【】中村ノリのハロワ通いを生暖かく見守ろうPart182

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13代打名無し@実況は野球ch板で
朝日新聞 2010.12.10 私の視点

嫌われてもオレ流 父の寡黙な仕事を愛する
コラムニスト:落合福嗣

いつの頃からだろう。
「背中で語る男」や「寡黙な職人仕事」に世間が敬意を払わなくなったのは。

私は、寡黙であるがゆえに批判を浴びる父の姿を見て、そんな事を考えている。
そう、私の父はプロ野球、中日監督の落合博満である。

選手としても監督としても実績は十分だ。なのに嫌われるのは、発言を曲解され、
何を言っても無駄だという思いから多くを語らず、それがさらに誤解を招いているからではないだろうか。

最近では今年の日本シリーズだ。敗戦後、「一番低い山でけつまずいた」と対戦相手のロッテを見下したと批判的に書かれた。
しかし、本当は違う。シーズンが最も高く、クライマックスシリーズ、日本シリーズと続く「3番目に高い山」と言ったのだ。

「低い」という表現ではない。むしろロッテを称賛していた。
後日、父は自宅を訪ねた記者に真意を説明し、
落合=悪役という方程式に沿って書いた記者の立場に理解も示した。
その記者は、感激して泣いていた。

そんな姿を想像できないなら、正月に和歌山県の落合博満記念館に来るといい。
一般のファンに、シーズン中の采配やプレーについて何時間も語る父を目にするはずだ。

プライベートでファンにここまで語る監督など、まずいないだろう。
話を聞くための労をいとわない人には存分に語り、冗舌で気さくな本来の姿を見せるのだ。
14代打名無し@実況は野球ch板で:2010/12/11(土) 23:09:35 ID:xWtCvOUi0
かつて私は父のことで、ずいぶんいじめられた。
そのことで苦悩し、批判を浴びても流儀を変えない父に食ってかかった。

最近は、「ファンサービスをしないと批判されているよ」と苦言を呈している。父は球団との契約書を見せて
「勝つことが自分の仕事だと書かれている」と反論する。

父は勝利が最大のファンサービスだと考えている。
「おれは子どものころ、巨人ファンだった。強かったからだ。

勝利ほどファンの心を震わせるものはない」と。
そんなやり取りを通じ、私は父への理解を深めていった。

私自身も世間が抱くイメージに泣かされてきた。
幼少時のやんちゃなエピソードから、ありえない話が作られて、「伝説」となって流布している。
私は「手の付けられない悪童」として見られているだろう。
でも最近、それでいいと思うようになった。
実像は違っても、気まくれな世間のイメージをすべて変えるのは難しい。
であれば50%の理解を目指そう、と。
眉をひそめる人が半分いても、もう半分が「伝説」を楽しんでくれればいい。
最近、出版した「フクシ伝説」にはそんな意図がある。

無愛想だとたたかれても勝利だけを目指す。
勝利に心を震わせるファンのために。
分かるヤツだけわかればいい。そんな父の寡黙な職人仕事を、私は愛し続けたい。

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