ブーンはクーにそう言うと、一度だけデレの頭を撫でてその場を後にした。
デレはその背中が見えなくなるまでそこを動かないでいた。
父の背をじぃっと見つめるその瞳には、どこか寂しそうな色が伺えた。
川 ゚ -゚)「……さぁ、そろそろ中に入ろうか」
ζ(^ー^*ζ「うん!」
クーの言葉にデレが笑顔で答える。
……父親譲りの明るい笑顔で。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
放課後、空が赤くなるまでめいっぱい遊んでから家に帰っても、僕は一人だった。
父は仕事で、母は僕がまだ小さいときに亡くなってしまったから。
でも、寂しいと思ったことは一度もなかった。
父は僕を母の分まで愛してくれたから。
仕事が休みの日にはいつも遊びに連れていってくれたし、そうでなくてもよく遊んでくれる。
そして父は僕にとって一番尊敬できる、強い人だった。
いつも笑顔でいてくれて、僕を元気づけてくれた。
父の笑顔を見たら憂鬱な気分もどこかへ行ってしまうのだ。
だから僕もこれからはずっと笑顔でいようと心に決めた。
いじめられても泣かないように。
誰かを元気づけられるように。
また彼女に誉めてもらえるように―――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(*゚ー゚)「せんせーさようなら」
川 ゚ー゚)「うん。さようなら」
(*゚ー゚)「デレちゃんもさようなら」
ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃんばいばーい」
時刻は2時を少し回った頃。
園児達は各々の母親に連れられて家路に着いていた。
しかし家庭の事情でどうしてもこの時間に迎えに来ることができない子供もいる。
デレもその1人だった。
从'ー'从「デレちゃ〜ん。こっちでおままごとしよ〜」
ζ(゚ー゚*ζ「うん。いいよー」