( ^ω^)「明日からまた楽しく過ごしましょう」
( ^ω^)「そんな場所なんだお」
(;ФωФ)「はぁ…」
( ^ω^)
( ^ω^)「あんま嬉しそうじゃないおね」
(;ФωФ)「い、いや…事態を把握しきれなくて…」
( ^ω^)「おいおい慣れてくれればいいお」
( ФωФ)「…元の世界にはいつ帰れるのであるか?」
( ^ω^)「そりゃあんた次第だおね」
( ^ω^)「あっという間に帰ったやつもいれば、なかなか帰れなかったやつもいる」
( ^ω^)「…永遠に帰れなかったやつもいるけど」
(;ФωФ)「ええー…」
( ^ω^)「ま、そんなのはめったにいないから気にすんなお」
(;ФωФ)「気にするに決まってるのである…」
( ФωФ)「…案内とは?」
( ^ω^)「あんた用アトラクションへの案内だお」
( ФωФ)「どういう意味であるか?」
( ^ω^)「ここは見てのとおり、結構アトラクションがあるんだけど」
( ^ω^)「一人の人間が乗れたり入れたりするのは一種類だけなんだお」
( ФωФ)「…遊園地らしからぬシステムであるな」
( ^ω^)「色々とイレギュラーなところなんだお」
( ФωФ)「…お願いするのである」
( ^ω^)「おっけー、迷子にならないよう気をつけるんだお」
スタスタスタスタ
( ФωФ)「偉い数のアトラクションであるな」
( ^ω^)「数だけはどこにも負けないお」
( ФωФ)「…所々更地があるのが気になるが」
( ^ω^)「ああ、あれは撤去されたとこだお」
( ^ω^)「近々新しいのが完成する予定だお」
( ФωФ)「とてもそうは見えないのであるが…」
( ^ω^)「ちょっと立ち入ったこと聞いてもいいかお?」
( ФωФ)「…答えられる範囲なら」
( ^ω^)「あんた、さっき人と話すのは久しぶりって言ってたけど」
( ^ω^)「どれくらい話してないんだお?」
( ФωФ)「…恐らく二年程は」
( ^ω^)「うっわ、筋金入りだおね」
( ФωФ)「そうであるな。自分で言っておいて、ちょっとびっくりである」
( ФωФ)「自分でもほっとしたのである」
( ^ω^)「なんで二年も人と話してないんだお?」
( ФωФ)
( ФωФ)「…すまない」
( ^ω^)「言いたくないのかお?」
( ФωФ)「そうである」
( ^ω^)「そりゃ残念。せっかくいい酒の肴になると思ったのに」
( ФωФ)「…性悪なマスコットであるな…」
( ^ω^)「人間なんて八割方そんなもんだお」
( ФωФ)「…そう、であるな」
( ^ω^)「僕は色んな人の愚痴を聞いてきたお」
( ^ω^)「そのどれもこれも、思い出すと楽しくってしょうがないお」
( ФωФ)「とことん性悪であるな」
( ^ω^)「こんな場所に長年いると、嫌でもそんな思考になるもんだお」
( ФωФ)「そんな曖昧な…」
( ^ω^)「あ、あったあった。ここだお」
( ^ω^)「あんたは幸運だおね。ここはまだ、出来て日が浅いんだお」
( ^ω^)「故に中身も最新!多分!」
( ФωФ)「…そんな曖昧な…」
( ^ω^)「ままま、いいからいいから」
ガチャッ
( ^ω^)「いってらっしゃい」
( ФωФ)「……」
バタン
( ФωФ)「…さて、一体何が出るのやら」
パッ
ノパ听)「おーっす!」
( ФωФ)「…どうも」
ノパ听)「挨拶はもっと大きな声で!」
( ФωФ)「…どうも」
ノパ听)「もっと!」
( ФωФ)
( ФωФ)「どうも」
ノパ听)「…まぁ、よしとしてやろう」
ノパ听)「私の名前はヒート!『電脳チャンバラ』の管理人だ!」
( ФωФ)「なんであるか、『電脳チャンバラ』って」
ノパ听)「おっとその前に」
ノパ听)「名前を言われたら自分も名前を言う!それがマナーだろう!」
( ФωФ)「…ロマネスクである」
ノパ听)「うむ、それでよし」
ノパ听)「では施設紹介だ!」
ノパ听)「ここでは最新の機器によるバーチャルな空間を作り出し」
ノパ听)「限りなくリアルに近いバトルを楽しむことができるのだ!」
( ФωФ)「おお…なんか凄そうなのである」
ノパ听)「凄そうなんじゃない」
ノパ听)+「凄いんだ」
( ФωФ)「自信満々であるな」
ノパ听)「さて。とりあえず、これを被ってくれ」
( ФωФ)「了解である」
ノパ听)「目を瞑って」
( ΦωФ)「……」
ノパ听)「3」
ノパ听)「2」
ノパ听)「1」
ノパ听)「0!」
( ФωФ)「…おお」
( ФωФ)「見渡す限り荒野に…」
( ФωФ)
( ФωФ)「寂しい風景であるな」
ノパ听)「…ここは」
ノパ听)「お前の心象風景さ」
( ФωФ)
ノパ听)「お前の心の中にはこんな風景が広がっているらしいな」
( ФωФ)
( ФωФ)「…納得である」
ノパ听)「腰に剣があるだろう?抜け」
( ФωФ)「いつの間に…」
スラッ
( ФωФ)「随分軽いのであるな」
ノパ听)「その刀もバーチャルだからな」
( ФωФ)「…バーチャルにしては生々しい感覚である…」
ノパ听)「さて、それじゃ始めよう」
ノパ听)「『STAGE1』スタートだ」
ブブブブブブブブ
(;ФωФ)「…なんか、巨大な虫が来たのであるが」
ノパ听)「群がってくる巨大虫を斬り伏せろ!」
ズバッ! ボトッ
ノパ听)「こんな風にな」
( ФωФ)「うわぁ…」
ノパ听)「斬らないと死ぬぞ、バーチャルに」
( ФωФ)「わ、わかったのである」
ズバッ! ボトッ
(;ФωФ)「うぅ…やっぱバーチャルにしては生々しいのである…」
ノパ听)「でなきゃ、斬ることの快感も怖さも理解できないからな」
ズバッ!
( ФωФ)「確かに…この感覚は」
ズバッ!
( ФωФ)「良い感じと嫌な感じが混在しているやも」
ノパ听)「それを感じ取ってくれれば私も嬉しい」
ズバッ!
ノパ听)「…ふむ。今のが最後の虫だな」
ノパ听)「この先、『STAGE2』からは」
ノパ听)「人型の敵が出てくる」
( ФωФ)「……」
ノパ听)「つまり、お前は人を斬る感覚を味わう」
ノパ听)「中途退場は許さん、覚悟しろ」
( ФωФ)「…わかった」
ノパ听)「『STAGE2』だ」
( ФωФ)「…ああ」
ズバッ!
(;ФωФ)「……」
ノパ听)「どうだ?人を斬った感想は」
( ФωФ)「…意外と気持ちいい」
ノパ听)「ほう」
(;ФωФ)「ただ、同じぐらい気持ち悪い」
ノパ听)「それでいい。あと」
ノパ听)「後ろから来ているぞ」
( ФωФ)「え」
バゴン!
(;ФωФ)「…っが…!」
ズバッ!
ノパ听)「どうだ?殴られた感想は」
(;ФωФ)「な…なんで…こんなとこまでリアルに…」
ノパ听)「斬る感覚がリアルなんだ」
ノパ听)「殴られる感覚もリアルで何が悪い」
(;ФωФ)「…こんなの、何のメリットもないのである」
ノパ听)「何故そう思う?」
ノパ听)「そういう言葉は、痛みを知っているやつの言葉だ」
ノパ听)「二年も引きこもっていたやつが使っていい言葉じゃない」
( ФωФ)「…痛みなら…知っているのである」
( ФωФ)「嫌というほど、知っているのである」
ノパ听)「ふん」
ズバッ!
ノパ听)「いじめか、かっこ悪いな」
( ФωФ)「始まりは突然だ」
( ФωФ)「急に無視されるようになった」
( ФωФ)「所構わず殴られるようになった」
( ФωФ)「持ち物はどんどんなくなった」
ズバッ!
ノパ听)「それで引き篭もった、と」
( ФωФ)「我輩はもう、これ以上傷つきたくなかった」
( ФωФ)「だから引き篭もったのに」
ズバッ!
( ΦωΦ)「どうして、こんなところで」
( ФωФ)「痛い目に遭う必要がある…」
ズバッ!
ノパ听)「お前の境遇に同情はする」
ノパ听)「だが、だからといって痛みから逃げていいわけじゃないだろう」
ノパ听)「ほれ、また後ろにいるぞ」
ズバッ!
ノパ听)「そうだ、そうやって人は戦わなければいけない」
ノパ听)「だって痛いのは嫌だからな」
( ФωФ)「…違う」
( ФωФ)「痛いのが嫌なら、回避するべきだ」
( ФωФ)「戦えば、相手だって傷つく」
ノパ听)「同じ言葉を、お前をいじめたやつらに言えるのか?」
( ФωФ)「…それは」
ズバッ!
ノパ听)「『STAGE2』クリアだ」
ノパ听)「殴られるのが嫌なら、後ろで見ていろ。退場はできないがな」
( ФωФ)「……」
ノパ听)「お前だってさっき、知っただろ」
ノパ听)「人を斬るのは楽しいんだよ」
ノパ听)「気持ち悪さに目を瞑ればな」
( ФωФ)「…我輩は、嫌である。そこに目を瞑るのは」
( ФωФ)「斬った相手に目を瞑るぐらいなら、斬らないほうがいい」
ノパ听)「…『STAGE3』スタート」
ズバッ!
( ФωФ)
( ФωФ)「理解できないのである」
バゴッ!
ノハ#゚听)「ぐ…まだまだぁぁぁ!!」
( ФωФ)「どうして」
ズバッ!
( ФωФ)「そんなに、生き生きとしているのであるか」
ノハ# )「がっ…」
ドザァァ!
( ФωФ)「…痛くないのであるか」
ノハ#゚听)「痛いに決まってるだろうが!」
( ФωФ)「なら、どうして止めないのである」
ノパ听)「…それはな」