―― 日本経済に目を向けてみますと、福田政権になって小泉政権で推進してきた改革とは
逆行する動きが目立ちます。世界的に見ても、日本の経済成長率だけが2%と低い状態に
あることについて、どうお考えでしょうか。
宮内
日本は少子高齢化が世界で最も速いスピードで進んでいますから、放っておくと成長が鈍化するのは当たり前の話。
日本は世界の中でも最も成長に関心を寄せなければいけない国なのです。
それが今は全く成長の話はせずに、反対に格差問題に代表されるような、分配の議論ばかりをやり始めたわけです。
これは全く間違っていると思います。
今こそ、この苦しい中でいかに成長すべきかを議論すべきです。成長の余地はたくさんあると思うんですよ。
何よりサービス産業である第3次産業の生産性を上げることです。
日本の第3次産業の生産性は、米国の5〜6割です。ここの生産性を上げることによって、
全体の経済成長率があっという間に上がります。
―― その際に必要なのが、規制緩和と、これまでの政権は推進してきました。
宮内
規制を緩和することによって、新しい産業が生まれます。
例えば医療関係で言えば、32兆円産業を50兆円産業にできます。教育も成長分野です。
農業は第1次産業ですが、これも規制緩和によって輸出産業として成長できる。
こういった成長余力のあるところを刺激して、経済成長率を上げなければいけない。
ただ分配の話だけをしていてもだめなんです。
まず体を大きくすべき。それをせずに、分け前の話だけをしても仕方がない。
体を思いっきり大きくして、足りないところに分けていく。これが政治なんです。
今の政治は増税と分配の話しかしません。こんなばかな話はありません。
むしろ法人税や個人所得税は減税すべき。最近では経済界も法人税減税については
言わなくなってしまいました。
日本の成長率が4%になれば、増税などしなくても財政問題はなくなります。
今こそ、成長率を引き上げるにはどうしたらいいかを考えるのが当たり前だと思うのに、
政治はそういう考え方をしません。