スコ1000って最高の安リールだよね。(苦笑)Part4
俺は正月3日、親に連れられ、釣りショップに行った。
もちろんお年玉で投げ竿を買う為だ。
それで俺は見てしまった触れてはいけない最強のリールを。
その時の俺はバスに興味は無く、そのリールの名前も知らなかった。
な、なんだこのとてつもなく美しくコンパクトでガンダムの
ような力に満ちたデザイン。もってみると重さを感じない。
まるで空気を持っているかのようだ。これがアブ?いや違う!
サイドに輝くTEAMDAIWA-Zの文字。そう、DAIWAといえば日本どころか世界でも
知らないものはいない超大企業ダイワではないか。
ガクガク!俺は足が震えた。
「TD-Z105H」それがこのリールと俺の出会いだった。
その後のことはあまり覚えていない。
〜そして2週間後〜
俺はTD-S、プロキャスター、トライフォースを操る友達等と一緒に
バサーの多い野池で投げ始めた。。
少々、本気を出しすぎたせいか俺のTD-Zの飛距離に勝てる奴は
いなかった。それもそのはずこのTD-ZはKING OF BAITと
呼ばれる最強ベイトリール。そう簡単にやられる訳はない。
U.S.TRAILという俺のTD-Zより上のグレードがいてスプールが
36ミリもあるらしいが34ミリのTD-Zでもコイツは最強だった。
そんな時、後ろからやたらぎらぎらと反射するロッドとリールのやつ
が割り込んできた。
「あれはっ!雑誌でみたことが!アンタレス?
アンタレスとシャウラのコンビだ!!」
遠投で抜かれそうになる。だが俺はサイドキャスト、オーバーヘッド
キャストを巧みに使いこなしアンタレス野郎を引き離す。
「久しぶりに熱くなったぜ・・・」気が付くとアンタレス野郎は
恥ずかしそうに釣り場から立ち去っていた。
その後、友達等は俺のキャスティングテクに呆然としていた。
これが俺とTD-Zの伝説の始まりとはその時の俺は
まだ知るよしもなかった。
1年後、俺のキャステクの腕は他県にまで知れ渡り、連日連夜
俺は野池で迫り来るライバルを蹴散らしていた。もはや敵無しだった。
しかしTD-Zとの別れはすぐそこまで近づいていた。
そんなある日、俺は愛媛県最強バサーと噂高い「安藤一馬」の挑戦を
受けた。友達のTD-Sの健介は「おい栄児!本当に安藤とやるのか?
奴はヤバイぜ!奴に負けるとお前のTD-Zは壊されてしまうんだぞ!」
俺は「俺のTD-Zは負けない。今までもそうだったろ?」
健介「栄児・・・お前・・。分かった絶対勝てよ!!」
〜そして対戦の日〜
ギャラリーを退け現れたのは安藤のマシンシマノコンクエストDCだった。
「相手にとって不足はないぜ!」
そしてバトルは始まる。今日は重量級バイブレーション。俺はTD-Zのパワーで
どこまでやれるか少し不安があった。
しかし、このTD-Zも一年前はドノーマルだったが今ではテクノフォーミュラの
RC-001SICベアリング仕様で武装してある。フィッシュオン!2人同時にキャストスタート。
「こ、こいつ!バックハンドでも離せねえ!どうなってんだ?!」
俺は焦った。こんな奴は初めてだった。コンクエDCは確実に俺より遠くのポイントに投げ
ていき、そしてTD-Zをぶち抜いて行く。その時、ギッ!!!ギギギギギッーー!!!
「どうしたTD-Z?!」みるみるうちに減速していくマグスプール。
とうとう回らなくなってしまった。「どうしちまったんだよTD-Z〜?」
そういえば、チューンパーツを装着することばかり考えて俺は全くメンテを・・
ゴールに着いた俺に安藤は「約束どおりTD-Zはぶっ壊させてもらう。
やれ!おまえら!」安藤の手下に破壊される俺のTD-Z・・・。
その夜から何日か経ち、俺は心に穴が空いたように
バス釣りを避けるようになっていた。
そんな時、仲間が無理矢理連れて行かれた中古釣具屋で俺は破壊されたTD-Zの
新型megabass「TD-Ito」を真剣に見つめていた。
「こいつならやれる!」俺の心にもう迷いは微塵も無かった。