【必勝不敗】能代工業 十九冠目【V58】

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362バスケ大好き名無しさん
ξ゚听)ξ「…悪いけど、こんなところで働く気は」

( ^ω^)「あろうとなかろうと話は聞いてもらうお」

ξ゚听)ξ「……」



しかし今回は少しだけ、説明内容が違った。

( ^ω^)「君にやってもらう仕事は、ここの支配人だお」

ξ゚听)ξ「いきなり支配人なの?」

( ^ω^)「うん。今は僕がやってるんだけど、そろそろ終わりの時期だから」

彼女がこの話を請けてくれるなら、俺の役目は終わりだ。

( ^ω^)「支配人といっても大した仕事じゃないお」

園内の地図を取り出し、彼女に見せた。




ξ゚听)ξ「それだけ、って…どれだけあるのよ、アトラクション」

( ^ω^)「さぁ?数えたことないからわからんお。一応中身は全部把握してるけど」

ξ゚听)ξ「そんなの無理よ…」

( ^ω^)「ま、これは慣れだおね」

地図を閉じ、再びポケットにしまいこんだ。
重要なのはここからだ。恐らく、次に彼女から来る質問は『何故自分なのか』。

ξ゚听)ξ「何で私がそんなこと…」

予想通りだった。




彼女の履歴書を取り出した。

( ^ω^)「ここに来るには、二つ条件があるんだお」

( ^ω^)「まず一つ。大きな未練を抱えていること」

( ^ω^)「そして二つ」

ゆっくりと履歴書を表に返し、彼女に見せる。

( ^ω^)「既に死んでいる人間であること」

ξ゚听)ξ「…あ…」

( ^ω^)「最後の行、読めるかお?」
363バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 11:57:00.49 ID:???
そこには、『車に轢かれ事故死』と書かれていた。




ξ゚听)ξ「…ええ。嫌ってほど」

( ^ω^)「んじゃ、話の続き」

できるだけ淡々と、俺は話す。

( ^ω^)「あんたにできる選択は二つある」

( ^ω^)「一つはここで支配人として働き、来世に望みをかけること」

ξ゚听)ξ「来世って?」




ξ゚听)ξ「……」

( ^ω^)「支配人の場合、一万人をアトラクションに案内することがノルマになってる」

一万人。普通の遊園地なら大したことのない数字。
だが一日数人も来るか来ないか程度のここでは、随分と大きな数字だ。

ξ゚听)ξ「長いわね」

( ^ω^)「大したことじゃない」

ここで過ごした時間は長かったが、不思議と退屈ではなかった。

( ^ω^)「…で、もう一つの選択。消えることについて」

( ^ω^)「これは文字通り。完全に存在が抹消される。来世はないけど、悩む必要もなくなる」

ξ゚听)ξ「……」




( ^ω^)「どうしても働きたくないならそれもよし」

( ^ω^)「未練を晴らしたいならそれもよし」

( ^ω^)「…どっちにするかは、君次第だお」

ξ゚听)ξ「……」

彼女は長いこと黙っていた。俺も黙っていた。



ただ、できれば生きる選択をして欲しかった。
未練を抱えたまま死ぬことの辛さはよくわかっている。
だからこそ、その辛さを抱えたまま消えて欲しくない。
いつも面接の時に思っていることだった。