4/22 東京で調子が戻ってきた
ホークスは東京でいい感じに盛り返してきた。イーグルスにはやられまくったが、東京ドームに
乗り込んで、ファイターズに圧勝した。うまいこと軌道に戻れば、これから走っていけるだろう。
この10日間で9試合のロードがようやく終わった。4勝4敗1分だった。それよりも、我々は
家に帰れるということが嬉しい。私が野球をやっていて辛いことは、遠征が多いことである。
私は家に帰り家族に会えるのを楽しみにしている。たとえそれがほんの数日のことであってもだ。
5月はいい月だ。2週間に渡って、ホームで戦うことができるからだ。
東京は楽しかった。日本に来て以来4度目になるが、東京ドームでプレーするのは初めてだった。
東京ドームを見て、私はミネソタのメトロドームを思い出した。メトロドーム同様白く光る天井で、
フライが上がると見づらいのだ。人工芝は新しく、あたり一面使用されており、私にはプレーしやすい
ものだった。球場内は狭くホームランが出やすいが、これは日本のどの球場でも言えることである。
ファイターズの監督はトレイヒルマンで、日本で5年監督をやっているアメリカ人である。彼は
チームを率いて昨年ついに日本一になった。このことは彼が日本にやって来たときのチームの
状態を考えると非常に注目すべき点である。
トレイは本当にナイスガイである。漢の中の漢ってところか。ぜひとも彼のために働きたく
なるようなやつである。トレイは快く私とバックとアダムを夕食に誘ってくれた。
我々はトレイとヘッドコーチのデーブに東京ドームそばのババ・ガンプ・シュリンプで会った。
楽しいひと時だった。選手であれ監督であれ、別の外国人と会うのは嬉しいことである。できれば
いつもそうありたい。小さな社交クラブのようなものである。1チームには4人までしか助っ人が
所属できないが、私の経験から言えば、お互いを把握することですべてがうまく行くと確信している。
ディナーに行く道すがら我々は珍しい体験をした。ホテルを出たところで、二十歳くらいの若い
女性が二人、我々のうちの3人がホークスの選手だと気がついた。彼女らの興奮と言ったら
これ以上のものはない。すぐさま立ち止まり、我々が歩いているところへ駆け寄ってきた。
一人の女性は、本当にどうしていいか分からないといった態で、口を押さえながらありえない程の
高音のサウンドを発し始めた。
私が野球をやってきてこのかた、このような経験などしたことがなかった。多くのファンに会い、
たくさんサインをしてきたが、このような反応は初めてである。彼女が呼吸できなくなるのではと
少し心配になった。
我々が数百フィート離れてから、彼女らは意を決して我々を捕まえてサインをお願いしてきた。
やっとしゃべれるようになったようである。
日本のファンに関して素晴らしいことのひとつは、彼らが非常に敬意を表してくれることである。
彼らもアメリカのファンと同様エキサイトだが、決して一線は越えたり、不快にさせたりすること
はない。アメリカでは、人々が選手のプライバシーをまったくぞんざいに扱うことがある。このよう
な一件があると、選手がファンにサインをしたくなくなるのである。このようなファンとの嫌な経験は
ご免被りたいものだ。