北海道日本ハムファイターズ 1013

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510代打名無し@実況は野球ch板で

大坪正則(帝京大教授)と2012年のプロ野球を読む(上)
DeNA球界参入、巨人内輪モメで何が変わる

 オフの球界が激動だ。横浜をDeNA社が買収、巨人では清武代表(当時)が渡辺会長を堂々と批判。訴訟合戦にまで発展した。かと思えばダルビッシュを筆頭に6人もの日本球界を代表する選手がメジャー移籍を目指している。
球界はこれからどこに向かうのか、どうあるべきなのか。内外のプロスポーツの経営に詳しい帝京大の大坪正則教授に聞いた。

◆赤字球団は親会社から見放される

――毎年20億円以上の赤字を出す横浜をDeNAが買収しましたが、企業にとってプロ野球球団はまだ魅力あるものなのですか?

「楽天は球界に参入する前に比べ、本業の売り上げが6倍以上に増えている。知名度が上がり、学生の就職先ランクでも人気度が高い。ブランド力を高めたい新規の成長産業にとっては球団を持つことは意味がある」

――巨人の渡辺会長はパナソニックやトヨタに(球界)参入して欲しいと言ってましたが……。

「パナソニックやトヨタが今さら球団を持っても意味はない。すでにブランドとして確立されているわけですからね」

――日本ハムやオリックスのような企業も、ブランドはすでに確立されていますね。

「今まで球団は親会社の子会社で宣伝媒体。赤字でもいいという位置付けだった。しかし、日ハムやオリックスなどは今さら球団によって宣伝する必要はない。だから球団を事業のひとつとして黒字化しようとしている。赤字続きではいずれ球団を持たなくなるでしょう」

(続く)

日刊ゲンダイ 2012/1/4
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=253827&p=1
511510:2012/01/05(木) 17:41:11.28 ID:qkZEy/bFO

(続き)

――昨年は巨人で清武代表(当時)が渡辺会長を批判して大問題になりました。

「渡辺会長と清武代表の一件はコンプライアンスではなく、あくまで社内の問題。コミュニケーション不足です。鶴の一声はどこの企業にもあります。ただ、その根底には読売、巨人の危機感があると思います」

――と言いますと……。

「昨年は東京ドームオープン以来の最少入場者を記録、観客数も減っている(前年比91・4%)。読売も巨人のトップも強い巨人でないと客が来ない、強くないとダメだという思いが強く、焦っている。
そこにもってきてドラフトでは菅野(東海大)を逃し、CSでは第1ステージで敗退した。渡辺会長としてはもっとちゃんとやれということになり、清武代表はやっているという思いがあったのでしょう」

――親会社が球団の人事に口を出す格好になったのですが、プロ野球球団の組織に影響はありますか?

「プロ野球はオーナーの下に社長、その下にビジネス部門、野球運営部門がある。GMは運営部門を統括する。プロ野球の成績不振の理由は3つある。オーナーがカネを出さなかったのか、カネは出したがGMが監督、コーチの人選、選手の補強を間違ったのか、両方とも問題なかったが監督がヘボだったかの3つです。
巨人はそれをすっ飛ばして球団会長、親会社が決めている。おかしいし、ファンのための球団になっていない。読売の読売による読売のための球団になっている」

――巨人と読売さえよければいいと……。

「プロ野球は優勝するチームでも勝率は6割。互いに勝ったり負けたりしてこそ盛り上がる。それが巨人は今オフも他球団のエースや4番を取り、自分のところだけ勝てばいいという考え方だ」

▽おおつぼ・まさのり 1947年生まれ。70年、伊藤忠商事入社。81年から85年までアメリカ駐在。88年にNBAプロジェクトマネジャー。現在は帝京大学教授で、専門はスポーツ経営学。主な著書に「プロスポーツ経営の実務」「パ・リーグがプロ野球を変える」「スポーツと国力」。