身売りまであるか 10年ぶりの優勝危うしヤクルトを待つ運命
「このまま優勝を逃したら、ヤクルトの今後はどうなるのか……」
こう言って心配そうな表情を浮かべる球界関係者は、少なくない。
(省略)
◆CS入場料、放送権料、優勝セール
「ヤクルトが優勝を逃せば、失うものは大きいでしょう」
こう言うのは、さる球界関係者だ。
「2位通過となれば、CSファーストステージ(最大3試合)の主催になり、ファイナルステージ(最大6試合)に比べて入場料収入は半分以下になる。日本シリーズ進出も難しくなる。3億円前後といわれる分配金ももらえない。テレビ局の全国中継による放送権料もしかりです。
親会社のヤクルト本社は優勝すれば大々的に優勝セールなどのキャンペーンを張る予定だったが、それも白紙。V逸による損失は数十億円に上ると思います」
ソロバンをはじいていた“実入り”の誤算が生じれば、球団は青くなる。さる放送局関係者がこう言う。
「昨オフ、ヤクルトは守護神の林昌勇と3年総額15億円といわれる大型契約を結び、入札制度によるメジャー挑戦を望む青木を残留させた。大補強には無縁だったヤクルトが補強資金を投下したのには理由がある。
昨オフ、親会社のヤクルト本社内では『カネをかけて強くし、観客が増えるかどうかの様子を見たい』という声も出ていたといわれている。しかし、観客動員は現状でも1試合平均で1万8660人。前年比でわずか147人増えているだけ。
優勝すればファンも盛り上がり、前年を大きく上回る入場料収入も期待できた。優勝を逃せば、必然的にファンの球場への足取りは重くなるでしょう。すんでのところで優勝を逃せばショックも大きく、親会社の球団経営への情熱が冷めてもおかしくありません」
◆無視できない筆頭株主の意向
ヤクルトを巡っては昨年、一部スポーツ紙に「身売り」が報じられた。当時の鈴木球団社長は強く否定したものの、20億円ともいわれる球団の赤字に対して、親会社の筆頭株主である仏・ダノンが快く思っていないといわれている。
ヤクルトも決して安泰ではないというのが、球界の「定説」になっているのも確かだ。
(続く)
日刊ゲンダイ 2011/10/13
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=246930&p=1