何故鼻毛が出ていたらいけないのか？

何故だ？

鼻毛は犯罪です。さっそく警察に通報しました。

鏡に映る自分の鼻毛を眺めながら、積年の疑問を考えていた。
それは「なぜ鼻毛が出ていたらいけないのか」という問いである。
簡単に見えて、奥の深い問題だ。
「いけないからいけないのだ」などとトートロジーを並べて悦に入る浅薄な人間もいるが、
それは思考停止に他ならず、知性の敗北以外なにものでもない。
「フィック錯視」という現象がある。
長さが同じでも、垂直線の方が水平線よりも目に労力をしいるために、
垂直に置かれた線分は水平に置かれた線分よりも長く見えるという現象である。
つまり、本来の鼻毛の長さがいくらであろうとも、鼻毛が我々から
垂直に見えるとすれば、長く見えるはずなのだ。
目の前の鼻毛は垂直か否か？
それは顔を横にひねってみることでわかる。
水平方向から観察することで、フィック錯視は水平線に移り、
鼻毛は短く見えるはずなのだ。
首をひねってみたところ、鼻毛は長かった。
よってこの鼻毛は錯視によって長く見えているわけではないと言える。