○'07の広島はウヒョ〜だぞ○part367

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275代打名無し@実況は実況板で
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「……だってさ。あの記事はウソだ」
緒方は前田にそう言った。
広島の、とある料亭。その個室には二人だけの静かな時間が流れている。
「おま……緒方さんに言われんでもわかっとる、です」
「そう言ったてよ、ここのところお前、ずいぶん落ち込んでるそうじゃないか」
前田は黙って杯に口をつけた後、しばらく考え込むような表情を見せた。
しばらくしてから、彼はようやく口を開く。
「あいつは天性のホームランバッターじゃ。
それなのに、場合によってはチームバッティングに徹することもある。
それはウチが弱いからじゃ。弱いからあいつがそんなことをするんじゃ。
もし、あいつがもっと強いチームの選手だったら
それこそ五十本打ったっておかしくない。
そして、わしはそんなあいつを見てみたいんじゃ」
緒方は杯を乾かした後に言った。
「だったらそんな顔をするな。祝福してやれ」
「でも緒方さん」
前田は大きな声で言う。そしてその目が光っていることに緒方は気がつく。
「緒方さん。わし、寂しいんじゃ。どうしようもなく寂しいんじゃ。
こうしてまた一人、優秀な選手が広島を去る。
そしてわしは、また友達を一人失うんじゃ……」