大坪正則(帝京大教授)と2012年のプロ野球を読む(上)
DeNA球界参入、巨人内輪モメで何が変わる
オフの球界が激動だ。横浜をDeNA社が買収、巨人では清武代表(当時)が渡辺会長を堂々と批判。訴訟合戦にまで発展した。かと思えばダルビッシュを筆頭に6人もの日本球界を代表する選手がメジャー移籍を目指している。
球界はこれからどこに向かうのか、どうあるべきなのか。内外のプロスポーツの経営に詳しい帝京大の大坪正則教授に聞いた。
◆赤字球団は親会社から見放される
――毎年20億円以上の赤字を出す横浜をDeNAが買収しましたが、企業にとってプロ野球球団はまだ魅力あるものなのですか?
「楽天は球界に参入する前に比べ、本業の売り上げが6倍以上に増えている。知名度が上がり、学生の就職先ランクでも人気度が高い。ブランド力を高めたい新規の成長産業にとっては球団を持つことは意味がある」
――巨人の渡辺会長はパナソニックやトヨタに(球界)参入して欲しいと言ってましたが……。
「パナソニックやトヨタが今さら球団を持っても意味はない。すでにブランドとして確立されているわけですからね」
――日本ハムやオリックスのような企業も、ブランドはすでに確立されていますね。
「今まで球団は親会社の子会社で宣伝媒体。赤字でもいいという位置付けだった。しかし、日ハムやオリックスなどは今さら球団によって宣伝する必要はない。だから球団を事業のひとつとして黒字化しようとしている。赤字続きではいずれ球団を持たなくなるでしょう」
(続く)
日刊ゲンダイ 2012/1/4
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=253827&p=1