オフェンスマシーン川村卓也

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284バスケ大好き名無しさん
http://number.goo.ne.jp/nba/column/20060508.html

──スカウトとして選手を評価する上で、年齢的な上限はありますか?

 残念だが、我々が見るのは潜在能力だ。十代の選手には伸びる余地がある。身長面でもそれが言える。
たとえば、デビッド・ロビンソンは、海軍士官学校で10センチ以上背が伸びた。23、24歳になった選手にそれは起こらない。
潜在能力のリミットが見えてしまう。

──上限は22歳ぐらい、ということですか?

 もちろん、はっきりとは言えないよ。だが、ある年齢を超えると、それ以上能力は伸びないものさ。NBAドラフトのエントリー資格を持つのは、
19歳から。大学で4年間過ごした選手は、ドラフト時に22歳だ。だから、NBAが本当に興味があるのは、19〜21歳までの選手であり、
我々はそのあたりを集中的にスカウトしている。それより上の年齢になると、ドラフト外のFAでNBAを目指すしかない。
エイブリー・ジョンソンのように20代後半でNBA入りした選手も多いが、我々スカウトは主にドラフトのために動いているから……。
チャンスは常にあるよ。でも、そのチャンスは非常に小さい。


──スカウトの視点で、日本のバスケットの印象を聞かせてください。

 一番の問題は、日本人選手が「NBAでプレーする」という視点を持っていないこと。たとえば、2メートルの選手は、日本ではセンターを務めている。
それ以外のポジションをプレーするチャンスはほとんどない。NBA選手になりたいのなら、「どのポジションを練習すべきか」を考えねばならない。
もちろん、チーム事情もあるだろうが、チャレンジする場は用意してあげるべきだと思う。

 日本人が優れているのは、スピード。すごく速いね。でも、速いだけではだめだ。速さをコントロールすることを学ばねばならない。
田臥勇太がサンズにいた頃、地元紙に、田臥はスローダウンを学ぶ必要がある、という主旨の記事が載った。それが、
ほとんどの日本人選手に言えることではないだろうか。

──日本人で可能性があるのは、スピードのあるポイントガード(PG)ですか?

 いや、現時点で最もチャンスがあるのは、SG(シューティングガード)だと思う。PGは本当に、本当に競争が激しい。
アメリカ人の中でも、優れたPGがたくさんいるからね。でも、シューティングはテクニック的な要素が大きい。何時間もかけて、
努力して、磨いていける。必要なのは、継続と勤勉さ。そこが、日本人に向いていると思う点だ。世界のベストシューターが
日本人であってもおかしくないし、そうあるべきだが、東芝の北やトヨタの折茂を上回るSGはなかなか現れないね。

──トヨタの桜井やOSGの川村といった若手も伸びていますが?

 もしかしたら、桜井と川村がそういう存在になれるのかもしれない。だとしても、まだ「ひょっとしたら」という段階だと思う。
また、日本のSGには身長の問題もある。NBAでプレーするには、明らかにサイズが足りない。コーチは、チームのことではなく、
選手の将来のことを考えるべきじゃないかな。私がコーチを務めるUSBA(アメリカ・バスケットボール・アカデミー)には、
16歳で208センチの中国人選手がいる。試合ではセンターだが、練習では、自分の意志で、NBAで必要なポジションをこなしている。
日本では、そうしたことを考えはじめるのは大学卒業後だ。その意味で、中国に比べて4年間遅れている。でも、そのうち、
198センチの選手が「チームではセンターだけど、SGをやりたい」と言うようになるかもしれない。協会は、そうした選手をサポートしてあげてほしい。



日本にいても駄目だな。アメリカに行かないと…。