「さてと、厨房と遊んでやるかな」
>>1は、自らが厨房という事実を全く認識しないまま、今日も
駄スレを立てるのであった。そしてパソコンの電源を切り、
どんなレスが付くのだろうと一人、布団の中でニヤニヤしながら
妄想に耽っていた。
>>1は真性のマゾであった。煽られれば煽られる程、
快感を覚えるという、異常性癖があった。
「逝ってよし!」「ドキュソ」「放置だな」
様々な煽り言葉が、
>>1の頭をよぎる。
(あぁ、もっと、もっと煽ってくれ!)
興奮の渦の中、
>>1は眠れない夜を過ごした。
翌日、目が覚めると同時に1はパソコンを起動させ、昨夜自分が立てた
スレを探した。今までの経験上、すでに沈没していて見つけるのに苦労する
のだが、今回は違った。なんと、一番上にスレがあったのだ。
しかも、多数のレスが付いている。
「おぉ、今回は大漁だ…」
>>1は期待を胸に、レスを順に読んでいった。しかし、何かが違った。
今までの「逝ってよし」といった、見慣れた煽り文句は無く、
「IPが残るのにね…」「警察に届けました」「晒しage」
といった、何やら物騒な言葉がそこにはあった。
(おかしいぞ、何で?)
>>1はまだ、自分が置かれた状況を理解していなかった。
(俺は煽りが欲しいんだ! 誰か煽ってくれ!)
しかし、願い虚しくレスは物騒な言葉が続いた。
「今頃、
>>1は震えているんだろうな」「逮捕age」
頭が弱い
>>1も、少しずつ状況を把握してきた。
(何てこった! 俺はそんなやばい事をしたのか!)
>>1はとっさに、スレをsageにかかった。
メール欄に「sage」と入れて、「こんな駄スレ、ageるなよ」と
必至で誤魔化す。しかし努力虚しく、すぐに「晒しage」されてしまう。
「頼む! ageないでくれ…ageんなよ!!!」
どんなに孤軍奮闘しようが、自ら作ってしまった敵はあまりに多かった。
>>1はキーボードを両手で叩き壊した。そして、まだ起きて間もないのに
すぐにまた寝てしまった。
(これは悪い悪夢なんだ。起きればまた、みんな俺を煽ってくれる)
…数日後
「ピンポーン」
軽やかなチャイムの音は、
>>1の人生の終焉の音でもあった。