アタシの名前はチャーミー。こう見えてもスパイなの。
自慢じゃないけど、自分では腕は立つと思っているわ・・・見習だけどね。
でも、これまでに失敗したことは一つもない。
全部うまくやってきたわ。
・・・そりゃ先輩と組んでたから、ということもあるけど・・・
ううん!先輩だってアタシが一緒にいたから仕事も成功したのよ。
そうよ、先輩の手柄はアタシの手柄。
先輩の足を引っ張ったことなんて一度も・・・・ないわ。
ポジティブポジティブ!
そんなアタシが初めて一人で任された大きな仕事。
それはS国の秘密情報を盗み出すこと。
もちろん、アタシにはお茶の子さいさいよ。
ボスは不安げな顔をしてたけど、失礼ね。
アタシだってちゃんと一人でやり遂げてみせるわ。
さて・・・忍び込むのはあそこのビルね・・・
情報によると見かけはボロいけど、地下には最新式の設備があるらしい。
えっと・・・あそこが地下に降りていく非常階段ね。
でもチャーミーはそんなところ使わないわ。
だって、監視されてたり、ワナが張ってあるなんてお約束ですもの。
ふふっ、ちゃんと調べはついてるのよ。
このビルの2階から地下への直通のエレベーターがあるって。
え・・・と、2階の窓はあそこね。
さーて・・・
アタシはさっそくビルの壁をよじのぼる。
我ながら身が軽いわ。自慢じゃないけど、こんなマネができるのは仲間でもアタシだけ。
ののやあいぼんにはちょっとできないわね。
あっと・・・あそこの窓が開いてる。ちょうどうまい具合ね。
しめしめ。
アタシは開いてた窓からビルに入り込んだ。そこはどうやらトイレだった。
トイレを出てエレベーターは・・・っと。
ここここ。この壁の向こうにエレベーターがあるのよ。
ちょっと見には防火扉なんだけど、ちゃんと調べてあるんだから。
アタシはあらかじめ調べておいた暗証番号を入力した。
ロックが外れ、防火扉を開けるとエレベーターの扉が現れた。
もう一度暗証番号を入力する。これでエレベーターはこのフロアに呼ばれるはずだわ・・・
しばらく待つと扉が開いた。アタシは早速乗り込んで地下1階のボタンを押す。
エレベーターは静かに動き出した・・・
なんだ、簡単じゃない。こんどの仕事なんてたやすいものね。
いいえ、これも敏腕スパイチャーミーの手にかかればお茶の子さいさいよ。
ボスはあたしのことダメダメスパイなんて呼ぶけど、これでボスの鼻も明かしてやれるわ。
チャーミー、ハッピー!
そう思ったとき、不意にエレベーターの四隅から煙が出てきた。
きゃっ!なんなのコレ!
さては・・・これは・・・ワ・・・
アタシの意識はそこで途切れた。
アタシが気がついて周りを見るとそこはどうやら狭い部屋の中らしかった。
起き上がろうとすると手足が動かない。
ちょっと、なに?アタシどうなったの?
頭の中はパニック。いえ、敏腕スパイはいかなる時でもあわてちゃいけないわ。
アタシは冷静に自分の状況を観察してみた。
いつ、どんな時にも冷静に。これスパイの鉄則ね。
・・・どうやらアタシはテーブルのようなものの上に仰向けに寝かされているらしい。
そして手足はそのテーブルの四本の足に縛り付けられているようだった。
我ながら状況を把握するのが早いこと・・・って動けないことにかわりないじゃない。
どうしよう・・・そうよ、こういうときこそ冷静に・・・冷静に・・・
どうやったらここから抜け出せれるか考えなくちゃ・・・
ここが思案のしどころよ、チャーミー。
その時、入り口のドアが開く音がして部屋に人が入ってきた。
入ってきたのは男が三人。
どいつも黒いスーツにサングラス。典型的な悪役の身なりをしてる。
「こいつか?エレベーターに堂々と乗って乗り込んできたヤツは?」
「まったくマヌケなヤツだな。今時マンガや映画でもお目にかかれないのに。」
・・・失礼ね。そりゃアタシにもちょっとミスがあったけど・・・
マヌケだなんて言うことないじゃない。
「おい、お前どこの組織のモンだ?」
男が聞いてきた。
バカにするんじゃないわよ。アタシだってプロなんだから、そう簡単にしゃべるわけないじゃない。
「あの〜、ちょっとおトイレ借りようとしてこのビルに入ったら迷っちゃったんですけど〜。」
うん、我ながらいい言い訳だわ。これで解放してくれるかしら。
「ぷっ・・・」
男の一人が笑い出した。
「バカか、お前は。誰がこんなビルで迷うんだよ。第一どうやってエレベーターに乗ったんだ。」
・・・あっちゃ〜、やっぱりバレちゃったか。
男の一人がアタシのアゴに手を当てて顔を向けさせた。
「なんだ。よくみりゃまだションベン臭いガキじゃないか。」
・・・失礼ね。アタシはもう17。ガキなんかじゃないわ。
「ガキなんかじゃないわ。もう17なんだから!」
・・・しまった・・・つい口に出して言ってしまった・・・
男がまた笑う。
「そうかい・・・元気のいいお嬢ちゃんだ。・・・ところでお嬢ちゃん、アンタ自分がどういう
立場におかれてるか判ってるよな。」
そうだった・・・アタシ捕まったんだ。
「で・・・スパイが敵に捕まったらどうなるかも判ってるよな。」
男の一人がニヤリと笑う。
・・・え・・・アタシどうなるの・・・
男は言葉を続けた。
「当然、始末されて埋められるか海に捨てられることになるんだが・・・覚悟はできてるよな」
・・・え・・・アタシやっぱり消されちゃうの?
イヤ・・・まだ死にたくない・・・でもここで命乞いなんてできないわ。だってアタシプロなんだもの・・・
「おい、そういじめてやるなよ。このお嬢ちゃん怯えてるじゃないか。」
もう一人の男が言った。・・・なんだ・・・脅かしだったのか・・・
「お嬢ちゃん、安心してるようだが悪いな。でもコイツの言ったことは本当だ。
あんたも組織の人間なら教えられてるハズだよな。」
え・・・やっぱりアタシ消されるんだ・・・・
「ま、でもせっかくいい格好してるんだからちょっと楽しもうや。
それによく見るとお嬢ちゃんカワイイ顔してるしさ・・・」
男はそういってアタシのアゴをもう一度つかむと、顔を反らせた。
「ちょっと!アタシに何するつもり?」
アタシは必死に男に向けて声を張り上げる。
「ん?わかってるだろ?なあ、お嬢ちゃん。それにこういうのはお約束だしな。」
ちょっと・・・誰に向かって話しかけてるのよ。
お約束ってなに?
「おい、アレ持って来い。」
リーダーらしき男がそう言うと残りの二人が部屋の外へ出てゆく。
しばらくすると一人の男が戻ってきた。
手には大きなハサミを持っている。
まさか・・・あれでアタシをぶすりと・・・
「やれ」「へい」
そう言うとハサミを持った男がアタシに近づき、履いているレザーのパンツの
太股の部分をつまみ上げハサミを入れた。
ちょっと!何するの!高かったんだから!それにアタシのお気に入りなのに!
「何するのよ!やめて!やめなさい!」
アタシは声を上げた。
「うるさいお嬢ちゃんだな。そのかわいいお口には後で働いてもらうから、しばらく静かにしといて
くれないか。」
男はそう言うとアタシの鼻をつまんだ。
んんっ・・・んっ・・・ぷはっ・・・
たまりかねて息を吐いたアタシの口に男がタオルをねじ込む。
「おい、タオルはやめとけ。唾液が吸収されて口の中がカラカラになるからな。」
「いえ、とりあえずこれで。すぐ仕替えます。」
もう一人の男はなおもアタシのパンツにハサミを入れ、とうとうアタシのレザーのパンツは
両方とも太股のところで輪切りになってしまった。
・・・・高かったのに・・・お気に入りだったのに・・・
そして今度は縦に腰から足首にかけてハサミを入れてゆく。
とうとうアタシのお気に入りのパンツは切り刻まれ、アタシに乗っているだけになった。
「これにしましょう。」
男はそう言うと、太股から下のパンツをするりと外し、細長く短冊の形に切ると
アタシの口にねじ込んでいたタオルを取って代わりにアタシの口にかませた。
もご・・・もご・・・
猿轡をされたアタシは声を出すことができない。
必死にしゃべろうとして口を動かしても、ただモゴモゴというのが精一杯だった。
オマケに口も閉じられないので、出てくる唾液を止めることすらできなかった。
「お嬢ちゃん、キレイなあんよしてるねえ。」
男はそう言うと、パンツをはがされて剥き出しになったアタシの太股を撫でた。
アタシの背中にぞくっと寒気が走った。
「さて・・・今度は上のほうだな・・・」
男はそう言うと今度はアタシのシャツのボタンを一つづつ外し始めた。
ちょっと!やめて!やめて!
アタシは必死に抵抗するが両手を縛られているので何もできない。
声をあげようとしてもただモゴモゴと音を出すのが精一杯だった。
シャツがはだけられ、ブラが露出する。
「・・・じゃ・・最後はこれだな。」
ブラにハサミが入る。
とうとうアタシの胸が男たちの前に姿を見せた・・・・
「お嬢ちゃん・・・なかなかいい形のおっぱいしてるじゃないか。」
男はそう言うと、掌でアタシの胸を包み込み、親指と人差し指でアタシの乳首を転がした。
むぐうっ・・!ふぐ!ふぐうっ!
アタシは悪寒で全身が総毛立ち、ただ暴れるのが精一杯だった。
「遅くなりました。」
「遅かったな。お前がこなけりゃ始まらないんだ。お楽しみはこれからなのにな。」
さっき部屋の外に出て行ったもう一人の男が部屋に戻ってきた。
手にはどうやらカメラをもっている。
ちょっと・・・ひょっとして・・・・まさか・・・
アタシの不安をヨソに、男は三脚を立て、カメラをセットする。
それもアタシの両足の真ん中。高さもアタシの位置と同じくらい。
そう、アタシの股間を正面から捕らえる位置。
「よし、準備OKだ。じゃ、スイッチ入れるぞ。」
その声と同じくして、不意に部屋の一部が明るくなった。
アタシは光の方向に顔を向けてぎょっとした。
アタシの左右、そして天井にアタシの股間がアップで映っている。
どうやらカメラのモニターが3箇所にあるようだった。
イヤだ!恥ずかしい!
アタシは懸命に顔をそむけようとするが、どっちを向いても目にはいるのはアタシの股間。
「お嬢ちゃん、自分の、見たことあるかい?これから見せてやるよ・・・」
男は冷たく言い放った・・・
「まずはこの邪魔なものを取ってしまおうか」
男はそう言うとアタシの切り刻まれたレザーのパンツを抜き取った。
男の目の前にアタシの下着がさらされる。
いやだ、恥ずかしい!
「ほほう・・・やっぱりガキだな。クマちゃんのパンツとはな。」
もう一人の男がイヤらしい言い方でアタシの下着を見つめる。
もご・・・もごもご・・ふごっ!
もう、見ちゃいやだって言ってるのに!
アタシは懸命に叫んだが猿轡をされているのでただもごもごと声にならない声を上げるだけ。
いいじゃない、クマちゃんパンツだって。これだってアタシのお気に入りなんだから!
「ま、今のガキはすすんでるからな。どれ・・・」
男は掌をアタシの股間に近づけ、人差し指と中指の二本の指の腹でパンツの上から
アタシのあの部分をさすり始めた。
ちょっと!やだっ!やめてったらっ!
アタシは叫んだが、ただ声にならない声をあげるだけ。
男はさらにしばらくアタシのあの部分をさすっていたがやがて
「どうもこの布切れもジャマだな。これも取ってしまうか。」
と言うと、さっきアタシのお気に入りのパンツを切り刻んだハサミを持ち出した。
ちょっと・・・何をする気・・・まさか・・・
男はそんなアタシの不安をよそに、ハサミでパンツを切り始めた。
そう・・さっきと同じように・・・
そして切り終わると、アタシの体に乗っかっていただけのパンツをめくり、
一気にそれを抜き取った。
・・・男たちの目の前にさらされた、アタシの生まれたままの姿。
アタシは羞恥で死にそうだった。
だって・・・今までほとんど見せたことがないアタシの下半身。
それが今、まったく見も知らない男たちの目の前に剥き出しになっている・・・
しかも、なお悪いことにアタシの下半身は、アタシの左右、そして天井のモニターに
大写しになっているのだ。
恥ずかしい!もう、死んでしまいたい!
「ほう・・・ここはもうオトナだな・・」
男は冷たくそう言い放つと、アタシのヘアーをつかんで引っ張った。
い・・・いたい!いたい!いたい!
「だがこの毛はガキには不似合いだな。ガキはガキらしくしてやるよ。」
「おい、アレ持ってきな。」男がもう一人の男に命じる。
その男は部屋を出て行き、しばらくしてまた戻ってきた。
手には蒸しタオルを持っている。
「このままやるとうまくいかないからな。」
男はそのまま蒸しタオルをアタシのヘアの上に乗せた。
・・・熱い!熱い!
「お嬢ちゃん、気分はどうだい?」
冗談じゃないわ。いいわけないじゃない!
「少しの間しゃべれるようにしてやるよ。」
そう言うと男はアタシの猿轡を外した。
・・・・ぶはっ!
アタシはようやく口の中に溜まっていた唾液を飲み込むことができた。
「どうだい?お嬢ちゃん。どこの組織かしゃべる気にはなったかい?」
男がアタシに尋ねる。
バカにしないでよ。アタシは敏腕スパイチャーミーよ。このぐらいのことでしゃべったりするもんですか。
アタシは男を睨みつけ、口を一文字に結んだまま横を向いた。
・・・目の前にアタシの股間とそれを覆っているタオルのアップがあったのはちょっとマヌケだったけど・・・
「・・・そうか。しゃべりたくないならいいさ。」
男はそう言うと再びアタシの鼻をつまみ、呼吸が苦しくなったアタシが我慢できず口を開けると
またさっきの猿轡をアタシに噛ませた。
む・・むぐっ・・・ふぐ・・・
アタシはたまらず顔を左右に振るが猿轡は取れない。
そして男はアタシの股間に乗っかっていたタオルを外すと、なにやらクリームのようなものをアタシのヘアに塗り始めた。
それは・・・シェービングクリームだった。まさか・・・
不安におののくアタシの表情を見透かしたように男は手に剃刀を持ち、アタシの下腹部にそれを走らせる。
下腹部に冷たい感触が走り、それと同時に部屋の冷たい空気が直接肌に触れる。
男は何度もクリームを塗り、剃刀を走らせる。
時には上から、時にはアタシの股間の正面に片膝をついて、そして時折指で皮膚を伸ばして
男は剃刀を滑らせる・・・・
嫌なことにその光景がアタシの目の前のモニターに映し出され、アタシは自分のヘアがなくなっていくのを
間のあたりにせざるを得なかった・・・・
「・・・どうだい。キレイになったろう。お嬢ちゃん。まるで赤ん坊のようじゃないか。」
男が冷たく言い放つ。
アタシの目の前には何もなくなってつるつるになったアタシのその部分が大写しになっていた。
それを見ていたアタシの目から、涙がひとしずくこぼれ落ちた・・・・
それは悲しみの涙ではなく。屈辱の涙だった・・・
だが男はそんなアタシの気持ちにはおかまいなく
「悔しいかい。お嬢ちゃん・・・だがお楽しみはこれからだ・・・」
と口元に冷たい笑みを浮かべた。
男はアタシの脇にやってくると、右手の親指と中指でアタシのその部分を左右に広げた。
モニターに大写しになるその部分。外から見える部分だけでなく、アタシの身体の内部にある粘膜がそこに晒されていた。
ふぐっ!ふぐぐぐぐっ!
アタシは激しい羞恥に襲われ、懸命にかぶりを振る。
「ほう・・・キレイなピンク色をしてるじゃないか・・・お嬢ちゃん、どうだい。
自分のを見た感想は。これまでに自分で見たことはあるかい?」
じょ・・冗談じゃないわ。そんな変態みたいなことしたことない。
「さて・・・中はどうかな。昔のくの一はここに毒を仕込んで交わった男を殺したそうだが、
お嬢ちゃんもそうなのかい?」
男は自分の中指を突きたて、アタシの中にその指を侵入させてきた。
い・・・痛い!痛い!
アタシは激痛に身を反らせ、大きな声を上げる。
今度はその痛みに耐えかね、また涙がこぼれ落ちる。
「どうやらここはあまり使い込んではいないようだな、お嬢ちゃん。」
アタシの反応に男は指を抜き、アタシに言葉を投げかける。
あたりまえじゃない。・・・そりゃバージンじゃないけど、アタシはそこらの同世代のコよりも
身持ちが堅いんだから。
「・・・じゃあゆっくりとほぐしてやるよ、お嬢ちゃん・・・。」
男はそう言うと、指を縦にしてその腹をアタシの中心にある溝に沿ってゆっくりと滑らせはじめた。
そしてもう一人の男もアタシの顔の横に立ち、両手でアタシの二つの乳房を包んだ。
その男は乳房をもみしだき、ある時はアタシの脇から乳房にかけて掌をゆっくりと撫でる。
そして両手の指を使って丁寧に乳首を転がしてゆく。
・・・乳房と身体の中心から絶え間ない刺激を受けたアタシは、自分の中に徐々にこれまでと違う感覚が生まれてくるのを感じていた。
身体が痺れるような感覚・・・・そう、はっきり言ってしまえばそれは快感以外の何ものでもなかった。
堅く閉じられていたはずの裂け目は、男の指が上下する刺激によって徐々に自然に開いてゆく。
アタシはその指の刺激を避けようと腰を動かすが、男の指はアタシの腰の動きにぴたりとついてくる。
そしてその刺激がさらなる快感をアタシの中に呼び起こしているようだった。
・・・やがて・・・アタシの動きに男が合わせているのか、それとも男の指の動きにアタシが合わせているのか
アタシにもわからなくなってきた。
ふんっ・・ふぐっ・・・ふんっ・・・ふぐっ・・・
アタシの吐く息が徐々に荒くなってくるのが自分でも分かる。
呼吸は次第に早くなり、男の掌に包まれた乳房が大きく上下に動く。口の中からはとめどなく唾液が溢れ出し、
それが行き場を失って猿轡をかまされた口からこぼれ出す。
両の乳房を覆っている掌は、そんなアタシの乳房の動きをあざわらうかのように
なおもアタシの乳房と乳首を弄んでいた・・・
アタシは目を閉じ、懸命にその快感を堪えるのが精一杯だった。
ダメ!負けちゃダメよ、チャーミー!
頭の中では懸命に理解しても、身体のほうが理解しようとしない。
それはあるいはアタシの中にいる、メスとしての本能のせいかもしれなかった。
アタシの身体の真ん中をなぞる指は、次第にその動きを変化させる。
あるときはゆっくりと、またあるときは早く・・・・
アタシのその部分からは、やがてくちゅ・・・くちゅ・・・と湿った音がするのが聞こえてきた。
男は指の動きをしばし休めると、谷の先端にある包皮をつまむとゆっくりとそれを剥き、
指の腹でそこに隠れていたアタシの真珠を刺激した。
ふううううううううっっっっ!!!!
アタシの身体に電流が走る。
それはこれまでに体験したことのないような刺激だった。
男は目を開けたアタシの目の前に自分の指を持ってきてアタシにそれを見せた。
指には液体がまとわりつき、それが光を反射してぬらぬらと光っている。
男の指についている液体は、アタシの身体から出たものだということはアタシにも理解できた。
「お嬢ちゃん、もうこんなになってるじゃないか。だいぶ感じてたみたいだな。」
男が指をアタシに見せてにやりと笑う。
アタシはその指から視線をそらせるのが精一杯だった・・・・
なぜなら、正直なところ男のいうとおりだったからだ。
そして、一度火がついたアタシのメスとしての本能は、容易に収まりがつきそうになかった・・・
「これからもっともっと感じさせてやるよ・・・お嬢ちゃん・・・」
男はそう言うと、なにやら手の中から小さなものを取り出した。
それは細長いカプセルのようなものに紐がついていた。
どうやら小刻みに振動しているらしく、ブーンという低い唸り音が聞こえる。
・・・まさか・・・これが・・・大人のおもちゃってヤツ?
アタシはもちろん、友達から聞いて存在は知っていたが実物を目にするのは初めてだった。
ひょっとして・・・これからこれでアタシを・・・?
不安げな表情を見せるアタシにはおかまいなく、男はその動くものをアタシのあの部分に近づける。
そして・・・画面で見るアタシのそこは、さっきからの男の指の動きによって充血して膨れ上がっていた。
ふぐっ・・・ふぐうううううぅぅぅっっっ・・・!
それがアタシの敏感になっている部分に触れた瞬間、振動がアタシに伝わり、アタシの身体に再び電流が流れる。
男はさっきの指の動きと同様に、それを溝の蔕に沿って上下に動かせる。
振動が上下に動くたびにアタシの身体はそれに反応し、静まりきっていないアタシの本能を呼び覚ました。
ふうっ・・・ふうううっ・・・ふうっ・・・うふふうっ・・・・
その刺激にアタシは堪らず声を上げる。だがその声は猿轡に遮られてただくぐもった音として漏れるだけだった。
そして、もう一人の男も同じモノを持ち、自分の指に替えてそれをアタシの乳首に押しつけた。
ふうっ・・・ふんっ・・・ふううっ・・・
さらなる刺激がアタシを襲う。
「・・・そろそろいいだろう・・・お嬢ちゃん、なあ。」
男はそう言うと、その細長いカプセルをアタシのなかにゆっくりと侵入させた・・・
ふうっ・・・ふうううううううううんんんっ・・・・・
それが入ってくるのと合わせるように、アタシの口から長い吐息が漏れる。
そして、さきほど男の指を拒絶したときとは反対に、アタシのそこは穏やかにそれを受け入れていた。
アタシの身体の内部から、その振動が全身に伝わってくる。
アタシはその快感に押し流されそうだった。
ダメよ、チャーミー!頑張って!負けちゃダメ!
アタシの理性が懸命にそれを押しとどめる。ともすれば押し流されそうな細い堤防。
それがアタシが押し流されるのを支えていた。
男はゆっくりとその細長いカプセルのようなものを前後に動かし始めた。
そう・・・アタシの中にゆっくりと入ってきては出てゆき、出て行ってはまたゆっくりと入ってくる。
ふうううっ・・・ふううううっ・・・
アタシの呼吸はいつしかその動きに合わせるかのようになっていた。
ゆっくりと動くときには呼吸もゆっくり、速く動くときには呼吸も速く・・・
時折その先端がアタシの奥にあたり、その時にはより大きな声が、いや音が漏れていた。
そしてアタシのその部分は、そのカプセルを排除しようとするのではなく、自らそれを包み込んで
逃がそうとしていないかのようだった。
さらにアタシの両の乳首からは、先ほどから絶え間ない振動が伝わってくる。
快感の波が断続的に押し寄せ、しかもその感覚は徐々に短く、そして徐々に大きくなってくる。
さっきからアタシの頭の中には白く靄がかかり、次第になにも考えられなくなっていた。
そんな時、不意に男がアタシに声をかける。
「お嬢ちゃん、ムリしなくていいんだぜ・・・今までよくガマンしたな、もう素直になりな。」
何も考えられない、何も聞こえないはずなのに、その声だけがはっきりとアタシに聞こえた。
そしてその言葉は、アタシの中の細い理性の堤防を一気に決壊させるのに充分だった。
「外してやりな。」
男の指示でアタシの猿轡が外される。
堤防と同じく、それで堰き止められていたアタシの声が出口を求めて走りだした。
あっ・・あっ・・・ああっ・・あっ・・・はあっ・・はああっ・・
荒い息と喘ぎ声。それがそのカプセルの動きに同調してアタシの口からほとばしる。
快感の波はなおも時には大きく、時には小さくアタシを襲ってくる。
そして最後の大波がアタシを襲ったらアタシ自身が流されてしまうと感じたその時、
男はカプセルをアタシの中心から抜き、完全にアタシから離した・・・
はあああんんんっっ・・・・
アタシは声とともに大きく息を吐き、何度も深呼吸をした。
それは・・・安堵というよりは不満の深呼吸だった・・・・
燃え盛っていた本能・・・それが燃え尽きることなく途中で消されたことへの不満・・・
ふと目をモニターに見やると、そこにはアタシのその部分が大きく映っていた。
谷の両側は充血して大きく膨れ上がって左右に広がり、その中央には粘膜がアタシの中から
染み出した液体にまみれて妖しく光っている。
そしてそれは時折ひくひくと痙攣して、まるでアタシとは別の生き物のようだった。
その時、画面が暗くなり、アタシのそこに熱くて固いものが触れた。
アタシが顔を上げると、男が自分のモノをいきり立たせてアタシの粘膜にその先を当てていた。
そして再びその指でアタシの充血したそこを刺激し、時折そのモノをアタシにあてがった。
ああっ・・あはあっ・・・はあっ・・・
アタシは再び耐え切れずに声を漏らす。そしてアタシのそこは、男のそれを捕まえようと自らその部分を
差し出し、男のソレに押しつけようとしていた。
「どうだい?お嬢ちゃん、そろそろ入れて欲しいかい?」
男の言葉に、アタシは無意識のうちに何度も頷いていた・・・
「ようし、お嬢ちゃんは素直でいい子だな。」
男はテーブルに縛り付けられていたアタシの足の紐を解き、両腕で抱えてあげた。
それまで正面を向いていたアタシのあの部分が、今度は男のそれに照準を合わせる。
男は右手をアタシの足から離すと、自分のものにあてがい、そしてアタシの身体の中心の裂け目の部分に
ゆっくりと先端を押し入れていった。
・・・アタシはここで足を伸ばして男を蹴り上げることもできたが、それをしようとはしなかった。
両足は自由になったとはいえ、両腕はまだ縛り付けられたままだったし、それになにより・・・・
アタシ自身がそれを待ち望んでいたからだ。
男がアタシに体重をかけ、それをアタシの中に進めてくる。
アタシのその部分は特に抵抗するでもなく男のものを受け入れていった。
はあっ・・・はあああああああああああんんっっっっ・・・・・
男の侵入に合わせて、アタシは声を出しながら大きく息を吐いた。
男のそれは、アタシの奥の部分に突き当たり、動きを止める。
ややあって、男は自分の腰を前後に動かせ始めた。
男のそれがアタシの中を前後に移動し、そのたびに奥に突き当たる。
あんっ!あんっ!はんっ!はんっ!あんっ!はんっ!んっ!んっ!
それが動き、奥にあたるたびにアタシはたまらず声をあげる。
さっきのカプセルのようなものよりさらに大きな快感がアタシを襲う。
そしてアタシのそこは、男のものにまとわりつき、包み込んで離すまいとしていた。
「・・・お嬢ちゃん・・・いいもの持ってるじゃないか・・・」
腰を動かしながら男はアタシにそうささやきかけた。
男のそれに押されるような格好でアタシの身体は徐々に上半身のほうに動き、
とうとう半身をテーブルから乗り出させてしまっていた。
はっ・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・
その体勢のために苦しくなって声が出なくなり、ただ吐く息だけがアタシの口から漏れていた。
そんな時、アタシの頬にぴたぴたと触れるものがあった。
アタシが顔を横に向けてその方向を見ると、そこにはもう一人の男のそれがあった。
「お嬢ちゃん、こっちも頼めるかな。」
もう一人の男がそう言うと、今度はそれをアタシの唇に触れさせてくる。
アタシはその言葉に魅入られるかのように男のそれを口に含む。
・・・もはやアタシは男たちのいうがままになっていた。
一人の男はアタシの身体の中心を突き、もう一人は自分の分身をアタシの口の中で前後に動かせる。
アタシの意識は次第に混濁し、ただ波のように押し寄せてくる快感に身を委ねていた。
やがて男がアタシの口から分身を引き抜く。
アタシがみた男のそれは、アタシの唾液であやしく光っていた。
「・・・お嬢ちゃん、いつまでもその体勢じゃ苦しいだろう。今ラクにしてやる。」
男はそう言うと、今度はアタシの両手の紐を解き、テーブルに束縛されていたアタシの身体を自由にした。
そしてアタシの両足を抱えて自分の方に引き寄せると、再び男の分身でアタシを貫きはじめた。
あんっ!あんっ!はんっ!はんっ!あんっ!はんっ!んっ!んっ!んあっ!
アタシはさらなる快感に耐えかね声をあげる。
その声は徐々に大きくなっているようだった。
そして、自由になったアタシの両手は男の背中に回され、男の肉体にしっかりとしがみついて
逃さないようにしていた。
男はなおもアタシを貫く。快感の波が再び大きくなる。
そしてそれが絶頂を向かえようとしたその時、不意に男は自分の分身を抜き、アタシを放り出した。
そしてアタシに向かって
「お嬢ちゃん、後ろを向きな。」
と言い放った。
アタシは男の言葉に抗うわけでもなく体を反転させ、膝を立てて四つん這いになった。
「お嬢ちゃん、それじゃよく見えないぞ。もっとよく見えるようにするんだ。」
アタシは男の言葉に従って足を開き、腰を後ろに突き出す。
驚くほど素直に男の言うがままになっているアタシがそこにいた。
さっきまで男の体の影になって見えなかったアタシのそこが、再び画面に晒された。
そこにはアタシのすべてが、丸見えになって映し出されていた。
充血して腫れぼったく膨れ上がったアタシのその部分。
神経がそこに集中して、ただ触れただけで身体中に電流が流れそうになっている。
そして粘膜の中央には口をぱくぱく開けてなお男のそれを待っているアタシがそこにいた。
男が再び指でアタシの充血したところに触れる。
んうふうううううううううううんんっっっ・・・
アタシはその刺激にまた一つ大きく長い息を吐いた。
男はさらに指を上下させてアタシのそこを刺激する。
んんっ・・・ふううっ・・・ふううううんん・・・・
アタシはそのたびにこらえきれずに声を上げた。
そしていつしか男の指の動きに合わせて腰を動かしていた・・・
「お嬢ちゃん・・・こっちも頼むぜ。」
頭の方からもう一人の男がアタシに喋りかける。
頭を上げたアタシの前には男のそそり立った分身があった。
「・・・お嬢ちゃん、うまくやったらご褒美あげるからな。」
背中の方でも男の声がする。
アタシは両肘をテーブルについて身体を支えると、両手で男の分身を包み込み口元に寄せた。
さっきまでアタシの中に入っていたモノと同じ・・・
そして今アタシが待ち望んでいるものと同じ・・・
そう感じるとアタシは無性にそれが大切なもののように思え、それに舌を這わせた。
頭から首へ、そして根元へ向かってアタシは舌を這わせ、口に含ませる。
アタシは命じられるのではなく、自分から望んでそれを行っていた。
アタシの後ろにいる男はなおも指と掌でアタシの身体の裂け目を刺激する。
んんっ・・・っっ・・・ふぅんんっ・・・
アタシは声を上げようとしたが男のもので口が塞がっていたため、ただ吐息を漏らすだけだった。
アタシのそこは、男の掌と指を求めて腰をくねらせる。
やがて男は
「どうだい?お嬢ちゃん・・・欲しいかい・・・?どうして欲しい?」
とアタシに尋ねた。
アタシは
「・・・・ほしい・・・・い・・・いれてほしい・・・」
と無意識のうちに返答していた。
はあっ・・・はあっ・・・はああっ・・・・
アタシは大きく息を吸っては吐いて呼吸を整える。
男が吐き出したものは飲み込んだとはいうものの、まだ口の中に残っているようだ。
男もまた、アタシと同じように呼吸を整えているようだ。
そして自らを落ち着けるようにごくりと唾を飲み込むと、
「お嬢ちゃん、最後はまた前からだ。」
と言うとアタシの身体を回転させ、再び仰向けにさせた。
そして再びアタシの足を持ち上げ、自らの分身をアタシに進入させてくる。
アタシは両手を男の背中に回し、両足を男の腰に絡めて男のすべてを吸い取ろうとしていた。
あんっ!あんっ!はんっ!はんっ!あんっ!はんっ!んっ!んっ!んあっ!
アタシの口からは快楽の証の声が絶え間なくもれ続ける。
「どうだい・・・お嬢ちゃん・・・気分は・・・」
「い・・・いい・・・きもち・・・・いい・・・」
「そうかい・・・もっと・・・つづけてほしいか?」
「もっと・・・もっと・・・いい・・・いい・・・もっと・・・」
男の問いかけにアタシはうわ言のように返事をしていた。
快感が再び波となって押し寄せる。
男の腰の動きは徐々に激しくなり、それに伴ってアタシに襲いかかる快感も
徐々に大きく、そして感覚も短くなる。
ああっ!あんんっ!はああんっ!はあんっ!あんんっ!はあんっ!あんっ!んんっ!んあああっ!
アタシの出す声も、それに比例して大きくなっていった。
・・・そして・・・・激しい電流がアタシの体を流れ、アタシの意識は宙を飛んだ・・・
「うっ・・ううっ・・・」
それと同時に男も低い唸り声を上げ、その白い血をアタシの中に注ぎ込んだ・・・
アタシは体中の力が抜けた状態でテーブルの上に横たわっていた・・・・
男たちが身支度をするのが見える・・・・
「お嬢ちゃん・・・良かったよ。どうやらお嬢ちゃんはいい女になる素質があるようだな。
・・・そうそう・・・これが多分お嬢ちゃんが欲しがっていた代物だ。ご褒美にお嬢ちゃんにやるよ。
もっとも、もうその中の情報は古くて使えないがね。」
そう言うと男はMOを一枚、アタシの上に放り投げた。
MOはアタシのお腹にあたり、テーブルに転がっていく。
「ま、妊娠してたら運が悪かったと思ってあきらめるんだな。・・・そうそう・・・
もしまたお嬢ちゃんが欲しくなったら、いつでもここへ来な。歓迎してやるから。
それと・・・そんな格好じゃ帰れんだろう。これを着ていけばいい。」
そう言うと男たちはコートを一枚、アタシの体に掛けて部屋を出て行った・・・・
アタシはなおしばらくの間、テーブルの上で放心状態だった。
いや、むしろ余韻に浸っていたといったほうが正しいかもしれない・・・
・・・ダメ・・・こんなことじゃダメよ、チャーミー・・・
アタシは懸命に力を込めて立ち上がろうとするが、全身に力が入らない。
それでも這っていこうとしたら、逆にテーブルから転げ落ちてしまった。
どうやら腰が抜けてしまっていたらしい・・・・
しばらく懸命にもがき、ようやく立ち上がることができた。
早くここから抜け出さなくては・・・・
だがアタシのお気に入りのパンツも下着も、男たちに切り刻まれて役には立たなかった。
やむを得ずアタシは男に掛けられたコートを羽織って表に出た。
ブラもショーツも着けていない、生まれたままの姿の上に唯一無事だったシャツを着、
その上にコートを羽織っただけ・・・
それが街を歩くアタシの本当の姿だった・・・・
アタシは一人、街の中を家に帰ろうと歩いていた。
膝丈までのハーフコート、セミロングのブーツ。
はた目にはどこにでもいる普通の女の子がそこにいるだけのように見える。
だが、アタシのコートの中は素肌の上にはブラもつけていないシャツが一枚、
そして・・・下半身はなにも着けていない生まれたままの姿。
しかもそこにあるべきヘアは男たちによって剃毛され赤ん坊のようにつるつるだった。
さらに・・・男がアタシの中に残したものが時折そこから流れ出して内股をつたってくる・・・
コートの下にアタシのこんな姿があることはおそらく誰も知らないはず。
でも、アタシには道行く人すべてがアタシを見つめているような感じがしていた。
アタシが歩いて足を前に出すたびにコートの裾がすこしめくれて足がのぞく。
もし、アタシが下着も何も着けていないことがわかってしまうかもしれない・・・
そして、アタシのコートの中が下半身裸だということが知られたら・・・・
そう思うとアタシの心臓の鼓動は高まり、緊張のあまりその場でうずくまってしまいそうになる。
でも・・・こんな道の真ん中でうずくまってしまったら余計みんなの注目を浴びてしまう・・・
こんなとき、タクシーに乗って帰れたらどんなにいいだろう・・・
でもアタシはカードも、タクシーに乗るお金も持っていなかった。
だって・・・アタシはスパイだもの。
身元がわかるものは何も持っちゃいけないって教わったもの・・・
だからアタシが今持っているのは家までの電車賃と少し・・・
アタシはさらに駅までの道を歩く。
きゃっ!
突然小さな子供がアタシにぶつかった。
アタシの腰ぐらいの身長の子供。
ぶつかったアタシは姿勢をくずし、そのためにコートの裾が乱れる。
アタシはあわてて両手でコートの裾を押さえた。
ひょっとして、今のでアタシのこのコートの中が見えてしまい、アタシが下半身裸ということが
みんなにわかってしまったんでは・・・・
アタシにぶつかった子供は、しばらくアタシのコートの裾をつかんで不思議そうな顔をしたかと思うと
やがて自分の母親の方に走っていき、なにやら会話をしている。
ひょっとしてアタシがコートの中になにも着ていないことを母親にしゃべっているかもしれない・・・
アタシはあわててその場を立ち去った。
あくまで自然に・・・そう普通の、どこにでもいる女の子がただ歩いているように・・・
だが、そう意識すればするほどアタシの動悸は激しくなり、呼吸も荒くなってゆく。
全身から脂汗がにじんでくる・・・
そんな状態のなか、アタシはただ足早に駅までの道を急いでいた。
道行く人すべての視線を浴びながら・・・・
アタシは急いで切符を買い、電車に乗る。
電車はすいていたが、アタシは車両の端で立っていた。
だって・・・座ったりしたらコートの中が見えてしまうかもしれない。
それに、もし隣に座った人がカンの鋭い人だったりしたら、アタシの体に残る
男のにおいを感づかれてしまうかもしれない・・・
早く着かないかな・・・・
アタシはずっとそのことだけを考えていた。
電車が駅に止まり、人が乗り込んでくる。
アタシの周囲にも、これまでいなかった人が立っている。
アタシは生きた心地がしなかった。
もし、この人たちがアタシのコートの中を知ったらどう思うだろう。
単なる露出狂の変態女。そう思われることは間違いなかった。
いえ・・・それ以上に・・・アタシにまとわりつく男との痕跡を知られたら・・・
アタシは全身に力をこめて懸命に体を硬くする。
電車が揺れるたびに周囲の人たちの体がアタシに触れた。
アタシはそのたびにぴくっ、ぴくっと体を震わせた。
いたたまれないほどの緊張感。アタシはそれに押しつぶされそうだった。
その時、ガクンと急に電車が揺れた。
そのはずみでアタシの隣にいた男の人の腕がアタシのコート、それも腰の部分に触れた。
感づかれたかもしれない!
アタシの意識に反射的にその思いが走る。
「あっ・・・す・・・すいません。」
男の人は懸命にそう言ったが、アタシはもうその言葉を聞いていなかった。
「い・・・いえ、大丈夫ですから。」
アタシはそういうのが精一杯で、その言葉を残すが早いかあわてて隣の車両に移った。
ほんの数十分のことだったが、アタシにはその電車に乗っている時間が無限のように思えた。
電車が揺れるたびに隣の人と体が触れる。
そのためにアタシのこのコートの下が裸であることを知られたら・・・・
いや、ひょっとしたらもう知られているのかもしれない。
それどころではなく、乗客みんながアタシが裸なのを知っていて好奇の目でアタシをみているのだとしたら・・・
街を歩いていた時にも増して心臓の鼓動も呼吸も早くなり、脂汗がにじむ。
アタシは懸命にその緊張に堪えていた。
「お嬢さん、どうしました?顔色がすぐれないようですが。」
再び言葉をかけられ、アタシはまたその車両から逃げ出した・・・・
ようやく電車が駅に着く。
アタシはとうとういたたまれなくなって家までの道を走り出した。
全力で走るアタシ。道行く人が驚いてアタシのほうを見る。
コートの裾は激しく乱れ、道行く人にもアタシの下半身は何度も見えたに違いない。
みんなアタシを見てどう思っただろう・・・
だがアタシにはそんなことを気にしている余裕はなかった。
ただこの場から逃げ出したかった。
ようやく家にたどり着き、中に入ったアタシは玄関の扉を閉めると、その場にへたりこんでしまった・・・
家に帰ったアタシは浴室の扉を開け、シャワーをひねる。
すぐにでもアタシにのこった男の痕跡を洗い流したかった。
アタシはコートを脱ぎ、男との行為のためによれよれになったシャツも脱いだ。
浴室の前の鏡に映し出されたアタシの姿。
昨日と違うその姿・・・・
ほんの昨日までアタシの下腹部にあった茂みはそこにはなかった。
ただ子供のようなその部分。そして、昨日までは茂みで隠されて見えなかった
裂け目の一部が、体の正面からでもはっきりと見えていた・・・
アタシはシャワーから出るお湯に身を任せ、全身を洗い流す。
そう・・・アタシを弄んだ男の残り香もすべて洗い流したかった・・・・
シャワーを浴びるアタシの目から一筋涙がこぼれ落ちる。
それは男たちに対する悔しさと、そして何より身も知らぬ、それも敵の組織の男に陵辱されたにも
かかわらずそれを受け入れ、さらに歓喜の声を上げていた自分に対する嫌悪からだった。
アタシは今でこそポジティブに振舞っているが、元々根はネガティブなほう。
これまで懸命に打ち消してきたネガティブな部分がシャワーを浴びているアタシを覆う。
もし・・・妊娠したら・・・・
嫌悪はますます嫌悪を呼び、アタシの中のネガティブはネガティブを呼んで
もうアタシのキャッチフレーズであったはずのポジティブな方には考えられなかった。
アタシはシャワーの先を体の中心にあて、水流を強くして男がアタシに注ぎ込んだ白い血を
念入りに洗い流そうとしたが男の血は流れ出てはこなかった。
アタシはなおもシャワーの先をを自分のその部分にあてながらいつしか涙を流すだけでなく
ぐすっ・・・ひっく・・・ひっく・・・ぐすっ・・・
とすすり泣いていた・・・・
やがて夜になり、ベッドに入って寝付こうとするが寝付けない。
何度も何度も男によって行われた行為が蘇る。
・・・ううん、あれは不幸な事故だったのよ。仕方なかった、仕方なかったのよ。
あなたは悪くないわ。忘れて、忘れるのよチャーミー・・・・
懸命にそう考えて自分をなぐさめ納得させようとするが、もう一人のネガティブなあたしがそれを打ち消す。
男たちに陵辱されながら抵抗しようともせず、逆に男を受け入れていたじゃない。
しかも途中からは快感に負けて自分から男を求めていたじゃない・・・・
それが本当のアタシ・・・・ポジティブの仮面を脱ぎ捨てた本当のアタシ・・・
違う・・・違う・・・それは本当のアタシじゃない・・・あれは・・・事故・・・
激しい葛藤がアタシを襲う。
でも・・・最後は男に身を任せていたのは本当・・・・
そして男の行為によって本能に火がつき、快楽に溺れて歓喜の声をあげていたことも本当・・・・
もっとほしいって、男におねだりしていたことも本当・・・・
素直になるのよ、チャーミー。
そして男があなたになにをしてくれたのか思い出すのよ・・・・
それは本当はあなたがしてほしかったこと。
またしてほしいとは思わない?だって、あなたはあんなに求めていたじゃない・・・
葛藤の中で次第に感情が高ぶり、体が火照る・・・・
・・・やがて・・・アタシの右手は自分の下腹部へと伸びていった・・・
アタシは右手をパジャマのズボンの中にもぐりこませる。
指を布の上に添えて身体の中心にある溝に沿って上下にゆっくりとなぞってゆく。
正直なところ、自分で自分を慰めたことはこれまでに何度もあった。
ある時は興味本位で、またある時は一人の寂しさをまぎらわすため・・・・
だが、今夜はそのどちらでもなかった。
そう・・・理由はなかった・・・・
ただ感情が高ぶり、体が火照ってたまらない。
体の中から湧き出てくる欲求を我慢できず、無性にそれをせずにはいられなかった・・・
・・ん・・・ん・・・
アタシはゆっくりと大きな息を吐き、自分の指を上下に動かせる。
何度もそこをなぞってゆくうち、次第にその部分を覆っている布はアタシの汗と
そこからにじみ出すものによって湿り気を帯び、その形がわかるくらいぴったりと張り付いてゆく。
アタシはさらにパジャマのボタンを外してゆき、開いた部分から左手をパジャマの中に入れて乳房を包み込んだ。
親指と中指で乳首をつまみ、ころころと転がす。
ん・・・ふぅっ・・んん・・・・
刺激でアタシは吐息を漏らした。
右手はなお布にあてて裂け目にそって動かし、しかもその動きは徐々に速くなってゆく。
左手はさらにボタンを外し、全部外し終わると両方の乳房をはだけさせた。
ん・・・んんっ・・・ふぅっ・・・
次第に吐く息が荒くなるのが自分でも分かり、とうとう
「あっ・・・んっ・・・」と声まで漏れる。
アタシは右手の動きを止め、今度はその布の中にもぐりこませる。
そこはさっきからのアタシの指の動きによる刺激で、充分すぎるほどに潤っていた。
男たちによって刈り取られなくなってしまった草原の部分を過ぎ、
アタシの指は中心にたどりつく。
「んんっ・・・あっ・・・」
アタシはもう一度声を漏らした。
同時に’くちゅっ’という湿った音がして、アタシの指先に熱い液体が付着した。
アタシは指を引き抜いて目の前にかざしてそれを見る。
そこにはアタシの中から染み出した液体がねっとりとまとわりついている。
・・・アタシって・・・こんなにイヤらしかったんだ・・・・
自分でもこれまで気づかなかった本当のアタシ・・・
いえ、気づいても懸命にそれを打ち消そうとしていたアタシ・・・
でも・・・本当のアタシは・・・・
男たちに犯されながらもそれを受け入れてしまうイヤらしい女・・・
最後は逆にアタシのほうが男を求めていたイヤらしい女・・・
そして今、そのことを思い出しながらこんなことをしているイヤらしい女・・・
だが、自分でそう思えば思うほどかえって指の動きは止まらなかった・・・
アタシはしばらくその状態のまま両の掌と指で乳房とそこを弄んでいたが、やがて腰を持ち上げ
パジャマのズボンとアタシのそこを覆っていた布を脱いで下半身をあらわにさせた。
膝を立て、両足を心持ち広げてなおも掌と指を動かせる。
左手は掌全体で乳房をもみしだき、指でなおも乳首を転がせる。
右手の指は谷に沿って這わせるだけではなく、時折指を自分の中に沈めた。
またある時は指で谷を左右に広げ、同時に残る指の腹で谷の先端にある真珠を刺激する・・・
そう・・・まるで男たちが彼女にそうしたように・・・
アタシは今日のことを思い出しながら、なおもその指を動かしていった。
んっ・・あふっ・・・んんっ・・・あっっ・・・
次第に呼吸は速くなりたまらずに声を漏らしてしまう。
そしてそれとともに波にも似た快感がアタシに押し寄せてくる。
最初は小さく、そして徐々に大きくそして早く、その波は襲いかかってくる。
そう・・・昼間と同じように・・・
やがて、最後の大波がアタシを襲って包み込むとアタシはとうとうこらえきれずに
「ああっ・・・あっ・・・っん・・・んんっ・・・・」
と息を止めて全身を硬直させた。
・・・その次の瞬間、安堵にも似た大きな息を吐いた。
それと同時に全身の力が抜けていくのが自分でもわかった。
アタシはしばらく体中の力が抜けた状態でベッドに横たわっていた。
自分で自分を慰め、火照った体を静める・・・
それで絶頂を迎え、高ぶっていたものはおさまったはず・・・
これで欲求は満たされたはず・・・
でも・・・・どこか物足りなかった・・・・
翌日アタシはMOを手にアジトに向かった。
そこは一見普通の事務所でアタシはそこのスタッフ。
「ご苦労さん。ようやったな。」
ボスがアタシに話しかける。
「これでチャーミーも一人前やな。ホンマに、アンタだけはどうなることかと心配してたけどな。」
「当然ですよう。自分で言っちゃうのもなんですけど、敏腕スパイチャーミーですからね。」
「アンタもよう言うなあ。これまでダメダメでいっつもケーボウやカオリに助けられてたくせに。」
アタシとボスは顔を見合わせて笑う。
昨日はあんなことがあったけど、とにかくアタシは使命を果たした。でも・・・
最後に男が言った「この情報は古くて使えない」という言葉が気にかかる。
もちろんボスはそんなことは知らないはず。
でも、アタシがそれを言うことはできなかった。
だって・・・それを言ってしまったら・・・・
その時だった。
「おー梨華ちゃん、帰ってたんか。」
「任務うまくいったれすか?」
二人の少女が部屋に入ってきた。
あいぼんとのの。アタシと同時期にこの組織の一員となったスパイたち。
だがアタシと違うのは、二人はすでに何度も任務を成功させているということだった。
「コラッ!いつも言うてるやろ。梨華ちゃんやのうてチャーミーや。ちゃんとチャーミーって言わんかい。」
ボスが二人を叱る。二人は頭をかいて反省しているようだった。
「そうや。チャーミーは任務成功させてきたで。やればできるんや。」
「へえ〜、ホンマやったんか。」
「よかったのれす。」
二人がアタシに賞賛を贈る。これでアタシもやっと一人前ね、と自慢しようとしたとき
「梨華ちゃ・・・いやチャーミー、ひょっとしたら色仕掛けで落としたんちゃうか。」
「かららつかってにんむせいこうさせたのれす。」
二人がなにげなく放った冗談だったが、アタシはその一言を聞いて顔からさっと血の気が引いた。
また呼び起こされる昨日のアタシの身の上に起こったこと・・・
「ははは〜。実はそうなの。このアタシの美貌とナイスバディでねっ。」
アタシは懸命にジョークを放つ。
「いや〜ん。」
「ふけつなのれすう。」
「実はチャーミーって好きモンちゃうか。」
「おとこほし〜いなのれす。」
「きゃっ、チャーミーったらあ」
「「えっちい〜っ。」」
どうやら二人もジョークだと思ったらしく、遠慮ない言葉を投げつけてくる。
だがその言葉は鋭い刺のようにアタシに突き刺さった。
「ほらほら、あんたらもうええやろ。ええかげんにし。」
「は〜い。」
ボスが二人を叱る。叱られて二人はしゅんと頭をさげていた。
「ほんまにご苦労さんやったな。今日はもう帰ってええで。また任務があったら指令するさかいな。
それとな、チャーミー。アンタに言うとく。これからホントに色仕掛けするときもああるやろけど、
アンタ結構状況に流されやすいからな。注意せんと身滅ぼすで。これはウチからの忠告や。」
ボスに言われてアタシはアジトを後にする。
家に帰る間中、アタシの心は晴れなかった。
二人に言われた
「実はチャーミーは好きモンちゃうか。」
「おとこほし〜いなのれす。」
「チャーミーったら、えっち〜。」
という言葉が耳にこびりついて離れない。
そう・・・確かにアタシは任務を成功させた・・・
でもそれは男に体を投げ出して・・・いいえ、そんな立派なものじゃない。
男に体を弄ばれ、嬲られて・・・その挙句男のほんの気まぐれによって成功したにすぎない・・・
その間アタシは・・・アタシのしたことはただ欲望に負けて快楽を貪っていただけ・・・
アタシはなにもしてない・・・ボスの言うとおり、状況に流されてしまっただけ・・・・
スパイとしては失格だわ・・・
またネガティブモードになってしまったアタシの目から、涙が一筋こぼれ落ちた・・・
その日から当分アタシは自宅待機ですることがなかった。
一人でいたら、余計にネガティブになる・・・
そしてお風呂に入るたびにイヤでも目に入るアタシの赤ん坊のようなその部分・・・
そして・・・夜になるとベッドの中で自分を慰めている・・・・
一度火がついたアタシの本能は、容易なことで収まろうとはしなかった・・・
そんなことが何日か続いたある日・・・
アタシはいつしか無意識のうちにあのビルの前に立っていた・・・
いや、無意識なんかじゃない。ひょっとしたら・・・
男が最後に言ったことを期待していたのかもしれなかった・・・
そう・・・欲しくなったらいつでもここに来いというその一言を・・・