・ブラックバスなど外来魚から琵琶湖の生態系を守るため、滋賀県が設置している
外来魚回収ボックスに釣り道具や家庭ごみなどを捨てるケースが急増している
ことが10日、わかった。周辺にごみが散乱することで回収が遅れ、悪臭を放つ
問題も発生。マナー向上のためブログで呼びかけることを決めるなど、対策に
苦慮している。
琵琶湖では近年、北米原産のブラックバスやブルーギルなどの外来魚が大量に繁殖。
これに伴い、釣果をリリース(放流)する「バス釣り」を楽しむ釣り客が増加したことから、
県は平成15年、釣り上げた外来魚の再放流を禁止する条例を施行した。併せて、
琵琶湖周辺に回収ボックス、湖内にいけすを設け、回収を進めてきた。
回収事業は徐々に浸透。15年度に9.6トンだった回収量が21年度には18.2トンと
2倍近くに上昇。今年度は上期だけで17.1トンにのぼり、半年間で昨年度に迫る
勢いを見せている。
ところが一方で、回収量が大きく伸びた今年に入って回収ボックス周辺に、ごみなどの
異物が捨てられるケースが急増。県によると、ボックスの中やそばの路上に、ルアーや
折れた釣りざお、バーベキューの食べ残し、花火の燃えかすなど、雑多なごみが
目立つようになった。中には生きたカメやネコなどのペットが捨てられる悪質な例も。
回収された外来魚は、県嘱託職員2人が週3回、軽トラックで収集しているが、異物が
多いため1日で回り切れないケースが発生。次の回収日までにボックス内の外来魚が
腐敗し、周辺住民から県に苦情が寄せられる事態となった。
県琵琶湖再生課の担当者は「昨年までは1日で回り切れないことはほとんどなかった。
人の多い場所へ回収ボックスを移動させているので、回収量は上がったが、新たな
問題も出てきた」としている。
県はこのため回収ボックスに「ごみ箱ではない」と明記。ブログで、嘱託職員が回収量を
記しているが、ここでもごみなどを捨てないよう強く訴えるほか、釣り愛好家団体にも
協力を求めていくという。(一部略)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/101110/edc1011101340002-n1.htm