キムショー専用ちらっと見ました。途中で岸本スレになりかかってましたね。 同時刻に立っていたガイエル専用と比べても健闘していたと思いますw
また少し風が吹き、辺りの木々を、ざあ…と揺らした。彼らは引き続き無言のまま監視にあたっていた…、こういう視界のあまり利かない場所では、物音にも充分に注意を払わなければならない。 これだけ鬱蒼とした森の中で、たとえばスラィリーのような大きなものが近づけば必ず音が出る。それを聞き逃さないように、ということが部隊全員にあらかじめ通達されている。 そのまま、何事もなく20分余りが過ぎた。辺りは相変わらず静まり返っている、時折遠くで鳥の鳴く声がする。 木村はもうすぐ交代の時間だ。次に来るのは誰だろうか…、そんなことを考えつつ、岸本は軽く首を回しながら天を仰いだ。…そのときだった。 木漏れ日の向こう、岸本の視界に、何か黒いものが捉えられた。それが何であるかは、逆光、かつ生い茂った木の葉に遮られて、すぐには判別がつかなかった、しかしそれは猛スピードで…、一直線に落下してきている! 「…あれは」 「ん、どうした」 「昇吾さん!あれっ!!」 …天を指さし、それだけ叫ぶのが精一杯だった。岸本が気づいてから、その落下物が木々の枝をへし折り、そして二人に襲い掛かるまで約2秒。 その2秒の過ぎる間際、岸本はようやく、それが何だか認識した。スラィリーだ。そして、首には人間が跨っている…!! 一瞬早く気づいた岸本は、元々反射神経に優れていたこともあって…、間一髪、身体をひねって飛び退くことができた。しかし…、 「うわっ…、」 「昇吾さんッ!」
木村にその猶予はなかった。ピロピロという恐ろしい声がしたと同時に、木村はスラィリーの太い腕で横薙ぎの猛烈な一撃を食らい、山の斜面を数メートルほども下へと吹き飛ばされた! そして、その一撃をかわしたとはいえ、岸本もまったく危機を脱してはいなかった、マスターを肩に乗せた巨大なスラィリーは目の前だ。 幼少の折、そして2年前、二度の爆撃を奇跡的に逃れて生き延びた岸本も、この時ばかりは死を覚悟した…、 …しかし…、 スラィリーはなぜか両腕を下へと垂らし、そのままピタリと動きを止めた。鼻息荒く、ピロロと鼻を鳴らしている、興奮しているのには間違いない。 だが…、少なくともそこまでの数秒の間、スラィリーは岸本に襲い掛かっては来なかった。どういうことだ。どういうことかはわからないが、来ないのならば…、逃げるしかない! 飛び退くようにして岸本は走り出し、脇目もふらずに木村のもとへと駆け寄った。 「昇吾さん!昇吾さんッ、わかりますか!?」 叫びながら頬を何度か叩くが、反応がない。頭を打ったのか。意識を失っているようだ。鋭い爪で殴られ、腹からの出血がひどい。この人を背負ってこの道なき道を下れるか…、 いや、もしかすると肋骨を折っているかもしれない。もしそうならヘタに動かしては、しかしここに置いて行くのも………。
そこまで考えが巡ったところで、岸本の頭の中を高速で展開していた思考の糸がプツリと途切れた。そして彼は本能的に後ろを振り向いた、そうだ、まずは状況の確認だ。 果たして、スラィリーは、まだその場を動いていなかったが…、マスターはじっとこちらを見下ろしている。岸本は身体が縮み上がるような思いがした、生きた心地がしないとはまさにこのことだ。 なぜ襲って来ないのか。取るに足らないということか。いやまさか、あれほど派手な奇襲を仕掛けてきたのだ、眼中にないなど考えられない。果たして次にはどうする気か。俺を殺すつもりなのか…、 しかし依然としてスラィリー、いや、マスターは何の動きも見せない。岸本から視線を外すことすらしない。…いつでも殺される、そのタイミングは向こうが握っている。 視線を外せば、その瞬間に襲われそうだ。眉間を汗が伝う。しかし…、木村は重傷だ。いつまでも、あるいは殺されるまで、ここで睨みあいをしているわけにはいかない! 「…うらあぁッ!」 岸本は覚悟を決め、乱暴に木村を背負うと、一目散に駆け出した。気絶した人間を運ぶのはある意味では死体を運ぶのと同じで、 自主的に肩を掴むことすらしてくれないため、普通に人を背負って歩くのとは比べ物にならない労力を要する。 しかしこの時の岸本は、いわゆる火事場の馬鹿力の状態にあり、木村を重いとは感じなかった。そして何度も転びそうになりながら、奇跡的に一度も転ばず、どうにか、本隊のいる作業現場へと駆け下りた!
うわぁぁぁぁぁぁマスター出たぁぁぁぁぁぁ
面白すぎる…どうなるんだろう
「キシモト!」 「た、隊長…、」 木々の折れる音がここまで響いていたのだろう。岸本の到着とほぼ同時に、アレックスが駆け寄って出迎えた。 「何があった。スラィリーか」 数回、荒い呼吸をして、それでも息の整わないまま、岸本はアレックスの問いに答える。 「マ…、マスターです!」 「なに…、」 アレックスは一瞬、驚いた顔を見せた。というのは、これを単独行動のスラィリーの仕業、つまり事故の類と踏んでいたからだ。 すぐそばで大規模に展開している本隊を捨て置き、少人数の見張りをいきなり攻撃するとはマスターらしくない…、 しかし、岸本がそう言うのだ。疑っていては始まらない。そのための見張りだ、無駄にしてはならない、躊躇している暇はない! 「撤収!撤収だー!!」 アレックスは持てる限りの大声を出した。そして間もなく運ばれてきた担架に木村が乗せられるのを見届けると、岸本の肩をぽんと叩いた。 「ご苦労だった。君は、怪我は」 「…ありません」 「よし、それなら急いで撤収しろ。遅れるな」 「は、はい!」 岸本は頭を下げると、撤収する本隊とともにまた走り出した。アレックス隊は何度もこういった事態に直面しているので、スラィリーマスターの出現、それに伴う撤収自体には慣れている。 普段より人員が多いとはいえ…、それほど時間はかからない。
その迅速な撤収の様子を…、スラィリーマスター、梵は黙って観察していた。それは森の中からは当然見えないが、彼にはこの山を巡る気が読み取れる。 さあ…と風に砂が流されるように、人が退いていくのがわかる。 「……ヨモギ、落ち着け」 彼は努めて優しい声を出し、すぐ目の前、手の届くところにある頭を撫でた。 「お前は悪くない…」 ヨモギは小さく、ピルルル、と鳴いた。ダラリと無気力に垂れた腕の先、鋭い鉤爪から血が滴っている。人間を殴り、無防備な腹を切り裂いた、その返り血が。 梵はいつものように…、崖の上からアレックス隊の作業現場への接近を試みた。幹英が梵に殺意のないことに気づいたのと同様、 梵もまた、広島自衛隊に自分と戦うつもりがないことには、比較的早くから気づいていた。 しかし、あくまで確証はない。彼はいつも慎重に…、高いところから彼らに近づき、そして安全が確かめられてから威嚇を行ってきた。 そう、目的は威嚇だ。積極的に攻撃を仕掛けてこないのならば、こちらも戦う意思はないのだ。少なくとも、梵本人は…、自分やスラィリーの命を取ろうとするものでなければ、無駄な殺生はしたくない。 それに、相手の性質も考慮したほうがいい。何度威嚇をしても、彼らは懲りずに何度も何度もやってくる。しかし、それならこちらも、何度も何度も追い払えばいいことだ。 何度でもやってくるということは、彼らにも確固たる目的があるということ。多少の殺戮をしたところで、それが曲がるとは思えない。 スラィリーの長老にはわからないことかもしれない、しかし梵は人間だから知っている。軍隊とはそういうものだということを。 だから梵は、今度も、威嚇して追い払えば充分だと思っていたのだ…、 しかし、彼をその肩に乗せたヨモギの考えは違っていた。いや、考えが違うというよりも、認識が違ったと表現したほうが、より正確かもしれない。
ヨモギはあのヒステリックな年寄りと同じく、人ではないから…、軍隊が蟻の行列よりもしつこいものだということを知らない。そしてヨモギは焦っていた。自身の肩に乗せたその大切な人の立場が危ういことを。 梵が時に複数のスラィリーを操り、ゆえに最凶のマスコットマスターとして恐れられているのは、実のところ、他でもない、あの長老の命令によっている。 自身の意志で梵につき従っているのはヨモギだけ。後は命令されているからにすぎない。 つまり、もし長老に愛想を尽かされる、あるいは最悪、本気で怒らせるようなことがあれば、この山のスラィリーはすべて、敵に回ることになる。 そうなれば、梵の桁外れな気の力に加え、体格の恵まれたヨモギが全力で抵抗しても………、 否、長老に逆らうなど、ヨモギには考えられないことだった。そんなことがあってはならない。これらをすべて破綻させず成り立たせるには、どうしても長老の機嫌を取る必要がある。 彼が人間に肩入れしているわけではないということを、どうにか表さなければならないとヨモギは思った。そうは言っても梵は人の身、実際には肩入れをしているのだから、 彼が長老に対しいつも何を弁明しているのか、細かいことはわからないが、いずれにせよ、言葉では足りない。是非、態度で、結果で表さなければ…! その思いつめた瞳が、ふと眼下の森を見下ろしたとき。運悪く、二人の人間がその視界に捉えられた。 そこはいつも自衛隊が作業を行っている場所よりも若干、奥に位置していた。斥候なのだから当然のことだが、それをヨモギが知る由もない。こっちの気も知らないで、またズカズカと入り込んで来ている! その瞬間、ヨモギはマスターの命令なく崖を飛び降りた、居ても立ってもいられなかった。その後の顛末は、先述の通り。 梵が咄嗟にタテガミを掴んで引きとめなければ、おそらくその勢いで、岸本も犠牲になったことだろう。 …梵はそのヨモギの行動を責めなかった。しかし、その梵を悲しませたであろうことを、賢いヨモギはすぐに認識した。安易な行動に出てしまえば、こうなることはわかっていたはず、それにしても…、 ああ、なんと脆い生き物なのだろう。あの一撃で、もう、動かなくなってしまった。その脆さをヨモギは恨めしいと思った。
ヨモギ・゚・(つД`)・゚・
健気だよヨモギ。・゚・(ノД`)・゚・。
・゚・(つД`)・゚・
ヨモギいい奴だな… キムショーの安否も気になるー
川相さん、キャッチャーって試合前に相手打線のデータを暗記したり ピッチャーの状態を見極めたり、それによって組み立て考えたり 試合のない時もコミュニケーション取ったり色々準備が大変なんですよ! ´w`)<ほー、周到に準備しなきゃいけないんだねえ
オチョさん、レッドソックスのコーチ補佐になるとか…とりあえず就職先決まってなによりであります!
ほす
マスターがブログを始めたらしいが背景が黒で怖い・・・
752 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/02(月) 22:27:49 ID:jKBRrlC/0
でも写真のセレクトがw
持久走一位保守
後ろの黒いものはなんだ
ねーらいしーぼってふーりぬけー はーやくすーるどいだきゅうをー とばーせーあすへみーらいへー かーがやけーまえだー
757 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/09(月) 02:36:59 ID:RDUO/3PmO
保守してやらないこともない
゜ 。 ○ ゚ 。 ゚ ○ ゚ 。 o ゜ o 。 ゜ 。 ゚ 。 ゚ 。 o ゚ 。 ┃, ┃/ o 。 ○ ゜ o 。、┃, ┃/_/ ゚ ヽ┃/ ┃/_/_/ ゚ o ゜ 。 ○ oヽ┃/_/ ┃/_/__/ 。 ゚ o ゚ \ヽ_ヽ┃__/_/ ┃/_/__/ o ゚ 。 o 。 ゚ \_ヽ_ヽ┃/__/_/ ┃_/__/ ゜( ヽ ゚ 。 o \__ヽヽ_┃_/__/ ┃__/ 。 ゚ 。 ゚ (⌒,∧∧ ∧_/(⌒) 。 o 。゜ \ヽ_┃__/_/ ┃ `、・ 梵 ・)|´」`,'´ o . 。 . l ┃ ┃、l, o 。 〈、У,〉 (〒ラ) ゚ 。 o ヽ|/ ┃ ┃ .... .... .... .... ^^ ^^ ⌒ o ⌒ ○ .... ○ .... .... .... o o ⌒ ⌒ ○ .... .... .... .... .... ⌒ ⌒ ....Slyly ☆Hazard
かわええ〜癒された!
こっ、これは保守じゃなくて(中略)勘違いしないでよねっ!
761 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/12(木) 13:41:23 ID:lNu1BmqBO
挙げてあげる
762 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/13(金) 23:51:57 ID:wvQ7As+vO
保守してやらないこともない
763 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/13(金) 23:55:52 ID:VAJrJKLtO
レーレーシモン
A
1
あ
さ
だぁ
あさって
さき
レモン
/  ̄  ̄ \ . \ / \ /(●) (●) \ 俺の出番はまだかお? | (__人__) | \ ` ⌒´ / / OGASAWARA 、 ( ) `;. ノl ノl ;' l | | l l ┴ ┴ l
まだ
もう一つ
んだろうな
o ゚ o 。゚ o 。 。 o o ° o 。゚ o 。 。 o o ° _____o___o___ o ゚ o 。゚ o 。 。 o 。 o/ o o 。 o \゚ o 。 o o 。 o ┗━゚━━━━━o━━━゚━━━┛ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄ ̄|o || 。| ̄o .| ̄||| ̄ ̄ ̄||| ̄o ̄ ̄o ̄o | o.// o ゚ o ゚ o ゚ | 。 || ̄ ̄| ̄o ゚.||| o .|||o. | ̄ ̄|。 ゚|// o 。 ゚ 。 o | || ̄|o ゚̄_|_ _||| o|| 。|o. _| ゚ |o ∧,,_∧ ゚ 。 ゚∧∧ .o . ..|o ||。 ̄|o _||| I o ゚ |||  ̄o o 。| [ ー。ー] o [^_^ ]. .o/| ||_o|三三|。_.|||. o ||| o o 。 | ||( o つl====l⊆ 。_)|| 。.//|° ||o_|三三| o||| 。 ||| |[[[[[[[[[[| o| 。||  ̄ || || o ゚||。|| ̄||// o | || 。|| ||o |||゚ 。 |||。 ゚/.―――ヽ└――――――――――――┘。 .o. ̄|| || ゚̄/ ̄ ̄ ̄ ̄\||. ̄ ゚̄ ̄.|| ゚ ̄。 ̄ ゚̄ ̄ ̄ ̄。 ̄ ゚ ̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄ ^~^^: ~^^ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄..~^^^;^;~^~ ;^^..~^ ^;^;^~ ^;^~^. ^~ ^~^..~^ ^;^~^;.^~^^ .~^ ^:^: ^..:^..~^ ^^~ :^..~^ ^:^:^~^.~^.~ :^^~^ ^^~^.~^^.~^~^^ ^^~^.~^^.~^~.^ ^~^ Slyly ☆Hazard
かわいいなw
アジア
小笠原
781 :
代打名無し@実況は野球ch板で :2009/02/17(火) 23:08:00 ID:zmhdS0Q/0
紅白戦で幹英が投げたんだってね。 あー、 もう、 …なんもいえね。 新作はちょっと足踏み状態です。 自分の中で情景がちゃんと浮かんでないまま箇条書きのプロットだけを頼りに強引に進もうとするとすぐ詰まっちゃいますね。難しい。
>>782 作者さんこんばんは〜、もうすぐオープン戦が始まりますね
スラハザから野球に引き込まれ早一年
こんなに楽しい世界を知るきっかけを下さった作者さんに改めて感謝しています。本当にありがとう。
巧い言葉が出てこないのですが、これからもこの物語の綴られていく時間を、楽しみにしています。
784 :
代打名無し@実況は野球ch板で :
2009/02/19(木) 22:55:27 ID:3KAuKk/+O あげちゃお