先発ローテ奪い返す 健太、血行障害もう怖くない
逆襲への準備が整いつつある。だから“表舞台”に帰ってきた。岐阜市出身の朝倉にとっては、
地元でもある大垣中日ハウジングセンターでのトークショー。約400人のファンの前で、
朝倉が開幕ローテ奪取を誓った。
「昨年ほど情けないと思ったシーズンはない。目標? 数字はないですけど、1年間先発ローテーションを
守れば結果はついてくる。とにかく結果を残して先発ローテを奪い返さないといけない。
故障が治ったからといって簡単にローテに入れるようなピッチングスタッフじゃないですから」
昨年は右腕の血行障害などもあって3勝止まり。とはいえ川上がFA移籍した場合、通算勝ち星の48勝は
山本昌(204勝)、平井(60勝)に次ぐチーム3番目。さらに先輩の山本昌から開幕投手争いのライバルに
指名されるほど、実績もあれば周囲の期待も高い。だが、節目の10年目に向けての心境は「初心に帰ること」。
開幕投手についても「1度はやりたいという気持ちはあります。でも(今年は)狙ってはいません。そんな立場じゃない」。
過去の実績を捨てて、先発ローテの一角を狙っているのだ。
昨年末は“舞台裏”で力を蓄えてきた。オフは引っ張りだこの朝倉が年末のイベントをことごとく辞退した。
「もう一度、鍛えたいという気持ちがあったんです」。昨年7月に血行障害で離脱すると数日間の入院生活。
その後、リハビリを終えてポストシーズンで復帰したとはいえ、筋力の衰えは否めない。そこで秋季練習終了後も
ナゴヤ球場で地道にトレーニング。肩も休ませることなく鍛えてきた。
「血行障害? 再発するかどうかは医者にもボクにも分からないです。でも、ビビっても仕方ない。
ボクの性格からいって、怖がるってことはない。そうなったらなったで仕方のないこと。しっかり鍛えたら、結果を残す自信はあります」
再発防止のために毎日、薬を服用して水分を多くとっている。医者によると脱水症状で投げ込んだ場合に再発する可能性があるという。
だが、恐れることなく予防して鍛えるまで。今月上旬からは温暖な海外で自主トレをする朝倉に迷いはない。
2年ぶりの2けた勝利に向けて、虎視眈々(たんたん)とキバを研ぐ。