クーはそんなデレの姿にどこか安心しながら、いたたまれなさを感じた。
なぜその寂しさを、教育者である自分に見せてくれないのか、と。
隠しているわけではないのだろう。
無意識に、それを表に出そうとしていないのだ。
(;^ω^)「はぁ、ひぃ。ご、ごめんお。遅くなったお」
ブーンは全身汗びっしょりだった。
どうやらここまで走ってきたらしい。
膝に手を当て、荒い息を立てるブーンにデレはそそくさと寄っていき、
額から垂れる大量の汗を花柄のハンカチで拭ってやっていた。
ζ(゚ー゚*ζ「おとーさんすごいあせだー」
川 ゚ -゚)「まったく。だから免許を取れとあれほど……」
(;^ω^)「免許があっても車を買う余裕がないんだお」
川 ゚ -゚)「ん?貯金しているんじゃなかったのか?」
( ^ω^)「あれはデレの学費だお」
言いながらブーンはデレの手を握った。
優しく、それでいて離さないように、しっかりと。
( ^ω^)「小学校行って、中学に入って、高校に行って、大学に入る。
贅沢はさせてあげられなくても、せめてこれくらいはしてあげたいんだお」
クーはそれから何も言わなかった。
何も言えなかった。
ブーンのその昔からの笑顔の前では、何も……。
( ^ω^)「じゃあ帰るかお。デレもおなか空いてるお?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、おなかペコペコー」
( ^ω^)「……あ、クーも食べていくかお?」
川 ゚ -゚)「……独身の女を部屋にあげていいのか?」
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「いや、なんでもない。せっかくだし夕飯くらい代わりに作ってやろう」
( ^ω^)「お!ありがとうお!」