来年は田中と斎藤佑をセットで扱う愚かな記事を目にすることはないだろう [ベースボールフリートーク(山崎裕之)]
そもそも比較するのが酷
4年間の差はあまりに大きかった。楽天の田中将が勝利数(19)、防御率(1・27)、勝率(・792)の投手の3つのタイトルを確定。奪三振(241)こそ2位だが、完投(14)は1位。開幕前から公言していた沢村賞は間違いないだろう。
田中は「今年は球が(飛ばない)統一球に変わったから、あまり評価されないと思う。続けていくことで評価されると思うし、来年が大事」と言った。大した若者だ。
「打てるものなら打ってみろ」
そう言わんばかりに、全力で打者に立ち向かう投球を見ているとワクワクする。その田中と高校時代に甲子園を沸かせた斎藤佑(日本ハム)の対決が先月話題になった。このとき斎藤の目には、田中という投手がどう映ったか。
田中は恵まれた体格(188センチ、93キロ)もさることながら、悔しさをバネに成長する能力を秘めている。斎藤が大学生活を送る間、田中は並み居るライバルを押しのけ先発ローテに入り、プロの打者に揉まれてきた。田中の堂々たる投球と醸し出す雰囲気に、斎藤は4年間の重さを感じたに違いない。
そもそもプロ5年目の右腕と大卒新人を同列に論じては斎藤には酷である。来季は田中と斎藤を「セット」で扱う愚かな記事を目にすることはないだろう。
日刊ゲンダイ 2011/10/22
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