ξ゚听)ξ「…悪いけど、こんなところで働く気は」
( ^ω^)「あろうとなかろうと話は聞いてもらうお」
ξ゚听)ξ「……」
しかし今回は少しだけ、説明内容が違った。
( ^ω^)「君にやってもらう仕事は、ここの支配人だお」
ξ゚听)ξ「いきなり支配人なの?」
( ^ω^)「うん。今は僕がやってるんだけど、そろそろ終わりの時期だから」
彼女がこの話を請けてくれるなら、俺の役目は終わりだ。
( ^ω^)「支配人といっても大した仕事じゃないお」
園内の地図を取り出し、彼女に見せた。
ξ゚听)ξ「それだけ、って…どれだけあるのよ、アトラクション」
( ^ω^)「さぁ?数えたことないからわからんお。一応中身は全部把握してるけど」
ξ゚听)ξ「そんなの無理よ…」
( ^ω^)「ま、これは慣れだおね」
地図を閉じ、再びポケットにしまいこんだ。
重要なのはここからだ。恐らく、次に彼女から来る質問は『何故自分なのか』。
ξ゚听)ξ「何で私がそんなこと…」
予想通りだった。
彼女の履歴書を取り出した。
( ^ω^)「ここに来るには、二つ条件があるんだお」
( ^ω^)「まず一つ。大きな未練を抱えていること」
( ^ω^)「そして二つ」
ゆっくりと履歴書を表に返し、彼女に見せる。
( ^ω^)「既に死んでいる人間であること」
ξ゚听)ξ「…あ…」
( ^ω^)「最後の行、読めるかお?」
そこには、『車に轢かれ事故死』と書かれていた。
ξ゚听)ξ「…ええ。嫌ってほど」
( ^ω^)「んじゃ、話の続き」
できるだけ淡々と、俺は話す。
( ^ω^)「あんたにできる選択は二つある」
( ^ω^)「一つはここで支配人として働き、来世に望みをかけること」
ξ゚听)ξ「来世って?」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「支配人の場合、一万人をアトラクションに案内することがノルマになってる」
一万人。普通の遊園地なら大したことのない数字。
だが一日数人も来るか来ないか程度のここでは、随分と大きな数字だ。
ξ゚听)ξ「長いわね」
( ^ω^)「大したことじゃない」
ここで過ごした時間は長かったが、不思議と退屈ではなかった。
( ^ω^)「…で、もう一つの選択。消えることについて」
( ^ω^)「これは文字通り。完全に存在が抹消される。来世はないけど、悩む必要もなくなる」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「どうしても働きたくないならそれもよし」
( ^ω^)「未練を晴らしたいならそれもよし」
( ^ω^)「…どっちにするかは、君次第だお」
ξ゚听)ξ「……」
彼女は長いこと黙っていた。俺も黙っていた。
ただ、できれば生きる選択をして欲しかった。
未練を抱えたまま死ぬことの辛さはよくわかっている。
だからこそ、その辛さを抱えたまま消えて欲しくない。
いつも面接の時に思っていることだった。