っていった。
今日も、これからもずっとジョージは法皇に抱かれ続けるのだ。


249ミハイル:2009/04/20(月) 15:27:59 ID:???0
なんだかイマイチですが・・wすいません、こんなんでwお詫びにうpろだにジョンの画像をうpしましたw
なんだか最近、フランス書院の官能小説みたいにエロ一本調子な気がしますww
ジュネやBLと違ってwwもっと精進しますorz
250861Hedge-hog:2009/04/20(月) 22:37:13 ID:???0
ミハイルさま、乙ですーwwwww。
おおー、ココット・ジョンさん参戦! …あ、ジョージたん、セックスマニアじゃ
なくてちゃんと自意識あったんだ。なるほどww。
ああ、ジョージたんの運命やいかに…。
フランス書院の本、お読みになりましたか?
神崎京介っていう方のソフトポルノも読みやすいですよ。フランス〜じゃないけど。
さて、そろそろマジメに? ビーSSを書こうかと(いや、今までだって十分マジメだけど)。
思っています。

そういえば、実際のジョンとポールの再会を妄想して作られたドラマ
「Two of us」って、見たことないけど、どうなんだろう。見た人いますかーww?
しかし…こんなドラマまで作られるなんて…。現実はSSより奇なり。てか、みんな
どんだけFabが好きなんだよwww。きっと(製作者達に)会ったら友達になれますね!!! 
見てみたいな、このドラマwwwww。
251861Hedge-hog:2009/04/21(火) 01:36:12 ID:???0
えーと、良くある小さな話です。

でも長いの。やんなっちゃう。まとめる能力ナッシング。
しかもね、使ってる歌が年代と合わないの。しかもコーラスとか
付けてんの。嘘つき過ぎです、反省。
タイトルは曲のまんま。「Till There Was You」で「いってみよ〜」
252Till There Was You /1:2009/04/21(火) 01:39:40 ID:???0
「ジョンが生き返ったとしてポールにかける最初の一言」スレより

896 :ホワイトアルバムさん:2009/04/01(水) 02:29:00 ID:TgBRZdBe0
J「ウールトン教会の芝生でまた寝たふりしてるからよ、またそっと来いよな(笑)」
P「ぼくスキッフルやっててちょっとギター上手いんだけどまた聞いてくれよな(微笑)」


 いつも曇り空ばかりのリヴァプールにしては、珍しいほどのいい天気だった。
 ジョンレノンは、学校をサボってウールトン教会の芝生の上で、のんびりと寝そべっていた。
 足を組んで、両腕を頭に敷いて。眩しい日の光を防ぐため、美術史の教科書を開いて、顔に伏せている。
 垣根が張り巡らされたこの中は、通りの喧騒が聞こえながら、違う世界が広がっていると思えるほど、落ち着いていた。
『来るかな、あいつ…』
 目を伏せてとろとろと居眠りをしながら、ジョンは先日、教会で開かれたバザーでの出会いを思い出していた。
 彼はそのステージに、スキッフルバンドをでっちあげて自分の腕ためしを兼ねた演奏を披露した。出来は悲惨なものだったが、
出会いが一つあった。
 そいつは、友人のトレバーの背中から現れた。
 大きな瞳を見開いて。
 頬をばら色に染めて。
 唇を、きゅっとしめて。
 少しふっくらした輪郭と、その童顔はとてもマッチしていた。
「ジョン、こいつは…ええと…」
「ジェームズ・ポール・マッカートニー」
 ちょっとむっつりした顔をうつむき加減にして、彼は友人に一瞥もくれないでボソッと自己紹介する。普段は
セカンドネームで呼ばれてる、と。
「へえ、んじゃポーリィか」
 あの時はビールの酔いが回ってきて、ジョンは少し浮かれていた。紹介されたばかりの
少年の肩に腕を回した。「ヘイ、ポーリィ。お前のギターって、どんなもん?」
「少なくても、バンジョーよりは弾けるよ」
 ジョンの顔がギクリとした。トレバーはきょとんとして、レモネードを啜っている。
 ポールが、静かに笑った。少し首を傾げる。
 ジョンはしばらく、その少年を見つめた。彼も黙って視線を受けている。
253Till There Was You /2:2009/04/21(火) 01:42:41 ID:???0
 年を聞いたら、まだ14歳だという。ジョンはうへえ、と心で呻いた。
 こいつ、こんな歳でもうそんなこと分かるのかよ。
 そして、喧騒を避けるため、教会の中に逃げ込むと、ちょっと弾いてみろ、とギターを渡す。
 ちょっと爪弾いて、ポールはあれ? と眉をしかめた。ジョンのギターはバンジョー仕立てになっていた。あれこれちょこちょこ
いじって、やっと落ち着いた顔になったポールは、今ジョンが演奏した曲を披露した。もちろん、歌詞も正しく歌った。
 ジョンは無表情を決め込んだが、内心ショックだった。こんなやつがいたのかと。
 言葉を失っているジョンを、ポールは見つめている。
 その目を見て、ジョンの顔に血の気が戻る。
 ポールは、自分が今やったことがどんなにすごいことか、まるで分かってないようだった。自信のない、弱弱しい目をジョンに
向けて、無言で問いかけていた。どうだい? 僕、うまくやれたかな?

 僕を、認めてくれるかな?

 ジョンはその目を黙って見つめた。張り詰めた空気が伝わってくる。まるでそれは、イタズラが見つかって、罰を待つ
子供のようだった。
 ジョンは、なぜかその目に見覚えがあった。それは、自分も持っている目だ。
 彼は、ため息をつくと、ポールの頭に手を置いた。そして
「俺、よくここの教会の芝生で昼寝してるんだ」
え? とポールの肩から緊張が抜けた。
「学校ある日なんて、よくいるからよ。よかったらギターもってこいよ」
 そして、くしゃっと一つ髪を大きく撫ぜると
「タバコも、持ってこいよな!」
 と言って、笑って席を立った。年下の少年にビビッた様子を見せないように。精一杯肩をいからせて。胸をふんぞり返らせて。
 彼は大股でどかどかと教会の床を蹴って、さっさと外に出て行った。
 背中の向こうで、ポールがぽかんと見ているのを気付いていたが、わざとジョンは振り向かなかった。酒の酔い以外の血の気が、
頬に上っていた。
254Till There Was You /3:2009/04/21(火) 01:49:54 ID:???0
 あれから2週間がたった。
 あれから、なんとなくそわそわしながら、ジョンは芝生の上でごろ寝をしていた。
 くるかな、あいつ。そんなことを思いながら、無理に目を瞑って昼寝を決め込もうとする。
 そうしているうちに、なんとなく眠ってしまうのだが、変な寝方になるので、起きた時は疲れが
淀んでいるようだった。
 トレバーに訊けば、彼がどこに住んでるかも分かる。
 でも、それだけは絶対しないと、ジョンは決めていた。もしこれで奴がこなかったら、この話は終わり。さっさと忘れよう。
 でも、もし来たら…。もし、来たら?
 ジョンは心臓がヘンに暴れることに眉をしかめた。どうする? もしあんな奴がきたら、俺のバンドはアイツに取られ
ちゃうかもしれない。
 あんなギターが上手くて、歌が上手くて、それに…。
 ポールの顔つきを思い出して、ジョンは心で頭を振った。なんであんな奴がいるんだよ。なんで、あんな奴が俺の前に
 
 その時、ジョンの心に、ギターを弾き終わったポールの目が浮かんだ。
 
 不安そうな、自信のない、弱弱しい光りを帯びた、大きな目。
 
 ジョンは教科書の下で、きゅっと唇を噛んだ。
 
255Till There Was You /4:2009/04/21(火) 01:52:05 ID:???0
 チクショウ、そんな目で見るなよ。
 そんなことを胸で呟いた時

 誰かがこちらに歩いてくる気配がした。
 飛び起きそうになって、ジョンはぐっと堪えた。
 その気配は、そっとジョンの近くに座ると、コトコト、と音を立てて何かを取り出したようだった。
見なくても分かる。ギターだ。
 そして、ちょっと迷ってから…。
「there were bells on the hill」
 自信のない、小さな声だった。しかし、原曲の甘すぎるメロディがすっきりと引き締まっている。
 ああ、来ちまった。ジョンは何故かがっかりした気持ちと、動悸さえ早くなる期待を同時に感じていた。
 どうしよう。このガキ。どうしようかな。
 かわいくて、ギターが上手くて、歌が上手で、自信のないこの僕ちゃんを。
 俺の前に出てきてしまった、この迷った顔したお子様を。
 ジョンは、しかしそんなことを思いながらも、口元には笑みが浮かんでいた。
 胸に、不思議な暖かさが広がるのが分かった。
 つい、ジョンが鼻歌で歌を返した。ポールの声が、ピクンと止まって、それからすぐに、続きだす。
 先ほどよりは、ちょっとだけ元気に。
 ジョンの足先が、リズムを取り出す。鼻歌はハミングになっていた。
 ギターの音に、活気がみなぎる。声が嬉しげに高くなっていく。
256Till There Was You /5:2009/04/21(火) 01:55:03 ID:???0
 ウールトン教会を通りかかったバスの窓から、ジョージはその演奏を聴いた。
『あれ、だれだろ? ポールに似てるけど』
 しかし、彼の知っているポールの演奏は、今聴いているものより覇気がないようにジョージは思った。
『メリハリあって、いいギターだなあ。しかもハーモニーがついてるよ。この歌、ついてないはずなのに』
 すげえな、とジョージは窓の外に目を向けた。高い垣根に邪魔されて見えなかったが、その演奏は耳に届く。
他のバスの乗客は無関心に下を向いていた。ジョージは少しだけ得意になった。こんないい天気に、ギターと歌が聞こえたなんて。
そんでそれに気付いたのが自分だけなんて。ちょっとイカした話じゃないか。
 その時、かすかに影が動いた。
 一番前に座っている男が、窓の外をみて微笑んでいた。
 男は 背が小さくて、遠目からでも鼻が目立っていた。歳のころは同じくらいだろうか。身体が小さいようなので、ここからでは
よく分からない。
 そして、ジョージと同じ方を向いているのだ。
 ジョージは『へえ』と歓心した。きっと、歌が聞こえてるんだと思い、ちょっとだけザンネンな気持ちがしたけれど、なんだか同じ宝物を
見つけた相手と出会ったような気がして、素直に嬉しいなと思った。

 ジョンはまだ寝たフリをして、教科書を被ったまま起きようとしない。
 ポールは気付かないフリをして、ギターを爪弾き歌い続ける。
 バスが、病院前で止まる。あの男が降りていった。
 それをなんとなく目で追って、ジョージはそのままバスに乗り続けた。家までまだ5丁ほどある。

 そんな地上を、一羽の鳩が見下ろしながら、歌と共に青い空へ向かって、飛んでいった
257Till There Was You /0:2009/04/21(火) 02:05:53 ID:???0
そんなわけで、一巻の終わりです。
話の出だしに載せましたが、このレスを見たときに、一瞬で情景が見えました。
すげえレスだと思いました。
このレスの中には、あともひとつあるのですが、それはちょっと上手く書ける自信が
ありません。
最近戴き・便乗杉です。だめだ、自分!

でも、ちょっとでも楽しんでくれたら、光栄です。
では、おやすみなさいーノシ
258ホワイトアルバムさん:2009/04/21(火) 09:14:50 ID:UUHPyeDM0
ええなー
ジンときた。私にもちゃんと情景が見えたよ。
最後のジョージとリンゴもいい味出してたね。
259861Hedge-hog:2009/04/21(火) 11:47:42 ID:???0
>>258さま

嬉しい感想、ありがとうございます!
最初は、ジョンとポールしか出ない予定でしたが、書き進めていくうちに欲が
でましてwwww。GRも出しちゃおう、とw。
やっぱり、この4人が揃ってのFab…。と書いてちょっと切なくなりました。
重ねて感想、ありがとうございます! ではーノシ
260861Hedge-hog:2009/04/21(火) 11:50:20 ID:???0
>>258さま
でも、次からは、sage進行でおながいしますwwww。用件が一回で済まないのが
私の弱点。では!
261天ぷら一部改正:2009/04/21(火) 12:22:25 ID:???0
「初代スレの100くらいで1に「つかこのスレまだあったんかwww」と言われてしまったかわいそうなスレッドが、7スレ目に突入しました。(^^
ここは甲虫バンドのモララーのビデオ棚的にも、また、お好きなCPについて萌えを語り合うもよし、画像やイラスト投稿、馴れ合いもOKです。
リレー小説、その流れに関係なく自作スラッシュ投下、突然好きなカプやシチュを叫ぶもおk!皆で甲虫に萌え上がりましょう!
  画像投下はこちら↓
イメぴた ttp://imepita.jp/pc/
うpろだ http://www9.uploader.jp/home/betles801/

※また、このスレに投下された作品・画像(←画像、スラッシュ動画もおk?)を保管するまとめサイト(サイト名「ALL YOU NEED IS LOVE!」)も
作られる予定です。保管する際のことを考え、作品投下時はコテハンを使うことを奨励します(もちろん、名無しのままでもOKです)。
Q=海外のスラッシュ作品の和訳の投下は、OKですか?
A=二次創作とはいえ著作権がありますので、残念ですがご遠慮ください。ただし、Slash紹介・感想文は専用のスレを避難所したらばに立てようと思います。

CPに関するQ&A
Q=ここはJP以外に、GPやJRやJG、PJもしくはBJなどはだめですか?
A=いえ、どのCPでもOKです。

Q=映像やSlashはここには投下してはだめですか?
A=テンプレをご覧下さい

Q=コテは絶対ですか?
A=名無しでもOKです

また、スレは完全に s a g e s進行で御願い致します。
262ミハイル:2009/04/21(火) 13:29:03 ID:???0
みなさま、まとめを作りましたがすいません力つきましたorz
作成ご協力おねがいします
http://www36.atwiki.jp/beatles801/
263暗黙情事  1/1:2009/04/21(火) 17:34:10 ID:???0
「ご愁傷様です、さぞかし辛かったでしょう・・」
「いえ・・こちらこそ・・・僕は至って平気です」男が、ぎゅっと手を握り締めて親族や友人に挨拶をする。
「まだあんなに若かったのにねぇ・・」ジョージは、夫であるエリックを一ヶ月前事故で亡くしたのだ。
それでも悲惨な事故だった。エリックは帰宅途中、飲酒運転していた男から正面衝突されてそのまま帰らぬ人となってしまったのだ。
いつもの朝だった。朝、エリックを起して、今日は遅くなるからね。わかった、いってらっしゃい。これが最後の会話になるなんて。ジョージは夫を亡くした悲しさより犯人を憎んだ。何故、夫が死ななければならなかったのか。
ジョージは、夫の親族に軽く挨拶すると見えないところでハンカチで顔を押さえ静かに泣いていた。
ただ静かに嗚咽が響いて、胸が痛くなる。ジョージは後ろから突然肩を叩かれた。
「奥さん、大丈夫ですか?」
「え・・?誰・・・?」ジョージが振り向くとそこには夫の友人であったジンジャーやそのほかの友人がいた。
ジンジャーはジョージに手を差し伸べた。「大丈夫ですか?きっとあいつも見守ってますから、だから泣かないでください」
ジンジャーの優しい言葉にジョージは余計泣き出してしまった。それも無理はない。エリックの顔が浮かんで、余計に悲しかったのだ。
「お恥ずかしいところをお見せして、すいません・・主人に顔が立ちませんね。こんな妻で」
「そんなことはありませんよ、きっとあいつもあなたのことを見守ってくれているはずです。あ、奥さん、ちょっとお話があるので人目につかないところでいいですか?」
「ええ、いいですけど、なんですか・・?」ジョージは不審に思いながらジンジャーたちをベッドルームに通した。
「ここなら、誰も来ません。でもお話って・・・?」ジョージは見上げた。
ジンジャーが合図すると、一人が鍵を閉めた。そしてジョージに襲い掛かると、口を塞いだ。ジョージは必死に抵抗した。だが、元から細いジョージは到底かなわない。
264暗黙情事  2/2:2009/04/21(火) 17:34:53 ID:???0
「おとなしくしろ!おとなしくしたら許してやる」ジョージの上にジンジャーがのしかかって動けない。
「やめてください!どうしてこんなことを!」ジンジャーはジョージの服を引き裂くと、自分のネクタイで手首を縛り上げた。
「未亡人・・そそるぜ。それにこの綺麗な肌、たまらないよなぁ。エリックは毎晩こんな上物を抱いてたんだから」
ジンジャーがジョージの胸の突起を執拗に舐めた。ジョージは何度も首を振っていやいやをした。
ジンジャーの熱を持った熱い舌がジョージの胸や首筋を嘗め回す。
「奥さん、感じてるんだろ?」ジンジャーが指で突起をつまむ。
「いやぁ・・っ・・やめて・・・」
口では嫌がっていても、感じていることは事実だった。けどジョージはそれを認めたくなかった。認めたら、彼らの思う壺だからだ。
ぴちゃぴちゃという水音がジョージの耳にも届く。ジョージは見まいと目を必死に粒った。ジョージは頭の中が混乱していたが今自分が何をされているかははっきりわかっていた。
「あいつが死んで寂しいと思ったから慰めてるんだろ?感謝しろよ」ジンジャーはジョージの耳元でそう囁くと、命令した。
「脚開け」
「やだ・・」
「命令に従わないならこのことばらすぞ!いいのか?」ジンジャーは嘗め回すようにジョージを見た。
そう怒鳴られ、今は従うしかできなくなったジョージはしぶしぶ従うしかなかった。
ジンジャーは舌なめずりするとジョージのそこに舌をあてがいぴちゃぴちゃと舐める。そのたびに反応してひくひくとする。
嫌でもジンジャーの舌が奥まで入り込んできてジョージはただならぬ快楽に犯される。すると突然目の前に性器が突き出される。
「え・・?」
「できるだろ?フェラ。できないとは言わせないぜ」
ジョージはかすかに長い睫を揺らし、相手の性器を口に含み口淫しはじめる。ジョージが動かす舌の動きにあわせてじゅぷ、じゅぷと音が鳴る。
相手の男がかすかに息を荒げた。相手にわざと気があるふりをすればこっちのものだ、そう考えたジョージはひたすら一心にフェラチオを続けた。
右からも突き出されてそちらもフェラチオを施せば、ジョージの顔に出される。ねっとりとした精液が気持ち悪い。
265暗黙情事  3/3:2009/04/21(火) 17:36:32 ID:???0
今度はイケナイ事を一人でしてみろと命令され、またジョージはその通りにする。片方の乳首を自分でつまみ、エリックを思い浮かべながら秘所に少しづつ指を差し込む。
自分で挿入したせいなのか、嫌なほど快楽の海に溺れ、ただただ自慰を続けた。エリックが自分を抱いているのを思い浮かべながら。
一人で果てると、興奮したジンジャーがまた圧し掛かって自分のもう既に勃起したそれを挿入してくる。
中をそれでかき回され、突き上げられ、卑猥な言葉を耳元で囁かれ、腰を何度も触られてジョージは果てた。半分意識を手放しかけているジョージは自分の中からジンジャーが引き抜く音が分かった。
ああ。頭がぼーっとしてなんだか変な気分だ。電気が眩しい。後で疲れが取れたら真っ先にシャワーを浴びに行って、身体を綺麗にしよう。
「じゃあな、あばよ。淫乱奥さん」
ジンジャーの捨て台詞と、精液の匂いだけが木霊していた。

266ミハイル:2009/04/21(火) 17:40:29 ID:???0
はいwwwwやっちまったな〜ですwwwwwwww
最初は「未亡人・侮辱の葬儀」とか「葬儀という名の性の祭典」とかポルノ小説みたいなタイトルを考えていましたがビースラ
なのであえて変えましたwwwww
ジンジャーというのはクリームの元メンバーのジンジャーベイガーのことですw
タイトルはCoccoのエロ歌からwww
267Rase & Fall:2009/04/21(火) 19:39:16 ID:???0
861Headge-hogさま、
私もTill there・・の続きを切望です。
258さんの仰るとおり、Headgeさまの作品は
いつも情景がはっきりと見えて 大きな感動を
与えてくれます。ありがとう!
268シドと白昼夢:2009/04/21(火) 21:03:00 ID:???0
ジョージの目が、驚きを隠せない表情で見開かれる。
部屋の中で、たった一人で秘密の行為に励むジョンは誰が見てもそれがどんな行為か一目瞭然だった。
声が漏れないように口元を押さえ、くちゅくちゅと指を動かし続ける。そのたびに短い喘ぎが漏れ、荒い息を吐く。
自分の指を前立腺にあてがい、夢を見るようにとろんした顔で頬を赤らめる。たった一人の人―
―ポールを思って。
ジョンがポールを好いているのは以前から気づいていた。だが、ジョージもジョンに片思いを抱いている。だからこそこんな淫らな行為に溺れる彼を見るのは辛いのだ。
目を背けたいと思っていても、どうしても気になってしまう。ジョージは自慰行為を続けるジョンを見続けた。
ジョージの胸が苦しくなった。彼は、気づけば自らの手を自分のそれに手を伸ばしていた。
ジョージは、ジョンが自分のそれをフェラチオしているところを浮かべながらジョンを見つめ、行為に及んだ。
「ああ・・・っ・・・・ジョン・・・、」ジョージの右手がせわしなく動く。ジョンは今、彼のそれを口に含み愛撫している。そんな光景がジョージの脳裏に浮かんだ。
ジョンの呼吸が益々速くなる。絶頂が近いようだ。ジョージの手は、ジョンの呼吸で益々早くなり、ジョージはもう今、自分が何をしているのかも忘れていた。
「あぁ・・・・っ!」ジョンは、自らの手でオーガズムに達した。白濁した液がシーツに飛び散って、汚した。
「ポール・・っ・・ポール・・・っ・・」ジョンは、指を引き抜きそのままシーツにうつぶせになって泣いた。
ポールはジョンの自分への思いを気づいていないのだ。ジョージはそんなジョンが不憫に思えた。
「俺・・何やってんだろ」

end
269ミハイル:2009/04/21(火) 21:05:38 ID:???0
はい、できましたwwエロfabがwww
一方通行の恋って辛いですよね。私もそんなことがあったので書いてみましたw
最後のせりふはジョンです
ところで弱気なことを云うようですがどれほどの人が私の作品を望んでいるんでしょう?世は本当に世知辛い物です
特に雌は
270ホワイトアルバムさん:2009/04/21(火) 23:00:23 ID:???O
>>ミハイル様
いつも、楽しく美味しく読ませて頂いております。
ビーslashは、需要>>>供給だと思います。これからも素敵な作品お待ちしております。
全裸で
271売掛金:2009/04/22(水) 00:18:31 ID:???0
素晴らしい展開ですね・・・(^^)

私は個人的にサイトをやっているのですが
1日に○○人の訪問があっても誰もコメントくれないとかざらでしたよ。
それで一度サイトを止めたんですが、後日常連さんからメールが届いたのです。
メールを読んでもう少し誰かと情報を共有してみようかと思いサイトを新たに作った記憶がありますよ。
現在はその延長線上にあります。
正直更新作業は孤独だし、管理はめんどくさいし、一銭の得にもならないし
ここだけの話、今でも閉鎖のタイミングを見計らっていたりするんですけどね。

でももし誰かが声を掛けてくれるなら、それを大切にすべきと思いますよ。
私が言えることはそれだけかな
272ホワイトアルバムさん:2009/04/22(水) 00:19:46 ID:???O
ミハイルさん>>
朝晩、スレを閲覧するのが日課になってます。
ROM専なので陰ながらですが、いつも楽しみにしてますよ。
273861Hedge-hog:2009/04/22(水) 00:36:01 ID:???0
売掛金さま!!! お久しぶりです!!!!!!
お元気でしたか〜〜!!!!!????

忙しかったのでしょうか? でも元気そうでなによりです。
なんか、いろいろとエロエロな展開ですよ、こっちは(笑)。
274861Hedge-hog:2009/04/22(水) 00:51:46 ID:???0
そして >>267 Rase & Fallさま。
嬉しいレスをありがとうございますwwwww。
しかし…「Till There〜」の続編構想は、考えてなかったっす(泣)。
ですので、リクを頂けてすごく(ホントに)嬉しかったのですが…ちょっと
ご遠慮させてください(てか、自分でもこのSSを支えきれるような続編を書く自信がないです。
自分に負ける哀しい私)。
この二人のことは、また書いていこうと思いますので、その時はよろしくお願いします!

売掛さま。お暇になったらで結構ですので、また…あの、クールで切ないSSを…。
い、いえなんでもないですゲフンゲフン!!

275売掛金:2009/04/22(水) 01:48:13 ID:???0
861Hedge-hogさま

お久しぶりです(^^)
なんだか色々な意味で厳しい展開になっているようなので顔を出しました。
といっても何の役にもたっていませんが・・・

まとめwikiですか。
どちらの発案なのですか?
276861Hedge-hog:2009/04/22(水) 02:27:36 ID:???0
>>275
まとめは、ミハイルさまが用意してくれました。感謝・多謝です。
私がふがいないばかりに、苦労をかけてしまいました…。彼女には感謝しても
しきれません…。

厳しい展開? 確かにジョージたんがエロエロなことになってますwwww。
私もエロエロしたいのですが、なかなか上手くなくて…(しょんぼりんぐ)。
しかし、いいなあ未亡人>>263! ジョジたんの弱弱しい横顔はまさに未亡人
フェイスと称号を付けたいwwww!!ネクタイで縛られてきゃー!!!! ご奉仕強制で
ぎゃああああwwww! ハアハア。幸せw。

…あ、なんか私、違うところで話してますか? 不安。
277売掛金:2009/04/22(水) 07:56:52 ID:???0
おはようございます

>…あ、なんか私、違うところで話してますか? 不安。
恐らく違うと思います。そんなことで私はここに顔を出したりしません。

まとめwikiの構築ですが、以前このシステムは触ったことがあるので
今日は午前中は予定がないので認証さえ頂ければ形だけなら数時間で作ることが出来ます。
ただあくまでサイトの形を作るだけなので、その後の変更や情報詰め込みは
管理者か参加した方が思うように変更していくことを望みます。
278ホワイトアルバムさん:2009/04/22(水) 09:21:37 ID:???0
あ、ここファンコールもOKなんですか。
じゃあ私も

売掛金さま
前スレで初めてお見かけした時から大ファンです
あなたの描くクール&ビューティなポールにぞっこんラブです
ROMオンリーな私ですが、モニターの向こうから
ずっと応援してます!
279861Hedge-hog:2009/04/22(水) 12:32:36 ID:???0
>>277売掛金さま。
>恐らく違うと思います。そんなことで私はここに顔を出したりしません。

ああ、せっかく久々に顔を出してくれたのに、不愉快な態度をとってしまって、
申し訳ありません!
ちょっと最近、舞い上がり気味でした。マジで反省します。
クールなお返事を頂けて↑に気付くことができました。
You Turn Me On.て感じです(英語はこれで合っているのだろうか…)。
ありがとうございますノシ!
280ミハイル:2009/04/22(水) 14:42:17 ID:???0
>>277
売掛金さまお久しぶりです、ミハイルでございます
Wikiの参加の自動メール、確認いたしました
情報の埋め込みはよくわからないので名無しのみなさま、861さんなにとぞ支援を・・orz
281売掛金:2009/04/22(水) 15:08:50 ID:???0
>>278 さま
ありがとうございます。
私自身こそこそ書きためていたものを
人様の前に出させていただく機会を頂けるとは夢にも思っておりませんでした。
色々ご迷惑おかけすることと思いますがこれからも宜しくお願い致します。


>> 861Hedge-hogさま
こんにちは。
こちらこそそっけない書き方で申し訳ございませんでした。
ところでwiki編集の認証が来ないのですが、どうされたのでしょうね・・・
何かの力添えになれればと思ったのですが、きっとお忙しいのでしょう。
気長に待ってみることに致します。
282売掛金:2009/04/22(水) 15:11:45 ID:???0
>>ミハイルさま
おおう、こんにちは。リロードしていませんでした。失礼致しました。
私も今外から帰ったところです。
「承認確認の通知」をお待ちしております。
283ミハイル:2009/04/22(水) 15:16:57 ID:???0
>>276
>私もエロエロしたいのですが、なかなか上手くなくて…(しょんぼりんぐ)。
そんなことないですよ^^リンゴがジョージを犬みたいに命令するやつ、あれすっごくエロいと思います
私でもうらやましいほどですよ。いや、マジで、うん
861さんみたいなジュネぽいような、ポルノっぽいような性表現ができたらいいのですが私は長年いわゆるBLややおい畑
にいたので表現がどうしてもジュネではなくてBLみたいになってしまうんですね・・(泣
861さんはああいう大人のエロスみたいなのがいい持ち味だと思いますよ^^b
続編はローターで羞恥プレイ、強制フェラチオ、ローション攻めなどがありますふふふ・・お楽しみに

いえいえ、労力をかけたとか気にしなでください^^
スレ主なので、できることをしたいと思っているのでbあああ、前からバイトしていれば忍者で借りられたんですが(泣
ロリポップも料金式ですよねorz
学生さんの多くはロリポップ鯖を借りている人が多いみたいですが・・orz一応、炉利ポプも見てきます
284ミハイル:2009/04/22(水) 15:19:44 ID:???0
>>282
認証通知というのは登録した側にも来るんですか?よくわからないのですが、さきほど売掛さまが参加しましたよという
認証メールがwikiからきてました
あと、サイトをやられているとのことですが、よかったらそのサイト教えていただけませんか?
私も友人と共同経営でやっているもので^^;
285売掛金:2009/04/22(水) 15:21:34 ID:???0
>ミハイルさま
一度ログインして頂き
参加者一覧から私の「承認」をして頂ければと思います。
286Rise & Fall:2009/04/22(水) 15:26:42 ID:???0
861Hedge-hogさま、
267です。(前回、HNのスペルミスりました、すみません)
続きがないとは残念ですが 次のお話を楽しみにさせて
いただきます。実は以前からHedgeさまには
作品の感動を書き込んでいたのですが
いつも規制にあって書き込むことができず 今回やっと伝えられて
ほっとしました、これからも愛読させて下さい。
売掛金さまの話も大好きで 毎回ものすごく楽しみにしています。
あのクールなポールは何回読んでも本当にぞくぞくします。
皆様の作品をこれからも読ませていただけたら嬉しいです。

ところで、You turn me onてEL&Pの曲のですか?
287ミハイル:2009/04/22(水) 15:27:56 ID:???0
>>285
すみません、参加者一覧ってどこをクリックしたら出ますかね;?
今ログインしているのですが;;
288ミハイル:2009/04/22(水) 15:40:35 ID:???0
>>285
重ねてすみません^^;
承認いたしました(ぺこり
289売掛金:2009/04/22(水) 15:49:34 ID:???0
>ミハイルさま
入りました。ありがとうございます。
テンプレートですが、こちらから選択操作が制限されております。
861さまもイラストを描かれるので、もう少し幅の広いテンプレートをお願いできませんでしょうか。
290ミハイル:2009/04/22(水) 15:51:31 ID:???0
>>289
わかりました^^
どんなデザインがよろしいでしょうか?
291売掛金:2009/04/22(水) 15:55:59 ID:???0
>Rise & Fallさま
ありがとうございます。
私の書いたものは数年前に書いたものであり、
史実と異なる部分が多々あることをこの場を借りて謝罪させて下さい。
これからも多々御迷惑おかけすることとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します。
292売掛金:2009/04/22(水) 15:58:35 ID:???0
OKです
このテンプレートは私も過去使ってました
ではちょっといじります。
293ミハイル:2009/04/22(水) 15:59:34 ID:???0
>>292
よろしくおねがいします(ぺこり
294売掛金:2009/04/22(水) 16:03:51 ID:???0
>ミハイルさま
テンプレートをひとつ前に戻してください
以後wikiに関するメッセージはトップページに臨時で貼り付けますのでよろしくお願い致します。
形が出来たらこちらに報告致します。
よろしくお願い致します。
295ミハイル:2009/04/22(水) 16:05:10 ID:???0
>>294
今設定しました
今設定しているものでしょうか?
296売掛金:2009/04/22(水) 19:12:24 ID:???0
こんばんは
まとめサイトなのですが、とりあえずの形を作りました。

例と致しまして自分の作品を1本あげ、3つの場所から引っ張れるようにしています。
ページを作る際の皆さまの手助けになれれば幸いです。

メニュー内容は暫定ですので、追加等変更をかけて頂き
随時新規ページを作成してリンクを張って頂ければと思います。

又トップの画像、文言はテスト用なので変更して頂いて結構です。

ではよろしくお願い致します。
297ミハイル:2009/04/22(水) 20:45:32 ID:???0
>>296
売掛金さま、おつかれさまです&ありがとうございます
自分のページに貼り付けるようの画像で、竹宮恵子風のタッチでPJなイラストを描いていただけませんか?
無理をいったらすいません
あと、各書き手の自己紹介を載せようと思うのですがいかがでしょうか?
298売掛金:2009/04/22(水) 21:03:57 ID:???0
>ミハイルさま
こんばんは。

>竹宮恵子風
おお、開祖さまですね。
描けるかどうか判りませんが、今週末くらいまでには出来るように頑張ってみます。

>自己紹介
ナイスアイディアと思います(^^)


自分でテスト書きしておいて何なのですが
カップル別の G/J ってあり得るんでしょうか・・・
299ミハイル:2009/04/22(水) 21:12:45 ID:???0
>>298
こう、風樹のセルジュとジルベールみたいに背景お華で妖艶な感じがいいですwww
山岸先生もいいなぁと思ったのですが、あの先生は眼が死んでいてなんか仏像みたいなので・・orz
以前SlashコミュでそのCP見かけましたよ。数はその逆のJ/Gが圧倒的に多かったですが・・w
あとジョン受けのところにS/JとB/Jを加えていただけませんか?
新規ページの作り方を教えていただければ自己紹介ページは私が作成しておきますね^^
300861Hedge-hog:2009/04/22(水) 22:33:37 ID:???0
>>ミハイルさま、売掛金さま。

うわー、すごい! お疲れ様でした!!!!!
何も出来ない私ですが、見てきました。トップの写真、いいですねーw。
そして自己紹介…。てか、今必死で新規ページの作り方とかリンクのつけ方とか
試行錯誤しています。しかし、「まとめスレへの道」とタイトルをつけたくなるような
ドキュメンタリーになりましたね。なんとなく、貴重な記録になっていると思います。
とにかく、お疲れ様でした!!!!!! 

…最初、やるとか言っておきながら…なーんもしないで、ごめん…なさ…い…。
301売掛金:2009/04/22(水) 23:30:26 ID:???0
> ミハイルさま
> 861Hedge-hogさま

なんだか駆け足で作ってしまった為、見ずらい箇所が多く、かえって申し訳ございませんでした。
テスト的に作っただけですので、テンプレートを変える、メニュー項目をトップに持ってくる、
画像を変更する、フォントを変える等、全然気にせずたくさんやって頂けると嬉しく思います。
宜しくお願い致します。

では失礼致します
302861Hedge-hog:2009/04/23(木) 01:12:05 ID:???0
>>売掛金さま

>なんだか駆け足で作ってしまった為〜
いえいえ、とんでもない! 今自分の作品を収納しようとやってますが、
頭がこんがらがってきてます。バカだ自分ーーーー!!!!
まったく、尊敬しますーーーー!!!
あ、ところで、前スレでの皆様のSSをわたくし、手元においてあるのですが
出来たら(←フォント数25、MSゴシック)収納してもよろしいですか?
「ビートルズで801 6スレ目作品」と項目を(出来たら)つけて。
…できるんかい自分。もしやるとしたら、ってことで(がっくり)。
よろしければ、レスを戴きたく思いますー。よろしくですーノシ
(よろしきを戴けても、収納出来なかったら報告しますので、その時は笑ってやってください…)
>>286 Rise & Fallさま その他の方々へ。
自分の投下物を、ここのスレを、ちゃんと見てくれていた人がいたんだなーと今日は励まされた日でした。
自分の書いたSSを投下するのって、自分では結構無謀な冒険です。それを見ていてくれる人が
いるのはまったく嬉しいことです。ありがとうございます。
私的には毎回がんばってはいるのですが…なんか愛は、愛はあっても手が付いていかなくて…。
精進いたします。ギャグやらエロやら、これからも書きたいものを好きに書いていきますが、
何分粗忽者で失礼をするかもしれませんが、皆様、これからもよしなに。なんでしょうかいきなりwww。
ミハさま、売掛金さまにも、しっかと頭をたれます。
あ、ところで、「よしなに」てちょっとHぽくないですか? ないですね。
失礼しました〜(ダメだ!自分!!)

PS.「You turn me on」ですが。あ、ELOに同名曲があるのですね。知らなかった。
勉強になります! ではノシ
303売掛金:2009/04/23(木) 01:31:15 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
お疲れ様です

>ビートルズで801 6スレ目作品
とても良いアイディアだと思います。
私のはたしか3本あったと思いますので、その分だけ今「作者別」のところで新規ページを作りますね。
そこから861さまの作った該当ページにURLを引っ張ってください。
出来たらまた書き込みします(^^)お待ちください
304売掛金:2009/04/23(木) 02:29:45 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
大変お待たせ致しました。
6スレ目で自分が書いたものを3つをUP致しました。
ではよろしくお願い致します。
305861Hedge-hog:2009/04/23(木) 05:46:27 ID:???0
基本ヘタレですから、自分のをまとめスレに編集するのに、えらくかかりました。
でもなんとかできたので、少しずつうpしていきます。
ああ、それで売掛金さま、お聞きしたいことが!

「自己紹介」部分の作品リストに書き入れたタイトル名と、作品とのリンクの貼り方が
分かりません。すいません、教えてください!!! お手数おかけしますがお願いします!
306861Hedge-hog:2009/04/23(木) 07:05:03 ID:???0
まとめサイトに

自作品2つ
6スレ目より、名無し(ホワイトアルバムさん J/P)を収納してきました。
ホワイト〜さんの作品はタイトルがついていませんので「6スレ目より」と
させていただいています。もしお心当たりの方は、編集をお願いします。

売掛金さまの作品リストを見て、一人心躍らせる私です。気長にやって行きましょう!

では、哀しいまでにぶきっちょな頭を使って、SSを書きたくなったやっつけ仕事で
皆様、道づれ! この世界ではみんな仲良しだ! 嘘っぱちな捏造SS
タイトル「こんなゲットバックセッションなら許す!」略して「K.G.B.S.N.Y!」
どっかから怒られないことを祈りつつ、「ばっちりいってみよ〜!」
307「K.G.B.S.N.Y!」 /1:2009/04/23(木) 07:11:12 ID:???0
「こんなゲットバックセッションなら許す!」

アップルビルの半地下のスタジオで、リンゴスターは皆を待っていた。
 防音設備が整った、休憩室までこしらえてあるこの場所で、当初ゲットバックセッションは行われていた(しかし、どうしても手狭であったので、
結局場所変えすることになったのだが)。半地下特有の、湿った空気はひんやりと彼を包んでいる。
「え? ジョージ?」
 ドアが開いて現れた最初の人物は、遅刻魔で有名なジョージハリスンだった。彼は後ろ手にドアを閉めて、床に転がる機材をよけながらリンゴの側に寄っていく。
「スタジオの場所、移るみたいだな」
「そうだね」
 そんな他愛の無いことを受け答えて、ジョージはリンゴの膝にすとんと座った。実に自然な態度だった。
「おい、ジョー?」
驚いた顔をするリンゴに、ジョージは悪びれもなく昔話を持ちかけた。
「昔、よくこうやってリンゴの膝に乗ったよね」
「ああ、ハンブルグでか? 随分昔の話だな」
 そう答えながら、リンゴは懐かしさで笑みを大きくした。革ジャンを着込んで粋がってたベビーフェイスのギタリスト。彼はなぜか自分に懐いてきた。姿を見ると
寄ってきて、甘えるように膝に座った。店ののん兵衛たちにからかわれても、涼しい顔で…。
「なあ」
「ん?」
「なんで、あの頃こんなことしてきたんだ? 皆にからからかわれても」
「人がどう言おうと、俺がアンタを好きなことに変わりがないからさ」
 あけすけにそう言うと、ジョージはにやっと笑った。ヒゲの向こうに浮かぶ笑顔は、昔と少しも変わらない。ちょっと面食らったリンゴに、ジョージは顔を下ろしていく。
「…どうしたんだ?」
 長いキスが終わってから、リンゴがジョージに尋ねた。「なにか、あったのか?」
 ジョージは少し黙り込んだが、尖らせた口を少しずつ開いて答える。
「…エリックがね、いやなことを言うんだ」
「エリック? あの?」
 うん、と頷いてジョージが続けた。「俺があんたが好きなことを、アイツ「ガキの思い込み」だって言うんだ。昔の亡霊に取り付かれてるって」
 リンゴは思わず苦笑した。やれやれ、嫉妬に焦がれる青年は、とうとうオレを殺してしまったのかい。
308「K.G.B.S.N.Y!」 /2:2009/04/23(木) 07:14:31 ID:???0
 自分の首に腕を回し、ふくれっ面を隠さない昔なじみの青年に、リンゴはわざと教師のような声音で話す。
「その通り。子供は大人になるものだ。そして子供は学校を卒業するものだよ」
「だったら、俺は落第生だな」
 リンゴの顔のあちこちにキスを落としながらジョージが言う。
「いつまでも卒業できないろくでなしだ」
「落第ばかりだと、退学処分にするよ」
「だとしたら」
ジョージの目が、リンゴの目をはたと見つめる。昔を変わらない目。アーモンド色の、瞳に好奇心と、ちょっとだけ落ち着いた光を浮かべて、こちらを嬉しそうに
見つめるてくる。「だとしたら?」と聞き返されて、ジョージが、すこし戸惑ったように口ごもる。言わなくてもわかるだろ? といいたげに彼はリンゴの額に
キスをすると、鼻にかかったリバプール訛りではっきりと答える。
「俺は、もう一回アンタに入学するよ」
 だってホラ、と彼はリンゴの手を取ると、そのまま左の胸に押し当てた。
 ことことと早鐘を打つ鼓動。触れているところから、肌に熱が帯びていく。
 ジョージが、リンゴの頬を両手で包むと、そのまま髪に指を差し込んでいく。リンゴの髪が、まるで指を舐め上げるように絡んで、すり抜けていく。
 すっかり甘えきって、相手になにもかも委ねたジョージの姿はこの上なく艶めかしかった。片方の腕をリンゴの肩に回し、もう一方で彼の緩めた襟首を
指先でくすぐる。リンゴはちょっとだけ首を竦めてジョージを咎めたが、やがてその両手をジョージの脇腹に滑らせる。
「あいかわらず、ここが好きなの?」
「…変なこというなよ…」
「でも、ほら」
309「K.G.B.S.N.Y!」 /3:2009/04/23(木) 07:16:41 ID:???0
 自分の膝の上で、小さく身体をよじってため息をつくジョーをからかいながら、リンゴは「ほら、ここも」と身体のあちこちに道を付けていく。
激しさのない代わりに、相手をいたわり、甘やかす優しいしぐさだった。
「ん…」
 リンゴの唇を首や肩に受けて、ジョージが甘やかな息をもらす。殺風景なスタジオなど、もう二人には関係なかった。フリルのついたシャツブラウスのリボンをほどき、彼は
自分でボタンを外す。そして、はっきりとリンゴに身体を向けた。
 まあ、いわゆる「対面ざ(ry」の形になって、ジョージは本格的に、リンゴに甘えだした。今迄だって充分に甘えていたのだが、本気モードとなったジョーの無邪気な
艶やかさは、ちょっと想像を絶するものがある。これがFabの面々じゃなかったら、一発で腰砕けになって、なにもできなくなっただろう。
 しかし、相手はリンゴである。彼もまたゴージャスハイパーモードに切り替わっていた。長く伸ばした髪の隙間から覗く目は憂いを帯びて濡れて光り、薄く微笑む口元は、
柔らかでありながら、強烈な男性匂さを醸している。小さな身体からは、大きなオーラが溢れスタジオをお花畑にしてしまったように思わせた。そんなリンゴにジョージは
思わずため息をついた。少女が大人に恋をするような純粋な憧れと、身体になじみこんだ強い愉悦を思っての、余熱を逃がすような息だった。半分ほど高いところにある
ジョージの目を覗き込みながら、リンゴはにこりと笑った。そして、ボタンのはだけたシャツに、その顔を埋める。
「あっ…、はあ…」
 思わずジョージの顎が上がり、背中が一つ、大きく震えた。リンゴはそのまま両手を背中に回す。
「…ね、リンゴ」
 じれったい時間が永遠に続くように思えて、ジョージがリンゴを強く抱きしめた。そしてやはり長い髪の間から、濡れて光る唇をのぞかせて、せっかちな要求をする。
「お願い…、ここで、しよ?」
310「K.G.B.S.N.Y!」 /4:2009/04/23(木) 07:21:19 ID:???0
「ここでかい? 隣の休憩室へ行こうよ」
「いやだ、ここがいい。ここじゃなきゃやだ」
 目元をばら色に染めて、ジョージが拗ねた声を出す。「こまったお嬢さんだね」と笑いかけて、リンゴは温かに湿った舌でジョージの
胸板を慰めにかかった。
『いや…、そんなとこ舐めないでよ』
 はっきりと言おう。最初にアップルのスタジオは防音が効いていると説明したが、じつはアレはアップルのゴミであるインチキ
技術者「マジックアレックス」の触れ込みなのだ。あのアホのことはこちらが説明するまでもないだろう。な、もんだから、ドア
一つ向こうの音なんてワリとだだもれで、しかもスタジオの入り口は鍵すら壊れていた。
 もちろん二人がソレを知らないわけじゃない。しかし、彼らはキニシナイ。むしろその方が新しい刺激になるってもんで、しっかり、
とっくり、久々の交遊を暖めているのだ。
「まったく、あきれるよ」
 ドアの隣でポールが呟いた。
「いいんじゃね? 仲が宜しくて結構なこった」
 その隣で、ジョンが壁に寄りかかりながら、のんびりあくびをして答えた。彼らはもちろんスタジオに仕事をしにきたのだが、どっかの
バカップルがカラオケボックス代わりにスタジオを使い込んでしまったから、入るに入れず、しかし帰るのも、なんかくやしいような気が
して、こんな中途半端な場所に突っ立っている状況にあった。
「マルに連絡してもらわなきゃ。あと2時間で撮影陣がきちゃうよ」
「連絡? なんていってもらうんだ? 『ビートルズのメンバー二人が、気分が乗っちゃってちょっと月まで旅行に出ちゃったから、
今日は撮影ナシ』てか?」
「いやな言い方すんなよ!」
 思わず荒っぽい声がでたポールに、ジョンが慌てて「しーっ」と人差し指をポールの唇に置いた。
「いやあ、それにしてもリンゴはすごいな。まったく、ドア越しでもビンビンとした空気を感じたよ」
「それなら、ジョージだってそうさ。今のジョーに勝てる奴は」
「お前くらいだな」
 
311「K.G.B.S.N.Y!」 /5:2009/04/23(木) 07:29:08 ID:???0
 ポールの言葉を引き受けて、ジョンはすばやくポールの唇を奪った。「ヒゲくすぐってえ」とジョンは
ポールの口元を自分の唇でくすぐるようにそうささやくと、にっと笑ってまたキスをする。
「ちょ…ジョン…」
「あのバカップルに負けるのは、レノン―マッカートニーの面子に関ると思わねえ?」
 そんなアホくさいことを呟きながら、ジョンがポールに何度も口付ける。空気が一気に濃密になっていくのが分かる。
「だめ…だよ。もうすぐ撮影が」
「始まるまで二時間あるんだよな?」
 レノンはポールの抵抗を、易々と破っていく。髪を撫で付けたり、耳元にキスを繰り返したり、壁に追い詰めてくすくすと
ポールの生真面目さをからかう。
「かわいいな、ポーリィ。なんでそんなに変わらないんだよ」
「そっちは随分変わったよ」
「オレが? どう?」
「すっかり老け込んださ」
 そんな憎まれ口に、ジョンは軽く笑い声を上げた。そして、ワルツを踊るようにポールを抱きしめる。
「時間が惜しくないか、Love? オレはここでもかまわないぜ?」
 しょーがないなー、とポールがジョンを促して、スタジオの隣へと歩き出した。「なんだよここじゃねーの?」と、心底ザンネンそうに
ぼやくジョンを、軽く無視して(←フォント数19。MSゴチック)、でも歩きながらポールはジョンの肩に甘えかかる。
長年の恋人に、こんな風に甘えかけられて頑張らない男は去勢されたイヌのようなもんだ。ジョンはいつも口うるさいポールの、
久々の「ツンデレモード」に思わず「ムッハー!」となった(←20世紀最大のバカップルの面目躍如)。
「よーし、いっちょ久々にがんばっちゃおっかなー!」
「おい、隣に聞こえるだろ?」
「これからもっと聞かせるだろ?」
「!!!!」
 ドアを開ける直前の会話に、ポールが顔を赤くしてジョンを睨み付けた。
 ジョンはおおげさにウィンクをして、ポールを抱えるようにドアを閉めた。
 
312「K.G.B.S.N.Y!」 /6:2009/04/23(木) 07:35:51 ID:???0
「ちょ、ポール!? これって、どゆこと?」
 完全に混乱した、リンダイーストマンである。
「なんであの二人…え? しかもなんか、あの話ではスタジオでは」
「そうね、きっとジョージさんとリンゴさんが、愛を交わしているのだわ」
 大したことをいっている訳ではないのに、深遠なことを言っているように聞こえるヨーコオノの肯定が、リンダの問いの答えだった。
「ええええ!? なにそれ? あたし聞いてないわよそんなこと」
「進んで言う人もいないでしょうね」
「そんなこと言ってるんじゃないわよ!」
 半地下の暗がりでも映える金髪を、リンダは振り乱しながらヨーコに怒鳴った。しかし、並みの神経を持っていない彼女は、黒い瞳に
かけらの動揺も見せず、彼女の夫がしたようにリンダの口元に人差し指を乗せた。
「そんな大きな声で、彼らの命の輝きを乱してはいけないわ」
「あんたナニ言ってんの?」
 心底不思議そうに、リンダはヨーコを見つめた。「あたし達の恋人が、男と浮気してるのよ? しかも友達の旦那達まで! なんで
落ち着いてられるって」
「浮気ではないわ。そんな言葉で彼らの行いを汚してはダメ」
「ちょ、アンタ」
「分かっているはずよ、リンダさん。あなたにも」
 すっとヨーコがリンダに近寄った。その瞳は底が見えないくらい漆黒で、まるで夜のようだ。
「彼らが今行っているのは、ただのセックスではないわ。その瞬間に命を燃やし、心を通わせ限られた時間の中で共に高みを目指す
実践的な共同芸術なのよ」
「…つまり時間がないから手っ取り早く終わらせるために、お互いがんばってます、ことでしょ」
 見も蓋もない言い方だが、その通りである。
「リンダさん、そんな言い方はあなたらしくないわ」
 そう言ってヨーコは微笑んだ。慈愛に溢れた笑顔だった。思わすリンダが引き込まれる。「あなたは写真家。私は芸術家。その
双方には一つの道が通じているの」
「…それは?」
313「K.G.B.S.N.Y!」 /7:2009/04/23(木) 07:47:29 ID:???0
「それは芸術を理解し、残していこうとする心よ。私達は、自分の恋人や夫、また、自分が何者であるかというものを乗り越え、一人の人間として、心の向かう方へ
眼差しをむけなければならないの。あなたが持つカメラは、何のためにあるの?」
 なんだか、分かったような分からんような言葉だが、アメリカ人はこういうものに弱い。リンダは、自分が言いくるめられてると気付いてはいるのだが、ここで
それを言ったら自分が芸術を解しないヤンキーのように思われそうだと考えた。
 リンダ戻ってこーいと声をかけたくても、今彼女はヨーコと共にある。彼女の脱線した芸術論に飲み込まれそうになりつつあるリンダに、ヨーコは「私のように
思っているのは、一人だけじゃないの」と宣言した。
「え?」
 リンダの当惑にヨーコは答える。「私の他にパティさんやモーリンさんが合流してくれたわ。私達は、自分が見聞きした共同芸術の報告会を開いたりその様子を
書き起こしたりして、瞬間の輝きを広く伝えようとしているのよ」
「それは、自分の旦那の萌え話に花を咲かせてるってだけじゃないの?」
「私達は、たまにその記録を一冊の本に纏めて、共に歩むもの同士が集う場所で販売するの。それはお互いの活動のための資金にもなるわ」
「…ちょ、それ」
「今度の新刊はA4版36P、表紙フルカラーで一冊5ポンド(3千円くらいとお考えください)の予定よ」
「たか! そしてアコギ!!!」
「そうだわ、私達はこんなことをしている場合ではないのよ」
 そう言って彼女はどっからか電話を持ってきて、ちゃっちゃとダイヤルを回す。
314「K.G.B.S.N.Y!」 /8:2009/04/23(木) 08:36:02 ID:???0
「パティさん? 私よ。そう、今アップルのスタジオ。あなたの旦那さまの芸術が進んでいるところよ。早く来ないと終わっちゃう…。モーリンさんは? そう、じゃ今回はゲストとして
描いてもらいましょう」「なんの話!?」
 リンダの訴えを流して、ヨーコは何度か頷くと受話器を置いた。
「これでいいわ。今回もばっちりよ」ちなみにこれが前の本、と彼女はリンダに一冊の大判サイズの本を差し出した。そこにはかなり美化が入ったFabが描かれている。中を開くと、漫画が
二本とSSが一本、そして座談会が最後を飾る。最初は引き気味だったリンダだったが、やがて顔を染め目を輝かせて、本に没頭し始めた。ここでとある漫画の名言を入れておこう。
 曰く『ホモの嫌いな女は、いない』と。
 読み終わったリンダが顔を上げた。先ほどのいぶかしげな影はすっかりナリを潜め、新たな世界を発見した喜びに溢れた目を、ドアの方に向ける。
 そして、しっかとヨーコの手を握った。
「素晴らしいわ、ヨーコ! あたし、バカだった。許してね」「いいのよ、それよりあなたも参加しない? 私とあなたが手を組めば、きっと数々の芸術の機会に出会えるし、
私達がそう仕向けるコトだってできる」
「そうね、芸術を人為的に起こすのも、それを志すものの勤めよ!」
「そうと決まれば、さあ、観賞するわよ。リンダさん」
「そうね、ヨーコ!」
「まだ終わってない? 大丈夫!!!???」慌てた様子でパティが飛び込んできた。カメラとスケッチブックを抱えての登場に、大丈夫よ、彼ら再戦を始めたわとヨーコが告げると、
三人の女達はにやっと笑った。そして、それっと我先にドアの隙間に顔を突っ込みだした。
 そんな様子を横目に、撮影班に今日の中止を連絡しながら「女って、皆がああじゃないよな。オレはまともな子を捕まえるぞ」と心に誓うニールアスピノール
(後のアップル代表)だった。
315「K.G.B.S.N.Y!」 /0:2009/04/23(木) 08:48:14 ID:???0
ええと…まあ、こんな感じで一巻の終わりです。
ジェーンが出せなくて残念(彼女はスラッシュサイトを運営しているチャネラー
という設定。ひ、ひでえwwww!!!!!)。
こんなんですが、少しでも楽しんでいただけることを祈って。

売掛金サマ
すいません、>>305の件、なにとぞよろしくお願いします。一通りやり方を、
投下してくだされば、がんばってトライしてみます。
お手数かけて申し訳ありません…。
では、寝ます。朝を見たのは二日目だ。反省!
ではまたノシ                    861Hedge-hog

まとめスレはこちらww↓
http://www36.atwiki.jp/beatles801/
316Sang et Eros 1/1:2009/04/23(木) 11:44:49 ID:???0
湿った室内に、靴音が静かに響く。カーペットの上を歩く靴音と、時折鳴る電話の音だけが入り混じっている。
ジョージは、亡き夫の上司であるジョンから肩を叩かれ振り向いた。彼は、夫の亡き後仕事を続けていた。
「ジョージ、ちょっと話がある」
「はい、なんでしょうか」
ジョージは仕事のミスでもしたかと思い、不安そうな顔をしたまま席を立ち上がって部長室に着いていった。
ジョンは、ジョージを名前で呼ぶ。エリックが彼の部下だったからというのもあるだろう。同時に、彼が有能だったからだ。
部長室の中は品よく整理されたものが置かれている。ただ、窓辺に置かれた鮮やかな真紅の薔薇を除いては。彼と関係のある女から貰ったものであろう。
彼は妻子ある身だがその後ろには、いつも女の影が絶えない。彼の容姿がそれだけ女性にもてるということもあるが、彼が浮気が激しいというのもあるだろう。
ジョージは適当に腰掛けると、ジョンの方をおどおどと見た。彼は、仕事に関しては厳しいのだ。
「まぁ、緊張しないでくれ」
「はぁ・・お話というのは?」
ジョンはジョージの顎のラインを指で撫で、意味ありげな言い方で云った。
「俺は、君の上司な訳だが。云ってる意味分かるよな?」ジョンは煙草に火をつけた。
ジョージはぎくりとした。また、あの時のことのような事が起こるのか。冷や汗と、レイプの恐怖が蘇る。
「ずっと前からお前の事が気になってたんだ。けどお前は俺の気持ちを無視した」ジョンは言葉を続けた。
「それに、この会社の中のいろんな男と寝てるらしいじゃないか。寂しいのか?寂しいなら俺が慰めてやるよ」ジョンはそういうと、ジョージにのしかかり、彼を押さえつける。ジョージは益々恐怖に怯えた。次第にジョージは追い詰められている気がしてきた。
317Sang et Eros 2/2:2009/04/23(木) 11:45:46 ID:???0
「これがなんだか、分かるな?ジョージ」ジョンは、ジョージの目の前でローターを翳した。
「そんなの・・・入れないで・・」ジョージの恐怖から来る震えは止まらなかった。逃げようとしても、逃げ場は無かった。これから自分に対してされることが分かっていたから。
ジョンはすばやくジョージのスラックスを脱がせ、下着を剥ぎ、ジョージのあらわになったそこにローターを挿入した。突然の異物の挿入にジョージの身体はびくりと震えた。
「今日一日はそれをつけたまま過ごしてもらう。もし、途中ではずしたりしたらお仕置きだ。いいな?」ジョンはにやりと笑みを浮かべて煙草を加えた。
ジョージは従うしかなかった。仕事の間じゅうずっと始動しているので感じる声を抑えなければならなかった。
午後の会議も、そのまま出席した。お仕置きをされるくらいならこのまま過ごした方がいい。落ち着かない様子で席に座るジョージを見てジョンはにやりという笑みを浮かべる。そしてローターの動きをやや強めにした。
会議が始まって、資料を閲覧している間ジョージは異物の気配にむずむずしている。
「それじゃあジョージ。説明してくれ」ジョンが何事もなかったかのようにジョージを指名した。そわそわして席を立つジョージに、わざと叱りつける。
「何をそんなに落ち着かないんだ?、ジョージ。寝不足か?」
「すみません・・」
ジョージの説明が中ごろに差し掛かった頃、ジョンはローターの動きを一気に強にした。
「・・・・っ」ジョージが突然がっくりと膝を落とす。
その様子に他の社員がざわざわして騒ぎ始めて、救急車を呼んだほうがいいんじゃないかという声まで聞こえてきた。ジョンはざわとらしい咳払いをして場を制した。
「諸君、静かに!ジョージは少し疲れているようだから、俺が安静にして休ませる。だから心配はない」安心させておけば、自分がジョージにローターを装着させていることを気づかれないで済む。
ジョージは目が覚めると、夕日が目に飛び込んできた。もう夕方のようだ。そう思って飛び起きると目の前にジョンがいた。
「起きたか?ジョージ」ジョンは煙草を吹かしている。その顔は無表情のようだ。
ジョージはまた何かされると思い、少し身を退いた。ローターは既にはずされていた。ジョンはまたぐいと近寄り、話しかける。
318Sang et Eros 3/3:2009/04/23(木) 11:47:01 ID:???0
「今から、俺の家に来てもらう。いいな?」
「はい・・」ジョージは弱弱しい返事をした。
ジョンの家はたいそう大きなもので、外観も内装も彼好みの品のあるもので統一されておりモノトーンの落ち着いた空間で成り立っていた。
ジョージは寝室に移動するように命令され、嫌々ながらもその通りにした。寝室には、大きな黒いベッドが置かれていた。
ジョンは抵抗しないジョージをベッドの上に押し倒すと、無理矢理唇を奪って唾液の交換をした。ジョンの熱い舌が入り込んできて、ジョージの熱さえも奪う。
ジョージは次第に嫌という気分より快楽から来る気持ちよさを優先している自分に気づいた。やがて長いキスが終わると、ジョンはジョージに口を使った愛撫を要求した。
ジョージは素直にしたがい、ジョンのそれを口に含んで舌で少し舐めながら徐々に根元まで深くくわえ込んでゆく。
濡れてきたのか、じゅぷジュプと云う卑猥な水音がする。ジョンの息が荒い。絶頂が近いようだ。ジョージは、根元までくわえ込むと更に奥の方まで愛撫を続ける。
ジョンは、ジョージの口から離すように云うとその精を彼の顔に放った。ぬるぬるとした精が顔の上にどろりと伝い落ちる。
今度はジョージの乳首を舐め、彼の秘所に指を差し込んだ。昼間のローターでほぐれたのか、ジョージのそこは驚くほど素直にジョンの指を受け入れた。
指を一本、二本と増やし、かき混ぜる。そのたびにジョンの指に吸い付いてくちゅくちゅと音がした。
ジョージは声を抑えた。その様子にジョージの手口からどける。
「声を抑える必要はない」ジョンの指がジョージの唇を撫でて、指の動きを早めた。ジョージの秘所は、すでに蜜をあふれさせてジョンの指を濡らしていた。
卑猥な言葉を掛けられ、入れられ、隅々まで犯されつくしてジョージは理性が飛びそうだった。彼はもう、ほとんど理性を手放し快楽に溺れていた。
行為が終わったあと、ジョージはベッドにうつぶせになった。ジョージは静かに目前の風景を見つめていた。


end
319ミハイル:2009/04/23(木) 11:53:12 ID:???0
861さま、長引かせてしまいすいませんでした;
リクどおり、未亡人ジョージの続編を書かせていただきましたwいがかでしょうか?
お気に召されれば幸いです

あと、少我侭まを云うようですが私(わたくし)の作品を好いてくださっている方々、ファンコールが励みとなります。
少量の御声でも宜しいのです。少量でも構いませんから、時々御声を掛けて戴けないでせうか?何時も愛読刺せて戴いて居ります、
之んな恋人同士で、之んな場合の御話を書いて欲しい、其んな御声でも私に取ったら、至極の幸福と成るのですから。

二千九年 卯月 ミハイル拝
320売掛金:2009/04/23(木) 18:12:03 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
まとめサイトのトップページにリンクの方法等のページを作りました。
参考にしていただければ幸いです(「そんなこと知ってるわ」な内容でしたらすいません・・・)
321ミハイル:2009/04/23(木) 18:14:56 ID:???0
>>320
売掛金さま乙です
作品リストはできたのですが、作品本体の埋め込みたはどうやるんでしょうか?
322861:2009/04/23(木) 18:30:45 ID:???0
>>320
売掛金さま。
Thanx A Lot xxxxx!!!!!でございます! 
ちょっくら行ってみてきますwwww。お手数かけてすいません!

なんか、SSとまとめスレ情報が絡み合ってて面白いwww。
ライヴ感があって、いいものですねえw。
323ミハイル:2009/04/23(木) 18:33:54 ID:???0
>>322
まさに、The Beatles at Liveみたいなwwwwwww
324売掛金:2009/04/23(木) 18:58:38 ID:???0
>ミハイルさま
今テスト的に「シドと白昼夢」のページをつくり、ミハイルさんのページからリンクさせました。
編集/削除などし、お気に入りのページ構成にしてください。

この場合のページをつくりリンクを張る方法は
1)編集画面から自身のページに入りリスト項目 シドと白昼夢 を [[シドと白昼夢]] という形にします
2)保存します
3)自身のページのリスト一覧 シドと白昼夢 をクリックします
4)編集方法を選びます
5)任意のテキストを記入し保存します
6)シドと白昼夢 ページ作成とそれへのリンクが完了しました

いかがでしょうか。
325861:2009/04/23(木) 19:06:51 ID:???0
>>320売掛金さま。
見てきました。画像の貼り付け方とかやっと分かったような気がします。
もしお許しくださるなら、拙作に頂けた売掛金さまの挿画をSSに貼り付けてもよろしいでしょうか? うわ、そしたら夢が叶う。
自分のSSと売掛金さまのイラが一緒に見れるという。SSの最後に、Illustrated Byと但し書きを付けさせていただきます。
すげえ、なんか信じられん。自分の作品じゃないみたいになりそう。ぜひ、お許しください。お願いします!!!!
>>322
なんかホント、楽しい。今まで創作なんてずーっと一人でやってたから、このライブ間は本当にたまらない。
声掛け合ってる内に、みるみるスレが進化?していく様は、みているだけでも心がわくわくします。
326売掛金:2009/04/23(木) 19:23:04 ID:???0
> 861さま
画像ですが、もう適当なサイズに切ったり張ったりして
お好きなように調理してこき使ってやってください。
事後報告となりますが、私は既に861さまの画像を己のページに使わせて頂いております。
本当に素晴らしいページとなりました。重ね重ねありがとうございます。

・・・そうだ、私が画像を張ってから大いに鼻血を噴いたものをまとめサイトにUPさせて頂きます。
これは本当に861さまのイラスト勝ちというもので、何度見ても鼻血を噴きます。
では逝ってきます
327売掛金:2009/04/23(木) 20:21:34 ID:???0
鼻血を噴いて参りました・・・
I’m Happy Just To Dance With Youという作品名です。
861さま、一体どういうことになっているのかご確認くださいませ(ふふふ)

>「K.G.B.S.N.Y!」
A4版36P、表紙フルカラーで3000円とは安くないですね(笑
しかも創刊号は漫画2本とSS1本、そして座談会とは。
「ムッハー!」とするジョンはこの頃のジョンですか?
・・・もうなんというか・・・その姿エロおやじっぷりが容易に想像できる自分が嫌です・・・(涙)

>Sang et Eros
ローターですか・・・やはり色はピンクなのでしょうか(どうでもいいこと)
小道具を利用するプレイは色々なシチュエーションで見ることができますが
私としては一度で良いので「ここぞ!」という時にスイッチを「強」にしてみたいという妄想にかられます。
しかしあくまで真面目に仕事してるぞって顔してたいですね。
相手の表情が変わったら「ちょっと質問なのですが・・・」なんて挙手して、会議を長引かせてみたりして。
328売掛金:2009/04/23(木) 20:28:12 ID:???0
連投をごめんなさい

挿絵として描かせて頂いたものですが、Illustrated Byとしていただかなくても大丈夫です。
全然そんな名乗るほどのものではありませんので。
出来ればお好きに加工していただくことを望んでいます。
宜しくお願い致します。

では失礼いたします
329ミハイル:2009/04/23(木) 21:47:11 ID:???0
>>327
その通りですwピンクローターですwww
ああ、それ分かりますw好きな子こそいじめたいみたいなwww
明日はちょっと病んでるポールのSSを投下いたしますw(※自傷行為があるので注意
330861:2009/04/23(木) 23:17:18 ID:???0
>>327
売掛金さま。
見てきました…。何よりビックリだったのは
「絵、デカ!!!!!!!」ってところでした。うわああああああ、もっと小さくしとけば
よかった!!。一枚絵として考えてあのサイズになったのだろうな。反省します!!!
あのー、もし受け取っていただけた挿絵の中で、サイズがでか過ぎると思ったら、いつでも教えてください(泣)。
修正してうpします。いえ、させてください。
そして「ムッハー!」ジョンは、そう! GBセッションのジョンです。いや、あの熊のよーに
モコモコポールも、かわいいな。ジョンもぼっさぼさだけど、なんかそれが返ってエロ…ゲフゲフ!
そんな二人がいちゃこらしてて、ジョージもリンゴにべったべた(オクトパスガーデン!あの動画には
嬉し涙が! ポールとリンゴの連弾もいいですよね<レリビー)。それを女性群が生暖かく見守る…。
って、なんだこれ(笑)

>・・・もうなんというか・・・その姿エロおやじっぷりが容易に想像できる自分が嫌です・・・(涙)

私も書いてて、しっかと見えてましたwww。リンゴに当てられてポールが予想外にかわいくて、
ジョンたん、ちょっと舞い上がっちゃった♪みたいなww
自分で書いてて言うのもなんですが…ジョン…バカだなーーーーwwwww!!!!!(でもそんなジョンが好きだ!)と。
楽しんでいただけたようで、大変光栄ですw。では画像、がんばってみます。
今日はさすがに無理かもだけど…。眠い…。
イラストの但し書きの件、おkですww。ありがとうございました!
PS.ローター話…すげえナイスですねえ。
ポールにやってみたいな〜(初出演のエド・サリバンショーあたりで。もちろんジョンからの
プレゼント)。は、また戴いてしまいそうです!すいません!

>>ミハイルさま
病んだポルたん大期待です! ゆっくりまってますー!
331売掛金:2009/04/24(金) 01:02:43 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
あの絵のでかさが良いのだと思います。
差し入れた瞬間、本当に赤面させて頂きました。本当にありがとうございます。

> ミハイルさま
私のつまらない質問にお答え頂きありがとうございました。
やはりピンクでしたか・・・ なんとなくしみじみ致しました。


以前2.3作こちらに連投させていただきたいと書き込みしたのですが、それを投下致します。
心底恥ずかしい一本です。読んだ方も心底恥ずかしくなると思います。
作品題通りの内容なので読み飛ばしてくれて全然大丈夫です。
「It Won't Be Long」でただ「イエーイエー」と云いたかったんだなと、
そのような感じで流して頂けなら幸いです(?)

では宜しくお願い致します。
332I Wanna Be Your Man -1:2009/04/24(金) 01:06:03 ID:???0
「どうしたの、ジョン?」
ジョージは、呆けたようにソファーに腰を下ろしたジョンに向かって云った。
「なんだか今日は変だよね。昨日、雨に濡れて帰ってきたんだって? 風邪でもひいたんじゃないの? 大丈夫?」
ビスケットを食べながらジョージが尋ねる。そしてジョンにビスケットを一枚渡した。
ジョンはそれを素直に受け取り口に運ぶ。普段はこんなものに興味のないジョンだったが、何も考えずもらって食べた。
大の甘党のジョージである。彼はビスケットの喜びを共有してくれたジョンに満足し、ジョンの為に紅茶を入れた。
「はい」
無邪気にカップを手渡すジョージを見ずに、ジョンはカップを受け取る。
そして一口飲んだ。そのままカップを両手で持って、またじっと物思いに耽った。
ジョンはずっと、昨日のポールの言葉の真意を考えていた。

『明日ステージが終わったら、一緒に寝よう』

寝る…。ベッドに女と寝れば、即、セックスだ。男同士がベッドで寝てすることって何だろう。
ふと、適当にドラムを叩いているリンゴに目をやる。
リンゴとベッドで寝ることを考える。恐らく、普通に枕をシェアして眠りそうだ。
リンゴと目が合う。リンゴはジョンに愛想よく笑顔を向けた。
それに笑顔を返し、ひっきりなしにビスケットを食ってるジョージに目をやる。
ジョージと寝る…。なんだかビスケットの夢を見そうだ。
ではポールと寝るってどんな風だろう。そう考えて、ジョンはまた一口紅茶を飲んだ。
自分は寝付きが良いからきっとすぐ寝てしまい、その寝顔を
ポールに朝までじっくり観察される情けないビジョンが浮かんで気持ちが沈んだ。
俺は阿保ではなかろうか。それでは年上の威厳がまったくないではないか。
「今日、ポールはどうしたの? いっつも一番乗りするのに、おかしいね」
ジョージの何気ない一言がジョンに重く圧し掛かる。そう、昨夜、ジョンが殴ったことにより彼は病院へ行ったのだ。
今朝マネージャーを部屋に呼び、すべてを打ち明けようと思った。
マネージャーはポールの顔を見るなり、真っ青になりその場に倒れてしまった。
ジョンは何とかマネージャーを抱き起こし、事の成り行きを説明しようとした。
333I Wanna Be Your Man -2:2009/04/24(金) 01:07:25 ID:???0
「ごめんなさい。昨日、女の子と別れた後にパブへ行って喧嘩しちゃったんだ。
相手は僕より背が低かったから大丈夫と思ったんだけど。情けないよね…」
ポールはありもしない出来事をでっちあげた。
それについてマネージャーは尚真っ青になり、どこか身体で痛いところはないか、
怪我はしていないかとポールの手をとってヒステリックに訪ねるのだった。
ポールはそれにひとつひとつ真面目に嘘を付き、そしてマネージャーはホテルドクターを呼んだ。
ホテルドクターはひとしきり診察し、念のため病院でレントゲンを撮った方がいいと云った。
そしてポールはそのまま車に乗って病院へ行ったのだ。
「あ、ポール」
ジョージが云った。
「ヒュー、どうしたんだ。まるでミイラだな」リンゴが云う。
ジョンは恐る恐る振り返ると、顔を包帯でぐるぐる巻きにしたポールが居た。
その肩にマネージャーの手がかかっている。マネージャーの眉間にしわが寄っている。そしてジョンを睨んだ。
恐らく、彼はポールの嘘に気付いていたのだろう。ジョンは本当のことを云おうと思い立ち上がった。
マネージャーは今にもジョンに掴みかからん勢いでジョンに歩み寄ろうとしたが、それをポールが制した。
そしてマネージャーにほほ笑みかけた。
「昨日のあの女が、おかしな趣味だったんだよ。でも結構楽しかったよ。
新しい快楽ってやつ? なかなか刺激的な夜だったよ」
珍しいポールのジョークに、一応ジョージもリンゴも笑った。
が、目は笑っておらず、ふたりはジョンを盗み見ていた。ジョンは黙っていた。
「で」リンゴが云った。「その顔で今日のステージに出るわけ?」
このままステージに上がれば、とんだホラーショーだった。
334I Wanna Be Your Man -3:2009/04/24(金) 01:08:39 ID:???0
「The Beatles!!!!」
MCの紹介を合図に、四人はステージに出た。いつもの悲鳴に交じって、ポールの顔を見た女性の悲壮な声が混じる。
我らがアイドル、Cutie Beatleがこんな状態じゃ、誰だって悲鳴を上げるはずだ。
客席がにわかにざわついた。ポールは何食わぬ顔で、いつものようにアンプの調整をして、客席を振り返った。
「Good evening, everybody!!! 今日の僕の顔についてどう思う? なかなかセクシーでしょ。
今日は僕の変わりに、ジョンがたくさん歌うよ。今日はスペシャルな夜になりそうだ。
じゃ、ボーカルを紹介するよ。ジョン・レノン!!」
ポールはそう云うといつものあの素晴らしい笑顔でジョンを指差した。巻かれた包帯によって顔の半分が隠れていたが、それが判る。
ジョンは歌った。今日はポールの分まで歌わなくてはならない。ジョンは気合を入れて、歌いまくった。
それに合わせて、ポールはいつも通り、素晴らしいベースラインで答えた。
いつもなら一本マイクで歌うところだが、今日ポールは一切のコーラスもとらなかった。
その変わりにリンゴがコーラスをとった。
最初は戸惑っていたファン達もこんなビートルズは二度と見られないのではないかと思いはじめたのか、
曲が終わるたびに熱心に拍手を送った。そして何より、今日のジョンのパフォーマンスは素晴らしかった。
そして又、演奏に徹したポールのベースは冴えに冴えまくっていた。
少し趣向は変わっていたが、その夜のバンドのパフォーマンスは本当に素晴らしかった。
335I Wanna Be your Man -4:2009/04/24(金) 01:11:19 ID:???0
ノック…
「Comein」
ジョンはそっとポールの部屋のドアをあけた。
「こっちきて」
部屋の奥からポールの声がした。ジョンは後ろ手でドアを閉め、ロックした。
そして声のする部屋の奥、ベッドに向かって進んだ。
ベッドの横の照明だけに灯が入っており、ポールはベッドに横たわりシーツを頭までかぶっている。
ベッドの横のソファーには包帯が投げ出されている。先ほどまでポールが巻いていた包帯だ。ジョンはそれを悲しく見つめた。
「ジョン」
ポールの声にギクっとした。ジョンは、ここに来るまで考えまくった自分がやるべきことを思い起こそうとした。
まずは改めて昨夜の暴行の謝罪だ。まずはそこからだ。そう思い、ジョンはそっとシーツをめくった。
いくらか腫れはひいてはいたが、しかし痛々しい傷を負ったポールの顔がのぞく。ジョンの胸が痛んだ。
と、ポールはジョンの腕をつかみ引き寄せ、唇を重ねた。ジョンの口中にポールの舌が侵入する。
ジョンは身体を固くした。ポールは昨日云った「寝たい」と。やはりそういうことなのか。そう思うと、全身から汗が噴き出た。
ジョンは男とセックスしたことなどなかった。いったいどんなことをするのか、判らなかった。
ポールはジョンの顔に両手を添え、深いキスを繰り返した。ジョンはされるままになっていた。
本当は逃げ出したかった。いくら年下のバンドメンバーのポールとはいえ、自分と同じ男である。自分は今、男にキスされているのだ。
しかもポールは自分の暴力により傷ついている。そのキスを拒否することはジョンには許されていないと思った。
これは罰なのだ。ポールの気が済むまで、何をされてもとことん耐えなくてはならない。
もとはと云えば、自分が発端なのだ。受け入れるしかないんだ。そう思ってジョンはポールに舌を絡めた。
「…ッ」
ジョンは口を離した。ポールに舌を噛まれたのだ。口をぬぐってポールを見る。彼は恐ろしい顔でジョンを見ていた。
「何…、どうしたんだポール。なんでこんなことする」
ジョンは何が何だか判らず云った。
「出てってくれ」
「え?」
「出て行ってくれないか」
ポールは云った。ジョンは身動きが出来なかった。
336I Wanna Be Your Man -5:2009/04/24(金) 01:17:17 ID:???0
「何を考えていた?」ポールの声は氷のように冷たかった。「君は今、僕を本当に傷つけたよ。君は最低の男だ。出て行ってくれ」
そう云ってポールはジョンに背中を向けて、タバコを吸いはじめた。
「どうした、ポール。何が気に入らないんだ…」
「出ていってくれ。今すぐ」
「ポール…」
ジョンはポールの肩に手をかけた。ポールはその手をとり、そして振り返り、思いっきりジョンの頬に平手打ちした。
「君は最低だ、ジョン・レノン。僕が君の罪悪感に付け込んで部屋に呼んだと思ってるだろう。
君は、僕はそんなに卑怯な男と思ってるのか。ならそうすればいい。
とにかく出て行ってくれ。君には心底失望した。行ってくれ。いますぐ」
ジョンは頬を抑えながら、固まってしまった。
「さっさとしろ!」
ポールはジョンの腕を掴み、彼の身体をドアまで引きずっていった。
「やだ、やめてくれ!」
ジョンは悲鳴をあげた。
「やめてくれ、ポール。嫌だ!!」
ポールの腕力は恐ろしく強かった。ジョンは必死にもがいたが、ポールに引きずられていった。
「GET OUT HERE!!!」
ポールは怒鳴った。ジョンはポールの太い声にびびりあがった。彼のそんな声を聞いたのは初めてだった。
なんとかポールの腕を振り払い、ジョンは壁に張り付いた。それをポールは恐ろし形相で見ている。ジョンはいやいやと顔を振った。
「ごめん、ポール。本当にすまなかった。俺はお前を殴った。本当に後悔してる。もう二度としない。誓うよ。本当だ」
「君は何も判ってないよ、ジョン…」
ポールは悲しい声で云った。
「今君は、僕を卑怯な男だと思ってる。自分の傷を餌に、君の身体を差し出すように云っていると思ってる。
そして君は、自分の抱える罪悪感から無理に応えようとした」
そこで言葉を切り、ポールは悲しい顔をした。
「とにかくもういいよ。今夜のことはお互い忘れよう。部屋に戻っていいよ、ジョン。さあ、行って。お願いだから」
そしてポールは微笑んだ。その笑顔を見て、ジョンは胸が痛くなった。ポールのこんなに悲しげな笑顔を見たのは初めてだったからだ。
「さぁ…」
ポールはドアをあけて、ジョンを廊下に出るように目で云った。
337I Wanna Be Your Man -6:2009/04/24(金) 01:19:07 ID:???0
自分の部屋に戻り、ジョンはひとりタバコを吸っていた。
グラスの酒を一口飲む。結局すべて見透かされていたのだ。そしてそれがポールを二重に傷つけたことを理解した。
またグラスに口を当てた。自分はポールに罰を受ける為に部屋へ行ったのだ。しかも自分勝手に、だ。
それをポールはすぐに気付いた。ジョンは頭を抱えた。いったい自分は何をしたいのか。
あまりに俺は弱い。いくら突っ張ったことを云ったとしても、いつも何かに脅えている。
怯えれば怯えるほど、誰よりも多くの皮肉で他人を煙に巻いてきた。
そうじゃなければ、感情的になって後先考えず行動するだけだ。いつかその大きなツケが回ってくるだろう。
そう、いつも俺はそうやって、安全な自分の中に入っていくんだ。
ポールは、自分とは違っていた。彼はそんな男じゃなかった。あいつは違う。
彼は何を考えているか判らない冷たさがあるが、自分のような卑怯なことは今まで一度もしてこなかった。
ジョンは、ポールの悲しそうな顔を思い出してタバコを吸った。
ポールがその気になれば…、そう、彼はジョンのことを好きなだけ慰み者にできたのだ。
マネージャーとジョージ、リンゴの追及から彼を守ったことをたてにして、
いくらでもジョンを思い通りに支配することが出来たのだ。しかし彼はそうしなかった。ポールはそんな男じゃなかった。
そんなの、ジョンが一番判っていたはずなのだ。彼がそれをすると思って恐れたのは、ジョンの卑しい心だった。
自分の己の卑しい心に囚われ、前も後ろも判らず、闇雲にポールを傷つけたのだ。
ジョンは自分が悔しかった。自分はどこまで最低な男なのか。ジョンはたばこをもみ消し、受話器を手にとった。
ひとつ深呼吸して、ポールの部屋のダイヤルを回した。
「Yeah…」
何度かのコールの後に、ポールのくぐもった声が帰ってきた。
ジョンは何かを云おうとしたが、伝えたい気持ちが多すぎ、言葉が出てこない。そもそも何が云いたくて電話をしたわけじゃない。
受話器から無言が帰ってくる。ジョンは大きく息を吸った。そして、今思っている気持を一言、云おうとした。
何も余計なことは考えるな、ジョン。思っていることの、最初に出てきた言葉をそのくそったれの喉から出すんだ。
勇気を出せ。このままじゃいつまでもお前は最低のままだぞ。
338861:2009/04/24(金) 01:29:17 ID:???0
偶然支援
R「まとめスレに、あなたのイラストを貼らせてもらったよ!」
P「alone as a tape ってタイトルのSSだけど、覚えててくれてるかな?」
J「俺がめめしく、泣いてるヤツだ」
G「マグカップになにも入ってないってやつだね?」

JP「それ…惜しいような惜しくないような…」
R「SSの最後に貼らせてもらいました。読後感がぐっと引き締まって、
かっちょええ!! と861、デレデレだったぜww」

JPGR「本当にどうもありがとう! 「I wanna 〜の続き、Wwktkしてるよ!!!」
339I Wanna Be Your Man -7:2009/04/24(金) 01:52:49 ID:???0
「I just want to be near you」

口から出た言葉はそれだけだった。
ジョンはあまりの恥ずかしさに、顔を真赤にした。
そして恥ずかしさで自分の手の甲を噛んだ。ああ、そうだ、俺はずっとその言葉を云いたかったのだろう。
どうして昨日、あんなに彼を殴ったのか。その理由が判った。ジョンはポールがオーナーの娘と寝たことが許せなかったのだ。
自分の知らないところで、女にキスするポールが許せなかったのだ。彼が誰かに愛の言葉をささやくのが許せなかったのだ。
あの日、狭い個室で自分に与えられたキスを、自分だけのものにしたかったのだ。ああ、そうだ、簡単なことじゃないか。
自分はポールを誰にも渡したくないのだ。やっと気づいた。
俺はポールの側に居たいのだ。あの日から、ずっと…。こんなに。苦しいくらいに。
「......」何やら受話器からポールの声が聞こえてきた。ジョンは受話器にすがりついた。
「もう一回云って、ポール!」


部屋の電気は消された。ふたりはベッドの上に向かいあって座っていた。
ポールの右手がジョンの頬をなで、そして髪を撫でた。そしてジョンを引き寄せ、唇を寄せた。
ジョンはゆっくりとポールの唇を吸った。ポールはジョンの髪を愛撫する。ふたりの唇が、互いに互いを求め、触れ、そして離れた。
「ポール」ジョンは云った。
「何?」ポールの声は冷たかったが、とても柔らかかった。
「俺はずっとお前とキスしたかったんだと思う…」
「知ってたよ」
「でもおれは…」そこまで行ったジョンの口をポールのキスが塞いだ。
「シー…黙って」
ふたりはまた見つめあった。そしてふたりは手を握り合った。
「最初に云っておくけど、俺はゲイじゃないよ。今まで男とセックスしたこともない」
ポールの言葉にジョンは頷いた。
「ところで今夜はここで一緒に寝る?」
ジョンはまた頷いた。
そんな彼の姿を見て、ポールは安心したように微笑んだ。

************************************
ありがとうございました
340売掛金:2009/04/24(金) 02:06:15 ID:???0
おおう、ビー支援が!!!
嬉しい!!! ありがとうございます!!!!
というか、もう皆さん寝られたと思っていたのに起きてらっしゃたとは
・・・ああ、恥ずかしい・・・
本当は最後に恥ずかしい部分が6行ほどあったのですが今急遽削りました。
だとしても恥ずかしい一本なのには間違いありません。
この続きが一本あるのですが、またいつか投下致します(するんかい)

> 861Hedge-hogさま
861Hedge-hogさまのスラッシュに私の絵などを付けていただけるなんて・・・
ありがとうございます・・・
というか、画像でか!!(涙)
341861:2009/04/24(金) 02:17:01 ID:???0
>>336
>「さっさとしろ!」
 ポールはジョンの腕を掴み、彼の身体をドアまで引きずっていった。
「やだ、やめてくれ!」
ジョンは悲鳴をあげた。
「やめてくれ、ポール。嫌だ!!」
>〜ポールは恐ろしい形相で見ている。ジョンはいやいやと顔を振った。

すいません…あまりに心臓打ちぬかれたので抜粋しました。
ああ、最高に幸せです。
腰砕けです。メロメロです。

最初の方の、ポールの申し出に心の中でおろおろしてるジョンが…。
そして、「もし、あいつとねたら」とシミュレーションまでしますか!?
よほど緊張してるのですねえ。そんで「俺、アホみたい」と思ったりする
脳内迷路ぐるぐるレノンさんwww。かわええ。そして自分の気持ちをちゃんと
つかんでる(ジョンと違って)、まっすぐなポールさん。男らしいw。
ビスケットほおばって、お子ちゃましてるジョジたんと、ポールの怪我を
さりげなく思ってそうなリンゴ兄貴。好きです(あれ?これだけ最後が違う)。
待っててよかった。いい夢見れそうです。ご馳走さまでした!
おやすみなさいノシ!
342861:2009/04/24(金) 02:28:03 ID:???0
連投すいません。
>>340売掛金さま、レス投下を邪魔していたみたいです。すいませんでした。
いま、340を読ませていただきました。
>挿画貼り付け
いやーもー、自分のヘタレSSとは思えない読後感になってます。
そして、やはり自分の作った画像の大きさって、分からないもんなんですねえww。
自分も、同じように驚いたので、「ね?」と笑って頷いてます。
でも、「alone〜」のイラストは、あの大きさでFAです。おかげでヘタレSSの印象が消えて、
イラストのイメージが残ってオールオッケイwww。これこそ、サブリミナル?
(違います)。本当に感謝いたします。まだまだ貼ります! お世話になります!
では、今度こそおやすみなさいノシ
343意識 1/1:2009/04/24(金) 15:49:37 ID:???0
君が愛した 僕


まさか再会するとは思わなかった。見覚えのある顔があった。ジョンだ。あれは、正真正銘のジョンなのだ。
数ヶ月前に別れ、彼は連絡も取り合わないで暮らしていた。お互いに、それぞれのパートナー――ジョンはヨーコと、ポールはジョージと。
ふと、触れ合う視線。ポールは自分からジョンのほうに歩み寄った。ジョンも気づいたようだ。彼は煙草を吸いながらゆっくりとこっちを向いている。
「ジョン・・元気?」
「ああ・・元気さ。お前は?」
「うん、元気だよ。ジョージがいてくれるし、手伝ってくれるんだ」
「ちょっと、話さないか?」
ジョンが近くのカフェを指差した。二人は店に入るとビートルズのメンバーだと分かり、サイン攻めにあった。
サインの山を掻き分けながら二人は一番奥の席に座った。コーヒーを注文した。注文してくる間、二人は押し黙ってなにも話さなかった。
ウェイトレスが、コーヒーを置いた。そしてポールにサインをねだった。ジョンがその光景をじっと見ている。先ほどのウェイトレスは顔を赤らめながらテーブルを離れていった。
「ポール・・悪かったな、俺のせいでお前を最後まで傷つけて」
「ジョン・・・僕こそ君の話を聞かないで責めて、汚い言葉で罵って悪かったと思う。でも、浮気してしまった理由は知りたい」

ポールははっきりといった。その目にはまっすぐな強い意志が見て取れた。全てから逃げない、そんな意思を宿した目でもあった。
「あれはほんの軽いノリだったんだ。人目見たときから好きだったのよ、なんて云われてそれが嬉しかったんだ。だからつい・・」ジョンは上手く云えないような、悪いことをして怒られた子供のように髪を掻いて視線を反らした。
ポールはその様子にくすくす笑った。ジョンの反省する姿に懐かしくて、笑いがこみ上げてきたのだ。ジョンはむっとした。そしてコーヒーを飲んだ。
「やっぱり、ジョンはジョンだね」その笑顔にジョンは全てを許して受け入れるような気がした。そして自分から話題を切り出した。
「その・・ジョージとはどうだ?あいつ、わがままでお前に迷惑かけてないか?」
「わがままっていうより、甘い物ばっかり作るしポールー、抱っこーしてーなんて子供みたいにくっついてくるんだ」
344意識 2/2:2009/04/24(金) 15:50:37 ID:???0
ジョンはポールの薬指にきらりと輝く新しい指輪を見た。彼も再婚したのだ。少しだけ、胸の奥がちくりと痛んだ。
元妻の再婚した姿を見るのは辛かった。それでも、彼はなんとか理性を保とうとした。それでも今は、ポールはいまやジョージのものだと思うと辛いことに変わりは無かった。
ヨーコを愛していない訳ではない。でも――。ポールも同じような気持ちでジョンに訴えかけていた。二人の視線があった。
「ホテル・・行こうか」ポールが呟いた。
「え・・?」ジョンはそれがどういう意味か分かっていたので、少しだけ勇気が沸いたがした。
「俺と寝たいのか?あの時みたいに」
「うん・・」ポールは頬を赤らめて頷いた。

ふたりはカフェを出ると、近くのホテルに入った。ホテルと云っても、連れ込み宿のようなところではなくビジネスホテルのようなホテルだが。
二人はエレベーターに乗り込むと、ジョンはポールの頬を撫で、その唇に吸い付くようにキスを落とした。
しばし周囲の景色を忘れ、二人は静かに唾液を交換し合う。何度も何度も角度を変えて口付けし合えばポールの頬は既に赤く染まっていた。興奮したのだ。
ジョンは身体の中が暑かった。早く抱きたいのだ。部屋の中に入ると、二人はソファに座った。暫しの休憩なのだ。
ポールはおもむろに立ち上がった。そしてコートの汚れを払った。
「シャワー先に浴びてくるね」
「寝る前にシャワー浴びるはお前がいつも先だったな、懐かしい」ジョンは煙草を深く吸った。本当は今すぐこの場で抱きたかったのだが、我慢した。
だが既に彼のそれは勃起している。ポールはコートをソファの上に丁寧に掛けた。衣服はあちら側で脱ぐのだろう。そしてまもなくしてシャワーを浴びる音がホテルの一室に響いた。
一緒に風呂に入っていないのに、ジョンには彼のシャワーを浴びる姿が目に浮かんだ。見事な整ったプロポーションに、今にも吸い込まれそうな白い肌。
それらを想像するだけでジョンの一物は既に勃起し、白い樹液が下着の中で溢れていた。
「ジョン、お待たせ。次使っていいよ」ポールは、バスローブを羽織っていた。長めの襟足はやや濡れて雫が滴っている。
シャワーを浴びやや上気した頬はどこか艶めいた色気を放っていた。
345意識 3/3:2009/04/24(金) 15:51:30 ID:???0
 ジョンはシャワーを浴びながらいろいろな考えを巡らせた。このまま、また上手くいけば再婚できるかもしれない。
でも、確かにあの目は再婚を望んでいる目だった。だがもう一つこれから始まる行為を想像すると一物が根元まで暑くなって持ち上がった。ジョンがシャワーから戻るとポールは静かに煙草を吸っていた。そしてジョンの姿を確認すると、煙草を揉み消した。
「嬉しい・・また再会できてまたこうやって肌を重ねあう事が出来るなんて」
「俺も同じ気持ちだ。前の身体を隅々まで触れるんだと思ったらこんなになってる」
ジョンは自分の既に起き上がった一物を見せた。ポールは少し驚いて触れてみた。ポールの白く細長い指がジョンの一物をそーっと撫でる。それが気持ちよい。
「毎晩君のムスコを僕が舐めてあげてたね」ポールは思い出したように艶めかしく笑った。ジョンもポールの髪を撫でてバスローブを脱がせてベッドに運んだ。
「ちょっと待って」ポールが薬指から指輪を抜いてベッドサイドに置いた。
そしてジョンの頬を撫でていった。「今だけは、昔みたいにジョンと結婚する前フリーだった頃で居たいんだ・・」

「ポール・・お前そこまで俺の事・・・」ジョンはポールに深く沈み、唇にゆっくりと重ね合わせ舌を進入させた。
ポールはそれを拒まず静かにジョンの舌を受け入れている。ジョンの舌がポールの口内で何度も行き来して唾液が交じり合う音がする。
唇を吸いあって、舌を絡めあって二人の興奮はもう高鳴っていた。ジョンは、唇を離すと、そのまま舌をポールの首筋に這わせ舐めあげるようにして胸の突起へとたどり着いた。
ジョンが吸ったり舐めたりする愛撫をするたびにポールの身体が跳ね上がり、短い嬌声が聞こえる。ジョンは片方を舌で愛撫しながら片方を指で弄った。
ポールのそこは愛撫によって濡れていた。潤って濡れたそこはなんともいやらしい。ジョンは口を離した。
「綺麗だ・・」
「恥ずかしいよ・・」
「そうだ、久しぶりに舐めてくれないか?」
「いいよ」
346意識 4/4:2009/04/24(金) 15:52:16 ID:???0
ポールはジョンの既に立ったそれに両手を添えて構えると、少しづつ口に含んで舐めあげた。
亀頭の裏を丁寧に舐めあげ、一気に口に含んでピストン運動するように愛撫した。
じゅぷ、じゅぷと卑猥な音がしてジョンのそれはぎんぎんに立っていた。じゅーっと吸い上げるように愛撫を続ける。ジョンは絶頂を感じた。このまま口の中に出したかったが、我慢してこらえた。
「相変わらず上手いな・・誰を思って舐めてるんだ?」ジョンが赤い顔で息を荒げながら聞いた。
ポールはにっこり笑って口淫を続けた。口の中に白い液がはじける前にポールは口を離した。
ジョンはポールに囁いた。
「ポーリィ・・脚を開いてごらん」
「ジョンに見られるのなんて恥ずかしいよ」ポールが愛らしく顔を覆った。
「君の大事なところまで全部見たいんだ」

ポールはこっくり頷いて脚を広げる。ジョンはそこに一気に挿入した。同時に卑猥な水音がしてジョンのそれがポールの中で動くのを助けた。
何度も中で内壁にジョンのそれが擦れてポールは何度も喘いだ。突き上げられ、揺さぶられてポールは絶頂の彼方を迎えて白い液体を吐き出した。

寄り添って寝そべっていると、二人は昔を思い出すようだった。二人はお互いの心臓の鼓動を聞いた。とく、とく、と早い鼓動が伝わってくる。
「ポーリィ、俺、お前に大事な話があるんだ」
「なに?」ポールがジョンの顔を見た。昔と変わらない。
「俺と・・再婚して欲しいんだ」
ポールは再婚という言葉を聞き涙を流してジョンに寄り添った。彼も再婚を望んでいたのだ。
「うん・・ありがとう」
347意識 5/5:2009/04/24(金) 15:53:24 ID:???0
 教会に向かう車の中で、ポールはそっと外を見る。そこには、また昔に戻ったように悲鳴を上げながら横断幕をもって二人を祝福するティーンエージャー達の姿があった。
「すごい人だね」
「そりゃそうさ。世紀のビッグカップルが再婚するんだからな」
ジョンはにやりと笑った。そしてポールを抱き寄せた。そして改まってポールを見た。
「俺が64歳になっても100歳になっても俺と一緒にいてくれるか?」
「勿論だよ、ジョン」
二人は多くの人に祝福されながら教会の前で車から降りた。教会の鐘の音が、二人のこれからを祝福しているようだった。


end
348ミハイル:2009/04/24(金) 15:57:48 ID:???0
結局予告したものがかけなくてこうなってしまいました(汗
タイトルは椎名林檎からです。「意識」は素晴らしい曲です。一度聞いてみてください^^
たまには普通のを、、を思い再会して再婚するというやつを思いついて書きました
コールドターキーでなんかかけるかもです(w
いかがでしょうか?
349Cold Turkey:2009/04/24(金) 16:45:22 ID:???0
ポール、お前が俺から離れて行ったのはいつだったかな?

俺がこんなになってお前に迷惑かけてお前に突き放されて。挙句の果てにヤク中なんて、お前に面目も立たないよな
はっ、全くこの無様な自分の姿に笑えるぜ
自分の女房を散々批判して、自分がだめになるなんて、駄目人間もいいところだぜ
ポール、お前の名前を口にするだけで苦しいんだ。ポール、ポール・・
心が締め付けられて、死ぬほど苦しいんだ・・・
お前に会いたいんだ・・俺を置いていかないでくれ・・・
お前を前みたいに強く抱きしめて、前みたいにキスしたいんだ・・・
前みたいにベッドの中で肌を重ね合わせてくれ・・
お前の肌のぬくもりが忘れられないんだ・・
いい子にするから・・俺を苦しめないでくれ・・・助けてくれ・・・・俺が悪かったから・・
だから・・・
すごく苦しいんだ・・お前がいないだけでこんなに寂しくて辛いんだ・・
やっとお前の大切さに気づいんだ
お前がどんなに俺を支えて、優しかったかってことを
ヨーコなんかに比べ物にならないくらい、お前は俺にいろんなものをくれたよな
お前の笑顔はどんな絵よりも綺麗で、かわいかったよな
俺の腕、今注射器の跡だらけなんだ
ヘロイン中毒なんだ。だから、助けてくれ・・お前なら助けてくれるよな?
俺を見捨てておいて行ったりしないよな?
お前にずっと側にいてほしいんだ・・
俺のベッドはすっかり古びてからっぽになっちまったよ
お前のあの笑顔、また見たいんだ。ずっと、待ってるからな、ポール

ポール、愛してたよ
350ミハイル:2009/04/24(金) 16:46:44 ID:???0
こっちはジョンの独白ですw69年のヘロイン中毒だった頃のジョンですw
朝っぱらからコールドターキー聴いて思いつたものですw
351ミハイル:2009/04/24(金) 17:29:27 ID:???0
まとめのTOP画像をJPに変えてみました
いかがでしょう?またほかにいい画像があれば探してきます
352861:2009/04/25(土) 14:06:45 ID:???0
さて皆さん、こんにちわ。本当は「は」だけどこんにち「わ」。
>>349のミハさまのヤツに触発されて、書いてみたんです。
「コールドターキー」的なものを。
最初は、ミハさまだけに読んでもらおうと思ってたんです。
そしたら書いてて筆が乗っちゃって、なんか欲が出たので、投下の許可をもらったんです。
問題は、そこからです。
最初書き上げたものに、どうにも違和感があったのです。
どうにも不自然で、尻すぼみな感じがある。
だから、加筆修正をしたのです。そしたら、なんか、ね。
ジョンの死に、ちょっとだけ触ることになってしまって。
だから、スレがこんだけ上がっている時に、投下していいものか
判らないのですが、これは私の中のJPのあり方の「ひとつ」として
投下したいと思います。
もし読んでくれたなら、良かったら、感想下さい。
こういったものを書いていいのか、これからの参考にしたいです。
かなり、長いです。もしーよーかったーらー♪ 支援ください。だめ?そうか。
緊張してます。ではいきます。
タイトル「Blackbird」 ポールの名曲に助けてもらいつつ。
353Blackbird /1:2009/04/25(土) 14:11:31 ID:???0
 朝、目が覚める。
 身体をつめたい汗がびっしょりと濡らしている。
 それなのに寒さは感じず、逆に嫌なほてりが頭の奥に残ってる。
 目を開けて、周りを見渡す。家の天井じゃない。ベッドも硬い。
 思わず飛び起きようとするが、いきなり何かが腕を引っ張って、ベッドに逆戻りする。
 なんだと思って見てみると、引っ張られたのではなかった。
 腕は、ベッドに固定されていた。その腕からは点滴の管が上に向かってのびている。
 何本か下がっている薬液の入ったボトルには、番号と「L.J」のイニシャルが、乱暴に手書きされていた。
 そこで、やっと思い出す。そうだ、ここは病院だ。
 アメリカにある、総合病院。ロスの奥まった場所にあるここは、有名人がお忍びでよく治療に使うところで、業界では有名だ。
 そう、薬物中毒治療では。
 オレがアメリカに渡ってきてから、使う薬の量が膨大になった。そのためにヨーコから別居を言い渡されてメイと同棲を始めたが、薬の量は減るどころかますます増えていった。
毎日酔っ払った状態だったオレに、とうとうメイも愛想が尽きたのか、ある日迎えが来て、オレをここの病院に連れて行った。メイとヨーコが入院の用意をしていたらしい。そして
彼女とヨーコ、故郷のミミからの根気強い説得に応じてオレは渋々ここに入ったのだった。

 ドアが開く音がした。
 小さな足音が近づいてくる。ヨーコかと思って顔を向けると、そこにはかわいいが人形のように個性のない看護婦が、笑顔でこちらを見ていた。
「おはようございます、レノンさん。今日はいい天気ですよ」
 オレは一瞬、返す言葉を失った。こんなとき、どう答えればよかったっけ?
 それすら、オレは思い出せなかった。

 部屋には見事になにもなく、硬いクッションに取り巻かれた小さな空間が、今のオレの全てだった。
 昨夜、ちょっと混乱したみたいですね。―――やはり、人形のような医者が、笑顔を張り付かせて話してる。腕にされていた拘束についての説明のようだった。まったく覚えが
ない。昨日は、まずい晩飯を食べた後TVを見ていたのだが、「バットマン」の漫画を見ていたこと以降のことは思い出せない。番組から見て、あれは確か…夜の7時だったろうか。
354Blackbird /2:2009/04/25(土) 14:13:57 ID:???0
「落ち着いたようですから、拘束は外しますね。嫌な思いをされましたでしょう」
 いいえ、とオレは首を振る。不快もなにも、まるっきり覚えていないのだ。オレはそんなに暴れたのですか? こぎれい過ぎる空間で笑顔を貼り付けて
いる医者と看護婦に、オレは恐々と尋ねてみた。
 彼らは、ただ「よくあるケースです。慣れてますから」とだけ答えた。
 おれは逆に、恐ろしくなった。
 思い出そうとして心を探ってみるが、出てくるものは、ここの空間のような虚無と、なんだか訳の分からない、うっすらとした不安だけ。なんだろう、
なにかが欠けていると記憶を辿ろうとしたら、絶妙なタイミングで医者が話しかけてきた。
「いいですよ、レノンさん。あせらないで、ゆっくり直していきましょう」と。
 何かが見えそうだったオレの心が、また散り散りに分かれていった。

 暖かな日だった。不安なんかなにもない、安全で安心な場所のはずだった。

 この時がくるまでは。

 ベッドの上で絵を描いていた。ヨーコが花に囲まれている。きれいな笑顔。色とりどりの花々で飾る。白、青、黄色、ピンク。
 そして、最後に赤い花で周りを囲もうとした時

 それはやってきた。
 いつも突然に、やってくる。
 安らいでいようが、泣いていようが
 メシを食ってようがクソをしていようが
355Blackbird /3:2009/04/25(土) 14:16:12 ID:???0
 それは、やってくる。
 最初はひっそりと。
 そして道を作っていく。
 細い窓口を。

 そして、次には、一気にやってくるのだ。
 大挙して、土煙をあげて
 土足で心の底まで踏み荒らし
 無神経に、人の胃を締め上げて
 業火に叩き落しながら、どこまでも人を凍らせる。

 中から、蝕んでいく。
 脳みそを食い荒らしていく。

 絵の中のヨーコが、血の海に溺れていく。助けたくてもオレには無理だった。
 今のオレの身体は蟻よりも小さくて、その身体だって、激痛の中にある。
 胃腸を踏みにじられて、心臓を押しつぶされて、穴という穴から身体の全てが流れ出てしまうような感覚。
 だめだ、やめろ、でるな、でるなでるなでるな!!!!!!
 痛いよ、誰だ殴りつけてくるのは!?
やめろ、どうしてそんなことを言うんだ!!
 昔々、まだオレが故郷に居た頃、オレに絡んできた奴や教師がオレを取り囲んで笑っている。
 なんだか分からない言葉で、楽しそうにしゃべりながらオレを笑っている。ヨーコの絵を指差して笑う。オレのザマを指差して笑う。オレの過去を、オレの
未来を、オレの全てを指差して嘲笑う。
 なのに、オレはそいつらになにも言い返せない。身体を強張らせ、息も絶え絶えになって、ベッドに転がっていることしか出来ない。
 
 ちくしょうちくしょうちくしょう!!!!!!
 おれはおまえたちにかったんだおれはゆうめいになったおれはかねもちになったおれはすべてのうえにたったおれはじょんれのんさまだ
わかってるのかじょんれのんなんだじょんれのんなんだぞ!!!!!!!!!!!!!!!
356Blackbird /4:2009/04/25(土) 14:19:50 ID:???0
 
 痛いよ、いたいよいたいよたすけてたすけてたすけてたすけて!!!!!!!!!
 
 なんでもするよ、いうこときくよ、だからお願い、たすけて! ここから救い上げて!!!
 あつい、 イタイ、さむい、コワイ、あつい、いたい、サムイ、こワイ、アつい、いたイ、サムい、こわい……………………………
………………………………。
 
 『さびしい。』

 はっと気が付くと、オレはまたベッドに縛り付けられていた。
 監視カメラがついているのだろう。いいタイミングで看護婦が入ってきた。今朝、医者と来た奴と違う、もっとがっしりとした男だった。目の下に小さなクマがある。
 もしか、オレがやったのだろうか。なにも覚えていない。
「まだお昼まで時間があるから、休んでいてください」
 マッチョな人形が笑って答える。
 時計は、まだ10時にもなっていなかった。

 それからは、悪夢と恐怖の連続。
 時計の針が一時間進んでいく中で、オレは何百回となく、焼かれ、凍えさせられ、かみ殺され、ひきちぎられた。
 うららかな日差しの中、平穏な空気の中で、紙くずのように踏みにじられ、罵倒され、批判され、嘲笑われ、そして、拒否された。
そして、目の前に現れる白い服を着た人間の全てが、笑って頷いて、オレを蚊帳の外におっぽり出した。
357Blackbird /5:2009/04/25(土) 14:25:59 ID:???0
 牙を持つ蟻に、無数にたかられ毛穴から入り込まれて、中を食い荒らしていると訴えても
 部屋の隅に、ブライアンエプスタインやピートベストが、蒼白な顔でオレを睨んでいるから追い出してくれ、と訴えても
 スチュワートサトクリフが血まみれの姿でこっちにこいと言ってくると、必死で訴えかけても
 彼らは、優しい笑顔を張り付かせて、「分かりましたよレノンさん」としか言わない。そのくせ、何もしてくれない。
 またブライアンがこっちを見てる。恨めしそうな顔で。
 その隣で、スチュが呼ぶ。ジョン、まだこっちにこないのか? 相変わらず鈍いなあ。
 やめてくれよ、スチュ。そういわれるのが恐いんだ。お前に「鈍い」と言われたら、本当に自分は何も分からないウスノロのように思えてしまう。
 やめろ、笑わないでくれ。お願いだから。お願いだから。
 かあさん、どうしてなにもしてくれないの? ぼくいたいんだ。ぼくつらいんだ。
 ここにいたら、ぼくはこのせかいからきえてしまいそうで、こわいんだ。
 おかあさん、どうしてぼくをゆびさして、わらってるの?
 どうして、からだがくさって、ぼろぼろになってて、ひどいにおいがするの?
 母さんが笑う。あら、ジョン。腐ってるのはお前よ? お前の内臓が、腐って流れ出ているのよ?
 
 目が覚めた。尻の下が濡れている。夢の言葉が耳に聞こえて、悲鳴を上げて飛び上がった。
 オレは、失禁していた。
358Blackbird /6:2009/04/25(土) 14:28:42 ID:???0

「様子はどうなんですか?」
「落ち着いてきていますよ。以前と比べたら、錯乱して暴れることも減りました」
「錯乱…してたんですか? そんなにわるく」
「いいえ、典型的な薬物中毒の症例です。あまりショックを受けないでください。様子を見ていかれますか?」
「…。また来ても?」
「もちろん。ここのドアはいつでも開かれてますよ」
「ありがとう。何かあったら必ず連絡を」
「はい、承りました」

 激痛のあと火照りで、ぼーとしてると、とうとうあいつらが出てきた。
 なつかしい友達。辛いときも嬉しいときも、分かち合った大事な友達。
 ごめんよ。ごめんな。結局オレが悪かったんだよな。
 リンゴがいう。「そうだよ、ジョン。お前のせいで全てが台無しだよ」
 ジョージは、冷たい一瞥でオレを見下している。餓鬼の頃のヒーローがこんなザマじゃ、そうもなるよな。
 どちらも、オレに手を差し伸べてくれない。ただ、怒りと憎しみの篭った目で、オレを見下ろしている。
 もう、オレには誰もいない。
 ヨーコも顔を見せてくれない。医者の言いつけで、身内は来ないようにさせているのだそうだ。曰く、身内がくると里心がついて、治療に専念できなくなる。曰く、他の患者さんに
よくない刺激になる。曰く、曰く、曰く。
 もう、どうだっていいや。オレはもう疲れた。ただ眠りたいだけなんだ。
 点滴が腕から伸びている。腕は拘束されている。尻にはおむつが当てられている。
 もうどうだっていいや。
 痛みがこないのは、点滴のおかげだ。ただ、頭がぼーっとするのがいただけない。痛みの変わりに身体が火照る。嫌な汗が身体を濡らす。
359Blackbird /7:2009/04/25(土) 14:35:42 ID:???0
 もうどうだっていいや。
 なんだか、可笑しくてオレは吹き出した。そうだよな、ブライアンもスチュもかあさんも死んでるんだ。なのに、どうして
オレは彼らが見えたんだろう。
 どうして、声がきこえたんだろう。
 ああ、そっか。オレ、もうきっとダメなんだ。
 気が狂ったんだ。
 いねえ奴を見たり、声を聞いたり、それに怒ったりおびえたり?
 ははは、そいつはいいね。ヘタなボードヴィルなんかよりよっぽど笑えるよ。
 はは、ははははは、はははははははは。
 ジョンレノンが、このオレが、クソを漏らして壁を怒鳴りつけて、泣いて喚いて懇願してるよ。はは、ははははは。ブライがいるんだって。スチュが
いるんだって! はははは!
 笑いがヒステリックになっていく。心はちっとも楽しくない。恐いくらいに醒めている。なのに、口からは笑い声がでて顔は大きく笑み崩れていく。
 看護師達が飛び込んでくる。どうやらオレは暴れてるみたいだ。はははは、なんでだろ?わかんねえや。もうおれ、ホントだめかもね。ははははは、
ははははは。
 笑い声はいつの間にかすすり泣きになり、そして最後は、号泣に変わっていた。
360Blackbird /8:2009/04/25(土) 15:35:17 ID:???0

 最後の最後に、やっとあいつが出てきた。
 余りに近すぎて、反吐が出るほど嫌いになったあいつが。
 ぎっちょのでか目の、小器用でいけすかない、アイツが。
 オレの隣に居るのが当然て顔して、ふんぞり返っていた奴が。
「ぽーる…」
 オレはぼんやりと、ソイツの名前を呼ぶ。口からはだらだらよだれがでているが、もうぬぐう気持ちもない。
 薄暗闇の中、あいつは黙ってこっちを見てる。
 もう一度、オレはその名前を呼ぶ。久しぶりに声に乗せたその響きは、不思議と甘い感じがした。
 奴は、薄暗闇からこっちに近づいてきた。少しだけ、姿がはっきりとする。あれ、不思議。ジョーとリッチが出たときは、Fabな姿だったけど、コイツだけは、今のアイツみたいだ。
 よお、ひさしぶり。もたつく舌でオレは言う。奴はびくっとしたが、すぐ元に戻って久しぶりと返してきた。
 あれえ? 挨拶が返ってきたよ。珍しいな。今まで色んな奴が出てきたけど、誰もオレに挨拶なんてしなかったぞ。
 そうなの? と奴が聞いてくる。そうだよ、とオレが答える。奴は笑った。困ったような、優しい微笑みだった。
 綺麗だな。オレは素直にそう思った。そして気付いた。こんな笑顔を受けたのは、ここではあっただろうか。
 ああ、こんな他愛のない受け答えが、ここにきてどれだけできたろう。
 奴は頷く。意味はないけど、肯定の合図。医者や看護師達のような、人形みたいな頷き方じゃない。ちゃんとこっちを見て、こっちを認めてる頷き方だ。
 オレを受け入れてくれてる、優しい心のこもった肯定だ。
361Blackbird /9:2009/04/25(土) 15:42:29 ID:???0
 おかしいな。これはいつも見る白昼夢のはずなのに、なんでこんなに生々しくて、こんなに…うん、生々しい。まるでそこにいるみたい。
 そうか、とオレは合点した。こいつはきっと、死の天使だ。オレを連れていくんだ。きっと天国なんかじゃない。俺が行く場所が、そんなところであるはずがない。それが判ったら
オレが恐がるから、こんなに優しいんだ。
 そうか、だから、薄っくらがりでも、こんなに綺麗で、こんなに光って見えるのかな?
 温かそうな手。柔らかそうな唇。
 少し篭った、低い声。本物みたいだ。よく出来てる。じゃあ、本物と思って話してみよう。だって、オレは実際嬉しかったんだ。
 ちゃんと目を見て、会話をしてくれたことが。
 オレを見て、オレと話して、ちゃんと受け入れて頷いてくれたことが。
 この、ひと時の夢の中だけでも、お前はオレの側に居てくれた。それがどんなに嬉しかったか。どんなに心が満ち足りたか。わかるかい? ポール。分かってくれるかい?
 奴は黙って、オレが何か言い出すのを待っているようだった。哀しげな目だった。寂しげな姿だった。でも、オレには光ってみえる。
 そんな奴を見据えながら、オレは重い口を開く。お前はオレを責めないんだな。そういうと奴は一瞬黙り込むと、「責められたの?」と尋ね返してきた。
 オレは頷く。ああ、責められたよ。ブライとピートが毎日来てた。ずっとオレを睨んでた。母さんは周りの奴らとオレを指差して笑ってた。ジョーとリッチは、蔑んだ目を向けてきた。
ヨーコは会いにも来てくれないよ。そう、と短く答えて奴はまた、静かにこっちを見てる。お前はどうする? オレはカラッポの心で尋ねた。お前はオレをどうしたい? ポール。
 その問いに、奴は何も答えなかった。だが、こちらを見るその視線は、なぜだろう―― 途方にくれているように見えた。
 オレは奴の答えを待った。どう言われるかな? どうされるのかな? もう責められることには慣れてる。酷い言葉にも、冷酷な態度にも。
362Blackbird /10:2009/04/25(土) 15:48:47 ID:???0
 でも、とオレは思い直した。でも、コイツにならどうされてもいいや。
 こんな、非人間的な世界にあって、あんな優しい笑顔を向けてくれた。
 挨拶を返してくれて、ちゃんとまともに答えてくれた。
 ずっとずっと、寂しかったよ、ポール。でも、今は違う。今はお前が居てくれる。
冗談じゃなくて、オレは今、もう死んじまったっていいんだ。
 今ここで、お前になら殺されたっていい。きっと、幸せなまま死んでいけるよ
 本当に、ね。

 奴は、黙ってオレを見ていた。オレは持てる力の全てを込めて、口元を引き締めて、しっかりと奴の目をみて、
 笑った。
 以前のような、ヒステリックなものじゃない。笑いたくて笑った。目の前のコイツに、オレの心を伝えたくて、分かって欲しくて浮かべた笑顔。
 ちゃんと笑顔になってたかな?
 
 アイツは…あいつも、笑い返してきた。部屋が暗闇に包まれ、常夜灯に切り替わる。冷たい青い光の中で、アイツの姿は、温かく見えた。
 オレは、なんとなくその手に触りたくて、毛布から手を伸ばした。震えて、力が入らない。自分の身体なのに、鉛のように重い。それに気付いて、あいつがオレの手をとる。比較してみると
わかったが、オレ、かなりやせてたみたいだ。骨みたいな腕してる。
 あいつの手は、やっぱり温かくて、感触は柔らかだった。
 オレの笑みは、自然と大きくなった。あったけえ。そういうと、奴はうなずいた。寒かったよ。そう言っても、奴は頷いた。なんだかすごく、嬉しい。こんなことが、ものすごく。
363Blackbird /11:2009/04/25(土) 15:56:25 ID:???0
 奴はそんなオレを微笑んで見ていたが、そのうち、その顔がぶるぶると震え、目から涙がこぼれてきた。
 どうした、なんで泣く? みるみるウチに泣き崩れたポールに、オレはビックリして声をかけた(人の心配をするのも随分久しぶりだな、と心の何処かが呟いた)。
 奴はオレの枕元に取りすがり、オレの手を両手で強く握り、しゃくりあげながら言った
 どうもしたくない。アンタのこと。責めようとも嘲笑おうとも、蔑もうとも思わない。
 ただ、俺はアンタの側にいたいんだ。アンタの側にいて、声をきいて、いい気分になるのを手伝いたいだけだ。アンタが幸せになるのを見たいだけなんだ! そのためなら、
なんでもするよ。俺にそれができるなら。俺がいて、アンタが幸せになれるって言うなら、俺は全てを捨ててアンタを取るよ。だから…だから、どうか、どうか…
「しにたい、なんて、言うなよ。殺されたいとか言うなよ。お願いだから!!!!!」
 奴は、最後にはひりつくような声を上げ、オレの手を自分の顔に押し付けて、泣き続けた(どうやらオレはさっきの気持ちを声に出していたようだ)。
 オレの息が、一瞬止まった。時間すら凍りついた。
 ポール? え? なに? お前…おまえ、本当に、ここに、いるのか?
 何時もの夢じゃないのか?
 オレは思わず頭を枕から上げた。奴は言葉のない問いに答えるように、何度も頷く。手をかする、柔らかい唇の感触。温かくて、すぐに冷えていく涙。しゃくり
あげて震える身体。その振動、その荒い息。その言葉。
 それが全て本物だっていうのか!
364Blackbird /12:2009/04/25(土) 16:03:23 ID:???0
「辛かった…メイから相談を受けて。彼女も途方にくれていた。怒らないでやってくれ。彼女も、ヨーコも、ミミも、皆アンタが心配だったんだ。でも自分達じゃどうすることも出来ないと絶望していたんだ。だから…」
「この入院は、じゃあ…」
 そうだよ、と奴は答えた。俺だ。俺が全て用意した。なぜなら俺も…。
「なんでだよ」オレは尋ねる。お前は、グループが解散してからも、あんなに活躍してたじゃないか。あんなに皆から求められて、愛されてた
じゃないか。なのに。
「俺が欲しかったのは、そうじゃなかったんだ」
 独り言のように、アイツが答える。「俺は、曲を一人で作るたび、アンタの目を気にしていた。アンタがこの曲をどう思うか。誰から誉められようが
そんなことは関係ない。幾千何万の観衆を前に、俺が見ていたのはアンタだった。あんただけだった。チクショウ、なんでだよ。なんでこんな…!」
 そう言って、奴はまた泣き始めた。
「だから…辛かったよ。ここに着てからのアンタを…」
 そこまで言って、ポールはハッと、凍りついた。
 オレも、奴の目で、視線が止まる。
「…見ていたのか」
 オレは奴に問いかける。なぜか、心は落ち着いている。うつむいたまま、奴は頷いた。真っ青な顔で。なぜか、傷ついた顔をして。
 話すのも苦しい息の中、オレは笑った。ああ嬉しい。こんな風に笑えるなんて。
 そして、奴の頬にそっと指を走らせる。
 ブライやピートが、遠くなっていく。かあさんもスチュも、もう見えない。
 ただ、オレの前には泣きじゃくるポールだけが、はっきりと見えた。
 奴の声が、しっかりと聞こえた。
365Blackbird /13:2009/04/25(土) 16:10:24 ID:???0
 こんなに、近くに。そうだ、お前はきっと、ずっとオレの近くにいたんだ。
「来れるときは、できる限りこっちにきてた。そして…見ているだけだった。見てるだけしかできなかった。それも、たった短い時間だけ」
 すまない、と奴がいう。そしてずっと泣いている。
 泣かないでくれよ、ポール。お前が泣いてたら、オレが泣けないじゃないか。
 そうやって、いつだってお前はオレを出し抜いていくんだな。
 オレはつい吹き出した。こないだのようではなく、胸からの感情がそのまま湧き出た笑いだった。
 奴はビックリしたのか、泣き顔のままキョトンとこっちをみた。餓鬼みたい。
 辛かったな、オレが言う。ああ辛かったと、奴が答える。
 凍り付いていた心が、あっという間に融けていく。オレ達は水、そう言ったのはヨーコだった。そうだ、その通りだ。オレ達は、オレとコイツは今、
水みたいな心で混ざり合っている。一つになっている。分かち合い、分け合っている。
 許されたのだと、オレはなぜかそう思った。謎が解けたと、その時思った。解けたなら、無敵になれるその問い。昔、リンゴにその問いを見出し、
解けることのなかった問題。闇雲な理解。意味のない確信。これが解けたら、オレは怖いものがなくなると、ただそれだけが判った謎の、その答え。
 もう孤独に震えて、薬に頼らなくてもいい。意味のない罪悪感に苛まれなくてもいい。
 やっと、オレは自由になれた。それをコイツが判らせてくれた。生きていていいのだと、そして一緒に生きていこうと言ってくれた。生意気で小起用で、
いけ好かない、そして、ただ闇雲に、オレを…愛してくれていた、この幼馴染が、教えてくれた
 ありがとう、もうそれで充分だ。オレはその言葉だけで、生きていける。
 世界は冷たくて、酷いことばかりかもしれないけれど、総ては変わっていってしまって、形も残らないかもしれないけれど
366Blackbird /14:2009/04/25(土) 16:15:33 ID:???0
 感じた心は、残るんだな。
 嬉しいと、幸せだと、信じた気持ちは誰にも奪えないし、なにも変えることは出来ないんだ。例えそれは、自分でも。
 そして、その記憶がいつかオレの心を打ち砕こうとも、オレは、甘んじてそれを受けよう。きっと、それすらも幸せの
はずなのだから。
 今の自分を傷つけるほどの幸せの中に、自分がいた証明になるのだから。
 痛みの中に蘇るのは、永遠の時間。
 オレは、それを認めるよ。
 やっとそれを、受け入れられたよ。
 ありがとう。ありがとう。
 
 オレはその言葉をそのまま奴に伝えた。そして、最後にこう付け加えた
 オレのためだというなら、お前の何も捨てないで、このまま歌い続けていけ。
お前の声は、確かにオレの耳に届いたから。それはオレを救ってくれた。だから、これからも届くように、お前の声が俺に
聞こえるように、できる限り、歌い続けてくれ。
 きっと、必ずだぞ? オレは忘れっぽいんだからなw!
オレの言葉を、奴は黙って聞いていた。今度はオレが、奴の言葉を待つ番だった。
 オレの目をみて、奴は一瞬だけ、泣き出しそうに顔をゆがめた。
 でも、それも一瞬だけ。奴は目を閉じて、歯を食いしばって、何かに耐えるようにそこにいた。肯定と否定。拒否と容認。
そんなものが、奴の中を巡っているようだった。
 
367Blackbird /15:2009/04/25(土) 16:22:00 ID:???0
 そして、やっと目を開けると、静かに、しかししっかりと、頷いた。
 オレ達は、それから顔を合わせて笑いあった。そして、オレは片手を拘束されたままだったけど、しっかりと抱きしめあった。
 奴の体温と重みが嬉しい。それを感じることが嬉しい。生きていたい。生きていたい。これを感じることが出来るなら。
 そして、そっと口付ける。柔らかい唇だった。優しい体温、滑らかな肌さわり。胸に巣食う、恐ろしい空洞を一気に一杯にして、溢れ返すまでにするその力。
 
 愛してる。愛してる。愛してる。
 何度言っても足りない言葉。この心をどうしよう。
 もどかしくて、こっぱずかしくて、イケてなくてみっともなくて、持て余してしまう、この心。
 愛してる愛してる愛してる。
 この心をどうしよう。
 
 どうしよう。
368Blackbird /16:2009/04/25(土) 16:28:10 ID:???0
 オレ達は、随分と長い間そうしていた。
 最後にはどうしていいのか分からなくて、二人で笑い出してしまったくらいに。
 この時間が、こんなにも愛おしい。
 大切な、たいせつな、贈り物。
 ありがとう。この贈り物を忘れないために、ポール、歌ってくれ。どんなバカな歌でもいい。バカな歌なら笑ってやるよ。いい歌だったら、誉めてやる。
クソな歌ならけなしてやる。哀しい歌なら、泣いてやる。
 だから、ポール、歌え。このままずっと。
 お前がオレの側にいることを、思い出させてくれ。
 そしたら、オレは生きていける。もしかしたら、きっと、永遠に。
 オレは生きていけるんだ。

 そしてポール。お前が歌うその側に
 オレがいることを、忘れないで。
 お前がこの約束に答えてくれるなら、オレはお前とともにある。
 誰といようと、どこにいようと。
 オレの心は、お前と共にある。
 混ざり合った水を、完璧に分けることなど出来ないように。
 わかるだろ? 俺の言う意味、言わなくってもわかるだろ?
 ポール。
369Blackbird /17:2009/04/25(土) 16:33:46 ID:???0
 奴は、何も言わないで、オレの肩に顔を押し付けたまま、頷いていた。
 オレ達は、長い間そうしていた。
 そうしていた。

 そして、オレは長い時間をかけて治療プログラムをこなして行った。苦しかったが、必死だった。
 奴のバンドの歌が、ラジオから流れる。それを聴きながら。
 半年後、オレは迎えに来たヨーコと共に、オレの帰るべき場所に戻った。
 まちなかで響くポールの歌声が、オレを迎えてくれた。
 そして、オレも何曲か歌って。ポールも相変わらず歌ってて。そしてショーンが産まれて。
 とても幸せで。幸せで。

 街では、オレのかわりにポールが歌っていた。

 そして。






 そして今も、ポールは歌い続けている。
370Blackbird /0:2009/04/25(土) 17:02:55 ID:???0
反省点:読む人じゃなくて、「コールドターキー」という曲を意識して書いてしまったこと。
考えてみたら、この曲一時期放送禁止になってたんでしたね。
なんか、ジョンから「苺畑」の最初のVer.聞かされてショック受けて、負けないように頑張り
過ぎてしまったマーティン卿の気持ちが良くわかりました。
それだけ、「コールドターキー」という作品は、恐ろしいのです。私にとっては。
若い頃はそうでもなかったのですが、歳を重ねてから聞いてみると、背筋がぞっとするほど恐ろしい。
最後の悲鳴なんて、聞けなくて曲を飛ばしてしまうほど。あんな悲鳴を上げるなんて、いったいどれほどの
苦しみだったのか。あの繊細で怖がりの彼が、どんな禁断症状と戦っていたのか。
それを思うと、ホントに…胸が痛みます。いや、このSSほど酷い状態ではないと思いますが。
作品の中に、かなり過激な表現が続きますが、それは本当に…申し訳ありませんでした。
誰を攻撃するとか、そんな意味はないことを断らせてください。
失禁のくだりは映画「トレインスポッティング(だっけ?)」にもあるように、
コカイン(ヘロイン?)中毒の人は筋肉が弛緩してしまうから、失禁しやすいという点から。
その他の表現は、総て多々の文献やドキュメンタリー、映画や小説などからの情報です。
どっからだ、と言われたら「?」ですが。他愛ない読書からも知識はうけるものですから。
このSSを不快だと思われたかたは、削除を依頼してください。

そして私は、今でも歌い続けるポールをいつも「すげえな」と思っています。
不思議なのです。もう何もしなくてもいいのに。それに、一時あれだけ叩かれまくっていた中で
どうして彼は歌い続け、今でも歌っているのだろう、と。
要らないお世話なんですけどね。はい。ジョンもすげえが、ポールもすげえ。
そんな気持ちを込めてます。本当に。
この二人を尊敬してます。
そして、SS内の「ジョンの解けた謎」については、同スレ内SS「Here There
and Everywhere」をご参照ください。

では、長々と失礼しました。よろしければ、またノシ       861Hedge-hog
371売掛金:2009/04/25(土) 21:24:28 ID:???0
おお、ちょっと外出していたらスレが伸びている。
おふたりとも精力的に筆を進めておられるのですね(^^)

>意識
イギリスで同性同士の結婚が許されたのはいつ頃でしたっけ。
本当かどうかは判りませんが、国民の1/4が同性愛者ということですが、それを聞けば
この話はすごく当然だったのかなと個人的には感じています。
ミュージシャンでもジョージ・マイケル、エルトン・ジョン、
Queenの故フレディ・マーキュリーなんかは全部英国の人だった気がします。

>Cold Turkey
私はこういう人間ですので、Cold Turkeyという曲は知りませんでした。ので、今youtubeで観ております。
372売掛金:2009/04/25(土) 21:50:01 ID:???0
Cold Turkeyを今聴いた/歌詞を読んだ私が続けます

>Blackbird
17というのは今までで最長ではないでしょうか。お疲れ様です。

>こういったものを書いていいのか
ちょっと前にああゆう絵を描いている私ですから、そういうものについて触れることに何ら問題はないと思いますよ。
あとジョンとジョージが鬼籍の人というのも本当のことですし、これも問題はないと思います。
恐らく私も上記ふたつには触れまくると思います
というか、もう既にひとつには誰にことわりを入れるでもなく触れまくっています。

「その他の表現」という部分について861さまが書かれていますが、
捏造ものを投下している私が云うと何ら説得力がないかもしれないのですが、
色々なものがあって良いのではないかと思いますよ。



なんだか全体的にのんびりしてしまいました。では失礼致します。
373861Hedge-hog :2009/04/25(土) 22:25:36 ID:???0
売掛金さま、ありがとうございます。いやー、書いてる時より投下するときのが恐くて手が震えました。
ジョンじゃないけどww。小心だなあつくづく。自分。
初稿を手直ししているうちに、見る見るラストが変わっていくサマは、自分で書いてて
「へえええええ!? あ、そうかああ」って目からウロコでした。
「Blackbird」は一匹だけかと思いましたが、実は二匹でした、というwww。
こういうこと言うと、私の元カレなんか「それは話を練りこんで作ってないからだ」とかいうんだよなあ。
でもあんまり書く前から、いろいろ決めすぎちゃうと返ってがちがちになって書きづらいと
思うのですが、他の方はどうなんでしょうねえwww。

勇気を出して、投下してよかった、とも思います。
でもレス数17は、ちょっと長すぎですヨネwww。反省。
読んでくれた方が、少しでも楽しめたら、この上ない光栄です。
 ちなみにSS内でジョジたんとリンゴが出てきましたが、二人とも実は本当にお見舞いに
来ていて、被害妄想に駆られたジョンにこってんぱんにやられて、ジョーが泣いちゃって
リンゴがジョンについ怒ってしまったってちーさなエピが隠されていたりします。もちろんジョンは
自分のやったことなんか覚えてなくて、二人の様子も自分が彼らに持った印象だけが残ってるって
ことで。で、ポールはその話を知ってます。細かすぎ。いわんでもいいか、そんな事

重ねて、感想ありがとうございました。ホッとしました。ではまたノシ
374売掛金:2009/04/26(日) 00:33:56 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
お疲れ様です。

>他の方はどうなのでしょうねえ
私の場合ですと、いくつかの短編が寄り集まっている状態なのですが
その書いた時期はビー史としてもバラバラで、あっちを書き、こっちを書きという感じでしたよ。
なので何も考えず物凄く適当です。
私は文章を書くということに真剣に向き合ったことがありませんのでよくわからないのですが、
最終的に「なんだか知らないけれど面白かったな」と自分で思えればOKだと思ってやってました。
まあそれをこのような人様の目に触れる場所に投下する私の神経もどうかと思うのですが・・・

17というのは最長ですが、特に長いとは思いませんよ。
それより長い投下を致します。勿論、いつもの数年前に書いたものです。
最近やっとビートルズ年表というものを読んだので(ひどい・・・)
多少言葉を変えた部分がありますが、基本的にそのまま投下致します。

ではよろしくお願い致します。
375【Sgt】Eight Days A Week -1:2009/04/26(日) 00:36:30 ID:???0
【Monday】

部屋に山積みのファンレターを横目にポールはその処分について考えていた。
まさかすべてに返事を描くことなんて出来ないし、その気もない。かといってすぐ捨てるというのもいけない気がする。
以前はそれでも読んでいた方だ。好きとか、愛してるとかはよく見る文言で、
自分勝手な感動を綴ったポエムが書かれた手紙は笑えるから好きな方だった。
中には自分の体毛や下着を送ってくるファンも居るのだから、それに比べればどうってことはないだろう。
たしかにインパクトはあるのかもしれないけれど、そういうものは正直気持ちが悪いし趣味じゃない。
生モノを送ってくるのもアウトだ、手元に届く頃には腐っているた。
世界中から送られてくるファンレターをジョン、ポール、ジョージ、そしてリンゴ宛てと振り分けているのは誰なんだろう。
その人たちに会ったことはないけれど、彼らは世界で二番目に不幸な職業に就いていると思う。では一番不幸な職業は何かって。
「ビートルズ」という職業だ。

喉が乾いたので一階のキッチンへ行こうと立ち上がった瞬間、ファンレターの山が総崩れした。
ポールは溜息をついたが、面倒臭いのでそのままキッチンへ向かおうとする。
ふと、そのゴミ山の中に何処かで見たことがあるような封筒があることに気付く。
ポールはそれを手にとって裏表を見た。どこで見たマークだったか…。
ああ、そうだ、あの時見たやつじゃないか。
封筒を手に階段を降りた。ポットで湯を沸かしている間にその封を切る。
中には随分神経質に折りたたまれた便箋が一枚入っていた。
376【Sgt】Eight Days A Week -2:2009/04/26(日) 00:37:21 ID:???0
??????????????????????-
ハロー。ご機嫌如何?
といってもこの手紙はメンバーの誰が読んでいるのかしら?
まあ誰でもいいです。誰かに読んで貰えればそれでいい話しですから。
ところであの日は楽しんで頂けたかしら?
??????????????????????-

書いてあったのはたったそれだけだった。
ポールはくすくす笑った。カップに紅茶を注いで彼は部屋に戻った。
そしてテーブルにあった手頃なチラシの裏にペンを走らせた。

??????????????????????-
やあ、こんにちは。
あの日のことを覚えていてくれたなんて感激だな。
だって僕はすっかり君のことを忘れていたから。

あなたの大嫌いなポールより
??????????????????????-

ポールはそれを封筒に入れると、切手も貼らずにポストへ投函した。
377【Sgt】Eight Days A Week -3:2009/04/26(日) 00:41:05 ID:???0
【Tuesday】

「ミスター?」郵便局員がカフェで寛ぐポールに声を掛けた。「あなたにお手紙です」
「ありがとう」
ポールはそれを受け取ると早速封を切った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
親愛なるポールへ
お返事ありがとう。早速お手紙を書きます。
それにしても私のことを忘れてたなんてあんまりだわ!
(いきなり抗議からはじまる手紙なんて! 気を悪くしないでね)
ところでもう一度質問します。あの日は楽しんで頂けましたか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ああ、物凄く楽しんだよ」ポールは独り言を云った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前回の手紙、あなたが読んでくれたようで私はとても感動しました。
私はまた近いうち…、それは何時になるか判らないけれど、またあなたに会うような気がしています。
でもそれは来週とか来月とかそういうのじゃなくて…。ずっとずっと先の未来の話だと思います。
ロマンチックだって笑う? でも違うのよ、私の勘は良くあたるって有名なのよ。
もし今度あなたに会う時のことを考え、私は今から胸を躍らせています。
その時はどんな話をしようか、あなたが私にどんなお話をしてくれるのか。
想像しただけで胸が高鳴ります。あなたもそうであることを望みます。
あなたもまた私に会えると思うことがありますか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


手紙はそこで終わっていた。
378【Sgt】Eight Days A Week -4:2009/04/26(日) 00:43:12 ID:???0
「あのー…」
「はい」
顔をあげると女の子がふたり立っていた。
「もしかして、あなたポール・マッカートニー?」一人が云った。「ビートルズの」
「どう思う?」
ポールは微笑んだ。
ふたりは何やらひそひそ話をし、そしてまた彼に向き直った。
「きっとポールだと思う。だってこの前買ったビートルズのレコードにあなたの写真があったもの」
「君はビートルズのファンなの?」
「勿論!」今まで黙っていたもうひとりが云った。
「私たちだけじゃないわ、クラスの皆が、いえ、学校の皆があなた達のファンよ」
そしてふたりは抱き合って今更な悲鳴をあげた。
ひとしきり騒いだふたりは肩に掛けた大きなバッグから紙とペンを出してサインをねだった。
ポールはそれに愛想よく答え、彼女らから紙とペンをくれないかと云った。
「キスしてくれたらね」彼女らは声を揃えて云った。

ホテルの一室でポールは目覚めた。
広いベッドには彼ひとりだ。枕の上に「LOVE」と書かれたメモが一枚置いてある。
どうも彼女らは帰ったらしい。
ポールは頭をかきながらベッドから起き上がりデスクの上のタバコを手に取った。
そこには彼女らからのプレゼントである可愛らしいレターセットとペンが置いてあった。
ポールはそのまま椅子に腰を掛け、咥えタバコで早速ペンを走らせた。
379【Sgt】Eight Days A Week -5:2009/04/26(日) 00:44:50 ID:???0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんにちは、お手紙ありがとう。
ロンドンのとあるホテルよりあなたにお手紙します。
まず最初に朗報です。僕はあなたに会った時のことを思い出しましたよ。神様に感謝して下さい。

さてあなたの質問について回答します。
まずは僕がまたあなたに会えるかという質問です。恐らく僕はあなたにまた会うと思います。
しかしそれはあなたの云う通り、すぐというわけではなさそうです。
そういった意味ではあなたの勘は当たっていると思います。おめでとう。

そして次に、あの日楽しんだかという質問です。
あの日の、あなたの堂々とした姿は僕に強い感動を与えました。
しかし同時に、あなたは僕らの作った曲を聴いたことがないのではないかとの疑問も生まれたことを隠しません。
いえ、これは僕らが自信家だということではありません、ただなんとなくそう思っただけなのです。
恐らくあなたのご家族も僕らの曲を知らないのではありませんか?
しかしだからといって、あなたと僕の友情に一切の影響はありません。どうか安心して下さい。
でももし僕の勘が当たっているのなら、次回の手紙でそう教えてください。
僕はあなたと、あなたの家族の分だけレコードを送るでしょう。

ポール
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その手紙を封筒に入れ、チェックアウトする際、フロントに渡した。
380【Sgt】Eight Days A Week -6:2009/04/26(日) 00:46:43 ID:???0
【Wednesday】

今日は朝から雨なので急きょ外出することを取りやめた。
生憎家にはアッシャー家の人間は居なかったから、ポールは自分で朝食を作らねばならなかった。
といっても時計を見れば十七時だったから、朝食とは云えないかもしれないけれど。
冷蔵庫を開けて中のものを見まわしたが、調理しないと食べれないものばかりだったので諦める。
戸棚を開けるとクッキーの入ったガラス瓶があったので、彼はそれを小脇に抱えて自分の部屋に戻った。
ふと窓をノックする誰かがいる。近寄ってみると雨に濡れた昨日の郵便局員の顔が見えた。ポールは窓を開けた。
「ミスター、お手紙です」
郵便局員はポールに手紙を渡した。
「ありがとう。君は雨の日も仕事なの? 大変だね。足元に気を付けてね。今日は天気が悪いから」
「ええ、本当に今日は天気が悪いです。本当はこんな日は家から出たくないのですけどね、
しかしこれも仕事ですから。では失礼」
ポールは彼にクッキーを一枚プレゼントした。それを口に咥えたまま、郵便局員は梯子を降りていった。
窓を閉めると、ポールはその手紙の封を切った。
381【Sgt】Eight Days A Week -7:2009/04/26(日) 00:48:44 ID:???0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新愛なるポール
お返事をありがとう。あなたの手紙が届くたび、私は天にも昇る気持ちです。
ホテルからの手紙ということで驚きました。あなたは本当に色々なところでお仕事するのね。
私はいつも同じデスクで仕事をしているから、そんな自由なあなたを羨ましく思います。

あなたのお手紙にあったレコードの件。
ごめんなさい、本当のことを書きます。私はあの日あなた達に会うまで聴いたことがありませんでした。
これは私とあなただけの秘密にしてください。でも、それは昨日までのこと。
今この手紙をあなたが読んでいる時分、私はあなた達の最新曲を聴いていることでしょう。
何枚もレコードを出しているのですね。とてもエモーショナルな曲の数々に感動しています。
ところであなたのベースという楽器を演奏する人なの? それとも歌を歌う人なの?

あなたとこうやってお手紙交換していることを幸せに思います。私の秘密をひとつ、あなたにお話します。
私は子供の頃から物語を考えるのが大好きです。
いつか作家になるぞと思いながら、その機会を逃し続けています。
あなた達が私に音楽を届けてくれたお礼として、私の最新の物語を送ります。
ちょっと今から仕事があるので、この手紙を先に出しますが、
物語はこの手紙の後すぐにあなたの手元に届くと思います。
感想をお待ちしております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ポールは急いで窓を開けて三階から下を見下ろした。
先ほどの局員が大きな包みを抱えて梯子を登ってくる姿が見えた。
382【Sgt】Eight Days A Week -8:2009/04/26(日) 01:13:27 ID:???0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんにちは。レディー。
もしあなたが僕を自由だというのなら、きっと僕は自由なのだと思います。
あなたは僕の自由を羨ましがっているようですが、そんなことを気にせず、ご自身の自由を謳歌してください。
それに僕はあなたが思うほど自由な人間ではありません。あなたより少しだけ身軽なだけというだけの話です。

あなたの物語を読みました。
僕はめったに他人を褒めないのですが、一言、素晴らしい!
あなたが作家にならず、僕のような人間がレコードを出しているなんて、何かの悪い冗談のようです。
あなただって内心そう思っているでしょう?
それにしても本当に素晴らしい物語です。
二十年前のオールドバンドが魔法で復活し、世の中を音楽でハッピーにするなんてとてもファンタジックだ。
バンド名もまた傑作ですね。音楽でハッピーな世界が作れたらどんなに素敵なことか - 僕はあなたと同じくロマンチストなので ?
そんなようなことを妄想する時がありますよ。

ただひとつ、魔法の効力が永久に続くという箇所が気にかかりました。
僕が少しセンチメンタルなのかもしれませんが、聞いてください。
これは僕の意見ですが、彼らは自らを鞭打って世界をハッピーにしたのですから、
いつかはその役を解かれるべきだと思うのです。
永遠に続く魔法を僕は信じませんし、それではあまりに彼らが気の毒だと思います。
勿論物語の作者はあなたですから、僕があなたに意見など出来る立場にありません。
しかしもしお時間があるのであれば、この部分についてもう一度考え直してみるというのは如何でしょうか。
きっとより良い作品になりますよ。

ポール・マッカートニー

追伸:僕のバンドでの仕事は向かって左側で案山子のマネをすることです。
よって、あなたの聴いたレコードに収録されている悲しげな金切り声の主が僕です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ポールは手紙を持って玄関に向かった。ドアを開けると階段の上にそれを置いた。
そういえばジェーンは映画の収録でアメリカ、アッシャー夫妻はバカンスに出掛けたことを思い出した。
383【Sgt】Eight Days A Week -9:2009/04/26(日) 01:17:09 ID:???0
【Thursday】

今日は仕事だ。
四人はスタジオ内で適当に口パクしたり、それが終わると腕を組んだり肩を組んだり、適当にポーズと取ってフレームに収まる。
ジョンは面倒くさそうにあくびをした。
ポールも一緒にあくびをしたい気分だったが、セッションが長引くのが嫌なので我慢した。
小休憩に入り、先ほどまであんなに仲良く肩を組み合っていた四人はバラバラの方向に動き出す。
ポールはスタジオを出た。見たこともない、名前も知らない多くのスタッフがあちこちで立ち話する中、
彼は何処へ行くでもなく、ぶらぶらと歩いていた。
「ミスター」
振り返ると封筒を持った熊の着ぐるみが立っていた。
「ああ、お疲れ様」ポールは云った。「頑張るね」
「これが私の仕事ですから」
熊はポールに封筒を渡すとでかい頭をぐらぐらさせながら立ち去っていった。
ポールは手紙をポケットに突っ込みトイレの個室に入った。
384【Sgt】Eight Days A Week -10:2009/04/26(日) 01:19:37 ID:???0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新愛なるポール
まず最初に。私の物語を気に入ってくれたようでとても嬉しいです。ありがとう!
私はとても内気な性格なので、なかなか自分の書いた物語を他人に見せるということをしません。
なので昨日の自分の行動は我ながら素晴らしい勇気だったと思います。あなたとの友情を神に感謝します。
ところであなたがバンドの案山子だなんて知りませんでした。
でもあなたのような素敵な案山子がいるバンドってどんなに素敵だろうと思います。
今私の部屋の窓から見える庭にも多くの案山子が立っていますが、もしかしてあなたはいつか私の案山子になってくれる?
その時は私を守って頂戴ね。

あなたのお手紙を読み、やはりあなたは優れた芸術家であるとの想いを強くしました。
確かに私の物語に出てくる四人は、自らはあらん限りのハッピーを振り撒くというのに、本人達はあまり幸せそうではありませんね。
でも道化ってそういうものだと思いませんか、永遠にそういう役回りなのだと思いませんか。
だって彼らのお陰でおとぎの国は永遠の楽園になるのですから。
素敵な道化が居てくれてさぞかし国王は鼻が高いでしょうね。単語で表すとするなら「誉れ」でしょうか。
又あなたは、ステータスと云う言葉の本当の意味/意義を御存じですか?
こ れ は あ く ま で 質 問 よ
もしあなたが私だったら、誰の魔法を最初に解き、そして最後に誰を残しますか?

E

追伸:素敵なニュースです。私は先週、二通の手紙を書きました。
あなたのお友達のひとりが昨日私の手紙を読んでくれたようです。お返事が今ここにあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


個室のドアをノックされポールは飛び上がった。
そっとドアを開けるとジョージがただならぬ表情で立っていた。ドアの隙間十センチの間で彼らは見つめあった。
ポールは何か云おうと思ったが、あまりに喉がカラカラで声が出ない。
「…ポール」ジョージが口を開いた。「紙ちょうだい」
385【Sgt】Eight Days A Week -11:2009/04/26(日) 01:27:37 ID:???0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ごきげんよう、E
今仕事中なので手短に書きます。といっても、僕はいつも誠実な男であるよう努力をしています。
あなたの質問に僕なりに答えます
一人づつ魔法が解くということについて、僕には誰が適役であるのか判りません。
また同時に、誰が最後まで魔法を解かれない者になるべきかも判断が出来ません。
しかしひとつ云えることがあります。ここでは便宜的に、僕があなたの書く物語の道化であると仮定します
- あくまで仮定です -
僕は自分が愛する者こそ一秒でも早く魔法がとければと願います。
何故なら最後のひとりになるということは、それだけ道化の時間が長い、ということだからです。
僕は自身が愛する者が長い時間苦しむことに耐えられませんし、そんな残酷は出来ません。
これはやはりあなたが云うように、僕が自由だからなのかもしれませんね。

そろそろ仕事に戻らねばなりません
またお手紙します
ありがとう

ジェームズ・ポール・マッカートニー M.B.E.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


トイレットペーパーにそこまで書いた時、隣の個室から水の流れる音がした。
ポールは急いでズボンを上げドアを開けると、ジョージの背中に一発蹴りを入れた。
そして何食わぬ顔で個室で戻りクソを垂れ、丁寧にケツを拭き、クソとトイレットペーパーを水で流した。
386【Sgt】Eight Days A Week -12:2009/04/26(日) 01:30:20 ID:???0
【Friday】

昨夜はあれから遅くまでロンドンの街に出ていた。帰ってきたのは今日の午前中だった。
ポールは家に誰も居ないことをいいことに着替えもせず応接のソファーで眠っていた。
誰かがひっきりなしに玄関のベルを鳴らしている。
「うるさい」ポールはうつぶせになってクッションを頭から被った。
しかしドアベルは鳴り止む気配がなく、諦めたポールは玄関に向かった。
ドアを開けるといつかの女の子がふたり立っていた。
「お手紙です」
ふたりは同時に云った。
「君たちは郵便局の職員さんだったの?」ポールは質問した。
ふたりはそんな彼の質問に顔を見合せケラケラ笑った。
「変なおっさんがあなたの家に向かうのが見えたからこの手紙を預かって差し上げたのよ」
また同時に云った。
「あ、そう。じゃ手紙ちょうだい」
「キスしてくれたらね」
387【Sgt】Eight Days A Week -13:2009/04/26(日) 01:33:33 ID:???0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新愛なるポール
お仕事中にお返事を頂けるなんて思っていませんでした。
お忙しいところをごめんなさいね。良い写真は撮れましたか?
ところで昨日の手紙に書いたあなたのお友達のことです。
あなたとお友達はとても仲が良いのですね。殆ど同時にお返事をくれるなんて。
いいわね、私にはあなた達のような素晴らしい友人関係がないから少し嫉妬しました。
私は永遠の孤独に居ます。

面白い話ってあるものなのですね。
理由は違うけれども、あなたとあなたのお友達は同じような内容の手紙を私に送ってくれました。
おふたりが私の物語を読んでくれたというだけで幸せなのに、同時に、そして偶然同じ意見の手紙なんて。
しかもお友達は名指しまでしてくれてよ! おかしいわね、私は物語の四人に名前を与えていなかったのに。

今私は必死に物語の最後の部分を書き直しています。
あなたとあなたのお友達の意見を取り入れ、永遠の魔法という設定は止めました。
その変わり、一人づつ魔法を解くことにします。完成までに数日かかりそうです。
出来あがったらすぐに送ります。待っていてくださいね。

今日は土曜日、あまり遅くまで寝ているものではありませんよ。
私はよく眠る案山子を好みません。

E
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
388【Sgt】Eight Days A Week -14:2009/04/26(日) 01:36:07 ID:???0
ばら撒かれたファンレターの山の上で目が覚めた。
と、胃の中のものが喉元までこみあげてくるのが判り、ポールは急いでトイレに走った。
盛大にぶちまけた後、彼は大きくため息をつく。蛇口をひねり顔を洗い鏡を見た。
鏡には口紅で「LOVE」と書かれている。ポールはそのOの真ん中の部分に自分の左目が入るように身をかがめた。
笑いと吐き気が同時に彼を襲い、笑いながらもう一度吐いた。
また誰かがドアベルを鳴らした。ポールは唾を吐くとふらふら玄関に向かった。
「やあ、ポーリィ」そこにはリンゴが立っていた。
「いらっしゃい」
ポールは彼を家の中に招き入れた。
「なんだお前、酔ってるのか。シャツのボタンくらいしろよ。だらしないなぁ」
リンゴがぶつくさ云いながらポールより先にさっさと奥に歩いていった。
ポールはドアのチェーンを掛け、ふらふらと歩きながらボタンを閉めるどころか、シャツを脱いでしまった。
「だらしないなぁ」またリンゴが文句を云った。「何やってるんだよ」
「君だって酒くさいよ」
「俺はいつものことだ」
リンゴはまるで我が家のように勝手にキッチンへ行き、缶ビールを抱えて戻ってきた。
「リンジー、あれやろう。いっつもやってるあれ」
ポールはリンゴの後ろ髪を引っ張ってお願いした。
「いつもやってるあれ? 何だそれは。これか?」
リンゴは左手でOKのサインを作った。
「あ、それそれ」
ポールは親指と人差し指で作られた真ん中を覗きこんだ。
円の真ん中にグリーンの瞳が収まった。リンゴは反対側の穴からそれを覗き返した。そしてふたりでパチパチと瞬きした。
「ところで質問なんだけどね」リンゴがギリギリまで瞳を近づけながら云った。「昨日から腹の調子が悪いのは俺だけか?」
389【Sgt】Eight Days A Week -15:2009/04/26(日) 01:39:02 ID:???0
【Saturday】


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
親愛なるリチャード
親愛なるポール

ついに作品が完成しました。

あなた達の素晴らしい友情に永遠の祝福を


E
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

390【Sgt】Eight Days A Week -16:2009/04/26(日) 01:42:03 ID:???0
【Sunday】

ポールとリンゴはふたりでアッシャー家の酒蔵を空っぽにしようとしていた。
応接には無数の空きビン、空き缶が散乱し、ふたりは仲良く全裸で床に大の字になっている。
どちらともなく相手の髪の毛をひっぱり、それを合図に引っ張られた方が引っ張った方に乱暴な振る舞いをした。
それが終わると今度はその反対。
次から次から、もう呆れるくらいにアイディアが浮かびまくり、昨日の夜から何度繰り返してるだろう。
やってもやっても飽きないので、ふたりは抱き合っては飲んで、飲んでは寝て、
そして禿るんじゃないかというくらい相手の髪の毛を引っ張り合った。
それに飽きると、でんぐり返しして見事ホールインワン出来るかを競い合った。
ポールはあまりでんぐり返しが上手くなかったので空しい空振りを繰り返すばかりだったが、
リンゴはどこで鍛えたのかホールインワンを連発した。
「やるね」
ポールはリンゴの身体を抱き抱えながら素直に感心した。
「ポーリィも練習するといいよ。こういう暇な時に役に立つから」
「ほんとにね…」ポールはなんとなくゆらゆら揺れた。「今日は手紙こないね」
「日曜だからな…、流石に郵便局も休みなんじゃないのか?」
「ああ、そういうことか」
ポールはとても納得した。
「明日は何曜日だっけ?」
「月曜日」
「僕は一週間は七日だって聞いてたんだけど。だから今日で何もかも終わりなんだよ。
あ、違うか、今日から数えて七日あるんだっけ。忘れたよ」
ポールはとても情けない声を出した。リンゴはポールの顔を覗きこんだ。
391【Sgt】Eight Days A Week -17:2009/04/26(日) 02:52:08 ID:???0
「残念だったな」
心も身体も疲れに疲れているはずなのに頭だけ冴えている。
「最後に残されるのは誰なの?」
「さあな」
「リンジーは名指ししたんだって?」
ポールはなんだか楽しそうだ。
「ああ、したよ」
リンゴはポールにキスしながら云った。
「凄いなぁ、僕はそこまで頭が回らなかったよ」
「普通はそんなもんだよ。俺みたいな暇人がそういうことを四六時中考えて、
いつでも出せるように答えを引出にしまい込んでいるんだ」
「じゃ、最初に魔法が解けるのは誰なの?」
「一見悲惨に見えるけれど…」リンゴはちょっと噴きだした「そいつが一番気楽だろうな」
つられてポールも噴き出す
「じゃあさ」彼は口元を抑えて笑いに耐えている。「残された最後のひとりはどうなるの?」
「最後の最後まで、自分には一銭の得にもならないクソの後始末をさせられるんだろうさ…」
ポールはおかしくておかしくて、今にも笑いだしそうだ。
「とりあえず」リンゴは強い口調で云った。「あの女、今度会ったら絶対スカートめくりだな」
ふたりは堪え切れず、抱きあったままいつまでも笑った。
392【Sgt】Eight Days A Week -18:2009/04/26(日) 02:53:45 ID:???0
【Monday】

「あら、ポール。ちょっと痩せたんじゃない? ちゃんと食事はとっていた?」
ミセス・アッシャーが心配そうにポールの顔を覗きこんだ。
「大丈夫ですよ」
ポールはきっちりとネクタイを締め、髪に櫛を入れテーブルについた。そして手渡されたカップを丁寧に受け取る。
ドクター・アッシャーはやや心配そうにポールの顔を見た。
「私はてっきり君が友人と楽しく遊び歩くかと思っていたのに、そういう風にも見えないし。
ではここに友人を招いてパーティをやったという様子もないし。
君は若いのに少々不健康だよ。もっと遊びなさい、若いうちだけなんだから」
「そうよ」ミセスが同調する。
「あの子、ジェーンも判っていると思うのよ。お互いまだ何も決まってない独身者同士ですしね。
それくらいはあの子も理解できるでしょうに。
私が一番悲しいのはポール、あなたがその若さで何かとんでもない大きな何かを背負うことなのよ。
それが一番心配。何か隠していることはない? 何か困ったことはない?」
「ありがとうございます」
ポールはゆっくりと頷いた。
「大丈夫です。それに僕のやっている仕事なんて…、まあ今はちょっと騒がれていますが、浮いては沈んでの業界ですから。
たいした仕事なんかしていないんです。そりゃ多少の賞を貰いましたが…。
でもあと五年もしたら誰も僕のことも、そしてビートルズなんてけったいな名前のバンドのことなんて覚えていませんよ。
でも僕はそれが世の中の正常な反応だと思っています。
だから今のうちに不動産にでも投資する方がいいと思っているんです」
「君は若いのに堅実だなぁ」
ドクターは娘の恋人に惚れぼれし溜息をついた。
ポールはそれに対して、当然判っていますよ、といった風に頷く。
393【Sgt】Eight Days A Week -19:2009/04/26(日) 03:05:42 ID:???0
「僕らが騒がれているのなんて今だけですよ。
例の勲章だって、本来僕のような階級の者が頂けるようなものではありませんし、
彼らにしてみれば子供へのご褒美のつもりなのでしょう。
とは云いましても、やはり名誉には違いないのですし、それに対して心から嬉しく思っているのは確かです。
父も弟も僕を誇りにしてくれますし、天国の母も喜んでいるでしょう。
僕に出来ることは今この一瞬だけでも、愛する家族に孝行することだけなんです…」
そこまで云い終わってポールははにかんだように微笑んだ。
ドクターとミセスはとても満足したように顔を見合せ、そしてポールにもう一杯紅茶はどうかと尋ねるのだった。
と、ドアベルが鳴った。
「あら、誰かしら」
ミセス・アッシャーはテーブルを立つ。
ややしばらくして彼女はしきりに首を傾げながら、一通の手紙を手に戻ってきた。
「どうしたんだ、おまえ」ドクター。
「ええ、あなた…。今の郵便局員さんなんですけど、顔が青アザだらけで…、なんだか気のどくでしたわ」
「ふむう、彼らも楽な仕事をしているように見えて、色々と大変なのだね」
「そうですね」ポールはすまして云った。「本当に大変だと思います」


でもきっと、ビートルズよりはずっと幸せだろうね。
少なくともビートルズっていう職業よりは。

***********************************
ありがとうございました



真夜中の勝手な新記録樹立ありがとうございます。
と云いましても、二日に分けて勿体ぶって投下するようなシロモノでもなく、
かと言って一日で投下するのにはとても読みずらいという理由で細かく分けた、ただそれだけです。
投下にとても迷った一作ですが、ひとりでこういうものをコソコソ書いていた奴がいたんだなと流して頂ければ幸いです。
では失礼致します。
394ミハイル:2009/04/26(日) 19:55:57 ID:???0
>>393
読みましたなんだかあの「信じようと、信じまいと――」の>>1みたいで面白かったです
なんだかインスピレーションが沸いたので続きを書いていいでしょうか?
395861Hedge-hog:2009/04/26(日) 20:26:32 ID:???0
>>【Sgt】Eight Days A Week
悔しい。
書けない。
こんな風に、書けない。
こんな内容、書けない。
こんな世界、書けない。
もう一度読み返す。すげえドラッグ感。カメラの位置がずれてるような世界観。なんかわかってるようで、なんにも解かっていない心地よさと不安感。
ああチクショウ! 参りました(脱帽&土下座)。
そして、トイレでポールを焦らせたジョージに対するポーのお返しがスゴイツボでした。腹抱えて笑いましたwwwwww。気持ちはわかるぞ、ポーリィwww!

『明日はどうなるかわからないね。
魔法は、今解けるかもね。

でもだから、どうだっていうんだ?』(勝手な妄想)

さすが迷っただけあって、すげえ作品でした。脳内ぶっ飛びww! I Love It !!!! Gear, Your Job!!!!! 投下の勇気をありがとう!支援できずに失礼!
これ、まとめサイトに載るのですよね? すばらしい。スレが流れてもいつでも読めるぞ!!!! ぎゃおwwww!!!! すげえ興奮状態で失礼しました。ああああ、
オレなんてクソだ。ああ…。ああ。売掛金さま、あなたの奴隷になりそうです(いらんよな)。打ちのめされるって、こんなに気持ちいいんですね。私は
わたしの世界があるさ(しょんぼり)。がんばろう…。
 読み手・書き手的なMに目覚めてしまいそうな(私には)危険なSS、ありがとうございましたハアハア。もっと打ちのめして!(←やめろってwwww、気味悪がられるぞ)。
 ではノシ
396861Hedge-hog:2009/04/26(日) 21:06:32 ID:???0
>>394
ミハさま。書けますか? これの続きが。すげえ。
(マジで)感服します。がんばれ! あ、まず売掛金さまの返事を待たなきゃ、だねww?

私は…ソープオペラやハンパなHやらおふざけしか書けないんだなあ…。ショックのパー…。

なんか泣きてえ。すげえや二人とも。きっとスチュに会ったジョンくらいのショック受けてるやも。
オレは書き続けてもいいのか? 書きたいよ。でも、書いていいのか?
私の書くものなんざ、ガキの手慰だよ(号泣)! あ、わりと私、FabのSSに対して真剣だったんだな。今わかった。
ははははは(脱力)。コールドターキーが捕まえにくるよ!!!!! AAAAAAAAAgggggggghhhhhhhhh!!!!!! OMG!!!!!!

みんなすげえや。参りました。ショックいっぱい貰ったよ。ちょっとだけ打ちひしがれて去る。
ではね…。

397ミハイル:2009/04/26(日) 21:18:10 ID:???0
>>369
ちょっとオカ板で有名な信じようと、信じまいと――の>>1がいたころのエピソードというか空気感を参考にしますが
本当はパソコンや2chっぽい掲示板を登場させたかったので現代パロディーでいきたかったのですがあえてそのままにします
複線は登場させるつもりです。魔法を解くとはなんなのか?物語、祝福とはなんのか?こういうオカルトチックなの大好きですw
398売掛金:2009/04/26(日) 21:58:27 ID:???0
こんばんは。
夜の夜中に勝手に膨大なスレ消化してしまって申し訳ございませんでした。
しかも誤字脱字など凄いですね。見えた範囲で直してまとめにあげさせて頂きました。

> ミハイルさま
こんな変なもの読んで頂きありがとうございます。
これはこれで終わってしまっている(次に続いていってしまっている)のですが、
ミハイルさんの考える素敵な一週間がまた別のところに存在するというのは興味深いと思います。

> 861Hedge-hogさま
内容以前によみずらいものを投下してしまい申し訳ございませんでした。
ジョージは確かにそのタイミングはないよって感じですよね。
いつか格好いいジョージを書いてみたいものです・・・
399861Hedge-hog:2009/04/26(日) 22:16:44 ID:???0
>>売掛金さま
読みづらいとか、そんなもんじゃないんです。これはすっげえんです。私にとって!
これから、この作品への愛を爆発させた「私見【Sgt】Eight Days A Week 」をまとめに投下してきますので、
お暇ができたら読んでやってください。爆発中だから、えらい文章になってますが、すいません。
かっこいいジョージは、きっと売掛さまのジョーたんが、きっと今のSSのような立ち位置なのではwwww?
ビスケットに夢中になってたりwwww。そんなお子ちゃまジョーたん萌え。いつかリンゴがみっちり
オトナの悦び(字、字!!)を教えてやる日かくるかしらwwww? …無理か。そうか。

では、投下してこよう。場所は「作者別スリーブ」に「私見【Sgt】Eight Days A Week 」で
のっけますのでwwww。では逝ってきますノシ!

400Eの手紙――月曜日:2009/04/26(日) 22:53:30 ID:???0
ここに、一冊の物語があります。読みますか?
こんな奇妙な文で、手紙は始まっていた。ポールは差出人の住所もないましてや悪戯のような突然の手紙に驚いた。
ポールは首をかしげながらトーストをかじり、紅茶を飲む。アッシャー家のような家庭では行儀が悪いと思っていながらも、ポールは続けた。
目で、追ってみると更にこんな文章が続けられていた。
“この物語は、あなたにのみ読む権利を持った特別な物語です。もし、あなたがこの物語を読みたいと思うならこの手紙の返信を出して“YES”と書いた紙を白い封筒に、読まないのなら“NO”と書いた紙を黒い封筒に入れてポストに入れてください。
あなたがこの物語を読み始めたとき、あなたは必ずこの物語に名前が刻まれるでしょう。
あなたはこの物語を読み終わったとき、あなたにかかった魔法が解けあなたは物語となるでしょう。


愛をこめて  Eより“
「なんだ、悪戯か」ポールは手紙をくしゃくしゃに丸め、ゴミ箱に突っ込む。
ジェーンは、紅茶をすすっていた。「何なの?」彼女は、規則正しく音を立てずに紅茶を口に運び、トーストを食べている。
「うん、変な手紙が来たんだ。物語があって、もし読み終わったら読んだやつは魔法が解けて物語りになるんだってさ」ポールは呑気そうに云う。
「変な手紙ね。それになんだか不吉だし・・」ジェーンが眉間に皴を寄せる。そして、トーストの最後の一切れを口に放りこむと、ごちそうさま、席を立って流し台に食器を運んでいく。
今日は、ポールは久しぶりの休みなのでゆっくりしようと自分の部屋に向かい、昼寝をしようとする。
401Eの手紙――月曜日 2:2009/04/26(日) 22:54:44 ID:???0
目をつぶってみても、やはりあの不気味な手紙が浮かんでしまう。
忘れよう、また目をつぶる。眠れない。ポールは、階段を下りてあの手紙をまた持ってくることにした。
すっかり皴皴になった紙を丁寧に広げ、読み直す。
“あなたがこの物語を読み始めたとき、あなたは必ずこの物語に名前が刻まれるでしょう。
あなたはこの物語を読み終わったとき、あなたにかかった魔法が解けあなたは物語となるでしょう。“
この二行が、なぜか引っかかる。くだらない、破ろうとしてもまた気になってしまう。
「ま、どうせ悪戯だろうけど、全部読み終わらなければ言い訳だし、書いたやつはどんなやつか見てやろうじゃないか」早速ポールは引き出しからペンと便箋を出してさらさらと整った流暢な字で“YES”と書き、白い封筒に入れポストに突っ込んだ。
外で、野良猫の鳴き声が雨音に混じって聞こえた。
402売掛金:2009/04/27(月) 01:45:51 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
まとめサイト、拝見させて頂きました。
本当にありがとうございます・・・あのようなお言葉を頂いたのは生まれて初めてです。
これからビースラッシュを書いたり、イラストを書く上での励みにさせて頂きます。
本当にありがとうございました。

先日やっとビートルズ史を読んだというとんでもない私です。
時間はかかるでしょうが、加筆修正は最低限におさえつつ、
過去に書いたものを時々投下させて頂ければ大変嬉しく思います。
どうぞよろしくお願い致します。


> ミハイルさま
私のような者が書いたスラッシュにインスピレーションを受けた等の嬉しいお言葉。
そのようなお言葉を頂けるとは、本当に、夢にも思っておりませんでした。
そして今の時間で2作ほど投下してくださっているとは。本当にありがとうございます。
ミハイルさまご自身の創作を最優先に、これからもどうぞよろしくお願い致します。
403861Hedge-hog:2009/04/27(月) 02:37:23 ID:???0
>>402
売掛金さま。遅くに失礼します。今、まとめサイトで「Eight Day's〜」の振り分け項目を
見てきました。

 「ほのぼの」!!!????
 「ほのぼの」なんですかい!!!!???? あなたの中でこれは!!!!!!????

 参りました。
 あなたの脳内に、つよくあこがれます。本気です。


 ではノシ
404861Hedge-hog:2009/04/27(月) 22:12:10 ID:???0
>売掛金さま
昨日はめちゃくちゃ取り乱して、大変失礼いたしました。もーなんか、爆発しちゃって
大変なこよになってしまってすいません(涙)。そして、まとめサイトの、あなたの自己紹介をみて
腰が砕けてしまいました。まったく素晴らしい。大好きです(あ、怖がらないで!!!!)。

さて、ここで実は売掛金さまにお願いの儀があります。
拙作「Blackbird」に、売掛さまが描かれた「薬ビンとジョン」のイラストを使わせて欲しいのです。
あれは売掛金さまの思い入れのあるイラストでしょうし、それを「使わせてー」なんて軽々しく
言われたら不愉快に思われるか知れません。
でも、そこを押して、お願いしています。すいません。
でも「あれは使わないで」とおっしゃるならあきらめます。でも、やっぱり…鬼気迫るいい絵だな、と思います。
私のソープなSSには、もったいなさすぎるとは思います。すいません!
良かったら、お手数ですが、ご返答ください。
405売掛金:2009/04/27(月) 23:13:35 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
こんばんは。
昨日はありがとうございました(^^)

挿絵の件ですが、あんなのでよければこき使ってやって下さい。
というか、あんなので良いのでしょうか。かえって恐縮してしまいます・・・
描き直しましょうかってくらいです。何か不足などあったら云ってください。

>ほのぼの
ジョージがほのぼのだったので、ほのぼのカテに入れました
406861Hedge-hog:2009/04/27(月) 23:41:06 ID:???0
>>売掛金さま
イラスト使用許可、大変ありがとうございます!!! 私は幸せ者でございます(感涙)!!!
編集までに、もーちっと時間がかかりますが(今自作品を必死でまとめサイトに収納中)
必ずや、使わせていただきます!!!! ひゅー! やった!オレさまラッキー!!!!
(はっ、またはしゃいじまった!!!)

>ほのぼの
そうですか…あの、膨大な文章の中で%的には10%くらいのジョーたんの場所で
カテを決めますたか(でも、あのSSで最後に出てきた郵便屋をぼこったのて、もしやジョージかな?
とも思ったんですよね。多分違うと思うけどwww)。
>ジョージがほのぼのだったので、ほのぼのカテに入れました
すいません、ここ読んでPCの前に突っ伏して笑いました。
白旗揚げます。
重ねて、イラスト使用許可、ありがとうございました!
407861Hedge-hog:2009/04/28(火) 00:35:46 ID:???0
※業務?連絡
売掛金さま。まとめスレ編集での相談です。
えーと、私今もしかして、あなたさまのSS「Drive My Car」のスリーブを「ジャンル別項目」
から間違えて消してしまったのかもしれません(どうしよう)。
それで、もとに戻そうと思うのですが、「Drive My Car」のジャンルは「18禁」で
よろしかったでしょうか? なんか色々やっているうちに解からなくなってしまいました
すいません(トホホ)。
どうぞお返事のほど、よろしくお願いします。お手数かけてすいません…(涙)。
408売掛金:2009/04/28(火) 00:52:15 ID:???0
>> 861Hedge-hogさま
わざわざすいません、何も問題はございませんよ(^^)
今該当ジャンルに入れ直してきました。

というか、私、CP別の「P/J」を独占しすぎですよね・・・
なんか本当に好き勝手使ってしまって申し訳ございません。
自分のビースラッシュブログ持ってるんだから、好き勝手はそこでやれって感じですよね。
以後気をつけます・・・
ああ、でもP/Jが基本だし・・・
そんな私はG/Jの刑に処されるべきかもしれません。しかも18禁で(書けないって)
409861Hedge-hog:2009/04/28(火) 01:12:55 ID:???0
>>408
売掛金さま。
それ言ったら、私なんてリンゴ総攻めっすよ(爆!)。R/Gなんて私の名前しかないでやんの(号泣)。
自分でもビックリしてます。そうか、そんなに自分、リンゴ好きか、と。
しかも世間から大きく外れた認識で、リンゴが好きか、と…(泣)!
仕方ないですよ、コレは。だって自分の基本理念なんですもの。
お互い、好きなものに向かって精進していきたいですね。そうしているうちに、また違う道(CP)への
道も開けるってもんです。だって私、元々はJ/Pのはずなんですもの…ホントにねえ、なぜ、こんなことに…(笑)。
そして、己の持っているハードルをわざわざ上げていく姿、漢らしいです。
ぜひG/Jで18禁、読ませてくださいませwwww。大丈夫、今すぐにとは申しませんwww。

ああ、どうもすいませんでした!!! お手数おかけしましたm(_ _;m。
>今該当ジャンルに入れ直してきました。

410売掛金:2009/04/28(火) 02:04:45 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
なるほど、色々やっていくうちに違うCPへの道が開けるのですね!!
ゆっくり頑張っていこうと思います。

ところで先ほど、以前861さまより頂いた挿絵とともに一作まとめにあげたのですが
自分の描く絵には決定的にエロが足りないことを自覚しました。
世間はGW、GWが終われば私も少しは真面目にならねばならない、ということで
この間だけでも、ちゃんとしたエロ絵など描けたらななどと考えています。

売掛の個人的な十番勝負/虎の穴ではありますが
861さま、「この作品のここを描いてみろよ」等のアドバイスございませんでしょうか・・・
初心者なので動物系は描けないと思うのですが、
今回はばっちりやりたいので、何かあったら声を掛けてください。
私も「肌色の意味」を知りたいです

では失礼致します
411861Hedge-hog:2009/04/28(火) 02:49:04 ID:???0
>>売掛金さま。
…そうですか。そんなに、えーと、なんつーか、人生において2番目くらいに役に
立たないものを習得なさろうとしますか…wwwww<エロ絵。
よござんす! その心意気やよし(偉そう)!!!! ともに高みを目指しましょう!!!(何の?)
では、まずミハイルさまの>>263 「暗黙情事」から、>>264の下あたりにあります「顔に出されて
グッタリしてるジョーたん」をお願いします。これはジョーたんのお顔だけでおkです(人のSSなのに、
なに言ってんだあたし…)。さあ、どんなジョーたんが来ますかな? って、もしや酷いことさせてるん
じゃないか自分。思いっきりセクハラくさいぞ(汗)。
ミハさまは、前に「私も挿絵が欲しい」とメールでおっしゃっていたから、これは船に乗らせてもらおうか、と
(自分で描けよな…)。出来たらまとめサイトにうpして、レスをください(うpろだはそろそろまずいので)。

「肌色」系てのはちなみに、同人界の分類で「いわゆる美少女系で、見る人を限らなきゃならない
ジャンル」のことです。表紙の「肌色率」が高いところからそう呼ばれているようです。
 …なんでこんなこと知ってるんだろ。やだなあ。
 (気を取り直して)では楽しみにまっています。どうぞよろしくです。ではノシ!!
412ホワイトアルバムさん:2009/04/28(火) 11:33:48 ID:???O
マーチンに犯される女体化ビートルズ
413売掛金:2009/04/28(火) 15:32:01 ID:???0
414売掛金:2009/04/28(火) 15:36:09 ID:???0
こんにちは
あまりに気が動転してマジで誤爆しました

>>411
>>412
えーーーーー
えーーーーーーーーーーーー

というか、キスシーンとか抱擁シーンが来ると思っていました。
今までの人生の中で男女のキスシーンすら描いたことないのに・・・・
皆さま凄いです。どうしよう。ちょっとやれるだけやってみます・・・
415ミハイル:2009/04/28(火) 15:51:19 ID:???0
>>414
こんにちちは、今日はラーメン同好会の会長としてラーメンマップを図書館から借りてきましたw
男女のポルノなら861さんが書けますよー
416Eの手紙 ――火曜日 1/1:2009/04/28(火) 20:51:20 ID:???0
翌朝、手紙の返信は来ていた。
ポールは早速開いてみた。悪戯かどうか確かめてやろうと思ったのである。手紙には、こう書かれていた。
“あなたがこの物語を読みたいというのなら、お送りいたします。ただ、長いので一週間に分けて送ります。
あなたがこの物語を読み始めた時、あなたはもう後戻りできないでしょう。もし後戻りしたいなら、この手紙を捨てることでしょう。
それでもお読みになると決めたなら、それでは、はじめます。

深い海の底に、誰にも知られていない楽園がありました。そこは古代の楽園のように沈み、苔で覆われていました。
楽園は遺跡のように動きません。その楽園はかつて、“ペッパーランド”と呼ばれていました。
ペッパーランドはかつてとても繁栄した大きな楽園でした。楽園は花と平和に溢れ、美しい音楽が響く、戦争などない国でした。
けれどある日、この楽園の平和を壊すような邪魔者が侵入してきたのです。
そう、彼らは人間の醜い感情が集まってできた悪魔だったのです。ペッパーランドの人々は逃げまといました。
武器など持たない人々は悪魔の餌にされ、彼らの中にあった人間の綺麗な感情や喜怒哀楽は全て取られて彼らは石の石像になりました。
そうして悪魔はこの楽園に住み着いたのです。悪魔たちは花々を枯らし、自分達の住処と変貌させました。
ただ一人、逃げ延びた船長は悪魔に見付からないようにあたりを見回してみました。
そこは、喜びも愛も平和もない、真っ黒な色で囲まれたペッパーランドの姿がありました。ペッパーランドの自慢だった綺麗な朝日ももう見ることもできないでしょう。
船長は、ペッパーランドを復興させるために助けを求めるためにたった一人黄色い潜水艦に乗って旅たちました。

今日は、ここまでにします。

愛を込めて E“
417Eの手紙 ――火曜日 2/2:2009/04/28(火) 20:52:35 ID:???0
手紙はここで終わっていた。
ポールはジェーンが焼いてくれたお菓子をまた一口齧った。口の中にチェリーの味が広がった。
彼は読み終わって、なにも怖がることはなくなんだ、ただの小説かと思いなおし、適当に机の上に手紙を置いた。
ふぁ、とあくびが一つ出る。ポールは靴を脱ぐと、ごろんとベッドの上に横になった。
ポールはすぅと夢の中に落ちていった。
418861Hedge-hog:2009/04/28(火) 21:33:38 ID:???0
>>415
女体化モノって、ここでやっていいのん? 趣旨違いかと思ってたwwww。でもマーティン卿相手かあ。
ぬう。でも男女モノになったらとたんに私、(今以上に)えげつなくなるからやめときますかw。みんな引くかもww。

>>414 え? あ、そうか。自分の中では描くのに比較的簡単な方かと思ってた!
グッタリした顔に、白いネバっとしたモノを付ければ、ハイ、OKwww! でも、エロってそんなもんじゃねえんだぜ(黒笑)
みたいなことをやろうかとwwww。そっかー、ハードル高かったのか。すいません。ぬう。
※業務(?)連絡
あー、もしかしたらワタクシ、近日中にちょっと入院するかもしれません。持病の具合が悪くなりまして。
ちなみにクローン病です。もちろん退院したら、ここに戻ってくるつもりですが、もしかしたら
売掛金さまの「GW杯・エロ絵道場」に付き合えないかわかりません。すいません。
でも、入院するまでは見ていこー、書いてこー、と思いますーwwww。
次にここきたら、8スレ目に入ってたりしてw。できればここに顔を揃えている皆様にお会いしたいですねーwwww。

では、引き続きスレをチェックしつつ、ちょいとSSを書いてきます!
419ミハイル:2009/04/28(火) 22:14:48 ID:???0
>>418
女体化ってBLカテ入るんですよー
BL畑からきた私の知識だと正しいですw商業系のBLコミックにも薬飲んで女の子になったとかそういうのありますしw
私もさっき思いついたネタで、ハードデイズ外伝ことジョンとポーラの話を書こうと思うのでwwwwww
マーチンとポーラならポルノですねえwwwwww
私はひきませんよーw
クローン、大丈夫ですか?;私もちーとメンサロにお世話になるっぽいです(汗
お見舞いできないので変わりに携帯からメールでお見舞いしますね;
顔に出されてぐったりジョージたん、楽しみにしてますよーwwwww
あ、上のは次のやつですwこれは一応世にも奇妙な物語っぽくしてますwwあのタモリが司会のw
ではお楽しみにw
420売掛金:2009/04/28(火) 22:15:19 ID:???0
あまりの悲しさにアップローダーにあげました
自然消滅を願っています・・・

No.48
とにかくが○○ゃの意味がまったく判っていません
何やってんだって感じです

No.49
(パスは前回と同じ、半角英数で四文字です)
中学生が無理して描いたとしか思えない絵となりました
単色効果でごまかしましたが、人体崩壊はいつものこととして、なんというか、あまりに・・・これは・・・
恐らく向かって左がJ、右がPだと思います
ポール脱げよ
421売掛金:2009/04/28(火) 22:20:29 ID:???0
>女体化
なるほど、そういう部類に入るのですね。
わたしの場合、もうそれ以前という感じなので、女体も何もない絵にしてしまいました

絵って難しいですね・・・
何にしろ、入らないというか(何が)
というかこんな絵って大丈夫なんでしょうか。真面目に顔が真っ赤なのですが。

では失礼致します・・・
422861Hedge-hog:2009/04/28(火) 22:56:07 ID:???0
>>ミハイル様
そうなんだ!? へえええ、勉強になるなあ!<女体化。 以前ポール子スレにジョン子SSを投下したことあるけど、
その時もどこに投下していいんだかわからなかったんですよー。いやあ、参考になりました!
クローンはねえ…以前悪くなった箇所が目に見えて膨れてきたから…痛くって(泣)
まったく、病気ってめんどくさいものですね!
>>売掛金さま
が○○ゃ、がんばりましたねwww。ブラボーです!
ただ、私ならきっと、ジョーたんの目元に少し赤みを入れて、顔に髪をもちっとほつれさせ、顔に降りかかった
物体を「白く」ヌキます。え? 字が違うw。そんなバカな(バカはお前だ861)。
そして対面座位の場合は、二人を椅子に座らせて見ましょう。大丈夫、ここまで描けたらどってことないです。
実際私、売掛金さまのようには描けません(泣)つい座らせちゃうwww。なに、フツーの木の椅子で構いません。
その不安定さが、逆に「ドキドキ感」を生みます…てそりゃ、ご当人達の話かwww。
エロについての話を始めたらキリがなくなるのでこの辺で。
ちょっとばかし「やりすぎ」でないかい!? と思うくらいがちょうどいいんですよ、実はエロ絵って。
実際、描いてる最中は「ムッハー!」でも仕上げてから「ハテ?」と思うことも良くあります私www。

それにしても…かわいいなあ、ここの書き手の皆サマはもうwwww。
一人汚れた気分の861であった…(クスン)。
423ミハイル:2009/04/28(火) 23:02:12 ID:???0
>>442
結構、アニメイトのBLコーナーのコミック部門を見るとアニメなんかのアンソロでもそのアニメのキャラが女体化になったりとそういうの
人気らしいですー
商業でも女体大好きって先生もいますw
腫れると痛いですよね><;聖母マリアの守護と癒しが861さんの上にありますように・・
424売掛金:2009/04/29(水) 00:12:01 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
私な言葉が上手くないので、861さまへ絵を送ります。
アップローダーに861さまのアドバイスを受け、急きょ描いた絵をUPしました。
思いっきり自分絵ですが、受け取ってください。
宜しくお願い致します。
425861Hedge-hog:2009/04/29(水) 00:21:01 ID:???0
>>売掛金さま
はや! そしてエロ!!wwwww
とてつもない成長振りに、恐ろしさを禁じえませんwww。
ジョンの表情がいいなあ。今、ミハさまと話してましたが、売掛様の絵は充分に
エロですよwww。ストイックな、静謐なエロとでもいいますか。
私のエロとはまた違う世界ですww。
てなわけで、実は私も描いてましたーwwww。ボールペンでガッと描いて、ちゃっと取り込んで
ざっと塗ったヤツだから、雑もいいところですが…www。
うpろだに落としましたから、よかったら見てみてくださーいwww!
426売掛金:2009/04/29(水) 00:29:49 ID:???0
> 861Hedge-hogさま
見ました。エロー〜〜〜〜い
いやー(赤面)
なるほど、このように白抜きをするのですね、
そして対面はこのようにするのですね・・・マジで勉強になります!
レクチャーを本当にありがとうございます。

これからも皆でビーエロの高みを目指しましょう
ということで、861さまもミハイルさまも早く帰ってきてくださいね。
売掛はここで待っております・・・
427861Hedge-hog:2009/04/29(水) 00:41:58 ID:???0
>>売掛金さま…!!!
861は猛烈に感激している(滂沱の涙で前が見えません。眼鏡をはずしたジョンみたい)。

なんか、白抜きとが対面座位とか、こんなことばっかり見せてどーすんだって感じですよねー。
今、書いてますSS! でもなんか純情可憐なジョーとリンゴの馴れ初めって感じwww。
いいじゃないか、幸せならば(なんのこっちwww)。ここでもジョーたんはリンゴ好き好きで困った
もんだね! ほんっと私、最近R/Gばっっっっかりですー!!!! いやー、もー!!リンゴが
かっちょよすぎて、ジョーたんがかわいすぐるのが悪いとしよう。私のせいじゃない。違います(笑)。
エロの道は険しいけれど、共に道行く心安き同士達と、こんなわがままな書き手(私、な)でも、
きっと読んでくれているだろう(く、くれてるよ、ね?)人たちがいれば、大丈夫さっ!
炎症反応高くて、ちょっとトリップしてんなwwww。
では、ちょっくら書いてきますわ! ジョーとリンゴのラブラブトリップ(そんなものは出てこない)。
今日はいい日だ、感謝多謝です〜!
428売掛金:2009/04/29(水) 01:51:44 ID:???0
861Hedge-hogさまの創作が終わる前に、過去モノを投下します。
当時書いたものに殆ど手を入れていませんので、またこんなものを・・・って感じですが
宜しくお願い致します。
429【Sgt.】 Junk -1:2009/04/29(水) 01:57:03 ID:???0
ツアーはすべてを忘れさせてくれる。
家に帰れば妻であるシンとジュリアンが待っている。ジョンはジュリアンを抱いたことがない。
彼はどこから見ても自分の子供であったが、ジョンは彼にどう接すれば良いのか判らなかった。
そしてシンのこと。バンドがこれからという時にとんなお荷物だった。
しかし、一歩家から出ればジョンは自由だった。特にツアーは大好きだ。自由でいられる。ジョンは自由を愛していた。
何に縛られるのも好きではない。自分の思うように生きていたいのだ。

「お盛んだね、ジョン」
ホテルの部屋に入ってきたポールの第一声だった。
ジョンはステージが終わり、マネージャーの用意した女とベッドに居た。
勿論、同室のポールが戻ってくるのを承知で部屋に女を入れたのだが。
ジョンは女を抱きながら、ポールが帰ってくるのを今か今かと待っていた。
彼はポールの驚く顔が見たかった。子供っぽい悪戯。

ステージが終われば、町の権力者やらインタビューやら食事会、そんな面倒なものが山積みだった。
最初はそれらを真面目に相手していたジョンだったが、だんだん面倒になり、ひとりすっぽかすことが多くなっていた。
その穴をポールが埋めてくれるのも承知していた。それについてポールが文句を云ったことはない。
ジョンはすっかりポールに甘えていた。
ステージでもそうだ。ジョンがいくら歌詞を忘れたって、いつだってポールが助けてくれる。
演奏も同じだ。ポールのベースに寄っていれば、ステージに大きな穴があくことはない。
それについても、ポールは何も云わなかった。
ポールはいつも真面目にいろいろなことをこなしている。
笑えと云われれば笑い、愛想よくするべきところで愛想よく振る舞った。
勿論それらはメンバー全員に求められていることだったが、積極的だったのはポールとリンゴだ。
あまりにポールが優等生すぎて、ジョンは時々腹が立つ。
それはビートルズメンバーとしてもそうだし、ジョン自身に対しても同じだったから。
ポールは自分に弱さを見せてくれなかった。
それが時としてジョンを不安にさせる。冷静に物事をこなすポールが、とても遠くに見えることがある。
ジョンはポールが驚く顔を見たかった。
動揺して爪を噛む姿を見たかった。だからこれもちょっとしたいたずらだったのだ。
430【Sgt.】 Junk -2:2009/04/29(水) 02:00:32 ID:???0
「失礼、続けて」
ポールはそう云うと、コートを脱いでテレビをつけた。
そしてソファーに座ってポップコーンを食べ始めた。
ジョンは彼のこんなリアクションを期待してはいなかった。
「わたし、恥ずかしい…」
女がポールの後ろ姿をチラチラ見ながら顔を赤くした。
そもそも最初からポールを驚かせる為に抱いた女だ。
何もプライベートなポールを見せてやるためにこの部屋に呼んだわけじゃない。
ジョンは女に服を投げつけると、そのまま部屋から追い出した。女が何か悪態をついていた。
ジョンはジーンズを履いて、タバコに火をつけた。そして頭をかくと、ベッドに腰を下ろした。
ポールはポップコーンを食べながらテレビを観ていた。
「何の番組?」
ジョンはポールに話しかけた。
「知らない。だってこいつら英語でしゃべらないんだもん。でもなかなかセクシーな番組だよ」
ポールは背後のジョンに返事をした。確かにテレビの司会者の言葉は理解できなかった。
「ポールは可愛くないな」
ジョンは憎たらしい声を出した。
「何が?」
ポールは振り向きもせず答えた。
「部屋に入っていきなりルームメイトが女の子とセックスしてたら、普通驚かない?」
「女じゃあるまいし。何も驚かないよ」
返事をしながら、ポールが振り向いた。そしてニコっと笑った。云われてみればそうだと思った。
あのような現場を目撃したら女性は半狂乱になるのが常だ。そういうことがジョンの家で何度かあった。
そのあとシンが泣いているのを何度も見たことがある。そしてそれをドアの隙間から見ているジュリアン…。
ジョンは頭を振った。今、ふたりのことなど思い出したくもなかった。
ジョンはポールの目を見た。もし自分とポールの立場が反対だったらどうだろう。
想像するまでもなく、ジョンは女を追いだして、狂ったように説教をしたと思う。
何故部屋に女を入れたのか。何故、自分の目につくところで女と寝るのか。
そして、どうして俺のベッドに許可なく他人を入れたのか。
ジョンはタバコをふかした。
「ポールは、俺が他の女といちゃついてたら嫌と思わない?」
ジョンは食い下がった。
431【Sgt.】 Junk -3:2009/04/29(水) 02:04:00 ID:???0
「例えばだよ。俺にすごく素敵な彼女が出来て、俺はその子に夢中になる。
寝ても覚めても彼女のことを想う。歌も彼女に捧げるものばかり歌いだすとする。
しまいには、その女をスタジオにまで出入りさせるんだ。
彼女はお前のイスに座り、お前のカップを使って紅茶を飲むんだよ。
極めつけとして、お前が席を外してる間、お前のギターを彼女が弾くんだ。しかもそのギターはものすごく下手なんだ」
「ああ、それは嫌だね」
「だろ?」ジョンは色めき立った。
「楽器を触られるのは困る。それをされたら俺は彼女に怒鳴ってしまうかもしれない。
それに、スタジオに女が勝手に出入りするのも困る。気が散るから」
ポールが真面目な顔で答えた。その顔はとても神経質そうに見えた。
「いや、そうじゃなくてさ」ジョンが続ける。「そういうんじゃなくて…」
「何が」ポールが瞬きした。
「ジョンは何が云いたいの?」
確かにそうだった。今日のジョンはとても子供っぽかった。
「ジョンは何事も極端だよ。白なら白、黒なら黒ばっかり。手に入れるなら根こそぎ、手放すなら全部。
一か百か。好きならべったり、嫌いならとことん攻撃する。そしていつも相手を驚かそうとしてる」
ポールは困ったような顔をした。ジョンはタバコをもみ消した。
年下のポールにここまで云われるのはさすがに腹が立った。一瞬手が出てしまいそうだったが、ぐっと堪えた。
もうポールを殴らないとあの日心に誓ったからだ。
そしてもう一度頭をかいた。その様子を見てポールは吹き出した。ジョンはポールを恨めしそうに睨んだ。
「お前は大人だね。あっぱれだよ。いつかその鼻を明かしてやりたいね」
ジョンは不安的な気分に左右される自分がとても嫌だった。

ポールにとって自分は何なのだろう。
曲を作るためのパートナー?
ならば、もし自分が使い物にならなくなったら、彼は自分の元を去るのだろうか…。
ジョンは最近、そんなとりとめもない妄想に取りつかれることが多くなった。
彼はポールにどう思われているのかとても気にしていた。彼が冷静であればあるほど、ジョンは孤独になる。
そのたびにポールはジョンにキスをした。そしてそのキスがジョンを何とか立ち直らせるのだった。
ポールはじっとジョンを見つめていた。
432【Sgt.】 Junk -4:2009/04/29(水) 02:07:08 ID:???0
「女の子でもナンパしてこようか」ポールが悪戯っぽく云った。「どう? ジョン、好きだよね」
「気分じゃないね…」
「らしくないね。じゃリチャードを誘うよ」
「何でそこでリンゴなんだよ!」
ジョンは怒鳴った。
「彼は僕より女の子にもてるからさ」ポールは肩をすくめた。
自分でやったこととは云え、ジョンは自分にがっかりしていた。
部屋の電話が鳴った。
ポールが受話器をとり、何かやりとりしていた。ジョンはベッドに身を投げて目をつぶった。
受話器を置いたポールは立ち上がり、ジャケットに腕を通した。
「何、何処行くのさ」ジョンは驚いて立ち上がった。
「マネージャーのところ」ポールは答える。
「こんな時間に? 何の用事さ」
「どうしてもビートルズに会いたい人がいるんだって」
ジョンはポールに歩み寄った。
「行くな、ポール」
「何で。仕事だよ」
「仕事ならもうしたろう。昨日はステージの後に食事会。
その後はインタビューとダンスパーティ。今日は朝からインタビュー、フォトセッション。
そしてまたインタビュー。ステージを昼に二回。夜に三回だ。もう充分やったろう。
やっと部屋に戻れたんだ。何もこれ以上仕事なんかする必要ないだろう」
ポールは笑いながらジョンの肩に手をやった。そしてジョンにキスをしようとした。
ジョンはそれがとても嫌で、ポールのキスを拒んだ。ポールが自分を哀れ者のように見ている気がした。腹が立った。
ポールにか? それともくそったれの自分にか?
ジョンはポールをはねのけ部屋から出て、斜め向えのマネージャーの部屋に押し入った。
「ジョン?」
マネージャーが上半身裸のジョンの姿にビックリして叫んだ。
部屋の応接には、見知らぬ女が座っていた。
女はいかにも市議会委員の細君ですよという出で立ちをしていた。とりすましたように手には扇子が揺れている。
ジョンは女を睨んだ。彼が女に掴みかかる寸前、ポールが部屋に入ってきた。
「はじめてお目にかかります、レディー。ビートルズです。彼はバンドのリーダーのジョンで、僕はポールです。
ジョンはあなたが来てくれたということでビックリしてしまい、今少し取り乱しています。彼はあなたのファンなのです。無礼を許してください」
433【Sgt.】 Junk -5:2009/04/29(水) 02:10:08 ID:???0
ポールはジョンを後ろから抱えた。女はジョンの粗野な振る舞いに恐怖を覚えたのか、扇子で口元を隠し固まっている。
ポールはジョンの耳元で、彼だけに聞こえるように「バカ野郎」と云った。
「何ですかこれは。私はこんな乱暴者を今まで見たことがありません」
女は訛りのきつい英語でマネージャーに云った。
「うるせぇ、売女!!」
ジョンはこらえ切れず、ついに叫んでしまった。
「Bitch!!  何を気取ってやがる、ビートルズが来たからっておまんこ濡らしてやってきたアバズレじゃねぇか。
こんな夜中に何の用だ。何の用事でここにいる。レコードでも聴いて自分で好き勝手いじってろよ、汚ねぇつらを出すな。
それとも何か。俺に濡れたパンティを見せにきたのか。それともふやけた二本指の方か!?」
ポールは思いっきりジョンを殴った。ジョンは床に倒れた。
「ジョン、いい加減にしろ!!」
マネージャーは女を後ろから支え、反対側の壁まで下がった。女は今にも気絶しそうだ。
「どういうことだ、ポール。何でジョンがここに来る?」
マネージャーは強い口調でポールに云った。
「お前たちは何をやってるんだ!」
ポールの顔から血の気が失せていた。唇を噛みしめ、尻もちをついたジョンを睨んでいる。
ジョンは切れた唇をぬぐった。マネージャーは女に二言三言何か云い、ポールに歩み寄った。
「レディーに非礼を詫びるんだ。判ったな」
そしてジョンの腕を強い引いた。ジョンはマネージャーに引きずられるように部屋を出た。

部屋にジョンを投げいれ、彼は怒鳴った。
「お前は自分が何をしているのか判っているのか!! いつも面倒ばかり起こして、お前はどうしていつもそうなんだ!!
何度私を困らせたら気が済む。おまえは自分のことしか考えられないのか」
そしてジョンの頬を打った。
「お前はそれでもバンドのリーダーなのか? いつもポールに尻拭いばかりさせて、恥ずかしくないのか。
彼が何も云わないからって、お前はいい気になりすぎだぞ。
彼のことも少しは考えてやれ。いつまでも子供のままでいるな。
ろくなステージも出来ないで、何を偉そうなことばかり云っているんだ。
自分の書いた歌詞も忘れるくせに、何を偉そうにしてるんだ。
ギターのチューニングもちゃんとしろ。だらしないマネをするな」
434861Hedge-hog:2009/04/29(水) 02:12:24 ID:???0
R「始まったね、楽しみだよ!!」
P「僕、今回は殴られないよねw?」
J「どーせ俺がまた拗ねてガキみたいなこというんだろ(照)」
G「僕、ビスケット食べっぱなし?」

JP「ジョー、ちょっと向こうでTVでも見てなさい…」
R「861んとこじゃ、ジョーは人気者だからさwww」
G「むー…」

       「じゃ、つづきをwktkしてるよー!!!!」
435【Sgt.】 Junk -6:2009/04/29(水) 02:14:50 ID:???0
「うるせぇ、いつもこんなことばかりやらせやがって!」ジョンは怒鳴った。
「俺達は娼婦じゃないんだ。何でこんなことまでしなきゃならない。もう沢山だ!」
またマネージャーの平手打ちがとんだ。
「君は何も判ってないぞ、ジョン」
ジョンは黙った。
「僕が君に会った時、君はこんなんじゃなかった。一体どうしてしまったというんだ。
何がそんなに不満なんだ。そりゃスケジュールが過密なのは判る。
でもこの前のミーティングで話した通り、このツアーが終われば長期オフを取ると話したばかりだろう。
そうすれば、君もジュリアンの顔を見れる。もう少しの辛抱だろう。何もそれをここで台無しにすることはないはずだ」
マネージャーはきっぱりと云った。
「判ってないのはあんたさ」ジョンは力なく云った。

このツアーが終われば、バンドは長期休暇が約束されていた。
そうすればもう仕事に縛られることはない、思いっきり、好きなことをすればいいのだ。
家族以上に顔を突き合わせているメンバーとも顔を合わせなくてもいい。皆がその休暇を楽しみにしていた。
だというのに、ジョンはまったく楽しい気分になれなかった。ジョンは、家に帰りたくなかったし、帰るつもりもなかった。
金は彼の年齢に不釣り合いなくらい持っている。
長期休暇の間、どこか海外へ行ってホテルに長期ステイすることなんて簡単だ。
気の知れた友人に電話をして、彼らと一緒に行動してもいい。毎日パーティをしたっておつりがくるさ。


でもそんなことして何になるのだろう。
そんなことがしたい為に、今こんなことをしているのだろうか。


彼は多くを持っていた。しかし、何ひとつ手にはしていなかった。
マネージャーはジョンにベッドに横になるように云い、そっと彼にシーツをかけた。そしてジョンの髪をなでた。
「もう少しだ。我慢するんだ」そう云って、彼は部屋から出ていった。
436861Hedge-hog:2009/04/29(水) 02:16:18 ID:???0
J「あ、俺が殴られてるよ」
P「あーなんだか気分いいなーwwww」
R「気持ちは分かるよ」
G「気持ちはねww」

J「…おまえら…(泣)」
437【Sgt.】 Junk -7:2009/04/29(水) 02:19:55 ID:???0
どれくらい眠ったのだろう。ポールがベッドに滑り込む絹すれの音に目を覚ました。部屋は暗かった。
「ポール?」
ジョンは暗闇のシルエットに声をかけた。
「Yeah」
ポールの声だ。彼はジョンが目覚めないように、電気を消したまま靴と服を脱いだのだろう。
どこにも頭をぶつけなかったのが奇跡なくらいだ。
ジョンは何か云おうとしたが、言葉が出てこなかった。
涙は…? 出ない。不思議だった。
身体が浮遊しているようだ、何も感じることが出来なかった。
思考が止まった? そうかもしれない。
何も考えたくない、今は何も考えようとは思えない。

疲れたのか? そうでもなさそうだ。

ただ、彼はひとり、浮遊しているだけだった。
その感覚はドラッグのそれとも違っていた。
ポールはジョンの髪をなでると横になり、そして枕をひき寄せてリラックスした。
ジョンはひとり、天井あたりを浮遊していた。


何が欲しい。何がしたい。ここには何もない。

****************************
ありがとうございました


いやー、またもやfab支援ではありませんか。
ありがとうございますー!!しかもこんな過去モノに対して!!
あ、861さま、リンゴとジョーのSSが出来あがったのですね。
場所取りしてて申し訳ございませんでした。
ではどうぞ!!!
438861Hedge-hog:2009/04/29(水) 02:24:30 ID:???0
売掛金さま、投下乙です!
そしてすいません、まだ出来てないですー(涙)。
何時もの悪い癖で、無駄な描写を延々とやっております。
これじゃ一晩かかっても終わらんわ(号泣!)。
てなわけで、さびしい夜の作業を彩る、何時もの「売掛金節」のSSをありがとうございました!
目が覚めました! では、作業にもどります…がんばります…うう…。
439売掛金:2009/04/29(水) 02:50:40 ID:???0
861Hedge-hogさま
そうでございますか。ゆっくり作業にあたってくださいませ。
夜中に勢いにまかせてコソコソ投下する売掛を許してください。

夜中ついでに書きますが、リストえ云えば、前半部分は結構うまってきましたね。
問題は後半ですが、これらすべてを開示する日が本当にくるのか、
いや、開示して良いのか、自分でも自信がございません。


深夜の独り言でした
では失礼いたします…
440861Hedge-hog:2009/04/29(水) 05:54:39 ID:???0
ああー中盤からこっち書き直しだ! 眠い、だめだ、もう寝る!
続きは今夜のお楽しみ、だー!!!!
どうしよう。みんな、B級青春アクションもの(例えていうなら、大映の往年の
映画風なやつ)って読んでみたい? そんなのビースラにはいらねえ、ていうなら投下しないよ。
なんでこんな流れになったのかわかりませーん!!!!泣きたい。
ではおやすみなさい。しばしの休息を…
441ミハイル:2009/04/29(水) 11:28:53 ID:???0
おはようございます
売掛金さま、もう一度昨日うpしてくださったPJの座ってるバージョンをうpしてくださいませ
まだ見ておりません(泣
442ホワイトアルバムさん:2009/04/29(水) 12:38:15 ID:???O
ジョージ×エリックの禁断の中年エリック受け
443ミハイル:2009/04/29(水) 22:10:13 ID:???0
>>441に補足
再アップしてくださったら消さないでください;
明日見ますので;;

では
444861Hedge-hog:2009/04/29(水) 23:43:36 ID:???0
こなさん、みんばんわ。懐かしいネタで失礼。
強いて言うなら、右下っ腹に剃刀を入れられたようなwwww。
そんな痛みです。
さて、R/Gのハンブルグ青春記ですが、今の体調ではちょいと書ききれないと
踏みました。退院したら、仕上げます。すっげークサイですwwwははは。
さて、こんな状態でもSSは思いつくものでして、しかもギャグかよ、っていう。
では…ちょっと待っててください。
445:861Hedge-hog:2009/04/30(木) 00:25:19 ID:???0
さて、出来ました。
アホです。すんません。
タイトルは「白いサテンの夜」。でもこの曲、知りません。
では次から「ばっちりいってみよ〜」
446白いサテンの夜 /1:2009/04/30(木) 00:27:00 ID:???0
 幼いダーニハリスンは、八歳の瞳にけなげな決心を乗せて、今、父であるジョージハリスンに向かい合っていた。
 元ビートルズ、その中でももっとも哲学者でもあり、人柄もよいといわれているジョージはダーニの憧れである。いつも忙しそうでなかなか会えないけれど、会うと必ず自分を
抱きしめてくれて、一杯話しを聞いてくれる。自分の母、オリビアとの仲も良く、ダーニは自分の家が誇りだった。
 しかし、たった一つだけ気がかりなのは…どうやら父は、外に出ると小さな浮気を繰り返し、オリビアを哀しませていることだった。それさえなければ完璧なのに…。たまに、
キッチンやバスルームで声をひそめて泣く母の姿を見るたび、小さなダーニの胸は痛んだ。
 よし、ならば自分が意見しよう! 幼いダーニは決心した。父は大好きだ。母だって。そんな二人が傷つけあうのは見るに耐えない。ダーニは久しぶりに共に取った夕食のすぐ
後に、父の元に駆け込んだ。
「パパ、はなしがあるんだ」
「いいよダーニ、なんだい?」
「…おとこどうしのはなし、なんだ」
「なに?」
 ダーニの目は真剣だった。ジョージはまだ赤ちゃんみたいに思っていたダーニの成長に、クリシュナ神への感謝の念を送った(いやだな…ww)。
「いいぞ、じゃあ地下のスタジオで話そう」
「うん」
 あら、お風呂は? と尋ねてくるオリビアに「先に入っててくれ」とジョージは言いながら、意気込んで先を歩くダーニを指して、「内緒」のサインを送る。
 オリビアは、「あらあら?」と微笑みながら、そんな父子を見送った。

ジョージの家は半地下になっており、その部分はスタジオ兼瞑想の場になっている。ちょっと湿った薄寒い中で、ダーニは改まってジョージと向き合う。
「どうした、ダーニ。男同士の話なんて」
 彼の前で、父はどっしりと構えている。言ってはいけないことなのかもしれない。しかし、もはや黙ってみていられないダーニの幼い正義感なのだった。
「…パパ」
「うん?」
447白いサテンの夜 /2:2009/04/30(木) 00:28:38 ID:???0
「パパは、どうして外の女の人と浮気をするの? 僕達を、ママを、本当は愛してないの?」
 その質問は、ジョージの胸を突いた。
 そして同時に、「愛」というものに理解をもち始めている自分の息子を、誇らしく思った。
 これは、ごまかしで答えてはいけない、とジョージは側に転がっていたギターを取った。父が大事な話を纏める時、必ずギターを引きながら物事を
咀嚼することを分かっていたので、ダーニは、自分の言葉に真剣に答えてくれようとする父を頼もしく思った。

 よし、まずはギターで心を統一させて、話を大まかに纏めようとジョージはギターを爪弾きだす。それは例えていうなら、「サラリー○ンNE○」のお茶の間コントで
演奏されるフォークのような旋律だった。
448白いサテンの夜 /3:2009/04/30(木) 00:30:48 ID:???0
 そして、ジョージは「心の中で」歌った      ―――――ハズだ。

♪息子よ。父さんは、お母さんを傷つけたくなんかない
 息子よ。お父さんは、お前や母さんを本気で愛してる
(変調)
 でも、ちょっと若い頃リンゴのおじさんと遊びすぎちゃって
 あの超絶快絶、ウルトラテクで開発されちゃって
 彼以上の絶頂感をついつい追い求めて しまうんだよ
 それは母さんやパティや、エリックがいたって、関係ないんだよー
(元に)
 息子よ、お母さんに、満足できないって訳じゃない
 言い換えると、母さんでも、父さんを満足させられなかったんだよ。

 あの完璧鉄壁セックスマッシーンのリンゴにかかったら… 「終」♪

 ここまで歌って、さてどうやって纏めようかとジョージは考えようとした。
 ふと、ダーニを見ると、なんだか顔を真っ赤に染めて、ぶるぶる震えている。
「ダーニ?」
 ジョージがいぶかしげに声をかけた。
449白いサテンの夜 /4:2009/04/30(木) 00:41:06 ID:???0
「パパ…」
 彼はジョージを、なんだか困ったひとに出会ったような顔で見上げていた。眉をひそめて口を震わせ、彼はやっと告げた。
「全部口に出てるよ!!!!!」
 ジョージの目が点になった。
 ダーニが、責める目で睨んでいる。
 しばし、彼はそんな息子を見守っていたが、ギターを横に置いて、丁寧に「すいません」と頭を下げた。
 ダーニは、思いっきり泣き出した。
「ダーニ、ダーニごめんよ、おいでほらだっこ」
「いやださわるなへんたい!!!!」
「おとうさんにむかって、その口はなんだ!」
「お父さんがお父さんのおともだちとヘンタイ仲間だったなんて、僕母さんになんて言えばいいのー!?」
「大丈夫、母さんも知って」(ボグッ)。
「いってえ! いいパンチ持ってるな!」
「もう誰を信じればいいんだよーーーーーーー!!!!!?????」

 ダーニには、重過ぎる問題が露見したその夜は
         霧の中で月がひっそりと輝いていたのだった……。


なーんてねwww。

はい、もー終わり終わり(泣)!こんなもん読ませてすいませんねえもう。
こんなネタばっかり、頭の中に揃ってるんですよ、もー!!
では、明日は挨拶しにこれるかな?
おやすみなさーいノシ           861Hedge-hog
450売掛金:2009/04/30(木) 02:49:43 ID:???0
こんばんは

>> ミハイルさま
じつはモザイクが必要な一枚だったのです。なのでちょっとまずいと思い外しました。
急ごしらえの慰安の一枚でありましたので、今度何か描けたらまたUPさせて頂きますので
その時は宜しくお願い致します!

>> 861Hedge-hogさま
私のねつ造シリーズもついに12作UPさせて頂きました。しかもまだ続くという恐ろしさです。
でも最近反省してなるっべく手直ししようと思っています。GW中はその作業に追われることでしょう。
これを投下し終わったら売掛は失踪予定ですが、いずれにしましても心安らかにお過ごしくださいませ。
451売掛金:2009/04/30(木) 03:13:52 ID:eJZ8UeNe0
このスレは何でちゅか?こよなくビートルズを愛するファンです。
ビートルズのスレが多いのでどれを選んだらいいか分かりましぇん。
ずっとこのレス読み続けましたが、レスってる人の話は本当の話?
このスレ以外も覗き閲覧したいのですが、詳しい方いらっしゃれば
教えてたもう。です。ここのスレもいいですね。なんか真剣にジョンて
ポールの事好きだったのじゃないかと、私も思っていました。
笑うかもしれないけど。私ビートルズヲタですから。
452売掛金:2009/04/30(木) 03:18:55 ID:???0
>>451
うおお、ビックリしましたー
何故私のコテで上がってきたのでしょう。
というか、はじめまして。

もし>>451様がこのコテを使用するのであれば私のコテを変えましょうか?
453売掛金:2009/04/30(木) 04:16:42 ID:eJZ8UeNe0
>>452
初めまして。よろ祝お願いしまちゅ。
で、コテってなぁに?
454861Hedge-hog :2009/04/30(木) 07:23:55 ID:???0
>>451-453さん
ここにテンプレをもう一度載せておきます。しっかりと読んでください。
テンプレとは、スレの最低限のお約束のことです。

テンプレ
「初代スレの100くらいで1に「つかこのスレまだあったんかwww」と言われてしまったかわいそうなスレッドが、7スレ目に突入しました。(^^
ここは甲虫バンドのモララーのビデオ棚的にも、また、お好きなCPについて萌えを語り合うもよし、画像やイラスト投稿、馴れ合いもOKです。
リレー小説、その流れに関係なく自作スラッシュ投下、突然好きなカプやシチュを叫ぶもおk!皆で甲虫に萌え上がりましょう!
  画像投下はこちら↓
イメぴた ttp://imepita.jp/pc/
うpろだ http://www9.uploader.jp/home/betles801/

※また、このスレに投下された作品・画像(←画像、スラッシュ動画もおk?)を保管するまとめサイト(サイト名「ALL YOU NEED IS LOVE!」)も
作られる予定です。保管する際のことを考え、作品投下時はコテハンを使うことを奨励します(もちろん、名無しのままでもOKです)。
Q=海外のスラッシュ作品の和訳の投下は、OKですか?
A=二次創作とはいえ著作権がありますので、残念ですがご遠慮ください。ただし、Slash紹介・感想文は専用のスレを避難所したらばに立てようと思います。

CPに関するQ&A
Q=ここはJP以外に、GPやJRやJG、PJもしくはBJなどはだめですか?
A=いえ、どのCPでもOKです。

Q=映像やSlashはここには投下してはだめですか?
A=テンプレをご覧下さい

Q=コテは絶対ですか?
A=名無しでもOKです

また、スレは完全に s a g e 進行で御願い致します。
455861Hedge-hog :2009/04/30(木) 07:42:22 ID:???0
>>451-453さん へ。続きです。

また、コテとは「固定ハンドルネーム」のことで、これはいうならば「個人の
名前」のようなものです。

2chは匿名性を重視していますので、各スレに書き込む場合は
「名前:」のところは何も書き込みません。そうすると、そこの板特有の「名無しさん」
名義の仮の名前が付けられます(ビー板だったら大体「ホワイトアルバムさん」となります。
固定ハンドル〜では、この「名前:」のところに、自分がこのスレで名乗る名前
(私の場合は「861Hedge-hog」)を書き入れることで、ageなくてもレスを書いたのが誰なのかわかる、ということに
なります。ここはビートルズの二次創作が中心のスレですから、作品を書いた人間がわかるよう、コテを使う人が多いのです。

あなたが今やっている、「誰かと同じ固定ハンドルネーム=コテを使って書き込む」行為は、きつい言い方をすれば
「他人の名前を使って借金しようとしている」ような行為です。できれば、自分なりの固定ハンドルネーム
=コテを使うか、「名前:」の部分になにも書き込まない「「ホワイトアルバムさん」」に戻るようお願いします。
また、このスレはsage進行です。「名前:」の隣にある「E-mail (省略可) :」の部分にsage と入れてから書き込んで
下さいますようお願いいたします。
456恋に落ちたら:2009/04/30(木) 07:54:15 ID:???0
>>454
ご丁寧なご説明感謝しまちゅ。初めて聴いたビートルズの曲小学校3年生。
この曲恋に落ちたらでした。あの時ビートルズに恋に落ちたのはMEでした。
で、コテは恋に落ちたらにしましゅでしゅ。画像アップは操作方法が
解らないのでしないと思います。ウインドウ開けて観るのはできますが。
これから、よろしくお願いしまちゅ。皆様へヲタより。
457861Hedge-hog :2009/04/30(木) 08:01:34 ID:???0
最後の最後で、説教臭いこと書いちまったなあ。はあ。
でも、他人のコテハンで書き込みするのは、どこのスレでもやっちゃいけない
ことだから、その辺だけは理解してほしいっす。頼みます。

さて、>>450「本物」の、売掛金さま。
とうとう12作ですかー。早いものですねえ。じっさい、ここのスレのすさまじい伸びっぷりに私も
つい引っ張られたところがありますよ(笑)。投下が完了したら失踪する、なんて寂しいこといわないで、
気長にやっていきましょうwww。なんったって、私、一回入院したら長いんですよ…(涙)。
2ヶ月くらいはかかるから、その間に失踪されたら寂しいなあ。
なんて、勝手なことを申しました。ごめんなさい。年取るとわがままになってなあ(またか)。
>>ミハイル様
ああ、売掛金さまのイラ、とっとくの忘れてた。削除されたんですね。ごめんなさい。
さて、861はこれから入院の準備に入ります。なんか腹の横からまだ血膿が出てきてるんだけど
キニシナイw! 病院にはパソコン持ち込めないのが辛いけど、ビーイラストとストーリーを考えて
日々を過ごしましょう。たまに携帯でこちらも読ませてもらいますー。
ああ、名残惜しい。皆様、マジでお体には気をつけて。では、行ってきます〜ノシ
458ミハイル:2009/04/30(木) 11:43:09 ID:???0
本物の売掛金さん、偽者防止のために酉付けましょう
私もつけます、861さんも酉つけたほうがいいと思います;入院、いってらっしゃい;
459ミハイル ◆jRjidCUi9s :2009/04/30(木) 11:43:56 ID:???0
酉テスト
460天ぷら改正 ◆jRjidCUi9s :2009/04/30(木) 11:49:13 ID:???0
ここにテンプレをもう一度載せておきます。しっかりと読んでください。
テンプレとは、スレの最低限のお約束のことです。

テンプレ
「初代スレの100くらいで1に「つかこのスレまだあったんかwww」と言われてしまったかわいそうなスレッドが、7スレ目に突入しました。(^^
ここは甲虫バンドのモララーのビデオ棚的にも、また、お好きなCPについて萌えを語り合うもよし、画像やイラスト投稿、馴れ合いもOKです。
リレー小説、その流れに関係なく自作スラッシュ投下、突然好きなカプやシチュを叫ぶもおk!皆で甲虫に萌え上がりましょう!
  画像投下はこちら↓
イメぴた ttp://imepita.jp/pc/
うpろだ http://www9.uploader.jp/home/betles801/

※また、このスレに投下された作品・画像(←画像、スラッシュ動画もおk?)を保管するまとめサイト(サイト名「ALL YOU NEED IS LOVE!」)も
作られる予定です。保管する際のことを考え、作品投下時はコテハンを使うことを奨励します(もちろん、名無しのままでもOKです)。
Q=海外のスラッシュ作品の和訳の投下は、OKですか?
A=二次創作とはいえ著作権がありますので、残念ですがご遠慮ください。ただし、Slash紹介・感想文は専用のスレを避難所したらばに立てようと思います。

CPに関するQ&A
Q=ここはJP以外に、GPやJRやJG、PJもしくはBJなどはだめですか?
A=いえ、どのCPでもOKです。

Q=映像やSlashはここには投下してはだめですか?
A=テンプレをご覧下さい

Q=コテは絶対ですか?
A=名無しでもOKですまた、偽者防止の為に各自酉付け推奨です

また、スレは完全に s a g e 進行で御願い致します。
461恋に落ちたら:2009/04/30(木) 19:46:35 ID:???0
売掛金様入院しましたか?今は点滴ですか?元気になったら12作の
続き待っています。お大事に。知らずにコテネーム無断使用ごめんなちゃい。
462売掛金 ◆RO2Peu.t8o :2009/04/30(木) 20:17:27 ID:???0
てすとさせてください
463売掛金:2009/04/30(木) 20:39:57 ID:???0
こんばんは
昨夜はちょっと驚きましたが、もう大丈夫です。
トリップの件ですが、一応練習しましたが恋に落ちたらさまに御理解頂けたようですし
あまり事を荒立てたくないのでとりあえずつけない方向で、と考えています・・・

> 861Hedge-hogさま
そうなんですよ、もう12作も投下させて頂いております。
本当に多数のねつ造物を申し訳ございません、という気持ちでいっぱいです。
あとどんだけあるんだよという感じですが、ちょこちょこ手直ししていこうと思っています。

> ミハイルさま
お疲れ様でございます。こちらのスレももうすぐ500ですね。早いですね。
新たな書き手様の降臨に期待をしておりますし、特にイラストを描かれる方との
コンタクトがあれば嬉しいなと思っております。宜しくお願い致します。
464アイデンティティ:2009/04/30(木) 21:42:58 ID:???0
薄暗いスタジオに、煙草の煙が充満している。ポールは、ある一定の場所に来るとベースのチューニングを始めた。
「よう、来たのか」ジョンはポールにわざと冷ややかな視線を向ける。そして、煙草を揉み消した。
ジョンはソファに寝そべる。
ポールは何も云わずチューニングを続けている。ジョンは彼をからかうように辛辣な言葉を向ける。
「お前、世間じゃ誰もお前の作品なんか期待してないのによく出せるよな」
「・・・」
その辛辣すぎる言葉に、ポールはちくりと胸が痛む。確かに、事実だ。けれどそれでも少しでも、期待して待っている人たちがいるかもしれない。
だからどんなに酷いバッシングをされてもこうして続けてきた。その延長で今回の映画も少しでも自分達が頑張ってる姿を見せようとポールなりに考えたのだ。
だけど、だけど――。結果とは皮肉にも何時も真実な物だ。自分の功績はイエスタディだけだという。
「知ってるか?評論家や街中の間ではお前の曲の評価、低いんだぜ?」
「知ってる・・・君もそう思ってるの?」ポールは震える声を抑えながら涙を堪えた。
「ヨーコだってお前の評価読んで笑ってたぜ」
「・・・世間では確かにそれが正しいのかもしれないけど、でも、リンダが云ってくれた。“結果が全てじゃないのよ”って」
ジョンはポールのはっきりとした意思表示に驚いたが、辛辣な攻撃を止めなかった。
「じゃあお前は期待されてもいないのにそれでも曲を出すってことか?」
ポールは小さく頷いた。そしてチューニングを終えると、ピアノに向かった。こうしていると、何故だか落ち着く。
自己のアイデンティティとは何か。
アイデンティティとレーゾンレーテルは同じことだ。
己の過去を追及する娯楽が持ち合わせることの恐怖の意味。
いやだ。いやだ。いやだ。
誰かが云った。“羊の血で洗え”と。
生贄が残酷に笑う。・・残虐パーティー。血まみれバライティ。
十字架を取り上げられたキリスト。やもめになったマリア。
神様なんていない。信じるものは救われない。


end
465ミハイル:2009/04/30(木) 21:45:06 ID:???0
自虐ネタです。
>「お前、世間じゃ誰もお前の作品なんか期待してないのによく出せるよな」
ここの時点でかなり自虐してます。というか、半分自己風刺です。(苦笑
レリピーのJPです
466売掛金:2009/04/30(木) 22:39:37 ID:???0
> ミハイルさま
投下お疲れ様です。

>「お前、世間じゃ誰もお前の作品なんか期待してないのによく出せるよな」
ははは、私のねつ造物のことではありませんか(泣)
スタジオって4人以外にも居るだろうよとか、一体季節は何時なんだよとか、そもそもマネージャーの名前を出せよとか
自分でも本当によく投下し続けるなと思うのですが、ひとえに自分は何も考えていないからでしょう。
楽しければいいんですよ、ええ、そう自分に言い聞かせておりますよ(涙)

ということで投下します(するんかい)
今自分のブログを整理していたのですが、「Hold Me Toght」の続きです。
今から投下する「The Night Before」、その次に投下する「Abbey Road」
そして既に投下した「Junk」という流れとなります。もう完全に脳内世界です。

「誰もお前の手淫なんて欲しくないよ」という言葉の煽りを受けつつ、ではよろしくお願い致します。
467The Night Before -1:2009/04/30(木) 22:43:21 ID:???0
取り囲んだマスコミがいつもする質問。
「多くのティーンが、あなた達がひとつのマイクで歌う姿に性的なものを感じているとの噂についてどう思いますか?」
そう聞かれる度にジョンはニヤリを笑い、ポールの顔を見る。
マスコミは彼らどちらかの口から衝撃的な発言が出るのを今か今かと待ち構えている。
ジョンはタバコの煙を吐きながら十分な間を置き「ICCL」と答えた。
そしてジョンはガッカリしたマスコミの顔をみて満足気な顔をする。
そして決まってジョンはポールにウインクをしてみせる。すかさず無数のフラッシュがたかれた。
ポールは大袈裟な笑い声をあげる。その映像を見て、何人のティーンが失神した。


「性的なものを感じる、か」
ホテルの一室、ポールは独り言を云った。そして静かに笑った。
確かにフロントに立つ同じような身長のふたりが一本のマイクで歌う姿は実に派手だと思う。
エンジェル・フェイスと云われるポールと、不良を想わせるジョンのツーショットに興味を惹かれない者などいないだろう。
どちらが女役なのか、皆それについて論議するのが好きだった。
いつだったか、あれは何かの賞を貰った時、ジョンはわざわざステージの上でポールに抱きついてみせた。
その時のジョンの子供のような表情が忘れられない。
彼はトラブルが好きなのだ。そして、多くの人間が自分に注目していることを楽しんでいた。
おかしな噂が出れば出るほど、ジョンは興奮した。
そしてそれについて、毎朝のミーティングで身振り手振りしながら演説を打つのだ。
それをジョージが面白くなさそうに聞いている。
ポールは興味のあるような、ないような曖昧な態度をとる。
リンゴは大概新聞を読んでいる。
朝から彼がハイテンションなのは、ジョンが寝てない証拠だ。
ポールはそっとリンゴを見る。リンゴは顔も上げずに新聞を読んでいる。
その様子に気づいたジョンが嫉妬まじりに話しを続ける。
それを彼らは「聖なるミーティング」と呼んでいるのだから傑作じゃないか。
「何を考えてるのさ」
ジョンがポールの髪を引っ張った。
「別に」
その気のない答えに失望したように、ジョンは舌うちした。
ポールはジョンを見た。ジョンの顔は嫉妬と焦り、不安に歪んでいる。
468The Night Before -2:2009/04/30(木) 22:44:16 ID:???0
いつもこうだった。ジョンは子供すぎる。そして彼はけして一人ではいれない。
いつも誰かに傍にいてもらわねば壊れてしまうだろう。それはポールの感だったが、恐らくそれは真実だった。
多くのマスコミに囲まれ、生意気に誰かが用意した台本のセリフを述べるのが彼に与えられた仕事だ。
その時彼は皆の思う「ジョン・レノン」になるのだ。
ジョンは「ジョン・レノン」を演じることについて、もう限界にきていたが、
ドラッグの力が「ジョン・レノン」の存在を継続させていた。
いつしかジョンはジョンではなくなり、巨大な「ジョン・レノン」に飲み込まれていしまっていた。
そんな彼が本当の自分と向き合えるのは、他でもない、ポールと一緒に居る時だけだった。
それを十分に承知している彼は、ジョンとの適切な距離をとることを至上の命題にしていた。
離れすぎればジョンは潰れてしまうだろう。
近づきすぎれば、ポールの心の奥底から云ってはならない言葉が顔を出す。
「ジョン、逃げろ。今すぐに!」
何度その言葉を叫ぼうとしたか判らない。今も本当はジョンにそう云ってやりたい。このままじゃお前はダメになると。
お前には向いていないと。ここはお前のいる場所じゃないと。そう、ポールはいつもジョンから目を離せなかった。
ジョンはポールにすり寄り、キスをせがんだ。
ポールは我に返り、グイとジョンの顔を押しのける。
ジョンは酷くショックを受けたような表情をし、それを悟られまいとタバコに手を伸ばした。
タバコを引き抜くジョンの手が震えている。その震えは気持ちの動転だけでないことをポールはよく知っていた。
しかし、それについてジョンと話すことはなかった。どうしょうもないのだ。どうすることもできないのだ。
ポールは感傷的になり、ジョンの背中にそっと指を這わせた。それに反応し、ジョンが振り返った。とても明るい顔。
そしてそれを見るたびにポールの気持ちはどこまでも沈むのだ。
469The Night Before -3:2009/04/30(木) 22:51:51 ID:???0
今日は三回目のアメリカでのステージだった。
前日に、何やらこちらのお国では有名だというTVショーに出たが、
そのホストがあまり聞き慣れない発音で何やらわめき散らしている声が聞こえる。
四人はスタジアムへ続く廊下を警備員に誘導されながら進んだ。
皆お揃いのスーツを着ていたが、ジョンだけは上着の前のボタンを外すことが許された。
今日はカメラが入っているから、その方が見栄えが良いからだという。
ポールはというと、いつもよりアイメイクを入れられた。
リンゴはスタッフから頭をなでられ、それについておどけたリアクションをする。
ジョージは緊張してまったく落ち着きがない。
ジョンは…、彼は「ジョン・レノン」の顔を作っていた。
悲鳴が支配するスタジアムに躍り出る。悲鳴が一段と強くなる。
ステージに上がったメンバーは最初の音を出した。
「?」
今日はまた一段と自分の演奏する音が聞こえない。
悲惨なステージは今日に始まったことではないが、今日はまた一段と悲惨じゃないか。
それでも何とか演奏を続けなくてはならない。しかし今日はあまりに酷すぎる。
ジョンの演奏は本当にひどく、ジョージも先ほどからミスを連発している。音は聞こえなかったが、手元を見ればそれが判る。
ポールは反射的に最高の笑顔を作った。逃げ出したかった。
無意識に後退し、ポールはリンゴのいるドラムのところまで下がった。そして最高の笑顔でリンゴの顔を見た。
リンゴはいつもの愛嬌たっぷりの表情でスティックを振っていた。
ポールは笑顔を作りながら、必死にリンゴのスティックの動きを見た。
そうだ、そのリズム。ポールは音の聞こえないベースの弦を打った。リンゴの瞳は冷静だった。その瞳が云っている。
「ポーリィ、笑え」
「どうやって? リンジー。音が聞こえない!」
ポールは一瞬顔をしかめた。
「落ち着け、大丈夫だ」
今にも切れてしまいそうなリズムがなんとかつながる。
止まってはならない、リズムキープだ。
ポールはしっかり前を見据え、定位置まで戻った。
今、ポールの体にはリンゴの刻むリズムだけが支配していた。それに合わせてメロディーを奏でる。
勿論音は聞こえない。が、ポールの体にはしっかり聞こえていた。
心臓の音が高鳴る。それに合わせてリズムをとった。
470The Night Before -4:2009/04/30(木) 22:55:33 ID:???0
ドラムのリズムとベースの音がしっかりと結びつく。一瞬ポールは倒れそうな感覚に襲われた。
そしてそれは、興奮で一気に血液が脳に運ばれたからだと判った。
今この狂気のスタジアムでリズムを支配しているのは、リンゴとポールのふたりだけだった。
しかし観客の目には、派手にシャウトするジョンと、笑顔の、いつもよりメイクされた顔のポールの姿しか映っていない。
上着の前を開けたジョンの姿はセクシーだったろう。そして今夜のポールは本当に幼い顔立ちだったろう。
観客は興奮した。そしてふたりが一本のマイクで歌わないかと、今か今かと舌舐めずりして待っている。
彼らはとにかく性的に興奮したかった。
ポールの腰にリンゴの鳴らすバスドラの音が入った。
一瞬、腰が浮いた。それに合わせて、スムーズにメロディーを奏でた。
ポールの身体が熱くなった。また、眩暈がした。もう後ろを振り向く必要はない。
リンゴの正確なリズムに乗ったポールのベースは適格なラインを描いた。
「一本のマイクで歌うあなた達の姿は実にセクシャルだ」
ふとインタビュアーのセリフが思い出され笑ってしまった。
何だって? もう一回云ってみろよ。
何がセクシャルだって? 誰がセクシャルだって? お前らは何を見てるんだ?
またリンゴのリズムがポールの腰に入る。ベースラインが下降する。ポールは思わず声を漏らした。
絡みつくようなラインでそれに応える。上昇し下降し、その間にリズムが差し込まれ、ひとつのうねりが生まれた。
ポールはその場で何度か軽くジャンプした。ワっと歓声が上がる。ポールが最高の笑顔をしたからだ。
まるでセックスだった。低音を支配する者同士の無言の公開セックスだ。
しかしその快楽に身をゆだねることが出来るのは、ふたりだけだった。ポールは興奮した。
こんな興奮ははじめてだった。今までこんなことはいくらでもあったはずなのに、どうしたことだろう。
ああきっと、アメリカっていう土地がそうさせるんだ。今この瞬間、四人は世界を制覇したのだ。
ポールは浮ついた目でベースに張り付けたセットリストを確認し、急いでジョンのマイクに走り寄った。
スタジアムの歓声が一段と大きくなった。
待ちに待ったジョンとポールによるマイク・シェアだ。
471The Night Before -5:2009/04/30(木) 22:57:56 ID:???0
ジョンがポールの顔を見て、少しギョッとしたような表情をした。そして耳元で云った。
「おまえどうした? そんな顔して。薬でもやったか?」
ポールはリズムに跳ねながらジョンに笑顔を向けた。
今夜のポールは誰の目から見ても性的だった。
流れる汗がなおいっそう彼の魅力を増大させている。
ポールにはドラムのリズムしか聞こえていなかった。そしてそのリズムに合わせて歌った。
耳に聞こえぬベースラインがドライブし、その音が完璧なことがポールには判っていた。
ジョンは横目でポールの表情を盗み見しながら歌った。ポールは今や、完璧にリズムを乗りこなしている。
時々洩れる彼の吐息に、ジョンは生唾を飲んだ。


最後の曲を演奏し終わった四人は深々と頭を下げた。
そしてステージから降り、悲鳴をあげまくる観客に手を振りながら、スタジアム内をゆっくりと歩いた。
廊下に入った瞬間、四人は警備員にせっつかれて全力疾走しだした。
ポールはすっかりハイになっていて、今日一番足が早い。
待機した車に一番乗りしたのはポールだった。そのあとにリンゴが続いた。
車のバックシートでふたりの目が合った。
リンゴはにっこりと笑った。ポールはリンゴに抱きつきたかった。
手を伸ばそうとした瞬間、リンゴを押しのけて、ジョンが車に乗り込んできた。そしてドアを閉めた。
ジョンは車が走り出すよりも早く、ポールに抱きついた。
そしてキスを浴びせた。一瞬たじろいたポールはバックの窓から外を見た。
リンゴが笑顔で親指を立てて見せている。ポールはうれしかった。嬉しくてたまらなかった。
こんな体験ははじめてだった。
勿論ステージはこれがはじめてってわけじゃない。今まで腐るほどやってきた。
リンゴの叩くドラムの正確さに何度も助けられてきた。しかし今日は今までのそれとは違った。
今、自分は大きな成功を手に入れ、そして信じられない体験をしたのだ。
472The Night Before -6:2009/04/30(木) 23:01:59 ID:???0
音楽は子供の頃から接してきた。楽器を演奏するのも、歌を歌うのも好きだった。
だがしかし、今日のような音楽を体験したのは初めてだった。
もっと音楽をやりたい、いや、やれる。成功は手中にある、
今ならもっともっと音楽をやれる。たくさんのスタッフと、たくさんの楽器。最高のスタジオと録音機材。
そして信じられないくらい大きなスタジアム…。これから世界が変わると思った。
去年アメリカでの成功はそれほどまでに大きいのだとマネージャーが云っていた言葉が、今、理解できた。
今ならやれる。何だってやれる。俺たちはやってやる!! くそったれ、最高だ!!!!!
「ポール!」
ジョンはポールをきつく抱いた。ポールはジョンにそれ以上の力で抱きつく。
ドライバーがバックミラーでふたりの包容を覗きこんだ。

ホテルにつくとふたりは走って部屋に入った。
そして今までしたことがないくらい、深い深いキスをした。
ポールはジョンの服を乱暴に引き裂き、そのままジョンを抱き抱え、ベッドに投げ飛ばした。
彼は未だ、スタジアムで感じたリズムラインにいた。
そしてこの先も音楽をやれるという喜び。最高だった。ポールは興奮した。そう、彼は最高の快楽を感じていた。
「…く、苦しいぜ、ポール」
顔をベッドに押し付けられ窒息寸前のジョンが呻いた。しかしその顔は嬉しそうだ。
ポールはそれ以上に嬉しそうだ。
ふたりの歯車が少しづつ狂い始めていた。

**************************************
ありがとうございました


最近多少手直ししたので、ちぐはぐ感全開ですが
それより何より相変わらず誤字脱字が凄いのがどうにかならないかと思う次第です。

では失礼いたします。
473恋に落ちたら:2009/04/30(木) 23:55:37 ID:???0
グレイト!ファンタスティック!
474初書き読者うさみん:2009/05/01(金) 04:03:11 ID:???O
> 売掛金さま。
前スレから愛読しています。クールなPのFANです。「Rain」では泣いてしまいました。
一連のお話のR/Pに対して、もしかしてG/Jな展開などおありなのでしょうか?
以前G/Jのお話をされていたので気になってしまいました。

> ミハイルさま。
もしよろしければB/Jをリクエストしたいです。ビーFANになって××年来の夢なのです。

> 861さま、どうかお大事になさって下さいませ。無事の退院、お待ちしております。
スレ拝借たいへん失礼致しました。
475ミハイル:2009/05/01(金) 11:23:26 ID:???0
>>474
おはようございます。ミハイルです。
あっちゃんみたいなどうしようもない女よかったら、、書きます、
のろまであんまり文書くの上手いくないの分かってて書いてるから、、
えっと、具体的にどんなストーリーがいいとかとか知りたいです、なので、、もう一度レスください
476うさみん:2009/05/01(金) 16:26:57 ID:???O
> ミハイルさま。とんでもないです。前スレから密かに楽しみに拝見しております。
お話は史実の深読みのようなベタな話が好きです。ミハイルさまのご無理のない限りで…。
477ミハイル:2009/05/01(金) 17:06:00 ID:???0
>>476
そういってもらえてうれしいです、、えっと、それでは、BJの史実なので、、
スペイン旅行の話でよろしいでしょうか?、
478うさみん:2009/05/01(金) 17:39:23 ID:???O
> ミハイルさま。
スペインはやはり気になるところです。
とても楽しみですが、お体に負担にならぬよう願っております。
479ミハイル:2009/05/01(金) 18:05:42 ID:???0
>>478
では、スペインで書きます、、
つたない文章でも楽しんでいただければうれしいです
480うさみん:2009/05/01(金) 18:26:48 ID:???O
> ミハイルさま。
ありがとうございます。いつでも楽しみにお待ちしております。
ミハイルさまの耽美な世界が大好きです。
481ミハイル:2009/05/01(金) 20:30:57 ID:???0
>>480
ありがとうございます!うれしいお言葉です;
耽美ばっかりでそろそろ「エロ自重」というピットサインが出されるかと心配してました^^;
でも、がんばります!ガソリン・タイヤ交換してコース上に戻りま〜す
びゅ〜ん!
482ミハイル:2009/05/01(金) 22:20:44 ID:???0
あ、うみさんこれからも気軽に書き込んでください^^
483ホワイトアルバムさん:2009/05/02(土) 15:07:31 ID:???O
ジョージとエリックの関係に友情以上のものを感じる
484売掛金:2009/05/02(土) 17:48:00 ID:???0
Okay!!!!
フォトアルバムに貯め込んでいる個人的厳選ビー写真が873枚まで増えました!!!
持ってる方は何万枚単位で持っていると思うのですが、
とりあえず1000枚到達までもう少しということで頑張ります。
485売掛金:2009/05/03(日) 02:41:06 ID:???0
>初書き読者うさみんさま
はじめまして、感想をありがとうございます。
御質問にありますG/J展開についてお答えいたします。
現在私が投下しているすべてのスラッシュは数年前に書かれたものです。
関連性があるようで無いような短編をつなげることで1シリーズとし、そしてもう既に完結しております。
その中にG/Jという展開はありません。上記過去モノは加筆などする予定はありますが、
G/Jエピソードを書きくわえるかは今のところ判らない、というのが正直なところです。

>恋におちたらさま
>グレイト!ファンタスティック!
ありがとうございます。
では前回の「The Night Before」の次の短編を投下します。
そしてその後「Rain」の続きである「I Want You」を投下します。
長いのでいくつかに分けて投下するかもしれません。

では宜しくお願い致します。
486Abbey Road -1:2009/05/03(日) 02:44:33 ID:???0
ステージでのふたりには華があった。
もともと長身のふたりである。一本マイクで見事なコーラスをするふたりにファンは熱狂した。
ジョン自身もこのパフォーマンスには自信があった。
ふたりの声がマイクの上で交差する瞬間が特に好きだ。
ジョンとポールはマイクを挟む時は絶対に互いの顔を見ない、そのあまりの顔の近さに噴いてしまうから。
しかしそこに相手がいることを確信できる。そしてその相手は自分にとってかけがえのないものだった。
誰もが彼らのパートナーシップを最高のものと疑わなかった。

しかしジョンは感じていた。
こんな音も聞こえない場所で音楽をやって何の意味があるのか。
ステージが終わればファンに追いかけまわされ、しまいにはホテルに缶詰めだ。
それは窮屈以外の何ものでもなかった。
確かに俺達は売れた。
でもしかし、だからといって、それにどんな意味があったのだろう。
最近のライブパフォーマンスはリンゴのドラムとポールのベースでなんとかもっているようなものだった。
以前は違った。もっと小さな箱で、メンバーの息遣いが聞こえる距離で演奏ができた。
しかし今はどうだ。
何も聞こえない。
ジョンは不安に襲われ、ポールの姿をステージ上に探した。ポールはいつも通り観客にアピールをしている。
それが彼の与えられた仕事だ。勿論それはジョンも望んだことだった。
しかし今はそれが悲しく思う。
ポール。俺のことが見えているのか。俺がいま、どんな気持ちか判っているのか。
何処を見ているんだ。俺はここにいる。
俺達はこれからどうなるんだ。おまえは不安じゃないのか?
487Abbey Road -2:2009/05/03(日) 02:47:38 ID:???0
スタジオに入ると、ポールが熱心にドラムを叩いていた。
「ポールはリンゴの仕事を奪う気?」
ジョンは冗談を云った。
「まさか」ポール。「僕のドラムは音が固いからいまいちだよ」
そう云いながらポールは熱心にドラムの練習をするのだった。ジョンはアンプに腰掛け、タバコに火をつける。
ポールは最近、ドラムやピアノ、あらゆる楽器に対して積極的だった。
自分の担当はベースなのだから、せいぜいやってもギターくらいにしたら良いものを、
それらをものすごく真面目に研究しては、あれこれと質問をし、また練習に明け暮れている。
ある日ポールに、まるでお前は音楽と結婚してるみたいだ、と冗談を云ったことがあったが、
それは冗談半分、本心半分だった。
それくらいポールが音楽や楽器に示す情熱はすさまじいものがあった。
ジョンは彼のそんな態度についていけなかった。
音楽とセックスするのも楽しいだろうさ。
でも、それよりもっと大切なものがあるのではないのか。
そうポールに云おうとして、何とか留まった。まるで自分が子供のように思えたからだ。
プロのミュージシャンなら、ポールくらいの貪欲さは当たり前だろう。
実際彼はかなり多くのレコードを聴き、多くの人に会い、そして何か新しいことをしようとしていた。
「ポールは幸せ?」ジョンはポールに尋ねた。
「ああ、幸せだよ」ポールがドラムを叩きながら返事をした。
ジョンはタバコを一口吸った。
「どさ回りしてた時と今、どっちが幸せ?」
「今に決まってるじゃないか」ポールは即答した。
「何故?」ジョンは煙を吐きながら床を見た。
「だってこんな立派なスタジオで、たくさんの機材とスタッフに囲まれながらレコーディング出来るんだよ。
幸せだよ。いろいろな楽器がただで弾けるしね。
身の回りに音楽が溢れてるって感じさ。これ以上の幸せはないね」
ポールは夢見心地で云った。
488Abbey Road -3:2009/05/03(日) 02:56:19 ID:???0
確かにそれは当たっていた。数年前のあの環境とは大きく違う。
音楽をやる者にとってこれ以上の環境はないだろう。ポールはまるで水を得た魚のようだった。
彼はスティックを置くと、今度はピアノの前に座ってジャズ風の曲を弾き始めた。
一体彼は一日に十四時間の中で、どれだけ音楽をやっているのだろう。
そして昨日よりも今日、今日よりも明日、彼は音の世界に深く潜っていく。

ジョンは悔しかった。いったい何がこんなに悔しく、寂しいのだろう。
自分だってミュージシャンであるし、彼にはポール同様、美しい声とライティングセンスがあった。
ポールより劣っていることなど何もないはずだったし、それは客観的に見ても同じだろう。
― しかし寂しかった。
ジョンは、今より、以前のどさ回りをしていた時の方が幸せだったと思う。
ステージから飛んでくるビール瓶を避けながら演奏し、酔っ払いにステージ乱入されるなんていつものこと。
アンプのコードを引き抜かれたのを合図に出演者と観客入り乱れての殴り合いになったこともあるし、
汚い手を使って相手をぶちのめしたことも数えきれないくらいある。
そして夜が明けるまで飲んで、女の尻を追いかけていた。
常に何かに餓えていたし、根拠はないけれど何だって出来る気がしていた。
それはメンバー皆が同じだったはずだ。
売れたいというのは共通の願いだったが、しかし今こうやって夢が叶い、ジョンにとってはもう充分だった。
正直、彼は以前の立ち位置に戻りたかった。
たくさんの楽器が弾けなくたっていい。色々なことを器用にこなすことなんて自分には出来ない。
出来ることはひとつ、ストレートに音を出すこと、そして歌に想いを込めて相手をぶちのめすことだけだった。
そしてそれで良かったのではと思う。
その方がずっと音楽を身近に感じられたし、孤独とは無縁だったのだから。
こんな風に思っているのは自分だけなのかしら。ポールを見ていると、彼は以前よりずっと幸せそうに見える。
それが悲しいし、悔しいのだ。
ポール、俺とおまえは同じ気持ちじゃなかったのか。
お前は不安じゃないのか。俺たちはあんなに近くで演奏していたんだぞ。
今は遠すぎやしないか。
俺には音が何一つ聞こえないんだ。
----------------------------------
では失礼致します
489恋に落ちたら:2009/05/03(日) 03:46:50 ID:???0
売掛金様
              tribute!
490うさみん:2009/05/03(日) 10:43:08 ID:???O
> 売掛金さま。
ご回答ありがとうございました。
一連の作品を頭の中で繋げて再生するのに夢中になっています。
繊細なジョンが好きです。これからの展開も楽しみにしています。

> ミハイルさま。
鬱陶しくならぬ程度にこれからも時々ファンコールさせて下さいませ^^
ピットクルーの一員として、これからも応援しています。
491ミハイル:2009/05/03(日) 19:24:34 ID:???0
>>490
ファンコール、ぜんぜん鬱陶しくないですよ^^
むしろ病んでいる私には励みですし、うれしいです^^
私もコース上でがんばります
492Abbey Road -4:2009/05/03(日) 22:21:36 ID:???0
「ジョン?」
ポールはジョンの異変に気付いてピアノを弾くのを止めた。
そしてジョンの側に歩み寄り、アンプの上に腰掛け固まっている彼を心配そうに見下ろした。
ジョンは黙って二本目のタバコを吸っていた。
ポールはジョンの前に座った。そして彼の手をとり子供にでもするようあやした。
ジョンは思わずポールに抱きついた。
ふたりは床に倒れこんだ。
そしてポールの唇を強く求めた。
ポールはそっとジョンを引き離した。
「スタジオでこういうことはしたくない」
その言葉がジョンを傷つけた。ベッドではよくて、スタジオではダメなのか。
何故なのだろう。ここが音楽をやる場所だからか。
そんなにお前にとって音楽が大切なのか。
確かに俺達のコーラスはセックスそのものだ。
レノン=マッカで発表する曲すべてはセックスそのものだ。
でもそれだけに不安なんだ。
おまえはどんどん遠くに行ってしまうじゃないか。
お前の目には、今、何が映っている? もうこんな場所から逃げ出そうぜ。
もう充分じゃないか。もっとお前の声が聞こえる場所に行きたいんだ。
「こういうことって何だよ。同じじゃないか。俺達はいつだってセックスしてる」
ジョンはポールを睨んだ。ポールは黙っている。ジョンはまたポールにキスをした。
「同じことさ。俺達はセックスで音楽をしてるんだ」
「音楽でセックス、じゃなくて?」
「違う、セックスで音楽をしてるのさ」
ポールの手がジョンの首筋を撫でた。ジョンは尚深くキスをした。
「ジョンは素敵なことを云うね」ポールはジョンの瞳を見つめた。「本当に凄いよ」
「何だ、馬鹿にしてるのか?」ジョンは云った。
「まさか。僕はいつだって正直さ」
ポールの言葉にジョンはドキドキした。
そう、その声。俺はお前のその声が聞きたいんだ。ポールは熱っぽくジョンの瞳を見た。
「君は凄いよ」ポールはそう云うと、ジョンを強く抱き締めた。
と、スタジオのドアが開く音がしてジョンは驚いてそちらを見た。リンゴだった。
493Abbey Road -5:2009/05/03(日) 22:24:49 ID:???0
ジョンはあわてて立ち上がった。
「あ、ジョン」
リンゴはニコニコ笑いながらジョンに手を振った。
ジョンは手を振り返しながら、タバコを一本口に咥えた。
そして床に座っているポールに目で合図しようとした。
が、ポールは先ほどまでジョンに対してあれほど熱っぽい視線を投げていたのに、今はじっとピアノを見てる。
そして立ち上がり、ピアノの前に座り、また何かを弾き始めた。
リンゴはマフラーをとるとタバコに火をつけ、ドラムセットの前に座った。
そしてポールのピアノに合わせてドラムを叩き始めた。
ポールはちらりとリンゴの姿を見て、そしてまた無言でピアノ演奏を続けた。
ジョンはまたアンプに腰をかけた。
どうしてもギターを手にとる気にはなれなかった。

「リンジー?」
ジョンが席を外した隙に、ポールはリンゴに話しかけた。
「何?」リンゴは愛想よく笑った。
「僕のドラムどうだった?」
リンゴがドラムを叩くのをやめた。ポールはピアノを弾き続けた。
「まあまあかな」
「そう?」
そしてリンゴは先ほどポールが叩いていたのと同じリズムを叩いてみせた。
「最低!」ポールは吹き出した。
リンゴは笑った。
ふとガラス向こうのミキシングルームを見ると、遅刻してきたジョージがジョンに絞りあげられている姿が見えた。
「僕はこのバンドが大好きだよ。ステージで演奏するのも好きだ。
そしてこのスタジオも気に入ってる。ずっとここで四人で演奏してたいよ。
バンドは僕の宝物なんだ。ずっとこうやって四人でやっていきたい。
それが僕のたったひとつの願いなんだ」
そう云ってポールはとても幸せそうに笑った。

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ありがとうございました
494売掛金:2009/05/03(日) 22:31:23 ID:???0
こんばんは。
ベタな展開にお付き合い頂きありがとうございました。

>恋に落ちたらさま
>うさみんさま
ありがとうございます。
現在メインのおふたりの体調が思わしくないということで
微力以下ではありますが、なんとか頑張ろうと思っています。
よろしくお願い致します。

次に行きます。
昨夜間違って「Rain」の続きと書いてしまったのですが、
「I Wanna Be Your Man」の続きでした。大変失礼致しました。

では宜しくお願い致します。
495I Want You -1
ポールは時々幼少の頃の自分を思い出す。
あれは何歳の頃だったろうか、当時イギリスには徴兵制があったので、
自分も類に洩れずその年齢になれば兵隊にとられ、戦場で人を殺すのだと思っていた。
クラスでは誰も口に出しはしなかったが、皆がそれを漠然と意識していた。
学校から帰り、父親に人を殺すことについて尋ねようと思ったが、徴兵制があるというのに、
当時は大人が子供にイギリスが昔戦争をしていたことについて語ることはタブーとされており、
何度かトライしたポールであったが、誰からも明快な答えは得ることは出来なかった。
しかし確実にその日はやってくるのだろう。
名前の代わりに番号で呼ばれ、そのナンバーのひとつとして人を殺し、そして自分も殺されていくのだ。
まだ見ぬ戦場。少年のポールはひとり想像を逞しくした。

クラスメイトは何かに理由をつけて残酷な遊びをした。たとえば小動物を殺すとか。
ポールは彼らがどういった気持でそれをしているのか判らなかったが、彼には明確な行動理由があった。
いつか自分がやらねばならないこと、相手を傷つけ殺すことに今から慣れておく必要があると考えていたのだ。
最初は小さなものから、そしていつか人間を殺ろう。
殺らねばならない運命なのだ。
逃れられない運命ならば、せめてその時少しでも自分を見失いたくない。
弟のマイクはそんな兄に恐怖しているようだった。
怯える彼を横目にポールは云った。

「泣いて許されるなら世話ないよ」