―― 日本よりは短いとはいえ、世界の台所の米国が3〜5年、リセッションが起きるのは、
世界経済に大きなインパクト与えます。一方で、最近では、デカップリング(非連動)という言葉のように、
米国経済にはかつてほど世界経済に対する影響力がなくなってきたとも言われますが。
宮内
もしサブプライムショックの揺れ幅が大きいとすれば、デカップリング説が正しいか正しくないかが証明されますね。
おそらく答えは“ハーフ・デカップリング”じゃないでしょうか。
―― そこには、中国やブラジル、インド、ロシアなどいわゆるBRICsと呼ばれる国々の経済発展が関係しているのでしょうか。
宮内
中国にしろインドにしろ10億を超える人口です。それだけの人間が豊かになりたいという意思を示したのは、
世界経済にとっては初めてのことだと思う。この勢いはすさまじい力になります。
このデマンドを消すことはできないと思います。
以前、米国がくしゃみをすると日本は肺炎になると言われましたが、
中国にとってもサブプライム問題の影響は大きいと思います。
ただ中国には貯蓄があるので、昔の日本のように貿易赤字になれば不景気になって、
外貨がなくなるという状態ではない。自力でモノを買う力があるとすればやはり
デカップリングの方に行くでしょう。
いずれにせよ、ドル離れははっきりしてきたと思います。
後世の歴史家から見れば、今は米国一国で世界経済を支えてきた時代の
終わりの始まりかもしれません。