日本ハム次期監督に、梨田昌孝元近鉄監督が就任

[視点]　非情の人事　逆風選んだ梨田新体制
　中日が「非情の采配」で日本一になった翌日、敗れた日本ハムが「非情の人事」を断
行、ヒルマン体制を支えた白井、淡口、佐藤の３コーチを事実上解任した。シリーズを戦
ったとはいえ、他球団の人事が固まった現時点での突然の通告は批判を免れない。
　「僕は球団のスタイルはわかっているからともかく、他のお２人が気の毒で…」生え抜
きで、次期監督候補ともいわれた白井コーチは語った。「事情はわかる。言い分もあるだ
ろう。ただ、やり方はあるはず。誰がこういう手順ですることをを選んだのか」
　現在のコーチ陣を極力維持するよう望んでいた梨田新監督の姿勢が変化したのは、自
らの招聘に動いていた高田繁前ＧＭのヤクルト監督就任が内定したあたりだった。複数
のコーチのヤクルト移籍が噂されながら、梨田氏の元には詳細な情報が届かなかったと
いう。「どうなっているんだ」不信感を持った梨田氏が態度を一変、球団と検討した結論が
人事の大幅刷新だった。慰留は行わなかったという。
　「厳しかったけれど父親のような存在だった。プロだから割り切れというけれど、結局は
人間関係。新監督の考えもあるんだろうけど…」。解任された当のコーチからの連絡で人
事を知ったある主力選手は寂しげに感想を述べた。また、解任されたコーチを早速キャン
プなどに「取材」名目で招待しようとしている他球団もある。「優勝チームの直近の状況を
給料も払わずに入手できる。選手への指導？大歓迎だ。こんないい話はない」
　確かにコーチ人事は新監督のやりやすい環境を前提に行われるべきものかもしれない。
しかし今回、このような形で移行した梨田新体制は自ら逆風下でのスタートを選択するこ
とになってしまった。