「日本だけじゃなく、世界を代表するスラッガー
になる素質がある。変なことを考えずに不器用に
なってほしい」と平野打撃コーチ。それで結果が
三振となっても今は仕方がないという。中田自身
も“バット投げ”を反省した。
「あれはやめた方がいいですね。打撃フォームを
崩していく可能性もあるし」。通算87発をかっ飛
ばした高校時代は、これで際どい球をファウルに
してきたが、相手はプロの投手。今後はこの悪癖
を封印し「追い込まれても来た球を打つだけ。自
分の持ち味を出したい」と誓った。
そうと決めれば即行動に移す。全体練習後は左
太腿内転筋を痛めたスレッジの代わりに居残り特
打を敢行すると、中堅から右方向への強い打球を
意識しながら168スイング。サク越え13発をマーク
した。免除されていた夜間練習にも志願参加すると
約1時間、バットを振り続けた。
「練習はきついけど、集中してやれた」。フリー打撃
前には外野席のファンに打球注意を呼びかける“怪物
警報”も発令された。ファンが期待するのはフルスイン
グ。ド派手な一発も、豪快な空振りも18歳の怪物には
似合っている。