【必勝不敗】能代工業 十九冠目【V58】

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71バスケ大好き名無しさん
ミセ*゚ー゚)リ

(;"ゞ)(動いて、動いてよ! 暴走しない程度に!)

向こうが動かないから、つい俺まで固まってしまう。
この浜辺で、波だけが時間の流れている証明のようだった。

(;"ゞ)(……お?)

固まり続けてどれくらい経った頃だろう。
まず、瞳が飛び出てしまうそうなくらいに大きく目が見開かれた。

ミセ;゚ー゚)リ

次に、ゆっくりと桜色の唇が開かれた。
それから、金魚みたいにぱくぱくと開いては閉じてを繰り返す。

ミセ;゚д゚)リ





(;"ゞ)「な、に? その――」



幽霊でも見たような顔は、と。
そう問いかけようとした瞬間だった。





ミセ;゚д゚)リ「デルタぁああああああああっ!!??」



(;"ゞ)「はいいいいいいいいいぃ!?」



あの子は、俺の名前を叫びながら押し倒すという暴挙に打って出た。




ミセ;゚д゚)リ「そうなの!? ねぇ!!」

(;"ゞ)「そうですけどおおおおおおお!?」

真夏の砂浜で馬乗りになって俺の肩を掴んで、がくがくと前後に揺さぶる美少女。
なんでこんな事になったのかも分からず、視界が揺れる度に思考がぐちゃぐちゃになっていく。
とりあえず訳が分からない状況から逃れたい一心で、彼女の問いに応えた。

ミセ;゚д゚)リ「やっぱり!」

俺の肩を揺さぶる手が止まって、景色が彼女の顔のどアップで固定される。
しかし、まだ俺の体の上からどいてくれる気配は無い。
それどころか、何かを探るように見つめてくる。
72バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 16:44:45.57 ID:???
(;"ゞ)「あ、の、ところで……やっぱり、って……なんですかね?」

下心は完全に消え失せて、警戒心で胸が満たされる。
自分でも驚くくらいどもりながらも、恐る恐る疑問をぶつけてみた。

ミセ;゚д゚)リ

ミセ;゚ー゚)リ

それに対する返答はなく、代わりに驚きに満ちていた表情が困り顔に変わった。




ミセ;゚ー゚)リ「もしかして、さ」

(;"ゞ)「なんでしょうか?」

ミセ;゚ー゚)リ「覚えて……ない?」

(;"ゞ)「……?」

さっきまでの騒がしさはどこへ行ったのか、波が寄せては返す音だけが流れる。
だんだん冷静になっていく頭の中で、ひとつひとつのピースが組み立てられていく。

(;"ゞ)(そういえば、この子はなんで……俺の名前を知ってるんだ?)

俺と彼女は初対面のはずなのに、名前を知っているはずがない。
加えて、俺の顔を見た時の反応といい、俺に覚えていないのかと聞いたり。

ミセ;゚ー゚)リ

(;"ゞ)(まさか……)

あるひとつの可能性が頭をよぎって、汗が一気に引っ込む感覚を覚えた。
よりによって、こういうケースで一番あってはいけない可能性だ。





(;"ゞ)「えーっとですねー、はい、あの」

ミセ*゚ー゚)リ「?」

口に出した後の事を考えると、喉に綿が詰まったような息苦しさを感じる。
何度か咳払いをしてようやく決心が固まり、非常に聞きづらい質問を彼女に切り出した。

(;"ゞ)「もしかしてですね、わたくしとあなたさまは……」

ミセ*゚ー゚)リ「はあ……」

(;"ゞ)「前にどこかでお会いした事があったのでしょうか、なんて……」

もし、本当にそうだったなら失礼極まりない事態だ。
だけど正直な話、こんなに可愛い子なら俺が覚えていないはずがない。
小中高全ての可愛い子の顔と名前は、全員覚えているのが数少ない俺の自慢なんだから。
73バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 16:45:29.20 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ

ミセ*゚−゚)リ

ミセ#゚−゚)リ

(;"ゞ)(アウトおおおおおおおおおおおおおお!!)




口元を尖らせて、誰にでも分かるくらい不機嫌そうな表情に変わる美少女。
そんな顔をしてても可愛らしさは変わらないけど、それを堪能する余裕がない。
場を取り繕うために熱暴走寸前の頭を回転させる。

(;"ゞ)(うわあああああ頑張れ俺えええええええ!!)

ミセ* − )リ「ほんとに……覚えてないの?」

(;"ゞ)「……え?」

怒っていたかと思うと、彼女はすぐに顔を伏せて残念そうに呟く。
打って変わってしおらしさ全開の態度に、自責の念がこみ上げてくる。

(;"ゞ)「ごめん……なさい」

気付くと俺は、自然と謝罪の言葉を口にしていた。
数瞬して再び顔を上げた彼女は、改めて俺の目を真っ直ぐに見つめる。
それから、視界の端に見えていた桜色の唇がゆっくりと動いた。

ミセ;゚ー゚)リ「……ミセリ」

(;"ゞ)「へ?」

ミセ;゚ー゚)リ「あたしの、名前」



(;"ゞ)「ミセリ……ミセリ……」

うわごとのように何度も繰り返しながら、頭の中の引き出しを開けていく。
しかし、やっぱり思い出す事が出来ない。

ミセ;゚ー゚)リ「10歳の時、実家から来たけどここに独りでいたあたしに、遊ぼうって声をかけてくれて」

俺を見かねてか、謎の美少女改めミセリが口を開く。

ミセ;゚ー゚)リ「あちこち連れて行ってくれて、家に呼んで一緒にスイカ食べたりして」

(;"ゞ)「う……ん……」

何も無い真っ白な空間に少しずつ下描きがされていく感覚。
それはやがて綺麗な線画になって、極彩色で染まっていく。

ミセ;゚ー゚)リ「あたしが帰る日になって、泣きながらわがまま言ってる時に」

(;"ゞ)「くっ……ん……」

描かれた絵がアニメのように動き始めて、声が付いていき。
そして、