暴力団なんかメじゃない 「西の半グレ」ミナミを蠢く
「おい、こら!」。きらびやかなネオンに彩られた大阪・ミナミの駐車場に野太い声が響き、
10人近くの屈強な男たちが数人の男を取り囲んで一方的に殴り続けた。
アマチュア格闘技団体「強者(つわもの)」(大阪市浪速区)の関係者とみられる男が今年6月、男性会社員ら4人の顔などを殴りつけ、
重軽傷を負わせたとして大阪府警南署に逮捕された。ミナミでは最近、強者を名乗る男らが通行人とトラブルを起こしたり、
飲食店に“みかじめ料”を求めたりして「半グレ」と化しているという。ヤクザ(黒)でもなく、堅気(白)でもないグレーゾーンだから半グレ。
繁華街に蠢(うごめ)く新たなアウトロー集団の実態とは…。
http://prt.iza.ne.jp/images/news/20121025/519669_c450.jpg ■客引きも会釈
肩で風を切るように闊歩(かっぽ)する屈強そうな男たち。強引さで名高いミナミの客引きたちもさっと道を空け、恭しく会釈する。
相手はヤクザの親分ではない。「強者」のロゴ入りTシャツを着た集団だ。
強者は平成20年に立ち上げられ、関西を中心に大会を開催してきた格闘技団体だ。
当初は、メンバーの若者たちがおそろいのロゴ入りTシャツを着てミナミの飲食店を周り、ポスターの掲示を頼み込むだけだった。
だが、しばらくすると、素行が乱れ始める。街頭で客引きをして店に連れて行き、報酬を受け取るメンバーも出始め、
路上でのけんかも散見されるようになったという。
このころはまだ、大きなトラブルに発展するケースはほとんどなかったが、今年7月ごろから様相が一変する。
強者の関係者とみられる男たちが集団で飲食店や風俗店に押しかけ、格闘技大会のチケットを高値で売りつけ始めたのだ。
さらには、「おれらの組合に入らんか」と店側に強要し、「組合費」などと称して暗にみかじめ料を求めるなど、ヤクザ顔負けの活動を展開。
路上でも一般の人と衝突するトラブルが相次いだ。中には、駆けつけた警察官に「俺たちは『強者』や。
捕まえられるものなら捕まえてみい」と悪態をつく者さえいたという。
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名無しバサー:2013/01/13(日) 13:56:34.98
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名無しバサー:2013/01/13(日) 13:57:31.37
■ヤクザも「被害」
強者とのトラブルに見舞われたのは一般人だけではない。暴力団情勢に詳しい関係者によると、ミ
ナミのあるクラブでは暴力団組員が強者を名乗る男に暴行を受け、重傷を負う事件も発生した。
暴力団も恐れない強者のメンバーの増長ぶりに、ミナミの飲食店関係者からは非難の声が次々と
あがっている。
キャバレーの客引きをしていた外国人男性は言う。「強者のメンバーは数年前から出没し、20歳前
の少年らを集めて仲間を増やしているようだ。ほかのキャッチ(客引き)に因縁をつけては殴りかかっ
ており、今年に入って10人規模のグループ同士のけんかも何回か起きている」
飲食店従業員の男性も「強者のけんかの被害者の中にヤクザの息子もおり、それで一躍名前が知
られるようになった。今ではミナミの客引きはメンバーが通ると丁寧にお辞儀をする。それほど幅を
きかせている」と忌々しげに語る。
こうした事態を注視していた府警は10月21日に摘発に乗り出した。まず、6月に男性会社員ら4人
に重軽傷を負わせたとして、奈良市大宮町の職業不詳、酒井誠容疑者(41)を傷害容疑で逮捕。酒
井容疑者は強者の格闘技大会に出場経験があり、府警は酒井容疑者が仕切り役となり、強者のメン
バーの一部を集め、半グレ化しているとみている。