('A`)(そういやデレはおねしょ癖とか無いのかな……。俺は小2まで治らなかったけど)
('A`)(布団湿ってないか調べといた方がいいかな……)
('A`)(もしおねしょしてたら着替えの手伝いを……)
(;'A`)「って何考えてんだ俺は!変態かっ!!」
ζ(゚ー゚*;ζ「わっ!!どうしたのドクオおじさん!?」
ドクオが一人で想像を膨らませて一人で自己嫌悪に陥ってるところで、丁度デレがトイレから出てきた。
いつの間にかちゃんと目を覚ましたようだ。
(;'A`)「だ、大丈夫だ。ちょっと自分の中の何かが暴走してた……」
ζ(゚ー゚*;ζ「……よーかいのち?」
(;'A`)「まだ信じてたのか!!人間だっての!!」
('A`)「少し早いが……朝飯にするか?」
ζ(゚、゚*ζ「……」
リビングに戻り、ドクオは食パンの袋をガサガサとしながらデレに話しかける。
しかしデレは周囲をやけに気にしていた。
昨日と特に変わったところもないのに、一体何が気になるというのか。
('A`)「どうした?デレ」
ζ(゚、゚*ζ「おとーさんは?」
('A`)「ああ、ブーンか。……そういや、ブーンが帰って来たときデレは寝てたからなぁ」
デレはブーンが今日早めに家を出て行くのを聞かされていない。
いつもならいるはずの父親がいないのだから、不思議に思って当然か。
('A`)「ブーンはもう仕事に行ったよ。今日はちょっと早く行かなきゃいけなかったんだ」
ζ(゚、゚*ζ「そうなの?」
('A`)「ああ……。デレは寝てたから、教えられなかった。ごめんな」
ζ(゚、゚*ζ「……」
('A`)「デレ?」
ζ(゚、゚*ζ「……おとーさんに、おかえりなさいもいってらっしゃいもいえなかった」
('A`)「デレ……」
少し俯きながらデレが呟く。
なんて父親思いの子なんだろう。
それなのに父親は、この子に心配をかけて……。
ζ(゚ー゚*ζ「あ……。早くご飯にしよ!ドクオおじさん!」
('A`)「あ、ああ」
努めて明るく言ったデレを見て、ドクオは居たたまれない気分になる。
何故自分には、何かを変えようと行動することが出来ないのかと……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
社会人というものを、僕は舐めていた。
高校までと違い、結果だけで全てが評価される世界。
高卒だからとか、一生懸命やっているからとか、そんな事は関係無かった。
どんだけ必死にやったって、小さなミス一つで上司からこっぴどく叱られる。
仕事もハードで、毎日のように疲労が蓄積されていくだけ。
正直、辛かった。
だけど僕はくじける事なんて無かった。
僕には、彼女がいてくれたからだ。
彼女は、自分だって忙しいだろうに毎晩のように電話をかけてきてくれた。
ご飯はちゃんと食べてるか、だとかちゃんと寝てるか、だとか仕事は辛くないか、だとか。
そっちこそ、勉強は大丈夫なのかと聞いたら、学生と社会人じゃ大変さが違うでしょと返された。
学校が休みの日とかには、わざわざ家まで来て夕飯を作ってくれたりもした。
「か、彼女なんだから、このくらい当たり前でしょ!」
そんな事を言いながら彼女は僕を支えてくれる。
それだけで僕はどれだけ辛くてもやって行ける気がした。
そして、もっともっと頑張らなくてはとも思った。
いつかは二人分……いや、三人分、四人分を養えるようにならなくてはいけないから……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、ドクオおじさん、またねー!」
('A`)「おう。……クーもよろしくな」
川 ゚ -゚)「ああ。お前と一緒にいさせるよりは安心だ」
(;'A`)「どういう意味だ!」
時刻は9時を回った頃。
デレはドクオに連れられいつものように幼稚園に来た。
いつものようにクーに朝の挨拶をし、ドクオと別れの挨拶をすませ、いつものように自分の教室に入る。
ただ、いつもと違ったのは、普段自分より早く来ているはずの友人の靴が無かった事だろうか。
(*゚ー゚)「あ、デレちゃんおはよー」
ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃんおはよー!……わたちゃんはまだきてないんだね」
(*゚ー゚)「ねー。いつもならいちばんにきてるのにね」
前にも言ったが、渡辺の家庭は少々問題を抱えている。
そのため彼女の母親がパートに行っているのだが、
パートの出勤時間の関係で早いうちに渡辺を幼稚園に送り出さなくてはならなかった。
だから、渡辺はいつも一番早く幼稚園に来ていたのだ。
川 ゚ -゚)「みんな集まったかー?」
ζ(゚、゚*ζ「あ、クーせんせー」
川 ゚ -゚)「む、どうした?」
ζ(゚、゚*ζ「わたちゃん今日はどうしたのー?」
川 ゚ -゚)「……事情があって、今日は遅れるみたいだ。デレちゃんは気にしないでいい」
ζ(゚、゚*ζ「……?」
クーが少し困ったような顔をしたのを、デレは見逃さなかった。
ただ、なんで渡辺の遅刻で困るような事があるのかは、理解出来なかったようだが。
クーは困ったと言うよりは焦っていた。
ブーンとデレの事も心配なのに、急に新たな心配事が増えてしまったのだから。
从'−'从「……」
ζ(゚ー゚*ζ「あ!わたちゃんだー」
渡辺が幼稚園に来たのは、お昼近くになってからだった。
デレは笑顔で渡辺に寄って行くが、すぐに違和感に気づき表情を変えた。
ζ(゚、゚*ζ「わたちゃんどうしたの?おなかいたい?」
从'−'从「……ううん、ちがうよ。おかあさんがね……」
从'−'从「おとうさんとりこんするんだって」
ζ(゚、゚*ζ「りこん……?」
まだ幼いデレにも、離婚の意味は理解できた。
ただ、テレビとかでしか聞いたことが無い話を、自分の一番の友達の両親が、ということはすぐ理解できなかった。
从'−'从「それでね、デレちゃん……」
从'−'从「わたし、おかあさんといっしょにとおくにいかなきゃいけないんだって」
ζ(゚、゚*ζ「え……?」
从'−'从「デレちゃんと、バイバイしなきゃいけないんだって」
ζ(゚、゚*;ζ「え……?バイバイ……?」
从'ー'从「……でも、だいじょーぶだよ!デレちゃんには、しぃちゃんとか、ほかのおともだちもいっぱいいるし」
从'ー'从「わたしも、おてがみとかちゃんとかくから」
ζ(゚、゚*;ζ「で、でもわたちゃん……」
从'ー'从「わたしもだいじょーぶだよ。おかあさんといっしょにがんばるから」
从^ー^从「えへ、えへへ……」
ζ(゚、゚*;ζ「……」
デレは頭の中がゴチャゴチャになっていた。
大切な友達の両親が離婚してしまうこと、その友達がどこか遠くに行ってしまうこと。
……辛いはずの友達が笑っていること。
それらを一度に理解するには、デレはあまりにも幼すぎた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ただひたすらに、馬車馬のように働いた。
さすがに三年も経つと仕事にも慣れてミスも随分と減った。
そして、ひたむきに頑張り続ける姿は、『仕事の評価』ではなく、『僕自身への評価』を上げてくれた。
おかげで上司にも気に入られ、職場での人間関係も円滑になった。
だから余計に仕事が捗った。
毎日毎日ヘトヘトになるまで働き続けて、彼女には随分心配をかけた。
「働きすぎよ!バカ!!」と怒られたこともあったが、あと少しだけ頑張る必要があった。
そして、その年の夏。
ようやく僕の目標に手が届いた。
いつもより少し洒落た服を着て、小さい頃一緒によく遊んだ公園に彼女を呼び出した。
本当はレストランとか、そういうオシャレな場所がよかったのかもしれない。
でも、僕には……僕達には、そこが一番いい気がした。
「どうしたの?こんなところに呼び出して。……まさか、この歳になって一緒に遊ぼうって言うんじゃないでしょうね」
―――違うお
「じゃあ何?ピクニックするならもっといい場所があるでしょ?」
―――違うお
「まあ、公園で一緒にのんびりするってのも悪く……」
―――ツン
「っ……!」
―――ブーンと、結婚してくださいお
―――これからも、ずっとずっと、ブーンと一緒にいてくださいお
僕よりも賢い彼女が、気づかないわけなかった。
僕が、いつもと違う服装で、彼女と一緒に遊んだこの場所に、彼女を呼び出した理由を。
彼女の性格はもうよく知っている。
ああやって関係のない話にもっていこうとしたのはただの照れ隠し。
―――それとも、僕からちゃんとその言葉を聞く前に、泣いてしまわないようにしていたのだろうか。
簡単な、僕なりの、僕らしいプロポーズの言葉。
彼女は何か言おうとして……何かが詰まっているかのように言葉は出てこなくて。
代わりに両目から大粒の涙が溢れ出した。
多分、生まれて初めて見る彼女の涙。
誰よりも優しくて、誰よりも強くて、そして誰よりも大切な彼女の……涙。
彼女は涙で目を赤く腫らしたまま優しく微笑んで
「幸せにしてくれなきゃ……許さないんだからね」
そう、言った。
「おい!!内藤!!」
「バカ!後ろだうs;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ζ(゚、゚*ζ「……」
昼休み。
他の園児達は昼食を食べているのに、デレは一人で園庭のブランコに座っていた。
もちろん、それに気づかないクーではない。
自分の昼食に手を付けず、デレの元へと歩いていく。
川 ゚ -゚)「デレちゃん。お昼ご飯の時間だぞ」
ζ(゚、゚*ζ「クーせんせー……」
川 ゚ -゚)「どうした……って聞くまでもないか」
川 ゚ -゚)「……聞いたんだな」
ζ(゚、゚*ζ「うん……」
いつも元気が自慢のデレがこんなに落ち込んでいる姿を見るのは、クーも初めてだった。
だが、この歳で親友との別れを経験するのだ。
こうなるのも仕方あるまい。
ζ(゚、゚*ζ「わたちゃん、とおくにいっちゃうんだね」
川 ゚ -゚)「……そうだな」
ζ(゚、゚*ζ「それに、わたちゃんはおとーさんともはなればなれになっちゃうんだね」
川 ゚ -゚)「……」
ζ(゚、゚*ζ「……わたちゃん、さびしいよね」
川 ゚ -゚)「……そう、だな」
ζ(゚、゚*ζ「……でも、なんでわたちゃんはわらってたんだろう」
川 ゚ -゚)「……!」
デレの疑問に、クーは衝撃を覚えた。
なんで笑っていたのか?
なんでそんなことがわからないのか……。
そこまで考えて理解した。
わかるわけがないのだ。
デレはきっと知らない。
辛いのに、笑わなきゃいけない時があることを。
顔は笑っているのに、心では泣いて、助けを求めていることがあるのを。
デレはいつも、壊れた笑顔しか見ていなかったのだから。
川 ゚ -゚)「デレちゃん……。人が笑う時には、二つの場合があるんだ」
ζ(゚、゚*ζ「ふたつ……?」
川 ゚ -゚)「楽しい時と、悲しい時。その時に、人は笑うんだ」
ζ(゚、゚*ζ「かなしいのに……わらうの?」
ζ(゚、゚*ζ「なんで……?」
川 ゚ -゚)「……」
なんで、人は悲しい時にも笑うのだろう。
相手に心配をかけないため?
確かに今回はそれに当てはまるだろう。
だが、あいつは……?
ブーンの笑顔は……?
ブーンは、何故笑っているんだろう……
ζ(゚、゚*ζ「ねぇ、クーせんせ……」
ζ(ФωФ;ζ「クー先生!!」
デレがクーに再度問いかけようとした時、突然別の先生が園庭に飛び出してきた。
川 ゚ -゚)「どうした?そんなに慌てて……」
ζ(ФωФ;ζ「デレちゃんも……ちょうど良かったわ」
ζ(゚、゚*ζ「ロマせんせー……?」
ζ(ФωФ;ζ「いい?二人とも、落ち着いて聞いてね」
川 ゚ -゚)「だからどうしたと……」
ζ(ФωФ;ζ「デレちゃんのお父さんが、職場で機材に押しつぶされて……」
川; ゚ -゚)
ζ(゚、゚*ζ「…………え?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
小さな教会で、小さな結婚式を挙げた。
式に来てくれた人は少なかったけど、幸せだった。
様々な讃辞が飛び交う中心に、僕らはいた。
彼女は恥ずかしいのか終始俯き気味ではあったが。
もちろん、ドクオとクーも来てくれた。
式が終わった後は、4人で僕の家に集まって騒いだ。
二人とも僕らをからかってはツンから制裁を受けていた。
なんだか高校の頃に戻ったようで、少し懐かしい気分になれた。
クーは幼稚園の先生を目指しているようで、「もしかしたら、お前達の子どもを私が面倒見ることになるかもな」と言ってきた。
子ども、というワードに思わず反応したのは彼女も同じようで、
ちらと横に視線を送るとすぐに右の拳が飛んできた。
子ども……。
今までは漠然としか考えていなかったが、いざ自分が父親になるとなったら、途端に不安が首をもたげてきた。
僕は、父のような父親になれるのだろうか……?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(;'A`)「はぁ……はぁ……」
(;'A`)「あ、クー!!」
川 ゚ -゚)「病院で走るな。あと、静かにしろ」
(;'A`)「そうも言ってられるか!ブーンは!?」
川 ゚ -゚)「まだ手術中だ」
('A`)「……そうか」
ブーンの話を聞いたクーはデレを連れてすぐにブーンの搬送された病院へ向かった。
幼稚園の先生達も、クーとブーンが友人同士ということを知ってるからか、
「今日は幼稚園に戻って来なくてもいい」と言ってくれた。
('A`)「デレは……?」
川 ゚ -゚)「あそこだ」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
(;'A`)「……」
デレはベンチに浅く腰掛けて、手術中のランプをじっと見つめていた。
……薄く微笑み、死んだ魚のような瞳で。
それは、父親の葬儀に参列した時のブーンの表情と同じだった。
(;'A`)「デレ……?」
川 ゚ -゚)「……残酷な物だな。親友と離れ離れになる話を聞いた後で……これだ」
心を抉るような出来事が立て続けに2つ。
しかも今現在たった一人の肉親を失うかもしれないのだ。
普通の子どもならば状況が飲み込めないだろうが……デレは違う。
母親を亡くしている彼女は「死」がどういうことかを知っている。
もしブーンに何かあったら……きっと彼女は耐えられないだろう。
10分……20分。
どれくらいの時間が経ったろうか。
一向に進まない時計の針にドクオがイライラし始めた頃、手術中のランプが消えた。
川; ゚ -゚)(;'A`)「「!」」
( ´ー`)「ん?親族の方ですか?」
川; ゚ -゚)「いや、私たちは彼の友人だ」
(;'A`)「それより、ブーンは……?」
( ´ー`)「大丈夫です。命に別状はありません。夜になる頃には目を覚ますでしょう」
川; ゚ -゚)
(;'A`)
川; - .-)(;-A-)「「はぁぁぁ……」」