( ^ω^)「ここについて、説明しとくかお?」
ξ゚听)ξ「ええ、お願い」
一応話を聞く気はあるようだ。
( ^ω^)「さっきも言ったけど、ここはブンダーランド」
( ^ω^)「夢の世界の遊園地だお」
ξ゚听)ξ「…夢?」
意識と無意識の境目、夢。その曖昧な世界の中にこの遊園地は生まれる。
ξ゚听)ξ「何のためにある場所なの?」
( ^ω^)「訪れた人の悩みを解消するためだお」
ξ゚听)ξ「へぇ。有意義な遊園地なのね」
( ^ω^)「そう、有意義なんだお」
来る側にとっても、来られる側にとっても。
( ^ω^)「…まぁ、着いてくればわかるお」
ξ゚听)ξ「そう」
俺は後ろに女を連れて歩き出した。
目的地はもう決まっている。
ξ゚听)ξ「色々あるのね…乗り物」
( ^ω^)「遊園地、来たことないのかお?」
ξ゚听)ξ「ええ。一回もないわ」
今時珍しい女もいたものだ。
( ^ω^)「…ああ、なるほど
ξ゚听)ξ「?」
ξ゚听)ξ「そう」
それから十分程歩きつづけたが、女はアトラクションを見回しつづけていた。
( ^ω^)「さて、着いたお」
ξ゚听)ξ「ここが目的地?」
( ^ω^)「そう」
懐からいつもの鍵束を取り出す。
これを使うこともなくなると思うと、少しだけ感慨深かった。
( ^ω^)「その想像は合ってると思うお」
ここはアトラクションではないのだから。
( ^ω^)「さ、こっちだお」
廊下を少し歩き、先程よりも簡素な造りの扉を開いた。
部屋の中にあるのは長机一つと椅子が二脚。
ξ゚听)ξ「小さな部屋ね」
( ^ω^)「面接会場なんてこの程度でいいんだお」
ξ゚听)ξ「え?」
( ^ω^)「あ、君はそっちね」
長机側の椅子に腰掛けながら女に着席を促す。
渋々、といった様子で女が座ったのを見計らい、ポケットから例の紙を取り出した。
( ^ω^)「これからいくつか質問をさせてもらうお」
ξ゚听)ξ「…どうぞ」
紙に書かれた個人情報を読み上げていく。
( ^ω^)「君の名前は津出ツン。年は二十三」
ξ゚听)ξ「合ってるわ」
最後の一行以外、全てを読み上げた。
どうやら彼女が津出ツンであることは間違いない。
紙に書かれていた彼女の肩書きは、『津出財閥令嬢』。
津出財閥といえば、俺が生きていた頃にも随分有名だったところだ。
あれから随分経ったが未だに繁盛しているらしい。
ξ゚听)ξ「…どうでもいいことよ。それより」
苛立ちを隠そうともせず、彼女は聞いてきた。
ξ゚听)ξ「面接って何なの?」
( ^ω^)「君がここで働けるかどうか、その面接だお」