Gペン エドガー復帰舞台裏
今月中旬、巨人はエドガー・ゴンザレスを獲得した。
しかし、G党からも「何で戦力外になった選手を獲るんだ?」という質問の声が相次いだ。
2010年、100試合に出場して打率2割6分3厘、12本塁打、44打点。
「翌年の戦力でないと判断したから解雇した」と考えるのが普通だろう。
だが、違う。違うのです。私が知っている限りの舞台裏を紹介したい。
10年のシーズン終了後、元編成トップだった「あの人」は2011年に向けて、外国人選手の改革に乗り出した。
コストを安くして、多くの外国人選手を獲り、競争させていく−。
結果、4人の新助っ人を獲り、計10人の大所帯で臨んだ。
実際、エドガーもその「競争」に含まれるはずだった。
しかし「あの人」の「コストを安く」の方針の中で、格差≠ェ生じた。
交渉は決裂。首脳陣は2年目の飛躍を期待していたが、無念の帰国となった。
今季、巨人は右打者に泣いた。
開幕前に矢野が左足甲を痛め谷も右太もも裏痛で6試合スタメンから外れた。
新助っ人の獲得へと動き出した球団は
「新たな助っ人を呼ぶよりも、日本の野球を知っている選手を獲った方が即戦力になる」と判断。
エドガーの顔が即座に浮かんだという。
さて、ここで疑問は再浮上する。
「エドガーは、契約を打ち切られたチームによく戻る決意をしたな」と・・・。
それは、「あの人」がいなくなったから・・・。
もう一つは、現場首脳陣の存在が大きかったようだ。
特に岡崎ヘッドコーチ。
当時、エドガーは年間に3度も降格を味わった。その度に岡崎2軍監督は
「特別扱いしなかった。何が悪いのかドライに話し在った」。
互いの本音をぶつけ合い、信頼関係を築いたのだ。
今回、E砲は「同じチームでもう一度戦いたい」快く、復帰を了承した。
巨人は原沢敦球団代表兼GMの下、現場と球団が一体となって再スタートした。
あの時の無念を今、思う存分に晴らすがいい。
(巨人担当サブキャップ・水井基博)
2012年5月27日スポーツ報知紙面