【bayfm78】ビートルズから始まる。2【小林克也】

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506ポール・キロックトニー
  ・ポールがアップルの広報担当として雇った、アメリカ人女性コピーライターのフランシーヌとの浮気現場を押さえられた夜
   ジェーン・アッシャーとの長過ぎる春は終わりを告げた
   ジェーンがポールの家に二度と戻ってくることはなかった
   荷物をとりにきたのは、かつてポールが下宿してお世話になったアッシャー夫人、ジェーンの母親である
   皮肉なことに荷造りはポールの浮気相手である、フランシーヌが手伝った
   ポールが失ったのはジェーンだけではなかった
   あまりの罪の呵責に苛まされたフランシーヌも、すぐにNYに帰ってしまった
   フランシーヌの心に残ったポールの姿は、短期で突拍子もなく、思春期を迎えたばかりの貴公子といったイメージであった
   こうして、ジェーンが去り、フランシーヌがアップルオフィスを辞めてNYに戻ってしまうと
   ポールの家のベッドルームのサテンの枕にも、空きができてしまった
   この空きを埋めるために、ほどなくしてリンダ・イーストマンが、NYからはるばるやってくることになった
   かつての婚約者ジェーンの場合、家柄、女優としての才能、その美しさの上で、あまりにも完璧であったため
   多くのポールファンは二人の間をねたむどころか、しかたなく祝福する傾向にあった
507ポール・キロックトニー:2008/04/27(日) 19:57:12 ID:???0
   しかし、リンダの場合は違っていた
   ほとんどのポールファンは、リンダのことをまったくもって、良く思っていなかったのである
   熱狂的なファンになればなるほど、欠点を洗いざらい見つけては、決定的にけなしてかかった
   大体、この時のポールはビートルズの、イギリスいや世界のロックの王子様と言っても過言ではなかった
   そんなポール・マッカートニーの次の恋人になったとしても、当然受け入れられるはずがなかった
   ポールは、ビートルズの中でも唯一の独身
   それに対し、リンダは子持ちのバツイチ
   どう転んでみても、ファンが納得するわけがなかった
   ポールの自宅の前に、ほぼ毎日のように張り込んでは、まるでストーカーか捜査中の刑事のように見張りを続けてきたファンの一人
   マーゴ・スティーブンスは語っている
   「ある日、初めてリンダって女を見たのよ
    そしたらあの女、ポールよりよっぽど毛深かったのよ
    そんな女、誰だって許せるわけがないわ」
    〜 The Beatles / Another Girl
    〜 The Beatles / You Can't Do That