2323バトルロワイヤルルール 2本目

このエントリーをはてなブックマークに追加
795毛道 1/3
デニーとの戦いの後、大沼幸二は未だ砂漠エリアをさまよい歩いていた。
「はあはあ…ここまで逃げりゃあもう大丈夫だろうな」
おもむろに後ろを振り返りつつ呟く。なんとか逃げる事はできたが、強力な武器である
火炎放射器と吉野から奪った高性能フサウターはデニーとの戦いで失ってしまった。
今手元にあるのはもう一つの支給品である2323光線銃。だがこれは一度撃ったら
また撃てるようになるまでしばらくかかるという。
「やれやれ、後はこいつだけでなんとかしなきゃいけないって事か。あ、そうだ」
ポケットから自分のフサウターを取り出し装着する。
「さっき吉野さんのフサウターもらった時に捨てようかと思ったけど、捨てないでよかったなあ」
そう言って辺りを探る。今彼はチームメイトである和田を捜そうとしていた。そう、餌である
彼の脱出条件は和田をこの毛゛ー無に勝ち残らせる事。そうすれば和田共々生還できるのだ。
最初は自分の実力で生き延びるつもりだったが、強力な武器を失ってしまったため作戦変更
を余儀なくされたのである。
「和田さん、どこにいるんだろう。できれば刈られる前に会いたいけど…」
そう言っていた矢先、フサウターが他の参加者の接近を告げた。
「ん?『L5』と『E21』?和田さんだ!」
大沼は喜びの声を上げた。しかもその光点は自分の方へぐんぐん近づいてきている。どうやら
和田がその相手を追いかけているようだ。
「こりゃあいいや、すぐに声かけて合流しよう!」
大沼は和田の方へ小走りで向かっていった。