「マインド・ゲームス」ではAOR路線の洗練された音作りがなされ、
ベーシストのゴードン・エドワーズはの当時としては革新的なハーモニクスを
多用した演奏が印象的で「ワン・デイ・アフター・タイム 「イントゥイーションなどで聴く事ができる。
マイケル・ブレッカーのサックスのエコー処理は次回作「心の壁、愛の橋」でのブラックコンテンポラリー的なアプローチへと発展した。
クラウスフォアマンによるベースライン録音当時の音数の多いペンタトニックを上下する特徴的なもので、
エルトンジョンのキーボードとともに「真夜中を突っ走れ」のアップテンポな曲調を盛り上げるのに成功した。
ユーモラスな効果音の使い方は「スターティング・オーヴァー」、「ビューティフル・ボーイ」に見られるが、
これはビートルズ時代の「イエロー・サブマリン」におけるレノン考案の効果音の使用法につながる。
一方、スタジオワークとしてソロ前期、後期を通じて共通しているのはレノンのボーカルの録音である。
「ジョンとヨーコのバラード」以来受け継がれたエコーを効かせた「インスタント・カーマ」、「マザー」、
「愛の不毛」、「スターティング・オーヴァー」などの作品はレノン自身が中音域における豊かな声質の再現を
意識していたことが伺える。
このように、レノンは編曲のアイデアに富む一方、緻密なアレンジを得意としており、
いずれも完成度の高いセルフ・プロダクションを成功させた事は作曲家としてだけでなく
編曲家、プロデューサー的な才能にも非常に優れていたことがわかる。
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