さて、デフレの問題が何かと言えば、「雇用」です。
雇用が失われることがなければ、まあ、デフレで企業競争が激化し、
品質のいいサービスを国民が安く買えるという事で、あまり悪い影響はないかも知れません。
とはいえ、現実には実質金利が高まり、かつ収益を上げにくくなるため、
企業が投資や雇用を増やさず、むしろリストラクチャリングに励むことになります。
それまで職を得ていた人が失業すると、
何がまずいかと言えば、彼らが消費するための所得を失ってしまうことになります。
「いや、人間は働くことで尊厳を得る。雇用は健全な人間性を維持するためにも、重要だ」
という意見はあるでしょうし、それはその通りだと思いますが、よりリアルな話をすると、
問題は「所得の喪失」になります。所得を得られなければ、人間は衣食住にすら困ってしまうわけです。