「メジャーの卵」相手に底が割れた大学ビッグ3の菅野[東海大] 藤岡[東洋大] 野村[明大]の実力…日米大学野球選手権
初戦から3連敗でV逸
「豊作」といわれる今年のドラフトの目玉選手たちが、海の向こうでコテンパンにやられた。米国で開催中の日米大学野球選手権は、日本が初戦から3連敗。早くも負けが確定した。初戦からストレート負けで米国に屈したのは03年以来、6大会ぶりだ。
米国選抜は1、2年生が中心ながら、初戦と2戦目の先発を務めたマーク・アペルとケビン・ゴースマンはともに高卒時にメジャーからドラフト指名された逸材。日本だって今年は粒ぞろい。
投手では菅野智之(東海大)、藤岡貴裕(東洋大)、野村祐輔(明大)、野手も伊藤隼太(慶大)と今秋のドラフト1位候補がそろって出場。しかし、米国に歯が立たなかった。
菅野は初戦、2点リードの七回1死二、三塁から登板し、連打で試合をひっくり返された。2戦目に先発した藤岡は七回に4連打で崩れ、代わった野村は4安打3失点と火に油を注いだ。
1、2戦で4番を打った伊藤は3戦目まで無安打で、4戦目はスタメン落ち。ドラフト1位候補たちが、そろって精彩を欠いているのだ。
今大会で使用している国際球の影響はあるかもしれない。投手にとっては普段、使っている日本のボールよりも滑りやすく、打者はバットのシンを外したときの飛距離が落ちる。亜大の東浜は「最初は感覚がつかめなかった」と明かした。
とはいえ、今年からプロ野球が使用する統一球は、その国際球と特徴が酷似している。プロ野球界に入ってからも、同様にボールに悩まされる可能性はある。
◆最近の大学生はレベルが低い
そもそも最近の大学生はレベルが低い。去年のドラフトの目玉だった斎藤(早大=現日本ハム)は一昨年の日米大学野球選手権に登板、2試合で8回と3分の1を投げて8安打自責3で1勝したが、プロではいまだ2勝1敗。
沢村(中大=現巨人)は2試合2回を投げて9安打自責3。プロ入り後も4勝6敗といまひとつ勝ち星を伸ばせない。
去年までの過去5年間で、大卒1年目に2ケタ勝ったのは西武の岸(07年に11勝)と日ハムの八木(06年に12勝)の2人だけ。ともに日米大学野球選手権でも活躍したが、それ以降の大卒ルーキーで2ケタ勝った投手はひとりもいない。
今年はドラフトの当たり年といわれるが、菅野も藤岡も野村も強い米国相手に実力を露呈したといえそうだ。
日刊ゲンダイ 2011/7/8
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