ブリュワーズの「買い叩き」に青木、ヤクルト大誤算
高額税金、二軍施設の改修費用
「お金じゃないとは言っても、大事ですよね」
20日にヤクルト球団を訪れて会見を行ったブリュワーズの青木が苦笑いを浮かべたのも無理はない。
米ミルウォーキーの地元紙によると、契約額は2年総額225万ドル(約1億7300万円)プラス出来高。1年目は100万ドル(約7700万円)、2年目が125万ドル(約9600万円)となり、今年の年俸は、昨季の青木の年俸(3億3000万円)の4分の1以下となる。
「家族があるし、子ども(長女)が産まれた。お金は大事だけど、スタートラインに立ってやることが一番の目標だった」と前を向いた青木だが、問題は税金の支払いだ。
プロ野球選手は個人事業主。一般的に青木クラスの年収なら、税金は所得税が40%、住民税が10%の計50%が課税される。経費をいくら計上するかなど、さまざまな「税金対策」があるとはいえ、
昨年の収入の半分を税金に持っていかれるとしたら、総額で1億6500万円。米国での2年分の給料がほぼ税金で消えるのだから大変だ。
お金の面で悩ましいのはヤクルト球団も同じだ。「入札金250万ドル(約1億9300万円)は想定していた半分程度」という声も球団内から聞こえてくる。
ヤクルトは二軍の戸田の施設の老朽化が進んでおり、さまざまな箇所で改築、改修を検討している。今オフ、戸田を視察した衣笠球団社長は「青木君の入札金も活用させていただきながら、スタンド部分に屋根をつけたり、女性用のトイレを新たに設置するなどしたい」と話す一方で、
「バックスクリーンのカウント表示を『SBO』から『BSO』に変えるだけで200万円程度、周辺部分だけでも億は超える」と言う。「あまりぜいたくは言えませんが……」とさるチーム関係者が前置きして、こう続ける。
(続く)
日刊ゲンダイ 2012/1/21
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=255160&p=1