もちろん、遺伝はメンデルの法則に従い、突然変異など考慮しないし、各遺伝子はお互いに独立で、常染色体上にあるとし、
猫の成長・生殖などには一切影響しない。
もちろん、その1匹をのぞいては全てあかの他人の猫(しかも遺伝的にも全く欠陥がない猫)をランダムに交配したという簡単なモデルだけど。
計算はエクセルで20分くらいでやったので間違っているかもしれん。
優良率 発病率 発病5率
父と母方の祖父が同一の場合 50% 13% 49%
父方の祖父と母方の祖父が同一の場合 25% 6% 28%
父と母方の曾祖父が同一の場合 25% 6% 28%
父方の祖父と母方の曾祖父が同一の場合 13% 3% 15%
父方の曾祖父と母方の曾祖父が同一の場合 6% 2% 8%
父方の高祖父と母方の高祖父が同一の場合 1.6% 0.4% 1.9%
隠れた遺伝病が発現する確率なんて、通常は0.01%もないとされるから、上の値はどれもかなり高い。
それに、純血種の場合は既に血が濃くなっているので、発病率はさらに上がると考えていい。
ざっとみると、発病5率は優良率とほとんど変わらない、むしろ高いくらいという結果がでた。
これは、なんか常識的に考えると非常に意外な結果だが、「優良な毛並みを再現しようと近親交配すること」は、
「何らかの隠れた病気を引き起こそうとすること」と全く同じってことだ。
上の結果を考えると、ただ何となく素人考えで交配するのでは、不幸な猫ちゃんを生み出してしまう。
ちゃんと繁殖する場合は、いかに保因している劣性遺伝子を見抜くか、眼力が問われるのだろう。
血統書のついている猫を漫然と繁殖させるだけで、ブリーダーと名乗っている素人ブリーダーの方は、
このことをちゃんと認識して、ちゃんと知識を身につけていってもらいたい。
ちなみに、保因している劣性遺伝子を見抜くのは不可能に思えるが、遺伝子座の近い別の遺伝子の発現を調べることで、
経験則に近いものであるが、ある程度は可能と思う。
例えばスコの折れ耳は、関節の遺伝病を起こしやすいというのも、この1例だろう。
いいブリーダーさんというのは、こういう知識と経験の積み重ねで、絶妙な交配を重ねているに違いない。
ちなみに、希望があれば、100%猫の登録データを使って発病率を計算するページを作ることも可能だけど、どうしようか?