川 ゚ー゚)「……ふふっ。ほら、行くぞ」
ζ(^ー^*ζ「わーい!クーせんせーとごはんー!」
デレははしゃいでクーの周りをグルグルと回った。
端から見れば、母親の周りを走り回る娘といった風に映るだろう。
だが、クーにはわかっていた。
自分では……いや、誰にも彼女の母親の代わりなど決してできないということが。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
中学に入学して、さっそく僕は人気者だった。
彼女とは違うクラスになってしまったけれど、そのおかげで不安はなかった。
でも、僕は度々彼女のクラスまで遊びに行っていた。
彼女も人気者だった。
そんな彼女と一番仲良さそうにしている女の子がいた。
黒い長髪がよく似合った可愛い子だった。
しばしその子に見とれていると、彼女は途端に不機嫌になってしまった。
僕は一生懸命取り繕って、彼女の機嫌を戻そうとした。
そんな僕らのやり取りをその子は笑って見ていた。
その子はとても頭が良くて、テスト前にはよくお世話になった。
ただ唯一問題があるとすれば、僕がその子にばかり話を聞いていると、
彼女は決まって機嫌が悪くなり、僕はその度に彼女のご機嫌を取らなければならなくなる。
ある日、その子はそんな僕らの姿を見て一言、
「お前達はまるで夫婦みたいだな」
と言った。
彼女は真っ赤になって否定した後、僕を散々に殴ったが、心なしか随分機嫌がよさそうに見えた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翌日、デレはいつも通り幼稚園にいた。
川 ゚ -゚)「まぁ、有名な手遊びはこれくらいだ。じゃあ、さっそくやってみるから二人組でペアを作ってくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「なーべーなーべーそーこぬけー」
从;'ー'从「そーこがぬけたらかえり……いたたたたた」
ζ(゚ー゚*ζ「わたちゃん、まわるのそっちじゃないよー」
川 ゚ -゚)「……うん。園児の数が偶数でよかった」