(´・ω・`)「心配はいらないよ」
('A`)「…失礼いたしました」
バタン
( ^ω^)「おいすー」
(´・ω・`)「やぁ」
( ^ω^)「どうだお?自分の半生を改めて見た気分は」
(´・ω・`)「古傷をぱっくり抉られた気分だよ」
( ^ω^)「そりゃ痛そうだおね」
(´・ω・`)「ああ、痛かった…でも」
(´・ω・`)「このまま傷口が腐っていくよりはマシだったんじゃないかな」
( ^ω^)「処置のおかげもあるんじゃないかお?」
(´・ω・`)「はは…確かに、あの電話は効いたよ」
(´・ω・`)「あれもアトラクションの一環なのかい?」
( ^ω^)「ところがどっこい現実です…!これが現実…!」
(´・ω・`)「…そうか」
( ^ω^)「何苦笑してんだお」
(´・ω・`)「…正直言って、怖いんだ。楽しくやれるか、わからないし」
( ^ω^)「んなこと言ってたら何もできんお」
(´・ω・`)「そりゃそうだけど」
( ^ω^)「思い出したんなら、行動あるのみなんじゃないのかお」
(´・ω・`)「わかってるよ。せっかくまた、石ころを磨くチャンスができたんだからね」
(´・ω・`)「宝石みたいな輝きは出せないだろうけど、磨きつづけてみるよ」
(´・ω・`)「そうしたらきっと、自分が満足できるぐらいには光るだろうから」
( ^ω^)
( ^ω^)「ま、せいぜい頑張るといいお」
( ^ω^)「さて、と。そろそろ閉園時間だお」
(´・ω・`)「随分早いんだね」
( ^ω^)「あんたが帰る時間が閉園時間だからしょうがないお」
(´・ω・`)「…なるほどね」
( ^ω^)「なんならもう少し居座ってみるかお」
(´・ω・`)「止めておくよ。早く帰らないと仕事に遅れそうだ」
( ^ω^)「つまらないんじゃなかったのかお?」
(´・ω・`)「下手にサボって休日出勤なんか食らってみろ。もっと辛いぞ」
( ^ω^)「なるほど」
(´・ω・`)「帰り道はこっちでいいのかな?」
( ^ω^)「まっすぐ行けば元の世界だお」
(´・ω・`)「わかった」
( ^ω^)「二度と戻ってくるんじゃないお」
(´・ω・`)「映画館の人にも言われたよ」
( ^ω^)「そんだけ戻ってきて欲しくないってことだお」
(´・ω・`)「…ああ、約束する」
( ^ω^)
( ^ω^)「それじゃ」
( ^ω^)「さようならだお」
(´・ω・`)「さようなら」
( ^ω^)ノシ
( ^ω^)
( ^ω^)「無事、帰ったようだおね」
( ^ω^)「あー…疲れた…さっさと閉めるとするかおー…」
「……」
( ^ω^)
( ^ω^)「やれやれ…またお客さんかお…」
( ^ω^)
( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」
( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第2話 川 ゚ -゚)
( ^ω^)「…GWだってのに何で僕はこんな寂れた遊園地にいるんだお…」
( ^ω^)「こんな時期にこんなところに来るやつなんかいないっての」
( ^ω^)
( ^ω^)「よーし決めたお!今日は閉園!」
川 ゚ -゚)「なんだ、閉めるのか」
( ^ω^)
川 ゚ -゚)「ああ」
( ^ω^)「…帰る気は?」
川 ゚ -゚)「帰ろうにも方法がわからん」
( ^ω^)「ま、そりゃそうか」
川 ゚ -゚)「あなたが教えてくれるなら、別だが」
( ^ω^)「それがそういうわけにもいかないんだお」
川 ゚ -゚)「そうなのか」
( ^ω^)「さて…一応、決まり文句だから言っとくお」
( ^ω^) コホン
( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」
( ^ω^)「あったら逆にびっくりするわ」
川 ゚ -゚)「…遊園地、なのか?」
( ^ω^)「ま、そんなとこだお」
川 ゚ -゚)「ふむ」
( ^ω^)「とりあえず付いてくるお。アトラクションに案内するお」
川 ゚ -゚)「わかった」
( ^ω^)「規模だけはどこの遊園地にも負けないお」
川 ゚ -゚)「誰もいないようだが」
( ^ω^)「色々とワケありなんだお」
川 ゚ -゚)「そうか」
( ^ω^)
川 ゚ -゚)
( ^ω^)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「そう言われてもな。初見の相手に話すほどの愚痴も悩みも持ち合わせていない」
( ^ω^)
( ^ω^)「何でお前ここ来たんだよ」
川 ゚ -゚)「知らん」
( ^ω^)「やれやれ…ま、いいお」
( ^ω^)「ここに来たって時点で、あんたに何かしらの悩みがあるのはわかってんだお」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「さぁな」
川 ゚ -゚)「…お化け屋敷か」
( ^ω^)「どうだお?外見だけでちびっちゃいそうだお?」
川 ゚ -゚)「凝ってるのは認めるがそれはない」
( ^ω^)
( ^ω^)「つまんね」
川 ゚ -゚)「悪かったな」
( ^ω^)「お前生まれつきそんななのかお」
川 ゚ -゚)「…そうだ」
( ^ω^)「ふーん」
( ^ω^)「ここまで来て入らなかったらどうかしてるだろ」
川 ゚ -゚)「それもそうか」
( ^ω^)「ほんっと喋りがいのない女だお…」
川 ゚ -゚)「ほっとけ」
ガチャ
川 ゚ -゚)「じゃあな」
( ^ω^)「はいはいいってらっしゃいいってらっしゃい」
バタン
川 ゚ -゚)「暗いな…」
ヒュ~ドロドロドロドロ~
川fд川f「うらめしや〜」
川 ゚ -゚)「どうも」
川fд川f
川д川「驚いてくれないとこっちも商売上がったりなんだけど」
川 ゚ -゚)「胸に『STAFF』って縫ってありますが」
川д川
川д川「呪詛です」
川 ゚ -゚)「はぁ」
川д川「いや…つっこんでよ…」
川 ゚ -゚)「私はクーです」
川д川「じゃ、早速だけどクーちゃん。あなたにはここを歩いて行ってもらいます」
川 ゚ -゚)「言われなくてもそのつもりです」
川д川「おっと、ちょい待ち。行くって言っても、一人じゃないの」
川 ゚ -゚)「…?他に誰かいるんですか?」
川д川「この先で待機してるから、一緒に行ってね」
川 ゚ -゚)「わかりました」
川 ゚ -゚)「はぁ…」
川д川「おっと、あんまり待たせたら可哀想ね。ごゆっくりどうぞ」
フワァ…
川 ゚ -゚)「…行くか」
川 ゚ -゚)「む…あの人か?」
川 ゚ -゚)「すいません」
_
( ゚∀゚)
川 ゚ -゚)
_
( ゚∀゚)
川 ゚ -゚)「…な」
川 ゚ -゚)「…なんで…お前が…」
_
( ゚∀゚) スタスタスタ
川;゚ -゚)「…や…やめろ!来るな…!」
_
( ゚∀゚) ブンッ
川; - )「ひっ…!」
川; - )
川; - )「…?」
川;゚ -゚)「…いない…?」
川;゚ -゚)「…幻覚…だったのか…」
川 ゚ -゚)「…さっさと行こう…貞子さんの言っていた人を探さないと」
川 ゚ -゚)「…お化け屋敷の割に何も出てこないな…」
川 ゚ -゚)「貞子さんの言っていた人も見つからないし…」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「…う」
_
( ゚∀゚)
川;゚ -゚)「…また…」
_
(# ゚∀゚) ボゴォ!
川;゚ -゚)「…殴っている…のか…人を…」
(# ゚∀゚) ガスゥ!
川 ; -;)
川; - )「……」
_
(# ゚∀゚) ドスッ!
川 ; -;)『や…めろ…ぉ…』
_
(# ゚∀゚)『あ?やめろ、だ?誰に向かって口聞いてんだ、テメー』
川 - )「……」
川 ; -;)『やめて…やめてよ…』
川 - )「…う…」
川; - )「うわあああぁぁぁ!!」
スゥ…
川д川「止めないわ」
川;゚ -゚)「…貞子…さん…」
川д川「言ったでしょう?二人一組って」
川;゚ -゚)「あの男と…一緒に行けって言うんですか…」
川д川「ええ」
川; - )「…嫌…だ…」
川д川「拒否しても無駄よ。彼が消えることはないんだから」
川д川「彼と生きるか、ここで永遠にうずくまるか」
川д川「どちらかしかあなたの選択肢はないの」
川д川「記憶は消えても、傷は消えないわ」
川д川「あなたの左腕の傷も、心の傷も」
川 - )「……」
川д川「誤魔化すのだって、限界がある。そうでしょ?」
川 - )「…ああ」
川 ゚ -゚)「友達に言われたんだ」
川 ゚ -゚)「この、傷のことを」
川 ゚ -゚)「『気持ち悪い』って」
川 ゚ -゚)「でも私にとっては…そうではなかった」
_
( ゚∀゚)『…っち。その傷、治らねぇのかよ』
_
( ゚∀゚)『気持ち悪い』
川 ゚ -゚)「その場で昔のことを全部思い出して、吐いた」
川 ゚ -゚)「以来、誰も傷のことには触れない。自分でも、考えないようにしてる」
川 ゚ -゚)「だけど」
川 ゚ -゚)「ふとした時に、出てくるんだ」
川 ゚ -゚)「私を蹴りに来る」
川 ゚ -゚)「私を…殺しに来る」
川 ゚ -゚)「…もう、嫌なんだ…」
川д川「そう言われてもね…さっきも言ったでしょ。彼は消えないって」
川д川「あなたが生きている限り、何度でも出てくるわ」
川д川「あなた、その度に吐くつもり?」
川 ゚ -゚)「…なら、どうしろって言うんだ」
川д川「勝てばいいじゃない」
川д川「勝つのよ」
川д川「あの程度の壁も乗り越えられないなら、この先生きていけないわ」
川 ゚ -゚)「……」
川д川「さ、どうする?私もそろそろ、虐待されるあなたを見飽きてきたんだけど」
川 ゚ -゚)「……」
スック
_
( ゚∀゚)『…なんだ?殴られたりねーのかよ』
( ゚∀゚)『おら!』
ガスッ
川# - )「…これで、殴られ納めだ」
川#゚ -゚)「クソ親父!!」
ブンッ
_
( ゚∀゚)『え?』
キーーーーーン!!!
_
( ∀ )『 』
川д川「うわぁ…」
川#゚ -゚)「はぁ…はぁ…っ」
川д川「自分で煽っといてなんだけど今のは引くわ…」
川#゚ -゚)「勝手に引いててください」
川д川「一応最後まで連れて行ってね、その人」
川 ゚ -゚)「そのルールは残ってるんですか…」
川 ゚ -゚)「…引きずってもいいですよね」
川д川「お好きなように」
川 ゚ -゚)「じゃあ、そうします」
ズリズリズリズリ
川д川「…トラウマ克服しすぎてない…?」
川д川「出口ね。毎度ありがとうございました」
川 ゚ -゚)「…はい。こちらこそ」
川д川「こちらからの入場はできませんのでご容赦くださいませ」
川 ゚ -゚)「もう入る必要もないですよ」
川д川「それもそうね」
川 ゚ -゚)「お世話になりました」
川д川「ん。もう二度と来ないようにね」
川 ゚ -゚)「…はい」
ガチャ
川д川「さよなら」
バタン
( ^ω^)「お、終わったのかお」
_
( ∀ )
( ^ω^)
( ^ω^)「何そのボロ雑巾」
川 ゚ -゚)「ただのボロ雑巾だ」
( ^ω^)「いやどう見ても違うだろ」
川 ゚ -゚)「違わないさ」
( ^ω^)「ふーん…じゃ捨てれば?」
川 ゚ -゚)「それはできない」
川 ゚ -゚)「墓場まで忘れずに持っていく」
( ^ω^)「よくわかんねー嗜好をお持ちのようですおね」
川 ゚ -゚)「私は物持ちがいいんでな」
( ^ω^)「ただのステラレネーゼな気もするけどお」
川 ゚ -゚)「ステラレネーゼじゃない、ステネーゼだ」
( ^ω^)「…屁理屈っぽいけど」
( ^ω^)「なんか晴れ晴れしてるから許すお」
川 ゚ -゚)「そうなのか?」
( ^ω^)「お客様が満足した時がここの閉園時間なんだお」
川 ゚ -゚)「なるほど。異存はない」
( ^ω^)「あっても受け付けねーから安心するお」
( ^ω^)「…ここを真っ直ぐ。それが、現実世界への帰り道だお」
川 ゚ -゚)「把握した」
( ^ω^)「僕は何もしてないお」
川 ゚ -゚)「いいんだ。言わせてくれ」
( ^ω^)「変な奴だおね…」