[日本ハム]「斎藤佑で商売」は今年が最後
4球団が競合したドラフトの目玉はスカッとした投球を見せてくれず人気は右肩下がり
しょせん、この程度の投手なのだろう。日本ハムの斎藤佑が11日の楽天戦に先発。二回1死満塁から嶋の併殺崩れで先制を許すと、四回には1死満塁から鉄平の犠飛や松井稼の二塁打などで3失点。結局、4回4失点でマウンドを降ろされた。
「調子自体は決して悪くなかった。自分としては内野の間を抜ける当たりに関してはよしとしていますが、どんな形であれ4点取られ、5回もたなかったことは悔しい」と斎藤は言った。
昨秋のドラフトで4球団(ソフトバンク、ロッテ、ヤクルト、日ハム)の指名が競合。日ハムへの入団が決まると開幕ローテ入りを果たし2連勝を飾った。その後2試合は勝ち星がなく、5月8日のソフトバンク戦では左脇腹を痛めて一回で降板。この試合を除いた5試合はいずれも3失点以上。
3勝目を狙ったこの日も貧打の楽天打線につかまり5回持たずにKO。6試合の成績は2勝2敗、防御率3・72だ。
斎藤の投球を見た評論家の得津高宏氏は「今の状態では先発ローテは厳しい」と言ってこう続ける。
「ストレートに切れがなく、制球も甘い。腕が振れていないので変化球はワンバウンドが多い。球威がないから胸元を突けない。打席で恐怖感がないから打者はボールをじっくり見ることができるし、踏み込んで打てる。大学時代に下半身強化を怠っていたのか、
上半身主導の投球で捕手のミットに置きにいく。今年はファームで体づくりと並行して慌てず育てるべきだと思う。過保護というか、一軍で勝ち星をつけさせる起用を続けているとつぶれるかもしれない。でも、人気選手だけに二軍に置いておくわけにもいかないのでしょう」
◆「一軍ではかわいそう」
その二軍で斎藤と対戦した西武選手たちは「斎藤? 並の投手ですよ」と笑っていたが、「あの程度の投球で一軍で投げさせるのはかわいそうですよ」と言う者までいた。二軍選手の評価も厳しい。
斎藤は06年の夏の甲子園大会で3連覇を目指す駒大苫小牧の田中(現楽天)と決勝で投げ合い、引き分け再試合で優勝。「ハンカチ王子」の愛称で一躍全国の人気者となった。
早大に進学し、4年間で31勝(15敗、323奪三振、防御率1・77)を挙げたが、4球団が指名したのはその実力よりも集客力を買ってのことだといわれている。
(続く)
日刊ゲンダイ 2011/7/12
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