―― 格差を固定化しないためにも、日本の経済成長が必須になるかと思いますが、
具体的にはどういった分野に成長が見込めそうでしょうか。
宮内
先ほども言ったように、まずは医療分野です。健康産業と捉えて様々な事業を自由化していく。
世界中の名医を日本に呼んで、日本をアジアの医療センターにしていくといった発想が大事です。
自分が長生きするためだったら、それなりのお金を払ってもいいと思っている人はいるのです。
何より、優れた医者の集まる病院が日本にあれば、国民は安心します。
―― 医療のほかに、教育分野も成長が見込めそうです。
宮内
教育分野が抱える問題も医療と同じです。これまで教育も医療も国が配給してきました。
配給制度は競争して、いいものを作り上げていくためには弊害となります。
教育は生涯教育という観点に立って考えなければいけない。また、私立の学校をもっと尊重し、
一定レベル以上のところには生徒1人当たりに、バウチャーのような形の補助金を出すことを考えてもいい。
教育と医療との関係で言えば、メディカルスクールを導入すべき。4年生学卒の人材が医学部へ入る。
4年間はリベラルアーツを勉強して、それから医学部へ入るというシステムにしなければ、
いいお医者さんは生まれません。現状では医学部に行きたければ18歳で進路を決め、
勉強の虫にならなければならない。こんな制度は先進国で日本だけです。
ついに韓国もメディカルスクールを導入しました。日本だけが変わっていません。