【必勝不敗】能代工業 十八冠目【V58】

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39バスケ大好き名無しさん
 ドクオは一度部屋から出て行き、例の男とを呼びに行った。
間もなく、廊下を歩く音が聞こえてきた。


 兄者がとっくりを畳の上に置き、刀の柄に手をかける。
モララーは体の向きを変え、身を固くした。
部屋に届く剣気が、異様に冷たかった。


(`・ω・´)「失礼する」


 入ってきた男を見て、意外に若い、と二人は思った。
確実に年下にもかかわらず、全ての動作が洗練されている風に感じた。
40バスケ大好き名無しさん:2012/11/22(木) 07:08:09.44 ID:???
( ´_ゝ`)「座りなよ」

(`・ω・´)「ああ」


 シャキンは一番近くの座布団に腰を下ろし、片膝を立てた形で座った。
身のこなしに一切の隙を感じなかった。


( ´_ゝ`)「兄者だ」

( ・∀・)「モララー」

(`・ω・´)「名は、シャキン」
41バスケ大好き名無しさん:2012/11/22(木) 07:09:21.41 ID:???
 部屋の外にいたドクオは、どうやら合格だったらしいと胸をなで下ろし、
いつもの商いへと戻っていった。


 三人がそれぞれ向かい合って座ると、しばらく沈黙が続いた。
元々、相容れぬ性質を持った三人であった。
偶然同じ目的を持った彼らを、奇妙な縁が結んだだけだ。


( ´_ゝ`)「シャキンさんよお」


 沈黙を破ったのは兄者だった。


( ´_ゝ`)「その若さで、今まで何人を斬ったんだい?
      血の臭いを通り越して、獣かと思ったよ」
42バスケ大好き名無しさん:2012/11/22(木) 07:10:06.27 ID:???
(`・ω・´)「お前には関係無いな」

( ´_ゝ`)「へえ。どうしてこう、みんな俺に冷たいのかね」

( ・∀・)「そんなことより、これで全員なのか?
      三人集まったところで、どうにかなる相手とは思えん」

( ´_ゝ`)「ドクオ! 酒が切れたぞ!」


 言葉を遮られたモララーが、兄者を睨み付けた。
大げさな動作で視線を払うと、口の端を持ち上げる独特な笑い方で兄者は笑った。


( ´_ゝ`)「策は一応、あるんだよ」
43バスケ大好き名無しさん:2012/11/22(木) 07:10:41.37 ID:???
(`・ω・´)「策などいらん。奴の場所を突き止めさえすれば、俺が一人で奴を斬る」

( ´_ゝ`)「無理だな」


 言った瞬間、おぞましい程の殺気がシャキンから放たれた。
いつでも抜刀できるようにモララーは柄を掴んだが、兄者は座ったまま涼しい顔をしていた。


( ´_ゝ`)「殺気も、剣気も、奴は呑み込む。あんたじゃ奴は斬れない。
      俺たち三人が向かった所で、触ることすらできないだろう」

(`・ω・´)「他に仲間がいるのか?」

( ´_ゝ`)「仲間ではないが、人手はある」
44バスケ大好き名無しさん:2012/11/22(木) 07:11:27.62 ID:???
 どたどたと廊下を駆けてくるドクオの足音が聞こえた。
とっくりを乗せたお盆を持って、息を切らせて部屋に入ってきた。


(;'A`)「ちょっとは遠慮して下さいよお」

( ´_ゝ`)「いいから酒を渡せ」


 お盆を奪い取ると、犬猫を払うみたいに帰れという仕草をする。
ぶつぶつと小言を愚痴りながら、ドクオが部屋から出て行った。


( ´_ゝ`)「有子部超急隊。これを奴にぶつける」


 兄者のとっくりを傾ける手が止まらない。
他の二人は、ただ黙って腕を組んでいた。


十六輪「集結」 終わり
45バスケ大好き名無しさん:2012/11/22(木) 07:12:46.99 ID:???
 ハインの住んでいた長屋を訪ねた。
部屋が何処かは覚えている。


 中に入り、彼が持ち出したはずの藩の証文を探した。
書かれているのは、幕府に隠している裏金の証拠だが、それ自体に興味は無かった。


 ハインはこの証文に命をかけ、終わり方はどうあれ、散ってしまった。
死ぬには惜しい、惜しすぎる男だと思える。


|゚ノ ^∀^)「あなた、ハインさんのお友達?」


 長屋を出たところで声をかけられた。
見覚えがあった、以前ハインの部屋が何処なのかを尋ねた、米を洗っていた女だ。