【必勝不敗】能代工業 十九冠目【V58】

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389バスケ大好き名無しさん
クーはそんなデレの姿にどこか安心しながら、いたたまれなさを感じた。
なぜその寂しさを、教育者である自分に見せてくれないのか、と。

隠しているわけではないのだろう。
無意識に、それを表に出そうとしていないのだ。


(;^ω^)「はぁ、ひぃ。ご、ごめんお。遅くなったお」


ブーンは全身汗びっしょりだった。
どうやらここまで走ってきたらしい。

膝に手を当て、荒い息を立てるブーンにデレはそそくさと寄っていき、
額から垂れる大量の汗を花柄のハンカチで拭ってやっていた。


ζ(゚ー゚*ζ「おとーさんすごいあせだー」

 
川 ゚ -゚)「まったく。だから免許を取れとあれほど……」

(;^ω^)「免許があっても車を買う余裕がないんだお」


川 ゚ -゚)「ん?貯金しているんじゃなかったのか?」

( ^ω^)「あれはデレの学費だお」


言いながらブーンはデレの手を握った。
優しく、それでいて離さないように、しっかりと。


( ^ω^)「小学校行って、中学に入って、高校に行って、大学に入る。
贅沢はさせてあげられなくても、せめてこれくらいはしてあげたいんだお」


クーはそれから何も言わなかった。
何も言えなかった。
ブーンのその昔からの笑顔の前では、何も……。


( ^ω^)「じゃあ帰るかお。デレもおなか空いてるお?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、おなかペコペコー」

( ^ω^)「……あ、クーも食べていくかお?」

川 ゚ -゚)「……独身の女を部屋にあげていいのか?」


( ^ω^)「お?」

川 ゚ -゚)「いや、なんでもない。せっかくだし夕飯くらい代わりに作ってやろう」


( ^ω^)「お!ありがとうお!」