クーにはそれが不思議でならなかった。
普通、片親の子どもというものはどこかしら心に問題を持つものだ。
ましてデレはまだ5歳。
彼女の"正常"さはある意味"異常"でもあった。
母親がいない故に娘がしっかりしてきたのだろうか。
まさか、中高生ならまだしもこんな子どもがそんなことできるはずがない。
ならばブーンの教育がいいのか。
どうしてもそうは考えられない。
では一体何故―――――
クーの思考はいつもそこでストップする。
いくら考えても、理由がわからなかった。
ζ(゚、゚*ζ「……」
川 ゚ -゚)「……ん?どうしたんだ?」
ζ(゚、゚*ζ「せんせー、むずかしーかおしてた」
川 ゚ -゚)「ああ、すまない。少し考え事をしていたんだ。気にしないでくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「なやみごと?」
川 ゚ -゚)「まぁ……そんなところだ。気にしないでくれ」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあおとーさんにそうだんにのってもらおうよ!」
川 ゚ -゚)「え……?」
ζ(゚ー゚*ζ「つらいことがあったり、こまったことがあったらすぐにとーちゃんにいうんだ、っておとーさんがよくいってるから。
きっとクーせんせーのちからになってくれるよ!」
川 ゚ー゚)「……ああ、ありがとう。機会があったら話してみるよ」
ζ(^ー^*ζ「えへへ」
川 ゚ -゚)(……考えすぎか。片親ということに固執しすぎたかな)
川 ゚ -゚)(……それとも父親があいつだから……)
ζ(゚ー゚*ζ「あ!おとーさんだ!」
西の方からこちらへ駆けてくる父親の姿を見つけて、デレの表情は一層明るいものになった。
やはり父親がなかなか迎えに来なかったことに多少の不安と寂しさを感じていたのだろう。