みんなが受験勉強している中、一人だけ就職活動するのは寂しかったし、辛かった。
学もなく、コネも無い僕を雇ってくれる企業なんて無かったから就職活動は難航した。
そんな僕をみんなは心配して、よく様子を見に来てくれた。
それだけで、僕は笑うことができた。
みんなのおかげで、僕は辛くとも頑張ろうと思うことができた。
彼女は、自分の勉強も忙しいはずなのに毎日僕に弁当を作って来てくれた。
大変だろうから、わざわざ作ってくれなくてもいいと言ったら怒られた。
いつもの照れ隠しとは違う、本気の怒り方だった。
「大変なのはみんな一緒でしょ!何のためにあたしがあんたに弁当作って来てあげてるのか考えなさいよ!!」
「……大変な時は、お互い助け合うのが友達でしょ。そんなこともわからないの?」
彼女は少し表情を緩めてそう言った。
彼女の言葉が嬉しくて、彼女の気持ちが嬉しくて、僕は泣いてしまった。
父が死んでしまった時以来の涙だった。
彼女や、みんなのおかげで、僕は辛く苦しいその時期をなんとか乗り切れるような気がした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
('A`)「デレは?」
川 ゚ -゚)「大丈夫。もう寝かしつけた」
時刻はもう11時を回っていた。
それなのにブーンはまだ帰ってこない。
デレもブーンが帰って来るまで待とうとしていたが、時間が時間のため、クーが無理矢理寝かせた。
('A`)「……しかし、遅いな。ブーンの奴」
川 ゚ -゚)「まったくだ。こんな時間まで何をやってるんだ」
('A`)「……ツンがいたら、あいつ帰って来たらボコボコにされてたろうな」
川 ゚ー゚)「はははっ。確かに、ツンならやりかねんな」
ξ#'A`)ξ「こんな遅くまでなにやってたのよ!待ってる私たちの身にもなりなさいよね!!」
('A`)「とか」
川 ゚ー゚)「あいつなら言いそうだ」
ツンの話をする2人の表情はとても柔らかかった。
先ほどデレが「おかあさん」と呟いた時のような緊張感は微塵も感じられない。
以前にも言った通り、2人ともツンの事を話題に出すのにもう抵抗は無いのだ。
川 ゚ -゚)「……デレちゃんも、そのうちツンみたいになるのかな」
('A`)「……」